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DVで離婚するには? 進め方から慰謝料相場、証拠の集め方まで解説

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離婚請求が認められるには2つのハードルが存在します
配偶者からの暴力的な言動や支配的な態度が原因で離婚を考えるようになり、弁護士に相談に来る人は少なくありません。この記事ではDVを理由とした離婚や慰謝料請求の進め方について、裁判所実務を踏まえて弁護士が解説します。
目 次
  • 1. そもそもDVとは?
  • 1-1. 身体的DV
  • 1-2. 精神的DV(モラハラ)
  • 1-3. 性的DV
  • 1-4. 経済的DV
  • 2. DVを理由に離婚はできない? 難しい?
  • 2-1. ハードル①立証の問題
  • 2-2. ハードル②加害者である配偶者の対応
  • 3. DVを理由に慰謝料請求できる? 相場は
  • 4. DV加害者と離婚する方法
  • 4-1. 【ステップ1】夫婦で話し合う「協議離婚」
  • 4-2. 【ステップ2】調停委員が仲介する「離婚調停」
  • 4-3. 【ステップ3】裁判所が判断を下す「離婚裁判」
  • 4-4. 離婚よりも別居を選択する方法も
  • 5. 離婚や慰謝料請求に有効な証拠
  • 5-1. 身体的DVの証拠|けがの診断書など
  • 5-2. 精神的DVの証拠|暴言の録音など
  • 5-3. 性的DVの証拠|日記の記録など
  • 5-4. 経済的DVの証拠|生活費が足りないことを示す家計簿など
  • 6. DVを弁護士に相談・依頼するメリット
  • 7. DVを弁護士に依頼する際の費用相場
  • 8. DVを受けたら、まず身の安全を確保するのが大事
  • 9. DV離婚についてよくある質問と回答
  • 10. まとめ DVを理由に離婚するなら弁護士へ相談を

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1. そもそもDVとは?

DVとは「Domestic Violence」の頭文字をとったもので、配偶者や恋人など親密な関係にある人、もしくはあった人からの暴力行為を指します。

なお、ここでいう「暴力」とは、けがをして病院を受診したり刑事事件になったりするほどの結果が生じるようなものには限られません。DV保護法には配偶者からの暴力について、「配偶者からの身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」と定義されています。

つまり、DVの態様はさまざまであり、「身体的DV」「精神的DV(モラハラ)」「性的DV」「経済的DV」の4つの類型があります。

1-1. 身体的DV

身体的DVとは物理的な攻撃(有形力)を行使するものをいい、具体的には、下記のような行動が挙げられます。

  • 殴る

  • 蹴る

  • 首を絞める

  • 引き倒す

  • 引き回す

  • 凶器を用いてけがをさせる

  • 衣服を引っ張る

  • 髪をつかむ

  • 馬乗りになる

  • 壁に押しつける

  • 間近で大声を出す

  • 胸ぐらをつかむ

  • 物を投げつける、振り回す

  • 刃物などの凶器を突きつける

身体的に直接危害をおよぼすもののほか、相手を傷つけようとしたり脅したりする行為も含まれます。

1-2. 精神的DV(モラハラ)

精神的DVとは、相手の人格を傷つける言動をいい、下記のような事例があります。

  • 罵倒する

  • 無視する

  • 行動を束縛、監視する

  • 親族や友人との交流を制限する

  • 働きに行かせない

  • 許可なく自由に行動させない

  • 相手の大切なものを故意に壊したり捨てたりする

  • 人の前で相手をおとしめるような発言をする

  • 子どもに相手の悪口を吹き込む

  • 相手の考え方がおかしいと断じて責める

  • 相手の言動に対して不当に否定を繰り返す

  • 相手に危害を加える旨の発言をする(「家に火をつける」「お前の人生を滅茶苦茶にしてやる」など)

配偶者といると気持ちがふさいでしまう、一緒に過ごす時間が長くなる休日が近づいてくると憂鬱(ゆううつ)になる、原因がはっきりしない体調不良が続く......というような場合に、配偶者の言動を第三者に相談したりインターネットで調べてみたりして初めてそれらの言動が精神的DVに当たるものだと気づかれる人が今でも少なくありません。

1-3. 性的DV

性的DVとは、下記のようなものが該当します。

  • 性的行為を強要する

  • 中絶を強要する

  • 避妊に協力しない

  • ポルノビデオを無理やり見せる

たとえ夫婦であっても、相手の同意なしに性的な自由を侵害するような行為は許されません。

1-4. 経済的DV

経済的DVとは、生活費を渡さないことをいいます。また一切生活費を渡さないだけではなく、下記のものも経済的DVと評価しうることがあります。

  • およそ生活が成り立ち得ない金額の生活費のみ渡す

  • 相手の仕事を制限する

  • 浪費する

  • ギャンブルにつぎ込む

  • 借金を作る、借金を求める

2. DVを理由に離婚はできない? 難しい?

DVを理由に離婚することは可能です。

そもそも双方の合意があれば理由の如何を問わず離婚できます。仮に離婚自体が争いになって離婚訴訟になった場合でも、DVが婚姻破綻の主たる原因と認められた上で「婚姻を継続し難い重大な事由がある(民法770条1項5号)」として離婚請求が認められることがあります。

DVを理由とした離婚請求を行う場合に困難が生じる大きな理由は主に2つあり、1つは立証の問題、もう1つはDV加害者である配偶者の対応が挙げられます。

2-1. ハードル①立証の問題

身体的DVであれば、けがの写真や病院の診断書などがあれば、客観的に証明することは比較的容易です。

一方、モラハラは、家庭という閉じられた環境の中で行われることが多く、目に見える証拠が残るわけではないため、立証のハードルが高まります。そのため、「元々夫婦がどのような関係性(力関係)であったか」「日常的にどのような言動があったか」などについて詳細な状況を主張することで、立証していくことになります。

このように一言でDVといっても、配偶者の暴力によりけがをしたなど客観的にわかりやすいものではない場合には、証拠をどのように集めるかが問題になります。

2-2. ハードル②加害者である配偶者の対応

DVを理由とした離婚請求が、加害者である配偶者に素直に受け止められることは非常に稀です。よくある反応としては、「自分の非を認めず問題をすり替えて攻撃してくる」「反省の意を述べつつも、自分の言動を許すべきだと迫ってくる」「両親がそろっていないと子どもが可哀想などと情に訴えて復縁を求めてくる」というものがあります。

また、協議に応じず、調停や訴訟の期日にも出頭せず手続きを長期化させ、消極的に離婚を妨害してくることもあり、精神的に疲弊してしまう人も少なくありません。しかし、これらのような対応も含めて婚姻破綻の原因が認められる可能性もあるため、最終的には離婚訴訟で解決を図ることも十分に考えられます。

3. DVを理由に慰謝料請求できる? 相場は

DVを理由として慰謝料を請求すること自体は可能であり、離婚訴訟において慰謝料請求が認められることもあります。ただし、証拠の不足によりDVの事実を認定するのが難しい場合や、立証できたとしても慰謝料が認められるまでの損害とは認められないということもあり得ます。

請求が認容された場合の金額は20万円〜500万円程度と幅があります。

判例では、婚姻期間が長く、夫の暴言・暴力により妻の心身に重大な影響が生じていることを理由として500万円と高額な慰謝料が認められたケースもあります(東京地裁平成22年3月11日)。

一方で、身体的暴力による骨折と経済的DVの事実が認められつつも、慰謝料の金額が60万円にとどまったケースもあり(東京高裁平成24年8月29日)、婚姻期間やDV以外の事情も加味されて慰謝料の金額が認定されているといえます。

身体的DVの場合、警察で調書を取られたり刑事裁判になったりすると証拠を集めやすいですが、被害の程度や経過によっては慰謝料が認められないこともあります。長期間の入院加療を要するようなけがをした場合には、比較的高額な慰謝料が認められる傾向にありますが、手術や短期の入院を要するような大けがを負わされた場合でも、事情によっては60万~80万円程度の金額にとどまることもあります。

精神的DVの場合は、証拠の収集が難しいだけでなく、録音・録画や相談記録、医師の診断書があったとしても損害として認められにくいなど、慰謝料請求するにはやや高いハードルがあると考えられます。

ただし裁判例では、「夫の妻に対する配慮のなさ」「夫の高圧的で侮辱的なふるまい」「夫が些細なことで怒る」などを理由として100万円~200万円の請求が認められたケースがあります(東京地判平成16年12月16日、東京地裁平成17年5月13日、東京地判平成17年5月23日等)。そのほか、DVそのものによる慰謝料請求が難しい場合にも、配偶者の日常的な暴言によりうつ状態になってしまったことを契機に別居したという事情がある場合に、破綻の原因が配偶者にあるとして100万円程度の慰謝料が認められたこともあります。

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4. DV加害者と離婚する方法

離婚には協議離婚・調停離婚・裁判離婚があり、DV加害者との離婚であっても手続きには変わりなく、いずれかの方法により離婚することとなります

4-1. 【ステップ1】夫婦で話し合う「協議離婚」

夫婦で話し合って離婚することを「協議離婚」といいます。離婚や離婚条件について合意が得られるのであれば、比較的負担がなく早期に離婚することも可能です。

ただし、DV加害者と交渉すること自体が難しいケースもあります。相手が離婚についての話し合いに応じなかったり、極端に不利な条件を提示して事実上離婚を拒否したりする場合には、協議の段階から代理人弁護士をつけて交渉していく方が、スムーズに離婚するためにも精神的なストレスを和らげるためにも良いといえます。

4-2. 【ステップ2】調停委員が仲介する「離婚調停」

協議離婚で合意にいたらなかった場合には、家庭裁判所に夫婦関係調整調停(離婚調停)を申し立てることとなります。

調停は、裁判官1名・調停委員2名からなる調停委員会により進行されます。調停委員が双方の言い分を公正な立場で聞き、「この条件ならお互いに納得できるのではないか」という案を出します。その案を2人が受け入れれば、調停離婚が成立します。

なお、離婚調停では夫婦が顔を合わせることはありません。また、離婚原因となる事実について深く掘り下げることはそこまで行わず、離婚することを一応の前提として離婚条件を詰めていく場となります。

4-3. 【ステップ3】裁判所が判断を下す「離婚裁判」

協議や調停で離婚が成立しない場合、離婚訴訟(裁判)を提起して離婚を求めることとなります。その他の親権、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割などの請求も行います。

裁判で離婚が認められるには、「法定離婚事由」が必要です。DVであれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると裁判官に認められる必要があります。そのためには、DVの事実や婚姻関係が破綻していることを証拠をもって証明しなければなりません

訴訟中、裁判官が和解に向けた話し合いを促すこともありますが、離婚自体が争いになったり、条件が折り合わなかったりする場合には裁判官が判断を下します。裁判官が離婚の請求を認容してこの判決が確定した場合、裁判離婚が成立します。

4-4. 離婚よりも別居を選択する方法も

DV加害者との関係を少しでも早く断ち切りたいという気持ちがはやってしまうこともあるでしょう。しかし、離婚を優先するあまり、財産分与や慰謝料、親権、養育費などの離婚条件の交渉がなおざりになることは避けたいところです。

もしも配偶者にある程度の経済力がある場合には、まずは別居する選択肢もあります。相手に婚姻費用を請求することで生活費を確保しつつ、離婚条件を整えながら、離婚協議・調停・訴訟を進めていく方法です。別居によって安心して生活できる環境を得られることで、離婚条件を一つずつ時間をかけて交渉できるため、総合的に考えると良い結果が得られる場合が多いです。

5. 離婚や慰謝料請求に有効な証拠

厳密に証拠が求められるのは離婚訴訟においてですが、協議や調停を円滑に進めるためにも、有効な証拠を収集するとよいでしょう。どんな証拠を集めればいいのか、具体的に説明します。

5-1. 身体的DVの証拠|けがの診断書など

身体的DVの証拠として考えられるものに、次のものがあります。

  • けがの診断書

  • 警察市区町村の家庭相談や女性相談などの相談記録

  • 写真や動画などの記録

5-2. 精神的DVの証拠|暴言の録音など

精神的DVの証拠として考えられるものに、次のものがあります。

  • 暴言の録音・録画

  • メールやLINE等メッセージアプリの送受信履歴

  • 警察や市区町村の家庭相談・女性相談等の相談記録

  • 日記

5-3. 性的DVの証拠|日記の記録など

性的DVの証拠として考えられるものに、次のものがあります。

  • 警察や市区町村の家庭相談・女性相談等の相談記録

  • 日記

5-4. 経済的DVの証拠|生活費が足りないことを示す家計簿など

経済的DVの証拠として考えられるものに、次のものがあります。

  • 生活費についてのやり取りを行っているメールやLINEなどメッセージアプリの送受信履歴

  • 市区町村の家庭相談や女性相談などの相談記録

  • 家計簿

  • 通帳(生活費の流れが分かる取引履歴)

  • 日記

6. DVを弁護士に相談・依頼するメリット

DVの被害を受けている場合に弁護士に依頼するメリットは、主に2点あります。

まずは、弁護士に依頼することでDV加害者である配偶者と離婚について直接交渉しなくて良いというメリットがあります。DV加害者と一対一で話し合いを進めていくのは精神的にも負担が大きく、また自分の身に危険がおよぶこともあります。弁護士に話し合いに同席してもらったり、もしくは交渉を全面的に委ねたりすることで、こうした負担やリスクから免れることができます。

また、DV加害者は配偶者が自分の支配下にあると認識していることが多く、あの手この手で言いくるめようとしたり、離婚を希望すること自体が間違いであるかのように非難してきたりします。離婚に応じる場合にも、裁判所実務の考え方からすると極端に不利な条件を提示してきたり、財産を十分に開示しないまま財産分与の額を決めようとしたりすることもあります。

弁護士という第三者の目があることで、そのような不合理な言動を慎み、手続きが進めやすくなる可能性があります。また、自身が弁護士をつけることで相手方も弁護士をつければ、ある程度ゴールを見据えた交渉ができる可能性が生じます。

次に、離婚事件についての専門知識のある弁護士がいることで、より客観的な視点や裁判所実務を踏まえた準備や検討ができ、選択肢に幅ができるというメリットがあります。離婚に必要な証拠の収集方法や裁判所対応については、担当弁護士の知識や経験で差がつくことがあります。

弁護士をつけるか決めかねている場合にも、法律相談を利用することで現状を客観視して希望の実現可能性について意見を聞いたり、弁護士を通じて離婚の手続きを行う場合の一般的な進行を確認できたりします。中には初回の相談を無料としている事務所もあるので、活用してみるとよいでしょう。

7. DVを弁護士に依頼する際の費用相場

DVを理由とした離婚について弁護士に依頼する場合、まずは法律相談を利用することになるでしょう。相談料は事務所によりさまざまですが、初回は無料もしくは30分ごとに5500円と設定していることが多いようです。

初回無料相談については30分〜60分で設定されており、延長や再相談の場合には有料相談となるほか、実際に依頼する場合には、依頼する際に着手金、事件終了時に報酬が発生します。

費用については事務所により幅がありますが、よくある費用体系としては次のとおりです。

  • 離婚協議の着手金としては22万円~44万円程度

  • 調停や裁判になる場合はそれぞれ追加着手金として11万円~22万円程度

  • 報酬金は固定で30~50万円程度+得られた経済的利益の11〜22%程度

なお、親権や面会交流について個別に報酬を設けている場合もあります。この他、実費や日当などを設定している場合が多く、日当は1〜5万円程度(遠隔地の場合にはこれを上回る場合があります)のようです。たとえば、調停離婚が成立して100万円の慰謝料が支払われる場合の弁護士費用は、日当も含めて120万円程度になります。

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8. DVを受けたら、まず身の安全を確保するのが大事

DV被害が切迫している場合には、まずは別居したり避難したりするなどして、配偶者と物理的な距離を取って心身の安全を確保することが重要です。

暴力的な言動に日々さらされていると、精神が不安定になり冷静な判断ができないこともあります。そのようなときにはシェルターなど安心できる環境に身を置き、今後の婚姻関係の在り方を考える時間を設けるのが良い場合もあります。また、別居期間が長くなることで同居を続けているよりも婚姻関係が破綻していると評価されやすくなり、離婚が認められやすくなります。

配偶者から身を守るために、DV保護法に定められている保護命令の申し立てを検討する必要もあります。保護命令制度とは、被害者からの申立てによって裁判所が配偶者に対して、被害者の身辺へのつきまといなどの一定の行為を禁止する命令(保護命令)を発令する制度です。

保護命令の類型には、下記6つがあります。

  • 被害者への接近禁止命令

  • 被害者への電話等禁止命令

  • 被害者の同居の子への接近禁止命令

  • 被害者の同居の子への電話等禁止命令

  • 被害者の親族等への接近禁止命令

  • 退去等命令

保護命令に違反した場合には刑罰が科せられるため、申し立てが認められればかなりの強制力がある制度だといえます。

9. DV離婚についてよくある質問と回答

Q. DVの証拠がないと離婚はできない?
配偶者の同意があれば離婚は可能です。また、配偶者が離婚を争ってきた場合にも、その他の事情(長期間の別居、配偶者の態度など)から婚姻破綻が認められる可能性があります。
Q. DV被害で離婚する場合、財産分与の割合はどうなる?
財産分与は原則として夫婦共有財産を2分の1ずつとするのが裁判所実務の考え方です。財産分与に慰謝料としての要素が考慮されるわけではありませんので、DV被害による損害については慰謝料として別途請求することが必要です。
Q. 子どもが成人するまでは離婚せず別居を続けることはできる?
DV被害を理由として別居した後に、離婚請求を行わずそのまま別居を続けること自体は可能です。ただし、子どもの成長を待つゆえに別居期間が長期にわたると、配偶者にも離婚請求する権利が生じます。その場合には、長期間の別居を理由に婚姻破綻が認められ、離婚が成立してしまう可能性があります。 双方から離婚請求がない場合には婚姻関係が続きますが、婚姻費用を取り決めていても相手方の事情の変更(転職や退職、病気や事故によって就業不能になる、新たに扶養すべき子ができるなど)によって減額請求される可能性もあります。また、長期間の別居中に配偶者が管理していた財産が散逸してしまい、将来的に離婚した際に回収が難しくなる可能性もあります。 離婚せずに別居状態を続けることは、離婚した場合と比べて関係を完全に断つのが難しい局面もあるため、精神的なストレスが増える可能性が考えられます。そのため、離婚せず別居する場合の良し悪しについては個別の事情を勘案して決めるべきといえます。
Q. 過去のDVを理由に離婚したり、慰謝料を請求したりできる?
過去のDVを理由に別居が続いているという事情がある場合には、それを理由とした離婚請求や慰謝料請求はできると考えられます。 しかし過去にDVがあったとしても、その後に長期間同居して生活していたというような場合には、仮に経済的な理由で同居を続けていたという事情があったとしても、すでに夫婦の間で解決済みと評価されるため、婚姻破綻や損害を認めることは難しいと考えられます。

10. まとめ DVを理由に離婚するなら弁護士へ相談を

DV加害者と一対一で話し合いを進めていくのは精神的にも負担が大きく、また身の回りに危険がおよぶこともあります。

精神的に強い負荷をかけてくるために冷静な判断を失ってしまう可能性もありますが、離婚する際にきちんと取り決めておいた方が良いことは多く、手続きの進め方や選び方が重要になることもあります。

そのため、DVを理由として離婚手続きを進めることを希望される場合には、まずは弁護士に相談してから手続きの進行を検討されることをおすすめします。

(記事は2025年1月1日時点の情報に基づいています)

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