江戸川区で離婚問題を弁護士に相談する

スムーズに話し合いが進み、夫婦がお互いに納得できる条件で離婚ができれば、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。しかし、相手と顔を合わせたくない場合や財産分与や養育費などの条件が折り合わない場合には、弁護士を頼ることで法的知識に基づいた交渉を冷静に進めることができます。離婚成立までにかかる時間を短縮できるので、精神的負担を大きく軽減できるでしょう。江戸川区には、離婚に強い弁護士事務所や離婚の相談ができる法律相談窓口が多数存在します。弁護士事務所は初回無料で相談できるところもあるので、まずは自分に合った相談先を見つけましょう。

東京都江戸川区の特徴と離婚の相談ができる弁護士事務所

東京都江戸川区は東京都区部の東部に位置し、2024年12月1日現在の人口は693,921人（男性349,126人・女性344,795人）となっています。 区内にはJR総武線・京葉線、都営新宿線、東京メトロ東西線、京成本線が通っており、東京や新宿といった都心へのアクセスも良好です。

また、区の東西に江戸川・旧江戸川と荒川、南には東京湾と豊かな水辺に囲まれる江戸川区には、東京都内唯一のラムサール条約登録湿地である「葛西海浜公園 」があります。ほかにも、モルモットやウサギなどさまざまな動物と触れ合える「江戸川区自然動物公園 」や、水辺の生物観察や自然科学実験など子どもたちの学びを深めるイベントを多数開催している「子ども未来館 」など、豊富な自然環境を活かした施設も多数あります。このように、都市と自然が共存する江戸川区は子育てがしやすい街としてファミリー世代から人気の高い区です。

2024年12月1日現在、江戸川区では人口693,921人のうち0～14歳の人口が79,644人、15～64歳までが467,428人と、65歳以上の人口146,849人を大きく上回る結果となっています。高齢化率は21.1％と、全国平均の29％よりも大幅に低い数値となっています。

離婚を考えている若いファミリー世代の場合、持ち家の住宅ローンを含む財産分与や子どもの親権、養育費の問題でもめる可能性があります。トラブルが深刻化するようであれば早めに弁護士に相談することをおすすめします。江戸川区は葛西駅や西葛西駅の周辺に弁護士事務所が集まっており、離婚の相談に応じている事務所も多数あります。交通の利便性から近隣都市にもアクセスしやすいため、少しエリアを広げて事務所探しをしてみてもいいでしょう。離婚は非常にプライベートな問題であり、自分とフィーリングが合う弁護士を選ぶことが大切です。初回は無料相談に応じている事務所もありますので、比較検討して自分が安心して任せられる事務所を選びましょう。

• 参考：江戸川区 町丁目別世帯と人口・年齢別人口報告〈2024年度〉

東京都江戸川区の離婚の弁護士相談窓口

江戸川区で弁護士に離婚について相談したい場合、弁護士事務所だけでなく、弁護士会の法律相談センターや法テラスを利用して相談することもできます。法テラスの利用には所得などによる制限があるため、利用の際は利用条件をウェブサイトで確認しておくとよいでしょう。

東京都江戸川区周辺の法律相談センター

東京都の3つの弁護士会（東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会）は都内各地に「法律相談センター」を設置し、弁護士による有料相談を行っています。江戸川区周辺には墨田区の「錦糸町法律相談センター」があり、離婚に関する相談は月・火・金・土曜日の10時から12時、13時から16時、水・木曜日の10時から12時、13時から16時、17時から20時まで受け付けています（祝祭日を除く）。相談は予約制で、電話もしくはインターネットによる予約が可能です。有料ではあるものの弁護士が法律に基づいたアドバイスをしてくれるため、まずはこうした窓口を利用するのも一つの方法です。　　

• 参考：錦糸町法律相談センター

東京都江戸川区周辺の法テラス

法テラス（日本司法支援センター）は国によって設立された法的トラブルに悩む人のための総合案内所です。借金などの金銭トラブル、相続・成年後見、労働問題や離婚・DV、賃貸借契約などあらゆる法的な相談に対応し、適切な相談窓口を案内してくれます。また経済的に余裕のない方は、法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立て替え制度を利用することができます。利用には収入等の条件があるので、詳細は法テラスのウェブサイトで確認しておきましょう。

また法テラスにはサポートダイヤルがあり、オペレーターがお悩みの法的トラブルに対して公的機関の各種相談窓口などを紹介してくれます。利用件数は令和6年3月末の段階で600万件を突破しています。離婚に向けて何をしたらいいのか分からない、という方はまずはオペレーターに相談してみるといいでしょう。

• 参考：日本司法支援センター法テラス　身近な法的トラブルでお悩みの方

• 参考：日本司法支援センター法テラス「東京都」

東京都江戸川区のひとり親家庭を対象とした相談窓口

江戸川区では区内在住で20歳未満の子どもがいるひとり親の人を対象に、子育てや生活に関する相談に応じる「ひとり親相談室すずらん」を開設しています。人権・男女共同参画推進センターと区役所2階児童家庭課の2カ所に相談窓口を設けており、対面だけでなく電話やオンラインでの相談も可能です。相談日時などの詳細は江戸川区のウェブサイトからご確認ください。

• 参考：江戸川区 ひとり親相談室すずらん

東京都江戸川区で離婚の手続きを進めるには

離婚手続きを進める場合、まず離婚に関する条件を双方で話し合う必要があります。財産分与や慰謝料など、各条件につきお互い納得できたら、合意内容を記載した「離婚協議書」を作成します。離婚協議書は公証役場で公正証書化しておくと安心です。その後「離婚届」を役所に提出すれば、無事離婚が成立します。もし離婚の話し合いがまとまらず協議離婚が不成立となった場合には、裁判所が関与する離婚調停や離婚裁判での離婚をめざすことになります。

東京都江戸川区を管轄する家庭裁判所

家庭裁判所は離婚調停、離婚に関わる審判や裁判に対応しています。江戸川区の案件を管轄しているのは千代田区にある東京家庭裁判所です。「配偶者と離婚の条件が折り合わない」「相手が離婚したがらず話に応じてもらえない」など夫婦間で話し合っても解決が得られない場合には、まずは家庭裁判所への調停申立てを検討することになります。調停申し立ての窓口は「家事訟廷事件係」で、申立手数料として収入印紙1,200円と申立書、3カ月以内に発行された夫婦の戸籍謄本（全部事項証明書）などが必要です。詳細については裁判所のウェブサイトで確認してみましょう。

• 参考：東京家庭裁判所

• 参考：裁判所 離婚調停を申し立てる方へ

東京都江戸川区の行政の窓口

区役所では、「離婚届」のほか「離婚の際に称していた氏を称する届」「入籍届」「住民票の世帯分離」などの各種届出や、国民年金や児童手当などの手続きを受け付けています。「離婚届」を提出したことにより派生するさまざま手続きも忘れずに行いましょう。江戸川区では、区役所本庁舎と各事務所の戸籍住民係で離婚届の提出を受け付けています。受付時間は平日8時30分から17時まで、本庁舎のみ第1・第3水曜日は19時30分までとなっています（いずれも祝日、12月29日から1月3日を除く）。この時間以外でも区役所警備室と各区民館で離婚届の預かり業務をしているため、仕事や育児で忙しい人でも届け出がしやすいで しょう。

• 参考：江戸川区

• 参考：江戸川区 区役所・事務所・区民館

東京都江戸川区の公証役場

夫婦間で離婚に関する条件に合意できたら、合意内容を記載した離婚協議書を作成します。離婚協議書の内容は公証役場で公正証書にしておくと、後々のトラブルを回避できるため安心です。離婚が成立した後に、パートナーが養育費や財産分与などの支払いを怠った際には、強制的に財産や給料などを差し押さえることができます。

• 参考：小岩公証役場

東京都江戸川区における配偶者からの暴力全般に関する相談先

「性格の不一致」や「異性関係」とともに、離婚原因の上位を占めるのが配偶者からの暴力（DV）や精神的虐待です。

東京都には20カ所以上の配偶者暴力相談支援センターや関連施設があり、各センターには毎年1,000件以上の悩みが寄せられています。江戸川区では配偶者暴力相談センターでDVに関する電話相談を受け付けているほか、「江戸川区DV相談室」にて電話・面接相談を実施しています。相談受付日時はいずれも平日9時から17時です（祝日、年末年始を除く）。なお、「江戸川区DV相談室」の面接相談は予約制で、女性限定となっています。

• 参考：江戸川区 暴力（DV）に関する相談

東京都江戸川区における近年の婚姻・離婚の件数

東京都保健医療局の調査によると、江戸川区の婚姻件数は2018年（平成30年）から2022年度（令和4年）の5年間にかけて3,784組、3,763組、3,167組、3,097組、3,230組と推移しています。また、離婚件数は1,380組、1,279組、1,165組、1,154組、1,090組と推移しています。特殊離婚率（年間の離婚件数を婚姻件数で割った値）は36.4％、33.9％、36.7％、37.2％、33.7％とおおむね「3組に1組は離婚する」と言われる時代を反映する数値となっており、東京都の令和4年度の特殊離婚率25.6％（婚姻件数75,179組、離婚件数19,255組）よりも高くなっています。2020年から2021年にかけては婚姻件数の減少が顕著に見られましたが、これはコロナ禍で人との接触が減ったことや婚姻の先送りが要因として考えられます。コロナ禍が落ち着いた2022年には婚姻件数が増加しているものの、少子高齢化や結婚意欲の減退などにより完全な回復には至らない可能性が予想されます。

• 参考：東京都保健医療局 人口動態統計 年次推移（区市町村別）『婚姻・離婚件数（平成14年～令和5年）』

• 参考：令和4年 東京都人口動態統計年報（確定数）のあらまし p.5

※本テキストは2024年12月の情報に基づいています