台東区で離婚問題を弁護士に相談する

スムーズに話し合いが進み、お互いに納得できる条件で離婚できるのであれば、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。しかし、相手と話がしづらい場合や財産分与や養育費などの条件が折り合わない場合には、弁護士を頼ることで法的知識に基づいた交渉を冷静に進めることができます。離婚成立までの時間を短縮できるので、精神的負担を大きく軽減することにつながります。台東区には、離婚に強い弁護士事務所や離婚の相談ができる法律相談窓口が多数存在します。弁護士事務所は初回無料で相談できるところもあるので、まずは自分に合った相談先を見つけましょう。

東京都台東区の特徴と離婚の相談ができる弁護士事務所

東京都台東区は東京都区部の北東部にある特別区で、2024年10月1日時点 の人口は215,535人（男性109,727人・女性105,808人）です。区の面積は23区内で最も狭いものの、区内には上野や浅草といった古くから続く繁華街があり、恩賜上野動物園や上野の森美術館、アメ横センタービル、浅草寺は国内外問わず多くの観光客でにぎわっています。また、江戸時代から商工業の街として知られる台東区には、革製品や貴金属などの製造業、それらの生産や流通を担う問屋や卸売業が集積しており、地場産業が盛んなことも特徴です。 そのため、昔から地域に根差した事業を行っている家系も多数残っています。

上野駅はJR宇都宮線・高崎線・山手線・常磐線快速・京浜東北線など多数の在来線が乗り入れているほか、新幹線の停車駅でもあり、 東北地方にもアクセスしやすいです。上野駅周辺にはショッピングモールや商店街、飲食店が軒を連ねる一方で、駅から浅草方面へ進むと下町情緒あふれる閑静な住宅街が広がります。にぎやかな都会と静けさのある街並みを併せ持つ台東区は、家族連れからシニアまで幅広い世代に人気のある都市です。

2024年10月1日時点で、台東区では台東区の人口215,535人のうち0～14歳の人口が17,645人、15～64歳までが153,359人と65歳以上の人口44,531人を大きく上回る結果となっています。高齢化率は20.6％と全国平均の29％を大きく下回る数値であることも特徴的です。

離婚を考えている若いファミリー世代の場合、持ち家の住宅ローンを含む財産分与や未成年の子どもの親権、養育費などの問題でもめる可能性があります。トラブルが深刻化するようであれば、まずは男女問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。台東区はJR上野駅の周辺に弁護士事務所が多く集まっており、離婚の相談に応じている事務所も多数あります。交通の利便性から近隣都市にもアクセスしやすいため、少しエリアを広げて事務所探しをしてみてもよいでしょう。離婚は非常にプライベートな問題であり、自分とフィーリングが合う弁護士を選ぶことが大切です。初回は無料相談に応じている事務所もあるので、比較検討して自分が安心して任せられる事務所を選びましょう。

• 参考：台東区 令和6年　住民基本台帳による台東区の年齢別人口

東京都台東区の離婚の弁護士相談窓口

台東区で弁護士に離婚の相談をしたい場合、弁護士事務所だけでなく、弁護士会の法律相談センターや法テラスを利用して相談することもできます。法テラスの利用には所得による制限などがあるため、利用の際は詳細をウェブサイトで確認しておきましょう。

東京都台東区周辺の法律相談センター

東京都の3つの弁護士会（東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会）が運営する「法律相談センター」では、離婚に関する相談を有料で受け付けています。台東区周辺には「霞が関法律相談センター」と「錦糸町法律相談センター」があります。相談日時は窓口によって異なり、霞が関法律相談センターは月曜日から金曜日の10時から12時、13時から16時、錦糸町法律相談センターは月・火・金・土曜日の10時から12時、13時から16時、水・木曜日の10時から12時、13時から16時、17時から20時です。電話もしくはインターネットから予約できるため、相談を希望する場合はあらかじめ法律相談センターのウェブサイトで詳細を確認してみてください。　

• 参考：弁護士会の法律相談センター

東京都台東区の法テラス

法テラス（日本司法支援センター）は、国によって設立された法的トラブルに悩む人のための総合案内所です。借金などの金銭トラブル、相続・成年後見、労働問題や離婚・DV、賃貸借契約などあらゆる法的な相談に対応し、適切な相談窓口を案内してくれます。経済的に余裕のない人は、法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立て替え制度を利用することができます。利用には収入等の条件があるので、あらかじめ詳細をウェブサイトで確認しておきましょう。

また法テラスにはサポートダイヤルがあり、オペレーターがお悩みの法的トラブルに対し適切な情報や各種相談窓口を紹介してくれます。利用件数は令和6年3月末の段階で600万件を突破しています。離婚に向けて何をしたらいいのか分からない、という方はまずはオペレーターに相談してみるとよいでしょう。

• 参考：日本司法支援センター法テラス　身近な法的トラブルでお悩みの方

• 参考：日本司法支援センター法テラス上野 アクセス

東京都台東区の女性弁護士による法律相談窓口

台東区では親権、養育費、財産分与など離婚前後の悩みがある女性のために、女性弁護士による無料の法律相談を実施しています。相談時間は1回50分程度で、面談もしくは電話での相談が可能です。予約制なので、相談日や申込方法などを台東区のウェブサイトで確認のうえで利用を検討しましょう。

• 参考：台東区 女性弁護士による女性のための法律相談

東京都台東区で離婚の手続きを進めるには

離婚手続きを進めるためには、まず離婚に関する条件を夫婦で話し合う必要があります。財産分与や養育費などにつき合意できたら、合意内容を記載した「離婚協議書」を作成します。離婚協議書は公証役場で公正証書化しておくと安心です。その後「離婚届」を役所に提出すれば離婚が成立します。また離婚の話し合いがまとまらずに協議離婚が不成立となった場合には、裁判所が関与する裁判離婚へと進みます。

東京都台東区を管轄する家庭裁判所

家庭裁判所では、離婚調停や離婚に関わる審判・裁判に対応しています。台東区の案件を管轄しているのは千代田区にある東京家庭裁判所です。「配偶者と離婚の条件が折り合わない」「相手が離婚したがらず話に応じてもらえない」など夫婦間で話し合っても解決が得られない場合には、まずは家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停申し立ての窓口は「家事訟廷事件係」で、申立手数料として収入印紙1,200円と申立書、3カ月以内に発行された夫婦の戸籍謄本（全部事項証明書）などが必要です。詳細についてはウェブサイトで確認してみるとよいでしょう。

• 参考：東京家庭裁判所

• 参考：裁判所 離婚調停を申し立てる方へ

東京都台東区の行政の窓口

区役所では「離婚届」のほか、「離婚の際に称していた氏を称する届」「入籍届」「住民票の世帯分離」などの各種届出や、国民年金や児童手当などの手続きを受け付けています。「離婚届」を提出したことにより派生するさまざま手続きも忘れずに行いましょう。台東区で離婚届の提出を受け付けているのは、台東区役所1階の戸籍住民サービス課のみ です。受付時間は原則平日8時30分から17時15分です。また、水曜日は19時まで延長しているほか、毎月第2日曜日には9時から17時まで受付しています。 なお、これら以外の時間でも区役所1階の夜間休日受付窓口で離婚届を受け付けているものの、 内容の審査は後日となります。

• 参考：台東区

東京都台東区の公証役場

夫婦間で離婚条件について合意できたら、合意内容を記載した離婚協議書を作成します。離婚協議書の内容は公証役場で公正証書にしておくと、後々のトラブルを回避できるため安心です。離婚が成立した後に、パートナーが養育費や財産分与などの支払いを怠った場合には、強制的に財産や給料などを差し押さえることができるようになります。

• 参考：東京法務局 公証役場一覧

東京都台東区における配偶者からの暴力全般に関する相談先

「性格の不一致」や「異性関係」とともに離婚原因の上位を占めるのが、配偶者からの暴力（DV）や精神的虐待です。

東京都には20カ所以上の配偶者暴力相談支援センターや関連施設があり、各センターには毎年1,000件以上の悩みが寄せられています。台東区では「たいとうパープルほっとダイヤル」にて、配偶者からの身体的暴力や精神的暴力、性的暴力、経済的暴力などに悩む人の相談を無料で受け付けています。予約は不要ですが、面接による相談を希望する場合は予約が必要です。

• 参考：台東区 たいとうパープルほっとダイヤル

東京都台東区における近年の婚姻・離婚の件数

東京都保健医療局の調査によると、台東区の婚姻件数は2018年（平成30年）から2022年度（令和4年）の5年間にかけて1,788組、1,921組、1,719組、1,665組、2,029組と推移しており、また離婚件数は382組、397組、309組、329組、331組と推移しています。特殊離婚率（年間の離婚件数を婚姻件数で割った値）は21.3％、20.6％、17.9％、19.7％、16.3％と、「3組に1組は離婚する」と言われる時代のなかでも低い値で推移しています。この数値は、東京都の令和4年度の特殊離婚率25.6％（婚姻件数75,179組、離婚件数19,255組）よりも大幅に低い数値となっています。また2020年から2021年にかけては婚姻件数の減少が顕著に見られましたが、これはコロナ禍の影響により婚姻が先送りにされていたことが要因として考えられます。コロナ禍が落ち着いてきた2022年には婚姻件数が跳ね上がっており、令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症が「５類感染症」に移行したことからも、今後さらに増加する可能性があります。

• 参考：東京都保健医療局 人口動態統計 年次推移（区市町村別）『婚姻・離婚件数（平成14年～令和5年）』

• 参考：令和4年 東京都人口動態統計年報（確定数）のあらまし p.5

※本テキストは2024年12月の情報に基づいています