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1. 弁護士を立てずに自分で慰謝料請求はできる?
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2. 慰謝料請求を自分で行う方法
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2-1. 話し合いで直接請求する
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2-2. 内容証明などの書面で請求する
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2-3. 自分で裁判によって請求する
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3. 自分で慰謝料請求を成功させるためのポイント
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3-1. 感情的にならず冷静に対応する
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3-2. 証拠を確保してから請求する
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3-3. 過度の謝罪を要求しない
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3-4. 過度な慰謝料を請求しない
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3-5. 示談書を作成する
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4. 慰謝料請求を自分で行う場合のリスク
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4-1. 相手が請求に応じない可能性が高い
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4-2. 相手と交渉する際の精神的な負担が大きい
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4-3. より大きなトラブルに発展する可能性がある
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4-4. 相手が弁護士を立てた際の対応が難しい
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4-5. 適切な示談書を作成するのが難しい
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4-6. 裁判になった際の対応が難しい
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5. 慰謝料請求を弁護士に相談・依頼するメリット
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6. 慰謝料請求を自分でしてもよいケース
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6-1. 相手が慰謝料の支払いを認めている
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6-2. 獲得できる慰謝料の金額が少ない
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6-3. 少しでも手取りを多くしたい
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7. 慰謝料請求を自分で行う際のよくある質問
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8. まとめ 自分で慰謝料を請求する場合も弁護士に相談しよう
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1. 弁護士を立てずに自分で慰謝料請求はできる?
配偶者や不倫相手に対して慰謝料請求をする場合、弁護士を立てず、自分で行うことも可能です。慰謝料請求で弁護士を立てなければいけないという決まりはありません。
ただし、自分で行うと、相手が応じなかったり、当事者同士の交渉によりトラブルになったりするリスクがある点には留意 しておかなければなりません。
2. 慰謝料請求を自分で行う方法
自分で慰謝料を請求するには、次の方法があります。
相手との話し合いで請求する
内容証明郵便などの書面で請求する
裁判において請求する
なお、いずれの方法も注意点があるため、事前に弁護士に相談することが望ましいでしょう。
2-1. 話し合いで直接請求する
直接会って請求する場合は、相手に連絡をして話し合いの場を設けましょう。相手が慰謝料の支払いを認めていれば、交渉がすんなりとまとまるケースもあります。
話がまとまったら、トラブル防止のため、必ず示談書を作成するようにしましょう。示談書については後述します。
一方で、当事者同士の話し合いは、お互いの感情が高ぶり、交渉が決裂する可能性が高い ため注意が必要です。
2-2. 内容証明などの書面で請求する
相手に慰謝料の支払いを求める内容を記載した書面を、内容証明郵便で送付する方法もあります。
内容証明郵便とは、記載内容を郵便局が証明してくれる郵便で、法的措置に踏み切る前に送るのが一般的です。そのため、相手に一定の精神的プレッシャーをかける ことができます。
内容証明郵便により相手が支払いに応じれば、直接話さずに済むため、精神的な負担は少ないです。
ただし、内容証明郵便のみで相手が支払いに応じない場合には、その後相手と会って話し合いをするか、裁判を申し立てることになります。
2-3. 自分で裁判によって請求する
交渉でも、内容証明郵便でも相手が支払いに応じないのであれば、裁判を申し立てる以外に、相手に慰謝料を支払ってもらう方法はありません。
自分で裁判をするのであれば、訴状、証拠、証拠説明書、収入印紙、予納郵券などの必要書類があるので、裁判所のホームページ、もしくは電話で確認するなどして準備しましょう。
裁判で自分の言い分が認められれば、相手に対して慰謝料の支払いが命じられます。裁判の判決には強制力があるため、相手が支払いに応じなくても、強制執行、具体的には相手の財産を差し押さえるなどして強制的に慰謝料を回収できます。
自分で裁判を申し立てることは可能ですが、裁判所とのやりとりや書面作成、出廷などを一人で行わなければならず、かなり大変です。法的な知識も必要です 。
3. 自分で慰謝料請求を成功させるためのポイント
裁判で慰謝料請求するのは難易度が高いため、不倫相手との交渉で成功させるのが一番です。交渉で慰謝料を請求する際のポイントは次の通りです。
感情的にならず冷静に対応する
不倫の証拠を確保してから請求する
過度の謝罪を要求しない
過度な慰謝料を請求しない
示談書を作成する
それぞれについて解説します。
3-1. 感情的にならず冷静に対応する
いきなり「慰謝料を支払え」と伝えても相手は納得しないでしょう。まずはどういう理由で慰謝料を請求しているのか、根拠を示してから請求しましょう。
当事者同士の話し合いとなると、どうしても感情的になってしまうことがあります。感情的になると話がまとまらないため、冷静に対応することが重要です。
例えば、配偶者の不倫相手と交渉する場合、こちらの言い分を一方的に相手にぶつけてしまうと、お互いに感情的になってしまいます。感情的な対立を避け、冷静に話し合いを行うためにも、最初は争点を絞り、不倫について適宜証拠を示しながら話し合った方がよいでしょう。
3-2. 証拠を確保してから請求する
裁判はもちろん、交渉で慰謝料請求をする場合、まず証拠を確保しておくことが前提です。証拠がなくても慰謝料請求をすること自体は可能ですが、証拠がなければ、相手が支払いを拒否する 可能性があります。裁判に発展した場合も、請求する側が不法行為を立証しなければなりません。時間が経てば証拠を押さえるのが困難となるため、請求前に準備しておきましょう。
例えば、慰謝料を請求する場合は、次のような証拠が必要です。
【不倫の場合】
・肉体関係があったことをほのめかす内容の不倫相手とのLINE・メール・SNSのダイレクトメッセージ
・ラブホテルに出入りしている写真
・動画・肉体関係であることがわかる動画
・不貞行為を認める旨の配偶者の供述(録音)など
また、内容証明郵便の送付や裁判で請求する場合には、相手の連絡先だけでなく、相手の氏名・住所を特定する必要があるため、探偵事務所などに特定を依頼することも考えられます。
【DVの場合】
・ケガをした部位や壊れた物の写真
・DVの録音や録画
・医師の診断書や受診歴
・DVを受けた日の日記やメモなどの記録
・警察や友人などに相談した記録
【モラハラの場合】
・相手の言動を記録した音声や録画
・モラハラの内容を記録した日記やメモ
・配偶者から届いたメールやLINE
・精神科や心療内科への受診記録や医師の診断書
・第三者の証言
特にモラハラの場合は、慰謝料を認めてもらうのが難しい可能性がありますので、請求が可能か、どういった証拠を準備すべきなのか、事前に弁護士に相談することが重要です。
3-3. 過度の謝罪を要求しない
相手に直接慰謝料を請求する際、許せない気持ちから過度の謝罪を要求するケースがあります。しかし、土下座など相手に過度の謝罪を要求することは控えてください。慰謝料の支払いに応じてもらえないだけでなく、場合によっては、強要罪(刑法223条)に該当し、逆に相手から刑事告訴などされる可能性 があります。こちらの正当性を訴えるためにも、法律に触れない方法で請求することが大切です。
3-4. 過度な慰謝料を請求しない
同様に、慰謝料相場からかけ離れた過度な慰謝料を請求することも、相手との交渉が決裂する原因となります。精神的苦痛で請求できる慰謝料相場は、次の通り、各離婚理由によっても異なります。
不倫:100万~300万円
DV:50万~300万円
悪意の遺棄(同居義務違反):50万~300万円
性行為の拒否:0~100万円
ただし、交渉のテクニックとして、相場よりもやや高めに請求して、相手が応じない場合に相場まで下げて請求 するなどが考えられます。
3-5. 示談書を作成する
合意内容は、示談書を作成して締結しましょう。支払いについて合意したとする示談書を作成をしないと、後々トラブルになり、慰謝料の回収が困難になる恐れがあります。
示談書には、慰謝料の支払い以外でも、例えば配偶者と不倫相手が二度と接触しないこと、接触した場合には違約金を支払うこと、合意書に至る経緯・内容について他の人に口外しないことなどの条項を定めることができます。
また、示談書を公正証書で作成しておくことで、合意内容通りに慰謝料の支払いが行われなかった時に、裁判で判決を得た場合と同様、強制執行の手続きが可能 です。
4. 慰謝料請求を自分で行う場合のリスク
慰謝料の請求自体は自分でできますが、さまざまなリスクがあるため、事前に弁護士に相談するのがおすすめです。自分で対応すべきかどうか、リスクや弁護士依頼のメリットも考慮した上で判断した方が良いでしょう。
4-1. 相手が請求に応じない可能性が高い
自分で請求する場合は、相手が支払いに応じない可能性が高いです。弁護士が代理人として請求する場合と比べて、相手に与える心理的プレッシャーの度合いが弱くなるため、そもそも交渉ができない ことが考えられます。
4-2. 相手と交渉する際の精神的な負担が大きい
不倫やモラハラなどによる慰謝料の請求では、相手への怒りや嫌悪感、恐怖などから顔も合わせたくない人も多いでしょう。自分で慰謝料を請求するとなると、相手と直接やり取りをする必要があり、精神的な負担も大きなものとなります。
4-3. より大きなトラブルに発展する可能性がある
これまでの経緯や感情的な問題などから、当事者同士での交渉をするとなると、より大きなトラブルになることがあります。例えば、どちらかが暴力を振るったり、暴言を吐いたりして、酷い場合には刑事事件に発展 することも考えられます。
4-4. 相手が弁護士を立てた際の対応が難しい
相手が弁護士を立てた場合は、自分に有利な交渉を進めるのは難しいです。弁護士は法律知識や経験もある専門家です。法的な知識や根拠を示して、「慰謝料を支払う義務はない」などと反論されたり、減額交渉で相場通りの慰謝料を支払ってもらえなかったりする可能性 が高まります。
4-5. 適切な示談書を作成するのが難しい
慰謝料の支払いで合意が得られたら、示談書を作成する必要があります。しかし、法律知識のない当事者同士で示談書を作成した場合、合意した内容を適切に書面に表すことができず、法的に無効になったり 、後々になって示談書の文言の解釈について当事者間で争いが生じたりする恐れ があります。
4-6. 裁判になった際の対応が難しい
裁判外での話合いや内容証明郵便による請求をしても、相手が支払いに応じてくれなければ、最終的には裁判で請求せざるを得ません。法律知識や経験がない人が自力で裁判を進めて行くことは事実上難しいです。裁判は1年以上に及ぶケースも多くあり、手間や時間がかかります。自分で手間や時間をかけて争ったのに「思ったような慰謝料が認められなかった…」といった結果になることもあるでしょう。
5. 慰謝料請求を弁護士に相談・依頼するメリット
慰謝料請求を弁護士に依頼・相談することで、上記のようなリスクを回避・軽減でき、自分でやるよりも多くの慰謝料が得られる可能性があります。
相手の行為に対して負った損害があるのであれば、それを主張するのは正当な権利です。しかし、権利があるのに、自分で対応したことで、思うような結果が得られなければ、それまでの努力や労力が無駄になってしまいます。
弁護士に依頼するかどうか迷う原因は、弁護士費用やもらえる慰謝料との兼ね合いでしょう。想定される慰謝料が低額で弁護士に依頼すると費用倒れになるようなケースでも、そもそも自分の想定する慰謝料額が妥当なものなのか、また自分でどのように請求していくかなどの点について弁護士に相談することが望ましい です。
相談だけなら、無料で対応してくれる弁護士事務所も多くあります。相談してから判断するのでも遅くはないでしょう。

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6. 慰謝料請求を自分でしてもよいケース
慰謝料請求は、前述したようなリスクがあるため、基本的には弁護士への依頼が望ましいです。しかし、以下のようなケースでは、自分で慰謝料請求をすることを検討してもよいでしょう。
6-1. 相手が慰謝料の支払いを認めている
相手が慰謝料の支払いに応じる場合には、自分で慰謝料を請求しても問題ありません。示談書を作成してすぐに終わるケースもあります。
ただし、のちに支払いがなされないなどを防止するため、示談書の内容については、弁護士にアドバイスをもらうのがよいでしょう。
6-2. 獲得できる慰謝料の金額が少ない
例えば、不倫の慰謝料の金額は、不貞行為の回数・期間・頻度、不貞行為により離婚に至ったか否か、婚姻期間など様々な要素を考慮して判断されます。不貞行為が一度きりで、離婚にも至らず、婚姻期間も短期間であれば、慰謝料が50万円以下になるケースもあります。
得られる慰謝料が少ない場合は、弁護士費用の方が高くなり、費用倒れになってしまう可能性が高いため、自分で請求した方が良いでしょう。
6-3. 少しでも手取りを多くしたい
弁護士費用をかけず、少しでも手取りを多くしたい人は、まずは自分で慰謝料請求をすることも考えられます。
ただし、当事者同士の交渉はトラブルになる可能性が高く、結果として慰謝料を支払ってもらえなかったり、弁護士に依頼した場合よりも低い額になったりするケースもあります。
実際、慰謝料の相場や本当に費用倒れになるのかについて、自分で判断をするのは難しいです。
獲得できる慰謝料や弁護士費用がどれくらいになるのか、一度弁護士に相談し、見積もりなどを取ったうえで判断した方が良い でしょう。
7. 慰謝料請求を自分で行う際のよくある質問
8. まとめ 自分で慰謝料を請求する場合も弁護士に相談しよう
慰謝料の請求は自分でも可能ですし、弁護士に依頼しなければならないという法律はありません。ただし、自分で請求をしても、相手が応じなければ、裁判を申し立てる以外に支払ってもらうのは困難です。
また、自分で裁判を申し立てるのは非常に難易度が高く、手間や時間をかけた割に、望んだ結果が得られないこともあります。弁護士費用が心配で、依頼に踏み出せないのであれば、まずは無料相談を活用して、弁護士に相談してみてください。
慰謝料の相場や自分で対応すべきかどうかアドバイスをもらい、見積もりと比較したうえで依頼を判断するのが得策です。
(記事は2025年2月1日時点の情報に基づいています)