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1. 離婚慰謝料とは?請求は弁護士なしで自分でできる?
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2. 離婚慰謝料について弁護士に相談・依頼した方がよいケース
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2-1. 相手が慰謝料の支払いを拒否している
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2-2. 相手と直接交渉したくない
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2-3. 少しでも高い金額で慰謝料をもらいたい
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2-4. 有利な条件で離婚したい
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2-5. 相手が弁護士を立てている
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3. 離婚慰謝料の請求で弁護士に相談するメリット
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3-1. 慰謝料請求の可否を判断できる
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3-2. 今後取るべき行動のアドバイスがもらえる
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3-3. 請求できる慰謝料金額の目安がわかる
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4. 離婚慰謝料の請求で弁護士に依頼するメリット
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4-1. 交渉をすべて任せられる
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4-2. 適切な金額で慰謝料を獲得できる
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4-3. 調停や裁判になっても一貫して対応してもらえる
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5. 離婚慰謝料に強い弁護士の特徴や見分け方
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5-1. 離婚問題の実績が豊富
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5-2. 親身になって話を聞いてくれる
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5-3. デメリットや不利な点も説明してくれる
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6. 離婚慰謝料を依頼する弁護士の探し方・選び方
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6-1. 友人や知人等の紹介
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6-2. 検索エンジンやポータルサイトで探す
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6-3. 弁護士費用が明確な事務所を選ぶ
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6-4. 通える距離にある弁護士事務所を選ぶ
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7. 離婚の慰謝料請求にかかる弁護士費用の相場
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8. 離婚慰謝料を弁護士に依頼する場合の流れ
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8-1. 【ステップ①】相談や見積もり
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8-2. 【ステップ②】代理人契約を結ぶ
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8-3. 【ステップ③】離婚条件の交渉
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8-4. 【ステップ④】離婚慰謝料の振り込み
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9. 離婚慰謝料の弁護士依頼でよくある質問
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10. まとめ 離婚の慰謝料請求は弁護士に相談・依頼がおすすめ!
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1. 離婚慰謝料とは?請求は弁護士なしで自分でできる?
離婚慰謝料とは、離婚原因がない配偶者が、離婚原因を作った配偶者に対して、不法行為(民法709条)に基づき請求することができる賠償金のことです。離婚原因としては、不倫や暴力、DVなどが挙げられます。
自分で慰謝料を請求することもできますが、慰謝料の金額などについて過去の裁判例を調査したり、相手の反論に対して適切に対処したりする必要があります。そのため、法律の専門家かつ交渉のプロである弁護士に頼った方がうまくいく可能性が高いでしょう。
2. 離婚慰謝料について弁護士に相談・依頼した方がよいケース
離婚の慰謝料請求は、自分で対応しても、そもそも相手が支払いに応じないケースや、交渉の精神的な負担が大きいことが考えられます。
特に以下のようなケースでは弁護士に相談や依頼を検討した方が良いでしょう。
相手が慰謝料の支払いを拒否している
相手と直接交渉したくない
少しでも高い金額で慰謝料をもらいたい
有利な条件で離婚したい
相手が弁護士を立てている
2-1. 相手が慰謝料の支払いを拒否している
慰謝料を請求しても、相手が応じなければ、裁判を経て財産を差し押さえるしかありません。
しかし、弁護士に依頼すれば、相手に対して心理的なプレッシャーを与えることができます。相手としては適切に対応しなければ「法的措置をとられるかもしれない」と考えるので、少なくとも相手を交渉のテーブルにつかせることができるでしょう。相手を交渉に参加させれば、その分、示談の確率も上げることができます。
2-2. 相手と直接交渉したくない
相手に不倫や暴力などの離婚原因がある場合は、そもそも相手と直接話し合いをすること自体が精神的につらいと感じるでしょう。こういうケースでも、弁護士に依頼すれば、自分の代わりに相手と交渉してもらうことが可能です。交渉が決裂したとしても、裁判まで担当してもらうことができます。裁判では尋問が行われる場合に、相手と会うことになりますが、尋問がなければ、最後まで相手と会うことなく離婚を成立させられます。
2-3. 少しでも高い金額で慰謝料をもらいたい
弁護士に依頼することで、自分で交渉するよりも高い慰謝料を獲得できる可能性があります。離婚の慰謝料には、増額する要因があります。例えば、不倫の場合、期間や回数、不倫相手との間に子どもがいるかどうかなども増額要因です。こうした要因や、相手の反論を見越した交渉を行います。法的知識がなければ、増額要因や反論を踏まえた交渉は難しいでしょう。
2-4. 有利な条件で離婚したい
同様に、有利な条件で離婚したい人も、弁護士に依頼するのがおすすめです。離婚する際は、慰謝料以外にも、財産分与・養育費など決めることが多くあります。慰謝料の請求はもちろん、有利な条件で離婚できるようトータルサポートをしてもらうことができます。また、弁護士が対応することで早期解決も期待できるでしょう。
2-5. 相手が弁護士を立てている
離婚の慰謝料は交渉により減額することができるため、慰謝料の減額を狙って、相手も弁護士を立ててくることがあります。相手が弁護士を立てているなら、こちらも弁護士を立てたほうが良いでしょう。
相手は、「婚姻関係が破綻していた」「不法行為の証拠はない」などとして慰謝料の支払い義務はないと主張してくることが予想されます。弁護士をつけていれば、相手がどういう反論をしてくるのか予想できるため、それを踏まえた証拠収集や主張が可能です。一般の方が弁護士相手に対等に交渉するのはハードルが高いので、こちらも弁護士をつけることをおすすめします。
3. 離婚慰謝料の請求で弁護士に相談するメリット
離婚の慰謝料は弁護士に相談できます。慰謝料を請求できると思っていても、証拠が足りないなどのケースもあるため、相手に請求する前に、無料相談を活用して弁護士に相談するのがおすすめです。実際に弁護士に依頼するかどうかは、相談後に判断すれば良いでしょう。
3-1. 慰謝料請求の可否を判断できる
相手に離婚原因がなければ、慰謝料を請求することはできません。弁護士に相談すれば、自分が考えている離婚原因や手持ちの証拠から、慰謝料請求が可能かどうか、慰謝料請求が認められる可能性が高いかどうかについて判断してもらえます。
離婚の慰謝料について相談をする際は、手持ちの証拠は全て持参するようにしましょう。当事務所でも離婚前に相談に来る人が多くいますが、必要な証拠がないと、効果的なアドバイスや判断ができないということもあります。手持ちの証拠を持参すれば、その証拠が有効であるかどうか、弁護士に判断してもらえます。
3-2. 今後取るべき行動のアドバイスがもらえる
また、弁護士に相談をすることで、今後どういった行動を取るべきなのか、アドバイスをもらうことができます。例えば、手持ちの証拠が弱い場合、今後どのような証拠を集めれば良いのか、離婚に向けて次に取るべき行動、逆に取らない方が良い行動について助言してもらえるでしょう。
当事務所でも、「相手の浮気している決定的な証拠がない、どうすれば良いか?」という相談を受けることがあります。そのようなケースでは、相談者に対して、しばらく相手を泳がせて、調査事務所や探偵に決定的な証拠をつかんでもらえば良いなどのアドバイスをしています。アドバイスの内容は、その人が今持っている証拠にもよるため、実際に弁護士に相談してみるのが一番です。
3-3. 請求できる慰謝料金額の目安がわかる
離婚の慰謝料の相場は、離婚原因や増減されるケースがあります。弁護士に相談すれば、弁護士が過去の裁判例を調査して、手持ちの証拠や離婚原因から、裁判になった場合に認められる慰謝料の目安が分かります。
弁護士費用との兼ね合いから、自分が請求できる慰謝料の金額をある程度把握して、弁護士への依頼を検討する方法もあります。実際に相談してみなければ、費用がどの程度かかるのか、依頼をして慰謝料を支払ってもらえるのかはわかりません。まずは相談してみて判断しましょう。

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4. 離婚慰謝料の請求で弁護士に依頼するメリット
4-1. 交渉をすべて任せられる
相手がモラハラをしたり、不倫をしたりした場合は、自力で対峙して交渉するにも精神的な負担が大きく、冷静に交渉できないことも考えられます。弁護士に依頼をすれば、弁護士が代理人となるため、慰謝料から離婚条件の交渉を全て任せることができます。相手と直接やり取りをしなくて済むため、精神的な負担を大幅に軽減することができるでしょう。
4-2. 適切な金額で慰謝料を獲得できる
弁護士に依頼をすれば、現在、自分が置かれている状況から、適切な金額で慰謝料を請求してもらうことが可能です。不倫の慰謝料請求の場合、慰謝料の増額要因(不貞期間が長い、不貞回数が多い、不貞相手との間に子どもがいるなど)があれば、最大限、高い慰謝料を獲得することができるよう相手と交渉してもらうことができます。
DVに関しては、実際に受けたケガに対して、診断書などの証拠を取得した上で、金銭的な損失や精神的な苦痛を考慮して、慰謝料を請求してもらうことが可能です。
4-3. 調停や裁判になっても一貫して対応してもらえる
相手が支払いを拒否した場合は、離婚調停や裁判で慰謝料の支払いや離婚成立を目指していくことになります。調停や裁判に進んだとしても、交渉段階で弁護士に依頼をしていれば、そのまま代理人として対応を任せることができます。
5. 離婚慰謝料に強い弁護士の特徴や見分け方
5-1. 離婚問題の実績が豊富
離婚の慰謝料を請求するなら、離婚問題の実績が豊富な弁護士を選びましょう。離婚問題の実績がある弁護士であれば、これまでの経験やノウハウを活かした提案や交渉が可能です。過去の実績は、弁護士のホームページや離婚問題専門のポータルサイトなどで確認できます。
ただ、ホームページなどで記載されている実績は、弁護士の自己申告に基づくことが多いです。そのため、記載された内容だけを信じるのではなく、実際にその弁護士と面会してみることが大切です。この人になら任せることができそうだと思えば、その弁護士に依頼をすると良いでしょう。
5-2. 親身になって話を聞いてくれる
離婚の慰謝料を請求したいと考えている人は、精神的にも疲弊していることが多いです。そのため、自分の置かれている状況を把握して、寄り添ってくれる弁護士を選んだ方が良いでしょう。
弁護士が依頼者の望む結果を把握しないと、最良の結果にはなりません。そのため、依頼者の話に耳を傾けて希望を把握し、見通しを立てて交渉を進めてくれる弁護士に依頼するのがおすすめです。
5-3. デメリットや不利な点も説明してくれる
離婚は、調停や裁判に発展すると、交渉とは異なる結果になることがあります。そのため、メリットだけではなく、デメリットや不利な点についても事前にしっかりと説明してくれる弁護士に依頼すべきでしょう。
弁護士の中には、相談者にとって都合の良いことだけを言って信用させ、依頼を受ける人もいます。最終的に依頼者が満足する結果にならなかった場合、事件終了後に弁護士とのトラブルに発展するケースもあります。また、説明不足ゆえに、依頼者が想定しなかった事態になることもあります。
そのため、自分にとって厳しいことも言ってくれる弁護士の方が、最終的には依頼者の満足のいく結果になることが多いでしょう。
6. 離婚慰謝料を依頼する弁護士の探し方・選び方
6-1. 友人や知人等の紹介
過去に弁護士に相談や依頼をしたことがある友人や知人がいれば、その人に弁護士を紹介してもらうことが考えられます。また、会社に顧問弁護士がいるのであれば、会社からその弁護士を紹介してもらうというルートもあるでしょう。
私も、顧問先の会社の従業員から、何度か離婚相談や、実際に依頼を受けたケースがあります。ただし、顧問弁護士の中には、企業の法律の方が得意という弁護士もいるため、離婚を取り扱っているかどうかを確認するようにしましょう。
6-2. 検索エンジンやポータルサイトで探す
弁護士を紹介してもらうつてがない場合は、検索エンジンで「地名×離婚慰謝料×弁護士」で検索するという方法がメジャーでしょう。もっと便利なのは、離婚案件を手掛ける弁護士が登録する「離婚のカタチ」のようなポータルサイトを活用する方法です。
地域の弁護士を探せるほか、相談や費用など条件で比較することもできます。

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6-3. 弁護士費用が明確な事務所を選ぶ
弁護士費用は複雑な料金体系となっていることも多いので、事前に見積もりをもらったうえで、明確で詳細に料金が分かる事務所を選ぶと良いでしょう。
なお、弁護士は、事件を受ける場合には、原則として依頼者との間で報酬契約書を締結することが義務付けられています。もし、報酬契約書を締結しようとしない弁護士がいたら、契約は避けた方が良いでしょう。
6-4. 通える距離にある弁護士事務所を選ぶ
面談などで事務所に通うことも考えて、自宅や職場から通える距離にある事務所を選ぶのもポイントです。
もっとも、現在は、オンラインで面談することも可能なので、通える距離にあるかどうかはひと昔ほど重視する必要はないかもしれません。私が担当した事件でも、海外在住の方や事務所から遠方の四国在住の依頼者がいましたが、全てオンラインにて対応し、特に不都合もありませんでした。
「対面で相談をしたい」「忙しいからオンラインがいい」など、自分のニーズに合った法律事務所を選びましょう。
7. 離婚の慰謝料請求にかかる弁護士費用の相場
離婚慰謝料請求にかかる弁護士費用の相場は、下記のとおりです(いずれも税込み)。
相談料:無料~1万円(1時間)
着手金:22~44万円
報酬金:離婚が成立したことに基づくもの 33~55万円
相手から獲得した金銭(慰謝料、財産分与等)の17.6%
私の事務所の具体例を挙げます。
【事例①】
・不倫に伴う離婚協議が成立・慰謝料300万円、財産分与500万円、計800万円を獲得した場合
・相談料 :無料~数万円
・着手金 :33万円
・離婚に伴う報酬 :44万円
・相手から獲得した金銭に基づく報酬金 :140万8,000円
・トータル :217万8,000円
【事例②】
・慰謝料や財産分与については支払ってもらえず、離婚だけが認められた場合
・着手金 :33万円
・報酬金 :44万円
・トータル:77万円
また、弁護士費用は、調停や裁判に移行したり、慰謝料や財産分与に加えて養育の請求、親権獲得や面会交流を求めたりする場合、追加の費用が発生することが多いです。
例えば、私の事務所では、調停や裁判に移行した場合に、追加で着手金16万5,000円をもらっています。
なお、弁護士費用は自由化されていて、事務所によって異なるので、事前に、最終的にいくらくらい弁護士費用がかかるのかを確認することが重要です。
8. 離婚慰謝料を弁護士に依頼する場合の流れ
8-1. 【ステップ①】相談や見積もり
初回の相談は無料の事務所も多いので、実際に相談に行って弁護士に現状を説明したうえで、依頼をする場合の見積もりを出してもらいましょう。費用感を把握することが重要です。また、相談では費用だけでなく、実際に弁護士と話して、コミュニケーションが取りやすいかどうかを確認するのも大切なポイントです。
8-2. 【ステップ②】代理人契約を結ぶ
相談の結果、依頼する場合には、弁護士との間で報酬契約書を締結することになります。その後、着手金を支払うことによって、交渉が開始されることになります。
なお、着手金を一括で支払うことが難しい場合には、分割払いに対応している弁護士もいます。諦めずに相談してみてください。
8-3. 【ステップ③】離婚条件の交渉
相手とは慰謝料を含む離婚条件(財産分与、親権、養育費など)の交渉を行います。話し合いで決着がつかなければ、調停→裁判という順番に手続きが移行することになります。
8-4. 【ステップ④】離婚慰謝料の振り込み
協議離婚が成立したら、慰謝料を含む財産分与の金額などが振り込まれます。支払い時期については、相手との協議で決まりますが、一般的には離婚協議書成立から1~3カ月以内とすることが多いです。
なお、慰謝料と財産分与金は一緒に振り込まれることがほとんどですが、財産分与の金額が大きい場合には、財産分与の金額だけ後で振り込まれるという場合もあります。
9. 離婚慰謝料の弁護士依頼でよくある質問
初回の相談を無料としている弁護士が多いです。2回目以降の相談は、30分あたり5,500~2万2,000円(税込)であることが多いでしょう。
個別の弁護士のホームページやポータルサイトで探すのが良いでしょう。また、市役所の無料相談や法テラスの相談、弁護士会が実施している各種法律相談を活用するという手もあります。ただし、離婚問題に精通する弁護士を選べない可能性があるため、自分でホームページやポータルサイトで探すのがおすすめです。
離婚問題について本人に代わり、相手と交渉する資格があるのは弁護士だけです。文書の作成だけを代行する専門家もいますが、そのような専門家は相手との交渉を担当することはできません。文書の作成だけ依頼したいのであれば別ですが、離婚問題については最初から弁護士に相談した方が良いでしょう。
10. まとめ 離婚の慰謝料請求は弁護士に相談・依頼がおすすめ!
離婚の慰謝料請求は、自分で対応するのも不可能ではありません。しかし、相手が交渉に応じないケースや、そもそも相手と直接交渉するのは精神的な苦痛が多いということが多いでしょう。弁護士に依頼をすることで、代理交渉から離婚成立まで依頼ができ、慰謝料を増額できる可能性があります。何より、精神的な苦痛を軽減させて、離婚後の生活の準備に専念することができます。
弁護士費用が心配な人は、まず無料相談を活用して見積もりを出してもらい、得られる慰謝料も考慮した上で依頼を判断しましょう。
(記事は2025年6月1日時点の情報に基づいています)