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モラハラ夫に共通する特徴は?【チェックリスト付き】 対処法まで弁護士が解説

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【チェックリスト】モラハラ夫の特徴。当てはまるものがある場合はモラハラ被害を受けているかも
「モラハラ」という言葉をさまざまな場面で聞くことが多くなりました。夫婦間のモラハラ相談も増えています。この記事では、夫からのモラハラに悩む女性に向けて、モラハラ行為は法律的にはどのような位置づけなのか、被害者はどのような救済を受けられるのかなど、離婚問題を多く取り扱う弁護士が解説します。
目 次
  • 1. モラハラとは?
  • 2. 【チェックリスト】モラハラ夫に共通する特徴8選
  • 2-1. 人格を否定する言動をする
  • 2-2. にらみつける
  • 2-3. 壁や家具を叩いて壊す
  • 2-4. 謝罪を強要する
  • 2-5. 性交渉を強要する
  • 2-6. 家族以外への物腰はやわらかい
  • 2-7. 妻を小ばかにする
  • 2-8. 勝ち負けに異常にこだわる
  • 3. 夫がモラハラをする原因
  • 3-1. ストレスが連鎖している
  • 3-2. 幼少期の影響を受けている
  • 4. モラハラ夫への対処法
  • 4-1. モラハラの記録をつける
  • 4-2. 信頼できる人や相談窓口に相談する
  • 4-3. 別居・離婚を視野に入れる
  • 5. モラハラ夫について弁護士に相談するメリット
  • 5-1. 保護命令の申立ての申請をサポートしてくれる
  • 5-2. 代理人としてモラハラ夫と交渉してもらえる
  • 5-3. 裁判まで一貫してサポートしてもらえる
  • 5-4. 慰謝料請求や親権の獲得についても交渉してくれる
  • 6. モラハラ夫に関してよくある質問
  • 7. まとめ 夫からのモラハラは早めに相談を
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1. モラハラとは?

「モラハラ」とは一般的に精神的な暴力を指します。夫婦間のモラハラ行為には、壁を殴る行為(直接的な暴力ではない)や暴力とまではいえない陰湿な嫌がらせ、性交渉の強要などが該当します

モラハラは法律で明確に定義されていないため、法的な対応が難しい場面があります。定義が明確でないと、本当に救済すべき人を取りこぼしたり、不必要に処罰の範囲が広がりすぎたりすることがありえます。そのため、法律では、いわゆるモラハラに当たる行為を、場面ごとにさまざまな表現で定義しようとしています。

法律でいわゆるモラハラを定義づけている具体例として、民法や配偶者暴力等防止法(DV防止法)があります。

民法では、当事者間の合意で離婚できない場合の離婚原因(法定離婚事由)として、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」と定めています。そこには暴言・暴力も含まれており、モラハラによる「精神的な暴力」も該当することも多くあります。

またDV防止法では、下記のような例について「自由、名誉または財産に対する脅迫行為」と定義づけています。

・「言うことを聞く」と言うまで外に出さないなどと告げる(自由に対する脅迫)
・土下座を強制する(自由に対する脅迫)
・仕事を辞めさせると告げる(自由に対する脅迫)
・「キャッシュカードを取り上げる」などと告げる行為(財産に対する脅迫)

上記のような自由、名誉または財産に対する脅迫行為は、DV防止法の「保護命令」を発令する要件に該当することがあります。

なおDV防止法は、接近禁止などの命令に違反した場合の刑事罰がある関係で、民法よりも加害行為の定義が具体的になってるのが特徴的です。

2. 【チェックリスト】モラハラ夫に共通する特徴8選

弁護士として離婚問題を多く取り扱うなかで、モラハラ加害者の行為にはいくつかの共通点がみられます。

以下のチェックリストに、あなたの夫が当てはまるなら、モラハラ夫かもしれません。

  • 人格を否定する言動をする

  • にらみつける

  • 壁や家具を叩いて壊す

  • 謝罪を強要する

  • 性交渉を強要する

  • 世間体はよいことが多く、家族以外への物腰はやわらかい

  • 妻を小ばかにする言動をする

  • 勝ち負けに異常にこだわる

それぞれについて解説します。

2-1. 人格を否定する言動をする

モラハラ加害者に共通する行為として、被害者を精神的に支配する手段が挙げられます。具体的には、「考えがおかしい」「役立たず」といった人格を否定するような言動で、妻に対して「自分はダメな人間なんだ」と思い込むように仕向けることです。

また、「大声で怒鳴る」「長時間の説教をたびたびする」などの行為により、例えば夜遅くまで寝かせずに説教をすることで判断能力を弱らせ、抵抗する気力を失わせようとする行為もみられます。

2-2. にらみつける

相手を威嚇するようににらみつける行為もモラハラ加害者の特徴です。自分の気に入らない行動をとる妻に対し、威圧感やプレッシャーを当てることで従わせようとします。

また、にらみつけるだけでなくため息をついたり、無視したりして、妻の存在を無視するような素振りをすることもあります。

2-3. 壁や家具を叩いて壊す

直接暴力を振るったり物を投げたりしてこないものの、物を壊して威嚇する行為をとる人もいます。壁を叩く・家具を蹴る・物を乱暴に扱って大きい音を出すといった行為は、怖がらせたり萎縮させることが目的です。

妻が大切にしている物をあえて壊すこともあり、「次は別の物を壊されるかもしれない」「今度は自分が傷つけられるかもしれない」と精神的なダメージを与えます。

2-4. 謝罪を強要する

人格を否定する言動の延長として、謝罪を強要するというケースも挙げられます。例えば、モラハラ夫にとって不愉快なことが起こっただけで、自分が満足するまで妻にただひたすら謝罪させることがあります。

酷いケースでは、散々謝罪させた後に「何に対して謝っている!何でここまで俺が怒っているかわかっているのか!」と怒鳴り続けることもあるようです。また、夜遅くに妻が寝ようとすると「まだ許していない。誰が寝て良いって言ったのか!」などと怒鳴り散らして寝かせてくれないなど、精神面にも影響をおよぼします。

2-5. 性交渉を強要する

妻に性交渉を強要することがあるのもモラハラの特徴の一つです。「夫婦生活は夫婦の義務だ!」と、拒否しているにもかかわらず強制的に受け入れさせることは、人格否定の延長線ともいえるでしょう。

妻側としても、受け入れを拒否すると夫が子どもたちに八つ当たりするなどの理由から、受け入れざるを得ないケースも見受けられます。

2-6. 家族以外への物腰はやわらかい

モラハラ夫の特徴の一つとして、家族以外には物腰柔らかに接する場合が多いことが挙げられます。世間的にそれなりの地位にある人は、周囲から理知的な人物と思われていることも多いです。しかし、家族に対しては威圧的な態度で接し、自分の意に沿わない行動を取られると、理詰めや怒鳴り、物に当たるなど、さまざまな方法で精神的に抑圧しようとします。

筆者の元へ相談に来るモラハラ被害者の多くも、日頃から理詰めで抑圧されている様子が見られます。「夫は論理的な人間で口がうまいので、弁護士や裁判所が間に入っても、言いくるめられてしまうような気がします」と相談されることもしばしばあります。

2-7. 妻を小ばかにする

モラハラ夫は、家庭内で自分が優位な立場に立ちたいと考えている場合があります。そのため、妻に対して、暴言とまでいえなくとも、小馬鹿にしたような言動を取ることがあります。例えば、子どもがトラブルを起こした際に、「それは俺の血ではない」と妻からの遺伝が問題で起きたと言わんばかりの発言をしたり、「子どもの面倒も満足に見られないのか」と妻のせいにしたりするなどです。

2-8. 勝ち負けに異常にこだわる

モラハラ夫の中には、異常に勝ち負けにこだわる人がいます。特に、小馬鹿にしてきた妻に負けてしまうことには強く抵抗を感じるようです。

その様子は、離婚紛争にて見受けられます。離婚協議中は、生活費の金額、財産分与、子の親権、養育費など、決めなければならないことが多くあります。

実際に筆者が経験したケースで、これらの決めごと一つひとつに対して、妻側の意見が少しでも通りそうになると、徹底的に長文の意見書を提出するなど抵抗してくることがありました。異常に勝ち負けにこだわるため、離婚紛争の長期化の原因となります。

3. 夫がモラハラをする原因

モラハラ行為には、人それぞれの理由があるでしょう。しかし、数多くの相談事案を担当していると、その背景に、ある程度共通したものがみえてきます。

3-1. ストレスが連鎖している

モラハラを行う原因の一つとして、仕事のストレスやプレッシャーが影響していることが考えられます。

実際にあった相談事例を振り返ると、モラハラ夫は、医師や会社経営者という社会的地位が高い人であるケースがそれなりの割合を占めていました。仕事が激務かつ責任の重い職業であることから、ストレスやプレッシャーの発散先が家庭内に向いてしまっているのだと思われます。

3-2. 幼少期の影響を受けている

モラハラ夫自身がモラハラのある家庭環境で育った場合、世代間連鎖が起こりやすいといわれています。つまり、モラハラを行う親を見ていた子どもや、実際にモラハラ被害を受けていた子どもは、大人になったときに同じことをしてしまいやすい傾向があります。

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4. モラハラ夫への対処法

モラハラ夫への対処法は、さまざまな手段があります。

4-1. モラハラの記録をつける

モラハラを理由に法的手段を考えている人は、まず記録をつけましょう。モラハラと受け取れる言動を録音・録画したデータがあれば客観的な証拠となりますが、そこまでは難しい場合には、日記などの記録も有効です。日記の場合は、受けた被害をできるだけ細かく記しておくことが重要です。

しかるべき時に弁護士が法的に救済する際にも、「具体的にどのような行為をされたのか」を裁判所などに説明する必要があります。録音データや細かい内容が記録された日記は、モラハラ被害を立証するため有効な証拠となります。

4-2. 信頼できる人や相談窓口に相談する

モラハラ被害から脱却したいと考えるのであれば、まずは信頼できる親族や友人に相談しましょう。その次に弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。大切なのは、一人で抱え込んでしまわないことです。

弁護士に相談する場合は、弁護士会や、離婚問題を多く扱う法律事務所、自治体が設置している窓口など、モラハラやDV、離婚問題に特化した機関を探してみるのもよいでしょう。

4-3. 別居・離婚を視野に入れる

モラハラの原因がその人の気質にある場合、改善する可能性は低いかもしれません。そのため、関係を改善するのが難しいと感じたら、別居・離婚を視野に入れて行動するべきです。

受けている被害によっては、法的な救済を受けられる可能性もあります。まずは別居するなどモラハラ夫と距離を置き、落ち着いた環境で今度のことを考えましょう。

5. モラハラ夫について弁護士に相談するメリット

モラハラ夫から離れようとするなら、弁護士に相談するのがよいでしょう。弁護士なら被害に応じて法的な救済を受けられるようアドバイスしたり、離婚や慰謝料請求に向けた具体的な準備をサポートしてくれたりします。

5-1. 保護命令の申立ての申請をサポートしてくれる

具体的には、身体的暴力や脅迫行為、一定の精神的暴力がある場合、違反した場合の罰則付きで裁判所から命令を下してもらえるよう手続きできます。DV防止法に基づく保護命令は、「相手方を自宅から退去させる」「配偶者自身や子ども、その他の親族への接近を禁止する」といった内容です。なお違反した場合は、2年以下の懲役刑(2025年6月からは拘禁刑)または200万円以下の罰金に処されます。

保護命令の申立ては、申立書に警察や配偶者暴力相談支援センターでの相談実績を記載するのが一般的です。弁護士に依頼すれば、証拠収集のアドバイス、申立書等の書類作成の代理をしてくれるほか、裁判所での面接や聴取への立ち会いをしてもらえます。

5-2. 代理人としてモラハラ夫と交渉してもらえる

また、離婚を視野に入れて動く場合も弁護士に相談するメリットはあります。モラハラ夫と話し合いでスムーズに離婚できる可能性は低く、要求に応じないどころか言いくるめられてしまうケースも多いです。

弁護士に依頼すれば、代理人として法律に基づき、毅然とした態度で依頼者のために交渉してくれます。モラハラ夫にプレッシャーを与えると共に、法的措置を連想させるため、モラハラ夫も「離婚しない」と強気一辺倒ではいられなくなります。

何より、被害者がモラハラ夫と直接交渉する必要がないことは、ストレス軽減につながるでしょう。

5-3. 裁判まで一貫してサポートしてもらえる

弁護士が代理交渉しても、合意が得られなければ、最終的に裁判所から離婚を命じてもらう方法を検討する必要がでてくるでしょう。

裁判所からの離婚命令を早期に実現するには、モラハラ被害を適切に説明できることが重要です。弁護士なら、有効な証拠の具体例や掴む方法などをアドバイスできます。万が一、証拠が乏しい場合でも、別居してから離婚を成立させるなど別の対策を練ることも可能です。

5-4. 慰謝料請求や親権の獲得についても交渉してくれる

弁護士は裁判離婚に伴う財産的給付の請求についてもサポートできます。離婚時に配偶者から得られる財産的給付としては、「別居してから離婚に至るまでの配偶者の生活費や子どもの養育費」「婚姻してから別居するまでに形成された財産の分与」「子どもが独立するまでにかかる養育費」などがあります。

また、モラハラ行為がある程度強度であり、かつ立証もできれば、「慰謝料」を得られる可能性もあります。

モラハラ被害者の中には「収入が低い自分では子どもの親権は取れないのではないか」「夫から親権は渡さないと言われた」などと、子どもを理由に別居に踏み切れないほか、子どもを盾にとられて被害を我慢せざるを得なくなっているケースも多く見られます。しかし、収入の多寡は親権と直結してくるケースは少なく、経済的な格差については離婚時の財産的給付である程度カバーすることも可能です。

弁護士に依頼すれば、こうした慰謝料を含むお金の請求や親権獲得に向けて、あなたの代わりに、モラハラ夫と交渉してくれます。

6. モラハラ夫に関してよくある質問

Q. モラハラ夫の前兆は?

モラハラ気質の人は他人の評価を気にして、外面は良いことが多い傾向があります。そのため、外部の人と自分への態度に差を感じるなど、違和感がある場合は注意したほうがよいかもしれません。

Q. 夫のモラハラは変わる?

まずは、夫婦間での話し合いなどから、夫自身にモラハラ行為を自覚してもらうことが大切です。しかし多くの相談を受けてきた筆者の経験上、夫がモラハラの改善を誓い、妻自身もその言葉を信じたが結局長年にわたり改善されなかったケースもしばしばあります。

Q. モラハラをされる側の女性の特徴は?

モラハラを受ける女性には「とても我慢強い」という特徴があります。離婚したら経済的に困窮してしまう、子どもを盾に取られて逃げられないなど、我慢を強いられる環境に陥りやすいのが原因の一つです。また、精神的に従属することが染み付いてしまい抵抗する気力を失っているケースも見受けられます。 また、夫から逃げようとしたが、「親権は渡さない」「出ていくなら一人で出ていけ」などと子供を盾に取られて逃げ出せなくなっているケースもよく見受けられます。

7. まとめ 夫からのモラハラは早めに相談を

夫婦間のモラハラ被害に関して適切な救済を受ける場合、まずは被害を受けない環境に逃げ込むことが何より重要です。その後で、適切な条件で離婚することや、将来の生活について考える時間を持つべきです。

モラハラ夫と離婚する場合、その後の金銭的な課題や子育てなど心配ごとも多くあるでしょう。適切な法的手段を取らずに離婚すると、十分な経済的給付を受けることができず、モラハラ夫ばかりが経済的な利得を得てしまうという理不尽な結果となる可能性があります。

そのため、モラハラ被害に気付いたら早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。どのような手段が最終的に適しているかなどの選択肢を把握し、適切なサポートを提案いたします。

(記事は2025年6月1日時点の情報に基づいています)

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