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1. 妻が会話をしない原因は?
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1-1. 口をききたくないほど夫が嫌い
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1-2. 夫婦喧嘩の謝罪を待っている
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1-3. 夫との会話がストレス、怖い
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1-4. 夫が姑の味方をする
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1-5. 妻が不倫をしている
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1-6. 会話を好まない
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1-7. 離婚を考えている
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2. 会話をしない妻への対処法
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2-1. 自分の行動を振り返る
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2-2. 妻と話し合い、原因を尋ねる
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2-3. 自分に原因があるなら謝り、言動を改善する
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2-4. 感謝を日ごろから伝える
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2-5. これまでやらなかったことをやってみる
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2-6. 妻にも一人になれる時間を
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2-7. 夫婦カウンセラーなどに相談する
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2-8. 別居を検討する
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3. 夫婦関係を修復・改善できた事例
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4. 会話をしない妻と離婚できる?
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4-1. 協議・調停の場合|合意すれば離婚できる
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4-2. 訴訟の場合|会話をしないだけでなく、別の理由が必要
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5. 会話をしない妻と離婚するときのポイント
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5-1. 冷静に話し合って説得する
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5-2. 法定離婚事由の証拠を確保する
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5-3. 離婚条件を漏れなく決める
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6. 会話をしない妻と離婚したいときに弁護士へ相談するメリット
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7. 会話をしない妻に関する質問
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8. まとめ 夫婦の危機に悩んだら 専門家に相談を
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1. 妻が会話をしない原因は?
妻が会話をしない理由にはさまざまな原因が挙げられます。ここでは、代表的なものを7つ紹介します。
1-1. 口をききたくないほど夫が嫌い
妻が会話をしない原因の中で深刻なのは、妻が夫に対する愛情を完全に失ってしまっているパターンです。妻の気持ちが完全に冷めきっていて、ただ生活のために離婚に踏み切らないだけという状況が継続している場合、関係修復は難しい可能性があります。
原因はコミュニケーション不足・性格の不一致などさまざまですが、特に多いのは、妻が夫に対して家庭を顧みてくれないと感じ続けた結果、愛情を失ってしまう例です。妻が何度もサインを出していることに夫がまったく気付かなかったために、愛情が完全に冷めてしまうことが少なくありません。なるべく早く気付くことが大切です。
1-2. 夫婦喧嘩の謝罪を待っている
夫婦喧嘩をしたあとから会話がなくなってしまった場合は、妻が謝罪を待っていることも考えられます。夫にとってはなんでもないことでも、妻にとってはどうしても納得できず謝罪を受けない限り会話をする気になれないという場合もあるようです。
ただ、この場合はまだ回復の見込みがあるので、妻に向き合って話し合い、心当たりがある場合は謝罪するなどして、修復の努力をすることが大切です。
1-3. 夫との会話がストレス、怖い
もし夫側が「妻にキレてしまう」「自分が話すことが多い」「妻の会話は建設的ではない」などと感じている場合は要注意です。妻は、夫との会話に恐怖やストレスを感じている可能性があります。
誰でもキレたくなる瞬間はあると思いますが、相手は理不尽に感じ、一度でもキレられると「またキレるかもしれない」と話をしたくなくなり会話が減ることがあります。また、妻がその日あったことなど何気ない会話を楽しむつもりで話しかけても、夫は意味のない会話と捉えて聞き流したり、いらない助言などをしたり、自分の話ばかりをしてしまう例もあります。
このようなことが続くと、妻は夫とのコミュニケーションを諦めて、会話する機会自体を避けるようになる傾向があります。
1-4. 夫が姑の味方をする
嫁姑問題が原因であることも一定数あります。夫にとってはなんでもないことでも、姑の言動によって妻が負担を感じている場合があります。
また夫は中立のつもりでも、妻からすれば姑の味方だと感じている場合も少なくありません。夫と姑は血がつながっているため、妻が最も疎外感を感じやすい立場にあります。嫁姑問題はとても繊細なので、夫が意識して妻を気遣うことが大切です。
1-5. 妻が不倫をしている
妻が不倫をしていて、夫から心が離れていることが原因であるケースもあります。ただ、むやみに疑ってかかるべきではありません。妻との修復を希望する場合は、まずは自分の言動を振り返り、妻に向き合うことをおすすめします。
もし妻が不倫していて離婚を選択したい場合は、冷静に不倫の証拠を確保することが大切です。
1-6. 会話を好まない
夫が会話を求めていても、妻は会話を好まなかったり、話が合わないと感じていたりすることもあります。一般的には、会話が苦手なのは男性に多いのですが、女性でも何気ない会話を好まない人もいます。
1-7. 離婚を考えている
最も深刻なのは、さまざまな原因によって、妻が夫婦生活に見切りをつけ、すでに離婚を決意している場合です。妻が、急に退職金や不動産の評価額などの家庭の資産状況を調べはじめるような場合は、離婚を考えていることもあります。
2. 会話をしない妻への対処法
会話をしない理由によっては、改善努力や歩み寄りなどで対処できることもあります。
2-1. 自分の行動を振り返る
妻が専業主婦やパート勤務だと、夫は自分の役割について「仕事してお金を稼げばいい」と考え、家事育児を妻に任せきりにしてしまう例が多くあります。しかし、家事育児だけをする生活も、パート勤務と家事育児を両立する生活も非常に大変で、ストレスフルです。
実際に、「何も手伝ってくれない夫に対し存在価値を感じられない」という理由で離婚を希望する妻からの相談は少なくありません。妻の苦労やストレスを理解しようとしたか、解消するよう協力してきたかどうかなど、まずは自分の言動を振り返ることが大切です。
2-2. 妻と話し合い、原因を尋ねる
自分の言動を振り返っても心当たりがない場合は、妻に正面から話し合いを求めて、原因を確認することも必要です。その際に、話しかけてくれない点を非難する姿勢だとますます関係が悪化してしまうので、自分に原因があるなら改善したいという姿勢で話し合いを求めるようにしましょう。
夫にとって当たり前のことが、妻にとっては大きな負担になっていると気付くこともあるようです。相手との関係を改善するには、自分のプライドや感情を抑えて、まずは相手を理解するよう努めましょう。
2-3. 自分に原因があるなら謝り、言動を改善する
妻と話し合った結果、少しでも自分に原因があると感じた場合は、謝罪して改善に努めましょう。「行動でわかってほしい」という感覚は通用しません。謝罪や改善の意向は、言葉で確実に相手に伝えることも大切です。そのうえで、言葉だけにならないよう態度で示しましょう。
夫から歩み寄りの姿勢をみせることで、妻の態度も変わり、夫婦関係が大きく改善した例もあります。
2-4. 感謝を日ごろから伝える
話し合って決めた役割分担ならともかく、家事育児は当然に妻の仕事だと考えるべきではありません。また、お互いに感謝の言葉を伝えることは非常に大切です。
例えば、妻が食事を作ってくれたら「ありがとう。おいしいよ」などと、毎回伝えてもいいくらいです。もちろん反対も同じですが、まずは自分から伝えてみましょう。たったそれだけのことでも夫婦関係が改善した例もあります。
2-5. これまでやらなかったことをやってみる
まずは日ごろの感謝を言葉で伝え、家事や育児などこれまで不足していたと感じることへの挑戦をおすすめします。
夫側から「自分は料理ができない」などの相談を受けるケースもありますが、今時はインターネットですべて調べられるので、できないことはないはずです。やってみてはじめて、相手がやっているのが当たり前ではないと実感できることも多いようです。
2-6. 妻にも一人になれる時間を
妻が主に育児を担当している場合は、自分だけの時間を持てずストレスや不満を感じている可能性もあります。特に、子どもが幼い間は、夫が子どもを連れて出かけたり、あるいは夫が子どもと留守番をしたりして、妻が一人で自由に過ごせる時間を確保するといいでしょう。自由な時間を確保すると、妻のストレスや不満が解消されることもあります。
2-7. 夫婦カウンセラーなどに相談する
自分の言動を振り返っても、妻と話し合っても改善できない場合は、第三者に相談するのもひとつです。家族ぐるみで付き合っているような友人がいる場合は、その友人に相談してもいいかもしれません。大切なのは中立の立場の人に相談することなので、夫婦カウンセラーなどに相談する方法もあります。
第三者が関わるだけで夫婦間の問題を解決するのは難しいかもしれませんが、第三者の意見を聞くことで、改めて自分の言動を振り返る契機になります。
2-8. 別居を検討する
最後の手段として、一度距離をおく趣旨で別居してみる方法もあります。距離を置くことでお互いの存在価値を再認識するほか、お互いにちょうどいい距離感を把握できると、夫婦関係の改善につながります。
ただ、別居するとそのまま離婚問題に発展してしまうこともあるので、期間やルールを定めるなど、慎重に考える必要があります。
3. 夫婦関係を修復・改善できた事例
筆者の経験上、妻が離婚を決意して弁護士に相談した時点で、手遅れである場合が多いです。妻は長年耐え続けた結果、我慢の限界を超えた時点で弁護士に相談することが多いからです。したがって、妻から話しかけられなくなったなと感じた時点で、夫婦関係の危機に気付くことはとても大切です。
そのような中でも、夫婦関係を改善できた例を紹介します。
妻はフルタイム勤務をしているにもかかわらず、保育園の送迎から子どもが熱を出した際の対応まで家事育児の大部分を担当せざるを得ず疲れ切っていました。夫は、自分の方が高収入であることを理由に常に上から目線であり、たまに掃除機をかけたりゴミを出したりする程度で、十分に家事育児を分担していると考えている様子であるとのことでした。
この状況に妻が不満を募らせて「夫と話しても喧嘩になるだけで余計に疲れ、最近は諦めている」と筆者のもとへ相談に来ました。妻は離婚を考えていましたが、子どもが幼いことから将来への不安もあり、本当に離婚すべきか迷っていました。
そこで妻に対して、まずは夫に対して生活費を稼いでくれることなどへの感謝を示したうえで、気力や体力の限界を感じていることや本気で離婚を考えていることを、冷静かつ具体的にしっかり伝えるよう助言しました。妻は子どもを親に預けて時間をつくり、夫に対して本気で離婚を考えていることを伝えたようです。
夫は妻が離婚まで考えていたことにショックを受け、不満を感じつつも、弁当づくりなどの大変な作業、保育園の準備や送迎を分担するようになったようです。また、実際に分担することで妻の大変さを実感したようで、少しずつ夫婦関係が改善したとの報告を受けました。
他には、妻が夫に愛想を尽かして別居に踏み切った後に、夫が反省して妻子に対して誠実な対応を継続したところ、最終的に妻が夫を受け入れた例もあります。
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4. 会話をしない妻と離婚できる?
会話をしない妻との関係修復を試みても、妻が受け入れてくれないケースは多くあります。
このような場合、離婚できるのでしょうか。
4-1. 協議・調停の場合|合意すれば離婚できる
妻が会話をしてくれず、話し合いをしても改善しない場合は、離婚も選択肢になると考えられます。妻が離婚や離婚条件についても合意している場合は、協議や調停で離婚できます。
協議離婚は、二人で離婚条件を決めて離婚届を提出することで離婚が成立するため、最もシンプルです。しかし、離婚協議書を締結しなかったり、内容が不十分だったりすると後に問題が生じる場合があるので、離婚協議書の作成を専門家に依頼するのもひとつです。
調停の場合は、調停委員や裁判官が仲介して話し合いを進め、最終的に双方が合意した離婚条件を記載した調停調書が作成されます。したがって、協議離婚よりも確実な方法といえます。しかし、調停調書は判決と同等の強い効力があるので、内容の協議などは慎重に対応する必要があります。
4-2. 訴訟の場合|会話をしないだけでなく、別の理由が必要
妻が離婚を拒否している場合は協議や調停で解決できないため、訴訟をするしかありません。しかし訴訟においては、いわゆる法定離婚事由が認められない限り、離婚は認められません。
法定離婚事由は、以下の5つです。
相手が不貞行為をしたとき
相手から悪意で遺棄されたとき
相手が3年以上生死不明のとき
相手が強度の精神病にかかり回復見込みがないとき(2026年5月までに施行される改正民法によって削除される予定)
その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
会話をしないというだけでは法定離婚事由に該当しません。したがって、離婚訴訟で離婚を認めてもらうためには、会話をしないという事実を証明しつつ、長期の別居やセックスレスなど、他の事情も組み合わせて、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」があると主張する必要があります。
5. 会話をしない妻と離婚するときのポイント
会話をしない妻と離婚するためには、以下3つのポイントを押さえておく必要があります。
5-1. 冷静に話し合って説得する
会話をしてくれないことを理由に離婚を希望しても、妻が世間体を気にしたり、離婚後の生活や子どもの教育費や老後の不安などを理由にしたりして応じてくれない場合があります。妻が経済的な不安などを理由として離婚に応じない場合は、妻の離婚後の生活に配慮した離婚条件を提案することで応じてくれる可能性があります。
ただ、妻が世間体を気にしており、離婚を受け入れられないような場合は、話し合いによる解決は難しい可能性があります。
5-2. 法定離婚事由の証拠を確保する
妻が不倫をしている場合は、その証拠を確保し、離婚訴訟で不貞行為を証明することで、離婚が認められやすくなります。妻が不倫をしていない場合でも、妻が夫をあからさまに無視したり、長期間にわたってセックスレスであったりする場合は、それらの事実を示す証拠の確保が必要です。
また、妻に対して話し合いを求めたり、妻からの要望に応えたりするなど、夫が修復の努力をしたかどうかも、離婚の判断に影響する可能性があります。それらの事実についても証拠を残しておきましょう。
5-3. 離婚条件を漏れなく決める
離婚する場合は、財産分与や養育費、年金分割などの離婚条件をきちんと決めることが大切です。必要な離婚条件を決めずに離婚してしまうと、後からバラバラに調停を申し立てられたり、慰謝料を求める訴訟を提起されたりするなど、手続きの複雑化や長期化を招く可能性があります。
また財産分与には、権利行使できる期間である除斥(じょせき)期間が2年と定められています。慰謝料請求にも3年の時効があるなど各請求に期限があるので、離婚条件を後回しにすると、これらを請求できなくなるリスクもあります。
6. 会話をしない妻と離婚したいときに弁護士へ相談するメリット
家庭は本来は最もくつろげる場所です。したがって、家庭内で妻が会話をしてくれない状況が続くと、夫はストレスを感じるでしょう。妻の言動によって自宅に帰るのが苦痛になったり、自宅に居場所がなく疲れがとれなくなったりしたという相談を受けることもあります。相談に来る人の中には、心療内科に通っている人もいます。
しかし、妻が会話をしてくれないというだけでは、裁判で離婚を認めてもらうのは難しいのが現実です。妻が離婚を拒否する場合、成立させることは簡単ではありません。
そのため、離婚を決意したら早めに弁護士に相談して、離婚に向けての方針や手続きなどを確認することをおすすめします。弁護士に相談することで進むべき道が見えたり、気持ちを整理できたりすることもあります。
7. 会話をしない妻に関する質問
父母の会話がない家庭環境は、子どもに深刻な影響を与える可能性があります。例えば、父母の不和を自分のせいと感じてしまい、自己肯定感が下がり情緒が不安定になったり、気を遣うことにストレスを感じ、問題行動を起こしてしまったりします。
また、子どもはコミュニケーションスキルを父母から学ぶため、家庭内での会話が少ないことで、コミュニケーションや素直な感情表現が苦手になるケースもあるようです。
妻が口をきいてくれない原因が夫の言動にある場合は、夫が言動を改善したり、妻と話し合ったりすることによって解決できる可能性があります。しかし、妻の愛情が完全に冷めてしまっている場合や、夫婦関係の修復が難しい状況に至ってしまった場合などは、離婚も選択肢のひとつになるでしょう。子どもがいる場合は、子どもの養育環境を整えるために別居するのもひとつの方法です。
8. まとめ 夫婦の危機に悩んだら 専門家に相談を
妻が会話をしてくれない状況が続く場合は、夫婦関係が破綻に向かっている可能性があります。手遅れにならないよう、気付いた段階で妻と向き合って話し合い、理解し合うことが大切です。それでも解決できない場合は、一人で抱え込まずに弁護士に相談することをおすすめします。
(記事は2025年11月1日時点の情報に基づいています)