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1. 結論:住宅ローン返済中の家でも離婚時に売却は可能!
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1-1. 売却には「引き渡し時のローン完済」と「抵当権抹消」が必要
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1-2. まずは査定で「売却価格」と「ローン残高」を比較する
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2. アンダーローンなら通常売却が可能
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2-1. 特例を利用すれば売却益にかかる税金を節税できる
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2-2. どちらかが多く受け取りすぎると贈与税が発生する
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3. オーバーローンなら通常売却は難しい
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3-1. ローンの残債分を一括返済してから売却する
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3-2. 一括返済ができない場合は「任意売却」を検討する
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4. 離婚時にローン中の家を売却する手順
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4-1. 名義は単独か共同かを確認する
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4-2. 住宅ローンの残債を確認する
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4-3. 不動産会社に家の査定を依頼する
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4-4. 売却方法を決定する
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4-5. 金融機関に連絡と相談をする
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4-6. 不動産会社と媒介契約(売却活動開始)
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4-7. 売買契約と引き渡し・完済
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5. 離婚時にローン中の共有名義の家を売却する際の注意点
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5-1. 共有名義の場合は原則として共有者全員の同意が必要
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5-2. 離婚後も住宅ローンの支払い義務はなくならない
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5-3. 離婚前に売るか離婚後に売るかで進めやすさが変わる
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5-4. 売却費用や税金も見込んで資金計画を立てる
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5-5. 離婚しても連帯保証人から抜け出すことはできない
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5-6. 離婚後もローン返済中は名義変更が難しい
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6. 離婚を機に住宅ローン中の家を売却することに関するよくある質問
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7. まとめ|住宅ローン中に離婚するなら、査定額と残債の確認からはじめよう
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1. 結論:住宅ローン返済中の家でも離婚時に売却は可能!
結論から言うと、離婚時に住宅ローンの返済が終わっていない家でも売却は可能です。ただし、売却するには一定の条件を満たす必要があります。
1-1. 売却には「引き渡し時のローン完済」と「抵当権抹消」が必要
住宅ローン返済中の家でも売却は可能ですが、買主へ物件を引き渡すタイミングまでに、残りのローンを完済し、抵当権を抹消することが条件です。
法律上は抵当権がついたままの売却も禁止されていませんが、現実ではまず買い手がつきません。前の所有者のローンが残った状態では、万が一返済が滞った場合に金融機関から家を差し押さえられ、競売にかけられてしまうリスクがあるからです。
また、住宅ローンの契約上も、無断で名義変更することは規約違反にあたり、一括返済を求められる危険があります。
「では、手元に完済できる現金がないと家は売れないのか?」と不安に思われるかもしれませんが、ご安心ください。実際の不動産取引では、物件の引き渡しと買主からの代金受領、そしてローンの完済・抵当権抹消はすべて同時進行で行うのが一般的です。
つまり、家の売却代金をローンの返済に充てることが可能です。
ただし、家の売却代金だけではローンを完済しきれないオーバーローンの場合は、不足分を自己資金で補填するか、住み替えローンなどを利用して完済する必要があります。
1-2. まずは査定で「売却価格」と「ローン残高」を比較する
ローン残債がある家の売却では、家の売却価格が現在のローン残高を上回っている「アンダーローン」なのか、下回っている「オーバーローン」なのかによって、その後に取るべき対応が異なります。
そのため、まずは不動産会社に査定を依頼し、提示してもらった売却価格と現在のローン残高を比較することが重要です。
不動産会社への査定は、現実的な売却相場を把握するためにも、なるべく複数社に依頼するようにしましょう。1社だけの査定では、その査定額が適正価格であるかが判断できないためです。
なお、現在のローン残高は金融機関から送付される「返済予定表」で確認できます。残債は売却益でカバーできるか判断するためにも、査定と同時に確認しておくことをおすすめします。
2. アンダーローンなら通常売却が可能
家の売却価格が住宅ローンの残高を上回っている「アンダーローン」の場合は、住宅ローンの残債がない家と同様に、通常売却が可能です。
アンダーローンであれば、家の売却代金のみで住宅ローンを完済できると同時に抵当権を抹消できます。ちなみに、抵当権抹消手続きは司法書士が行うのが一般的です。
住宅ローンを完済した後に残った現金は、離婚時の財産分与として夫婦で分け合うことも可能です。最終的に手元に残った現金を1円単位で細かく分配できるため、公平な財産分与を実現できます。
2-1. 特例を利用すれば売却益にかかる税金を節税できる
アンダーローンの状態で家を売却する際に、特例を利用すれば売却益にかかる税金を節税できます。
不動産の売却で利益が生じた場合は、その利益に対して「譲渡所得税」が課されます。しかし、以下の要件を満たしていれば、家の所有期間にかかわらず、売却益から最高3000万円まで控除できる特例の利用が可能です。
マイホームの所有者自身が現在住んでいる家屋か、住まなくなってから3年を経過する日に属する年の12月31日までに売却する家屋であること
売却した年、その前年および前々年にこの特例やマイホームの買い替えの特例などの適用を受けていないこと
親族や同族会社など特別な関係にある相手への売却ではないこと
本来であれば譲渡所得税が課される状況でも、この3000万円の特別控除を利用することで、譲渡所得税が発生しない、または大幅に軽減される可能性があります。
なお、3000万円の特別控除を利用するには、要件を満たしたうえで家を売却した翌年に確定申告する必要があります。適用可否の判断や計算方法は複雑になる場合もあるため、不明点がある場合は税理士などの専門家に確認しておくと安心です。
2-2. どちらかが多く受け取りすぎると贈与税が発生する
住宅ローン完済後に残った現金を財産分与する際、どちらか一方が多く受け取り過ぎてしまうと、贈与税が課されるリスクがあります。離婚時の財産分与は、原則として贈与税の課税対象にはなりません。
財産分与は婚姻中に夫婦が協力して築き上げた共有財産をそれぞれの貢献度に応じて分配する作業であり、相手から無償で財産をもらう「贈与」とは根本的に性質が異なるためです。
ただし、夫婦のどちらか一方の取り分が多すぎる場合は、貢献度を超過する部分が夫婦間の贈与とみなされ、その超過分に対して贈与税が課される可能性があります。
贈与税の課税リスクを回避するためには、財産分与の原則である「2分の1」の割合を大きく超えないように現金を分け合うことが重要です。
もし、どちらか一方が多く受け取る場合には、万が一税務署から指摘を受けた際にも正当性を説明できるよう、具体的な根拠を離婚協議書に明記しておくと安心です。
また、民法上では財産分与の請求権が離婚成立から2年で消滅する「除斥期間」が定められているため、請求や話し合いは原則として離婚後2年以内に行う必要があります。
そのため、分配内容だけでなく、手続きを行うタイミングについても注意が必要です。
3. オーバーローンなら通常売却は難しい
家の売却価格が住宅ローンの残高を下回っている「オーバーローン」の場合は、アンダーローン時よりも通常売却のハードルが高くなります。家の売却代金のみでは住宅ローンを完済できないため、手元の貯金などで不足分を補填する必要があります。
不足分を補填できなければ、抵当権を抹消できないため、原則として通常売却はできません。この場合は、「任意売却」という特殊な売却方法を検討する必要があります。
3-1. ローンの残債分を一括返済してから売却する
オーバーローンの状態では、家の売却代金のみで住宅ローンを完済できず、抵当権も抹消できないため、通常の売却手続きは進められません。
通常売却を行うためには、家の売却代金では足りない分を自己資金や他の借入手段によって補填し、引き渡しまでにローンの残債を一括返済する必要があります。ローンの残債分を一括返済できない場合は、抵当権の抹消ができないため、原則として通常売却は行えません。
3-2. 一括返済ができない場合は「任意売却」を検討する
手元に資金がなく、ローンの残債を一括返済できない場合は「任意売却」を検討してみましょう。任意売却とは、ローンの返済が困難な場合に金融機関からの同意を得て抵当権を抹消してもらい、家を売却する手続きのことです。
オーバーローンで住宅ローンを完済できない状況でも、任意売却を認めてもらえれば、仲介業者を利用した通常売却が可能になります。一般市場で家を売却できるため、競売よりも高値での売却も期待できます。
ただし、任意売却を進めるためには、以下の要件をクリアしなければなりません。
債権者(金融機関)の同意を得ていること
連帯保証人の同意を得ていること
共有者全員の同意を得ていること
売却活動を行う時間的な余裕があること
税金や社会保険料の滞納により家が差し押さえられている場合、役所と交渉して売却代金からの納付を条件に「差し押さえの解除」に合意してもらえること
※なお、管理費や修繕積立金を滞納していても任意売却は可能ですが、滞納額が膨らむと債権者から同意が得られない恐れがあるため注意が必要です。
これらの要件をクリアできなければ、任意売却を進められないため、家の売却が難しくなります。
ただし、無事に任意売却ができたとしても、家の売却代金のみでは住宅ローンを完済できないため、任意売却後も住宅ローンの名義人は残債の支払いを続けなければなりません。
残債の支払いを滞納してしまうと、一括返済の請求や財産の差し押さえのリスクが再び生じます。このようなリスクを回避するためにも、金融機関と相談したうえで無理のない返済計画を立てることが大切です。
任意売却では金融機関との高度な交渉ノウハウが不可欠であるため、任意売却の実績が豊富な不動産会社や、法的な観点からサポートを受けられる弁弁護士に相談することをおすすめします。
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4. 離婚時にローン中の家を売却する手順
離婚時にローン中の家を売却する際には、「家の名義」「住宅ローンの残債」「家の査定額」を把握したうえで、現在の状況に適した売却方法を選択することが重要です。
これらを正確に把握しておかないと、「売却したいのに手続きが進められない」「想定外のオーバーローンによってその後の資金計画が狂う」といった深刻なトラブルが生じるリスクがあります。
ここからは、離婚時にローン中の家を売却する手順について詳しく解説していきます。
4-1. 名義は単独か共同かを確認する
離婚時にローン中の家を売却する際は、まず家の名義が「単独」「共同」のどちらであるか確認しましょう。家の売却手続きは、登記上の名義人が行うのが一般的です。
家が単独名義である場合、名義人であれば本人の意思のみで売却活動を単独で進められます。名義人でなければ無断で売却手続きを進められないため、名義人からの同意を得なければなりません。
家が夫婦の共有名義である場合、家全体を売却するのであれば夫婦双方の同意が原則必要です。
相手が売却に反対している場合や、音信不通で同意が取れない場合は、家全体の売却活動が進められません。
家の名義が曖昧なままでは、「売却活動の途中で手続きが止まってしまう」といった問題を招きかねないため、家の名義は正確に把握しておくことが重要です。
家の名義人は、登記事項証明書の権利部(甲区)に記載されています。登記事項証明書は、全国の法務局の窓口、郵送、オンラインで取得できるので、名義がわからない場合は確認しておくとよいでしょう。
4-2. 住宅ローンの残債を確認する
前述のとおり、ローン中の家の売却では、住宅ローンの完済と抵当権の抹消が必要です。アンダーローンの場合は残債のない家と同様に問題なく売却手続きを進められますが、オーバーローンの場合は不足分を補填するための資金の確保や任意売却といった特別な対応を取らなければなりません。
アンダーローンとオーバーローンのどちらに該当するのか見極めるためにも、まずは現時点で住宅ローンがどれくらい残っているのかを正確に把握しておく必要があります。住宅ローンの残債は、金融機関から送付される「返済予定表」で確認できるので、必ず確認しておきましょう。
4-3. 不動産会社に家の査定を依頼する
住宅ローンの残債を把握したら、不動産会社に家の査定を依頼し、市場で家がどの程度の価格で売却できるのか確認しましょう。住宅ローンの残債と売却相場が分かれば、「アンダーローン」か「オーバーローン」のどちらに該当するのかの見通しが立ちます。
不動産会社へ査定を依頼する際は、複数社に査定を依頼することをおすすめします。不動産会社の査定額は、各社の独自の基準によって算出されるため、不動産会社によって査定額に大きな差が生じることも珍しくありません。
1社のみの査定では、どの査定額が適正であるのかを判断する材料が乏しく、いざ売りに出したときに「まったく買い手がつかない」「売却価格がローン残債を下回ってしまった」という事態を招く恐れがあります。
複数社に査定を依頼すれば、査定額を比較することで客観的な市場価値をより正確に把握できるため、その後の売却方針を的確に判断できます。
4-4. 売却方法を決定する
住宅ローンの残債と査定額を把握したら、夫婦で話し合って状況に応じた売却方法を決定しましょう。「アンダーローン」か「オーバーローン」かによって、選択すべき売却方法や戦略が大きく異なります。
【アンダーローンの場合】
前述のとおり「アンダーローン」の状態であれば、家の売却と同時に抵当権を抹消できるため、通常売却ができます。通常売却の方法は「仲介」「買取」の2種類ありますが、まずは仲介業者を利用して市場で売却するのが基本です。
仲介であれば市場価格とほぼ同等の価格での売却に期待できるため、住宅ローンを完済した後、少しでも多くのお金を手元に残せる可能性が高まります。
一方で、仲介では買主を探すのに時間や労力がかかるほか、売却活動の長期化や価格の下落、売れ残りのリスクも考慮する必要があります。仲介で成約までに要する期間は3カ月から6カ月程度が一般的です。
しかし、立地や建物の状態などによっては、成約までにそれ以上の時間を要したり、大幅に値下げせざるを得なかったりするケースも少なくありません。
もし、家の売却を急いでいる場合や成約に至る見込みが低い場合は、買取業者へ直接売却する「買取」も視野に入れておきましょう。
買取での売却価格は市場価格の6割から8割程度に留まりますが、仲介のような売却活動が不要であるため、数日から1カ月程度での売却も可能です。
【オーバーローンの場合】
「オーバーローン」の場合は、家の売却代金のみで抵当権を抹消できないため、通常売却は進められません。そのため、「不足分を補填して通常売却」か「任意売却」のいずれかを検討することになります。
貯金や親族からの援助などで不足分を補填できる場合は、引き渡し時に住宅ローンを全額返済することで抵当権を抹消できるため、通常の不動産取引として売却を進められます。不足分を補填できない場合は通常売却ができないため、任意売却の検討が必要になります。
オーバーローンで不足分を補填できず、任意売却もできない場合は売却自体ができないため、アンダーローンになるまで家を所有したまま返済を続けるしかありません。
4-5. 金融機関に連絡と相談をする
家の売却方法が決まったら、住宅ローンを借りている金融機関へ連絡し、家の売却代金で住宅ローンを完済する旨を伝えます。オーバーローンの場合は、不足分の具体的な補填方法を提示するか、任意売却の相談をして、金融機関から承諾を得る必要があります。
家の売却が可能である場合は、決済・引き渡し日までに抵当権の抹消が行えるよう、必要書類を準備しておきましょう。売主側で準備する必要がある主な書類は以下の通りです。
抵当権抹消登記申請書(司法書士が作成する場合は不要)
登記識別情報(登記済証)
実印と印鑑証明書(発行日から3カ月以内のもの)
本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
住民票(登記簿上の住所と現住所が異なる場合)
抵当権抹消登記には以下の書類も必要になりますが、これらは住宅ローンの完済時に金融機関から交付されるため、売主が準備する必要はありません。
抵当権者の登記識別情報(登記済証)
登記原因証明情報(抵当権解除証書・弁済証書)
代理権限証明情報(抵当権者の委任状)
また、仲介手数料や登記費用などの諸費用や、不足分を補填するための返済資金の準備も忘れずに行いましょう。
4-6. 不動産会社と媒介契約(売却活動開始)
金融機関に連絡した後は、家の売り出し価格を夫婦で話し合って決めたうえで、信頼できる不動産会社と媒介契約を結びます。売り出し価格は不動産会社の査定額を参考にしつつ、住宅ローンの完済に必要な金額を最低ラインとして設定することが重要です。
媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
|---|---|---|---|
依頼できる社数 | 1社のみ | 1社のみ | 制限なし |
契約期間 | 3カ月以内 | 3カ月以内 | 制限なし |
業務報告の頻度 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 報告義務なし |
自己発見取引 | 不可 | 可 | 可 |
売主側の制限が厳しい契約ほど、不動産会社が売却活動を積極的に行ってくれる傾向にあります。媒介契約を結んだ後は、不動産会社がポータルサイトやチラシなどに物件情報を掲載し、購入希望者を募ります。
購入希望者が見つかれば、実際に物件を見学してもらう「内覧」を行います。内覧を経て購入希望者から「買付証明書」が提出された場合は、売買価格や引き渡し時期などの最終調整に移ります。
4-7. 売買契約と引き渡し・完済
売買価格や条件について双方が合意した場合は、売買契約の締結に移ります。売買契約が締結された後は、契約時に定めた決済・引き渡し日に住宅ローンの完済と物件の引き渡しを行います。当日は以下のものが必要になるため、忘れずに持参しましょう。
登記識別情報(登記済証)
固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書
抵当権抹消登記申請書(司法書士が作成する場合は不要)
実印と印鑑証明書(発行日から3カ月以内もの)
本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
住民票(登記簿上の住所と現住所が異なる場合)
売却代金の受領を確認できるもの(通帳、キャッシュカードなど)
引き渡しに必要なもの(鍵、建築確認済証、図面一式、付帯設備の取扱説明書など)
売却代金を受領して住宅ローンを完済し、鍵や関連書類を買主に引き渡した後は、抵当権抹消登記と所有権移転登記を行います。
これらの登記は、不動産会社が手配した司法書士が行うのが一般的です。所有権移転登記を申請した後、家の名義が買主へ正式に変更されれば、これで売却手続きは完了です。
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5. 離婚時にローン中の共有名義の家を売却する際の注意点
ローン中の家が夫婦の共有名義である場合、単独名義よりも売却の合意形成や手続きが複雑になります。ここからは、共有名義の家を売却する際の注意点について解説していきます。
5-1. 共有名義の場合は原則として共有者全員の同意が必要
共有名義とは、複数人が名義人となっている不動産のことで、夫婦どちらも名義人となっている場合も該当します。家が共有名義である場合、家全体を売却するには原則として共有者全員の同意が必要です(民法第251条)。
以下のようなケースでは、たとえその配偶者の持分割合が少なくても、共有者である以上、法的な同意要件を満たせないため、原則として売却手続きを進められません。
配偶者が売却に反対している
配偶者が行方不明、音信不通などで売却の意思を確認できない
配偶者が認知症や知的・精神障害などにより、判断能力が不十分な状態にある
仮に同意を得ずに売却手続きを進めたとしても、売買契約や所有権移転登記の際に共有者全員の署名や実印、必要書類が揃わないため、その時点で手続きがストップしてしまいます。
自分の持分のみであれば他の共有者の同意がなくても売却することは可能ですが、持分のみの売却は買い手が限定されるうえ、価格も市場価格より低くなる傾向です。そのため、現実的には専門の買取業者などが主な売却先となります。
また、新たな共有者が加わることでトラブルに発展するリスクもあるため、可能であれば共有者同士で協力して家全体を売却するのが理想です。
そのため、共有名義の家を売却する場合は、離婚時の協議であらかじめ売却方針を合意し、協力体制を整えておくことが重要です。
なお、配偶者が行方不明・音信不通である場合は「不在者財産管理人」、認知症などで判断能力が不十分な状態にある場合は「成年後見人制度」といった裁判上の手続きを利用する必要があります。
5-2. 離婚後も住宅ローンの支払い義務はなくならない
前述のとおり、住宅ローンが残ったまま離婚した場合、離婚後も住宅ローンの支払い義務は消滅しません。
住宅ローンはあくまで金融機関との間で交わされた契約です。夫婦間の身分関係の変化である離婚とは無関係であるため、離婚によって住宅ローンの名義人が自動的に変わることはありません。
住宅ローンがペアローンや連帯債務型である場合、夫婦双方が債務者であるため、離婚後は夫婦双方に支払い義務が残ります。たとえ離婚時に「自分のローンは相手が全額肩代わりする」といった合意をしていても、これはあくまで夫婦間の約束事に過ぎないため、本来の支払い義務は免除されません。
もし、住宅ローンの名義人が支払い不能となった場合は、最終的に家が競売にかけられるリスクが生じます。競売による売却価格は、市場価格の5割から7割程度にとどまるため、通常売却よりもローン残債が減らず、売却後も支払い義務が残ってしまうという深刻な事態を招きかねません。
住宅ローンが相手の単独名義や夫婦の共有名義である場合は、相手の不払いによる競売リスクを抱えることになるため、離婚後に家の売却を検討している場合は注意が必要です。
5-3. 離婚前に売るか離婚後に売るかで進めやすさが変わる
住宅ローンが残っている家を売却する場合、その売却のタイミングが離婚の成立前か後かによって、実務上の進めやすさは大きく異なります。
一般的には離婚前に家を売却した方が、売却手続きがスムーズに進みやすく、将来的なトラブルのリスクも最小限に抑えることが可能です。離婚前であれば、夫婦が一緒に生活を送っているか、少なくとも離婚後よりは連絡が取りやすい状況にあるため、売却の合意形成や売却活動が迅速に進みやすいです。
たとえ夫婦関係が悪化していても、離婚前であれば「早く家を売却し、金銭問題をきちんと清算してから離婚したい」という目的意識がお互いに働きやすいです。そのため、協力体制を築きやすい傾向にあります。
一方、離婚して夫婦関係が解消された後だと、音信不通で相手と連絡が取れなくなったり、「単に面倒くさいから」「元配偶者と関わりたくない」ということで売却を拒絶されたりする可能性が高まります。
また、家の売却が完了するまでは、離婚後も共有名義の家の管理や金銭負担を巡るトラブルのリスクを抱え続けることになります。
そのため、離婚後も円満な関係を継続でき、かつ離婚後でなければ売却できない特別な事情がある場合を除き、家の売却は離婚前に完了させておくのがベストです。
離婚前に住宅ローンを完済して家を売却すれば、家の権利関係や住宅ローンの契約上の関係もきっぱりと清算できます。加えて財産分与の話し合いも離婚前に済ませられるため、離婚後の生活に金銭的な不安や元配偶者とのしがらみを持ち越さずに済むのもメリットです。
ただし、離婚が法的に成立する前に売却代金を夫婦で分けて口座に移してしまうと、財産分与ではなく夫婦間の贈与とみなされ、贈与税が課されるリスクがあります。話し合い自体は離婚前に行っても、現金の分配は離婚届を提出した後に行うか、離婚協議書で「財産分与の先渡し」であることを明記するなどの対応が必要です。
5-4. 売却費用や税金も見込んで資金計画を立てる
ローン中の家の売却では、売却費用や税金も見込んで資金計画を立てることが重要です。家の売却代金は、すべて手元に残るわけではありません。家の売却では仲介手数料や登記費用(登録免許税・司法書士報酬)などの諸費用がかかるほか、利益が出た場合は譲渡所得税が課されます。
住宅ローンの残債は、売却代金からこれらの売却費用や税金を差し引いた残りの現金で返済することになります。
不動産会社の査定額だけを鵜呑みにし、売却費用や税金のシミュレーションを怠ってしまうと、最終的に手元に残る金額が予想を大幅に下回ってしまい、以下のような深刻な状況を招く恐れがあります。
売却代金のみで住宅ローンを完済できなくなる
離婚後の生活や財産分与の計画が破綻する
売却の翌年に発生する譲渡所得税の支払いに困窮する
このようなリスクを回避するためにも、ローン完済の可否の判断や売り出し価格の設定、財産分与の計画を立てる際には、「売却費用や税金がどの程度かかるのか」「最終的にはいくら残るのか」も考慮したうえで慎重に判断することが不可欠です。
5-5. 離婚しても連帯保証人から抜け出すことはできない
前述のとおり、配偶者が契約している住宅ローンの連帯保証人となっている場合、離婚しても連帯保証人から抜け出すことはできません。連帯保証契約は夫婦間ではなく、金融機関と連帯保証人との間で交わされた契約であるため、離婚による影響は一切受けません。
離婚によって夫婦ではなくなったとしても、主債務者である元配偶者が住宅ローンを完済するまでは、連帯保証人としての責任を負い続けます。万が一、元配偶者が支払いを滞納してしまった場合、金融機関は連帯保証人に対して残債の一括返済を請求します。
連帯保証人は支払いを拒否できる権利が認められていないため、金融機関から一括請求があった場合は必ず応じなければなりません。連帯保証人から抜け出すためには、事前に金融機関に相談して同意を得る必要があります。
しかし、金融機関にとって連帯保証人を外すということは、債務者が返済できなくなった場合に残債を回収できなくなるリスクを高める行為といえます。そのため、離婚という理由だけではまず解消に応じてもらえない可能性が高いです。
金融機関から同意を得るためには、以下のような代替案の提示が不可欠です。
代わりの連帯保証人を立てる
別の担保を提供する
住宅ローンの借り換えを行う
一部を繰り上げ返済して残債を大幅に圧縮する
5-6. 離婚後もローン返済中は名義変更が難しい
離婚に伴い、住宅ローンをどちらか一方の単独名義に変更したいと考えている方も多いでしょう。しかし、住宅ローンの返済中の名義変更は難しいのが一般的です。
住宅ローンは、契約者になる人の収入や勤務先、他の借入状況などを審査した上で、融資可否や借入金額を決定しています。住宅ローン返済中の契約者以外の人への名義変更や、共有名義から単独名義への変更は、審査時の前提条件が根底から崩れることになるため、離婚したという理由だけでは原則として名義変更は認められません。
どうしても名義変更したい場合は、借入先の金融機関に相談して承諾を得るか、借り換えローンを利用して現在のローンを一旦完済するという手段があります。
しかし、いずれにしても「新たな名義人に残債を完済できるだけの返済能力があること」が前提となります。特に夫婦の収入合算で組んでいるローンをどちらか一方の単独名義に変更する場合は、夫婦2人の収入を前提として融資されていたローンを1人で背負わなければならないため、審査に通過するのは困難です。
6. 離婚を機に住宅ローン中の家を売却することに関するよくある質問
夫名義の家を妻が勝手に売ることはできません。売買契約や所有権移転登記の際は家の名義人の実印や印鑑証明書、不動産の権利証が必要になるため、夫名義の家を法的に売却できる権利があるのは夫のみです。
夫名義の家に離婚後も妻が住んでいたとしても、家を売却するには夫の同意と協力が必要になります。
住宅ローンが残っている状態で銀行に内緒で離婚すると、契約違反にあたるとして銀行から残債の一括返済を請求されたり、最悪家を失ったりするリスクがあります。
住宅ローンの多くは契約者本人が家に住むことを融資条件としているため、離婚によって居住実態が変わった際は、その旨を銀行に通知しなければなりません。
離婚後に元配偶者がローンを滞納した場合、最終的には家が競売にかけられ、明け渡しを求められる可能性があります。元配偶者のローンの連帯債務者や連帯保証人となっている場合は、家が競売にかけられる前に金融機関から残債の一括返済を求められます。
7. まとめ|住宅ローン中に離婚するなら、査定額と残債の確認からはじめよう
離婚時に住宅ローンが残っている家を売却するには、住宅ローンの完済と抵当権の抹消が求められます。アンダーローンであればすぐにでも通常売却が進められますが、オーバーローンの場合は不足分を自己資金や他の借入手段で補填する必要があります。
不足分を補填できなければ、金融機関の同意を得たうえで売却する「任意売却」を検討することになります。アンダーローンかオーバーローンかを正確に見極めるためにも、まずは査定額とローン残債の確認から始めましょう。
離婚に伴う家の売却で何か疑問点やトラブルがあれば、早めに不動産会社や離婚問題に強い弁護士に相談するようにしましょう。
(記事は2026年6月1日時点の情報に基づいています)