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離婚したらペットはどうなる?「親権」「養育費」「面会」について解説

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ペットの飼い主は、離婚時の話し合いで決めるのが一般的です(c)Getty Images
離婚の際に「ペットはどちらが引き取るのか」という問題は、子どもの親権とは異なり、法律上の明確なルールがありません。ペットは法律上、人ではなく「物(動産)」として扱われるため、親権や養育費のような制度はなく、夫婦間で話し合って決める必要があります。 しかし、双方が引き取りを希望するケースでは合意が難しく、調停や裁判に発展することもあります。 離婚後のペットの引き取り方法、裁判で重視されるポイント、話し合いで決まらないときの対処法を、弁護士がわかりやすく解説します。
目 次
  • 1. 離婚後、ペットの「親権」はどうなる?
  • 1-1. ペットは「人」ではないので、親権はない
  • 1-2. ペットは財産分与としてどちらかが引き取る
  • 2. 離婚後、ペットの飼い主を決める方法
  • 2-1. 財産分与の話し合いを行う
  • 2-2. 調停をして決める
  • 2-3. 裁判で決める
  • 3. 離婚後、ペットの飼い主を裁判で決める際のポイント
  • 3-1. これまでの飼育実績
  • 3-2. 今後の飼育環境の良さ
  • 3-3. 経済的な安定性
  • 3-4. ペットとの関係性
  • 4. 離婚後、飼っていない方にペットの「養育費」(飼育費用)は請求できる?
  • 4-1. 支払いをする法的な義務はない
  • 4-2. 双方が納得するなら請求は可能
  • 5. 離婚後、ペットとの「面会交流」について
  • 6. 離婚後、ペットをどちらも引き取れない場合の対処法
  • 6-1. ペットホテル・一時預かりサービスを利用する
  • 6-2. 親族・友人への譲渡を検討する
  • 6-3. 動物保護団体や里親制度を活用する
  • 7. ペットの引き取りで揉めたときに弁護士に相談するメリット
  • 7-1. 法的な部分と感情の部分を整理できる
  • 7-2. 引き取るために必要な証拠や主張のポイントを明確にできる
  • 7-3. 交渉を代理してストレスを軽減できる
  • 7-4. 離婚協議書や公正証書の作成を任せられる
  • 8. 離婚後のペットに関してよくある質問
  • 9. まとめ ペットをどちらが引き取るかは、夫婦の話し合いで決めるのが基本
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1. 離婚後、ペットの「親権」はどうなる?

最初に、離婚後のペットの親権や扱いについて説明します。

1-1. ペットは「人」ではないので、親権はない

法律上、ペットは「人」ではなく「物」、すなわち動産として扱われます。そのため、人間の子どもに対する親権のように、ペットと一緒に暮らして育てる権利を定めた規定はありません。親権のような権利が規定されていない以上、養育費や面会交流といった概念も存在しないことを覚えておきましょう。

1-2. ペットは財産分与としてどちらかが引き取る

離婚の際に、ペットをどちらが引き取るかという問題は「財産分与」の一部として扱われます。財産分与とは、離婚によって婚姻関係を清算する際に、夫婦が協力して築いた財産を公平に分ける仕組みです。

お金のように分けられる財産は折半できますが、不動産など分けられない財産は、売却して現金化するか、または一方が引き取って相手に相当額を支払うなど、調整が可能です。しかしペットは分けることができず、法律上は残念ながら「価値をつけにくい動産」と扱われます。

そのため、明確な基準や決まったルールがあるわけではなく、実際には夫婦間で話し合い、個々の事情に応じて最も妥当な解決策を探るのが一般的です。

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2. 離婚後、ペットの飼い主を決める方法

具体的にどうやってペットの飼い主を決めるのか方法や流れを紹介します。

2-1. 財産分与の話し合いを行う

前述のとおり、離婚後にペットを誰が引き取るかは、基本的に財産分与の話し合いの中で調整します。ここでのポイントは、当事者双方が納得して合意ができれば、それで全く問題はない点です。

たとえば、夫婦の双方がペットの引き取りを強く希望している場合には、ペットに法的な価値がつきにくい扱いであっても、一方が引き取る代わりに、もう一方へ一定額を支払って調整するという解決方法が考えられます。また、ペットを複数飼っている家庭であれば、2匹いる場合に1匹ずつ引き取るといった分け方が選ばれることもあります。

2-2. 調停をして決める

当事者同士の話し合いで合意に至らない場合は、家庭裁判所へ調停を申し立てるのが一般的です。調停では、裁判所の調停委員が双方の意見を聞きながら話し合いを仲立ちし、合意形成をサポートします。

調停では基本的に調停委員を介してやり取りが行われるため、配偶者と直接顔を合わせる必要はありません。これにより、感情的な対立を避けつつ、冷静に話し合いを進めやすくなります。中立的な立場から助言が得られるため、当事者同士では思いつかなかった解決策が見つかることもあります。

実務の感覚としても、話し合いでは決裂したものの、調停に進んだことで合意が成立したケースは非常に多い印象です。

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2-3. 裁判で決める

調停はあくまでも話し合いの手続きであるため、当事者双方が納得して合意しなければ解決には至りません。どうしても歩み寄りができない場合は、離婚訴訟を提起し、裁判官の判断(判決)によって結論を出してもらうことになります。なお、訴訟に進んだ場合でも、裁判官からまず和解がすすめられるのが一般的です。

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3. 離婚後、ペットの飼い主を裁判で決める際のポイント

前述のとおり、ペットの引き取りについて法律上の明確な基準はありません。しかし、実際の裁判では一定の要素が参考にされる傾向があります。以下では、判断の際に重視されやすいポイントを具体的に説明します。

3-1. これまでの飼育実績

当事者だけでは合意ができず、第三者である裁判官が飼い主を決める必要がある場合、「どちらが飼い主としてふさわしいか」が重視されます。その判断材料として最も分かりやすいのが、これまでにどれだけお世話をしてきたかという点です。

えさやり、トイレ掃除、散歩、しつけなど、日常的なお世話を誰が主体となって行ってきたかは、非常に注目されやすいポイントです。

3-2. 今後の飼育環境の良さ

同様に、今後どちらがより良い飼育環境を用意できるかも重要な判断材料になります。たとえば、ペット可の物件に住んでいるか、本人がどの程度お世話に関われるか、サポートしてくれる家族や知人がいるか、周囲の環境がペットに適しているかといった点が考慮されます。こうした要素は、当事者の「飼育の継続可能性」を判断する上で重視されます。

3-3. 経済的な安定性

ペットを飼育し続けるには、そのペットの推定寿命までの餌代や日用品代、けが・病気などの通院費など、一定の経済的負担が生じます。これらの負担を将来にわたり担い続けることができるか、責任を持って飼育を続けられるか、という点も考慮されます。

3-4. ペットとの関係性

裁判官は、ペットとの心理的・生活的な結びつきも重視します。たとえば、これまで一緒に暮らしてきたのにペットがほとんど懐いていない場合、その人を引き取り手として認めることには慎重になる傾向があります。反対に、ペットが強く慕っている相手であれば、より自然に生活を続けられると考えられるため、判断がそちらに傾くこともあります。

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4. 離婚後、飼っていない方にペットの「養育費」(飼育費用)は請求できる?

序盤で述べたとおり、ペットは法律上「物」として扱われるため、親権や養育費は発生しません。ただし、夫婦双方が納得しているのであれば、そのような契約をすること自体は可能です。

4-1. 支払いをする法的な義務はない

前述のとおり、法律上、ペットは「物」、すなわち動産として扱われます。そのため、人間の子どもを引き取る場合に認められる「養育費」のように、ペットの飼育費用を法律上の権利として相手方に請求することはできません

4-2. 双方が納得するなら請求は可能

法律上の権利としては請求できないということは、相手方が拒否した場合、強制的に支払いを求めることはできないことを意味します。

裏を返せば、話し合いで当事者双方が納得するのであれば、ペットの飼育費用を支払ってもらうという内容の取り決めをすること自体は可能です。

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5. 離婚後、ペットとの「面会交流」について

ペットの飼育費用を法律上の権利として請求できないのと同様に、離婚後、離れて暮らすことになったペットとの「面会交流」を認める法律上の規定もありません。ただし、これも同様に、当事者同士の話し合いで、離れて暮らすペットとどのように会って触れ合うかについて取り決めることは可能です。

6. 離婚後、ペットをどちらも引き取れない場合の対処法

離婚後の生活の変化により、夫婦のどちらもペットを引き取れないケースなどもあるでしょう。そういったケースでの対処法を紹介します。

6-1. ペットホテル・一時預かりサービスを利用する

すぐに引き取り手が見つからない場合は、一時的にペットホテルや預かりサービスを利用する方法があります。ただし、滞在費がかかること、慣れない環境で暮らすことによるストレス、また、これらのサービス自体が「飼い主が引き取れない状況」を前提としていない可能性があるため、いくつかの懸念点があります。あくまで応急的な選択肢として検討すべきでしょう。

6-2. 親族・友人への譲渡を検討する

信頼できる親族や友人への譲渡を検討しましょう。ペットと面識がある人物であれば、ペットに与えるストレスも軽減されるかもしれません。なお、当然のことながら、譲渡候補となる親族や友人には譲渡への承諾と理解を得るべきです。ペットの特性や準備すべき飼育環境など、可能な限り綿密に打ち合わせをすることが望ましいでしょう。

6-3. 動物保護団体や里親制度を活用する

自分たちだけで譲渡先を見つけることが難しい場合は、動物保護団体に相談するという選択肢があります。譲渡会や里親制度を通じて、新しい飼い主を探してもらえることがあります。信頼できる団体を選び、ペットの特性を丁寧に共有することで、より良いマッチングが期待できます

7. ペットの引き取りで揉めたときに弁護士に相談するメリット

ペットの引き取りをめぐる争いは、法律だけでなく感情も絡むため、当事者同士では解決が難しくなることが多いです。弁護士に相談することで、冷静に状況を整理し、適切な方法で解決へ進めることができます。

7-1. 法的な部分と感情の部分を整理できる

法律上はペットが「物」と扱われると理解していても、長く一緒に暮らした飼い主にとっては家族同然の存在です。そのため、感情と現実的な判断がうまく整理できないケースもあるでしょう。弁護士に相談すれば、法律面と感情面を切り分けながら、トラブルを避けつつ合理的な解決策を見出すサポートが受けられます

7-2. 引き取るために必要な証拠や主張のポイントを明確にできる

離婚後のペットの引き取りでは、これまでの飼育実績や今後の飼育環境など、客観的な「事実」が重視されます。弁護士はその事実のどこを主張すべきか整理し、どの資料が証拠として有効かも助言できます。必要な書類や記録の集め方も含め、引き取りに向けた準備を具体的にサポートしてもらえます。

7-3. 交渉を代理してストレスを軽減できる

弁護士に交渉を任せれば、相手方との直接のやり取りを避けることができます。感情的な衝突を避けやすく、精神的負担も大幅に軽減されます。適切な距離を保ちながら話し合いを進められることが大きなメリットです。

7-4. 離婚協議書や公正証書の作成を任せられる

合意が成立した場合、その内容を明確に書面化しておくことが重要です。弁護士に依頼すれば、離婚協議書や公正証書の形で法的に有効な書面を作成してもらえます。これにより、後々の「言った・言わない」のトラブルを防げるため、安心して新たな生活を始めることができます。

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8. 離婚後のペットに関してよくある質問

Q. 別居をする際に、話し合いもなくペットを連れていかれた。どうすればいいか?

残念ながら、法律上は、無断で連れ去られたペットの引き渡しを請求できる制度はありません。相手方との話し合いで、ペットをこちらに戻すよう働きかけるほかないでしょう。

Q. 自分が主に世話をしてきたが、それを証明する方法は?

たとえば、動物病院に連れて行った時の自身宛領収書、ネット通販などで自身の名前で餌や日用品を購入したスクリーンショットなどが考えられます。

Q. ペットが病気になった場合や亡くなった場合、引き取っていない方は教えてもらえるか?

相手方と事前に「病気になったときは知らせる」「亡くなった場合は連絡する」といった取り決めをしておけば、連絡を受けることは可能です。離婚協議書や公正証書に明記しておくと、後々のトラブルを防ぎ、双方が安心してペットを見守れる関係を維持しやすくなります。

Q. とても高額で購入したペットを財産分与することになった。所有権を相手に渡す代わりに購入費を請求できるか?

ペットが財産分与対象となる場合、法律上、そのペットは価値をつけられないものとして扱います。そのため、購入費を請求することはできません。ただし、相手方と合意ができればその限りではありません

Q. 配偶者がペットを引き取ったが、酷い飼い方をしていると分かった場合、取り戻せる?

残念ながら、法律上、そのような場合にペットを取り戻せる制度はありません。しかし、元配偶者がペットを虐待している疑いがある時は、警察や動物愛護センター、地方自治体など関係機関に通報すべきです。これらの関係機関との連携や具体的な状況次第で、あなたがペットを引き取る形で解決できるかもしれません。

9. まとめ ペットをどちらが引き取るかは、夫婦の話し合いで決めるのが基本

離婚後のペットの引き取りは、法律上の明確な基準がないため、基本的には夫婦の話し合いで決めることになります。親権や養育費といった制度はなく、財産分与の一部として扱われることがポイントです。合意が難しい場合は調停や裁判に進むこともあり、これまでの飼育実績や今後の飼育環境、経済力、ペットとの関係性が判断材料になります。

感情的になりやすい問題だからこそ、弁護士に相談して法的整理や交渉のサポートを受けることで、トラブルを避けながら適切な解決策を導きやすくなります。

(記事は2025年12月1日時点の情報に基づいています)

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