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夫の浮気が発覚! 慰謝料300万円はもらえますよね? 漫画「離婚事件対決 コン弁護士vsポン弁護士」

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浮気の慰謝料は300万はかたい?(c)赤ネコ
離婚にまつわる疑問を、漫画で学べる連載「離婚事件対決 コン弁護士vsポン弁護士」。 第2回のテーマは「慰謝料」です。著名人の離婚や浮気で高額な慰謝料が話題になること、よくありますよね。 でも、慰謝料の金額って、いったいどうやって決まるのでしょうか? 弁護士兼マンガ家・赤ネコさんが、今回もわかりやすく描きます。
目 次
  • 1. 浮気したんだから、慰謝料はたくさんとれますよね?
  • 2. 慰謝料の金額は、状況によって大きく変わる
  • 3. 合意があれば、慰謝料の金額は自由
  • 4. 慰謝料の金額は、状況によって大きく変わる
  • 5. 相手に支払い能力がない場合も
  • 6. 慰謝料が発生するのは「不貞行為」
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1. 浮気したんだから、慰謝料はたくさんとれますよね?

敏腕弁護士コン先生に期待するが…(c)赤ネコ
敏腕弁護士コン先生に期待するが…(c)赤ネコ

「絶対に許せん!」

梨沙(りさ、34歳)さんは、夫・草太(そうた、32歳)さんが女性とホテルに入っていく姿を目撃し、その瞬間をカメラに収めます。

浮気にうつつをぬかす夫に、お灸をすえてやりたい。

そう考えた梨沙さんが訪れたのは、「離婚問題にめっぽう強い」と評判のコン弁護士のもとでした。

高額な慰謝料を期待する梨沙さんですが、果たしていくら請求できるのでしょうか?

コン弁護士の助言とは—。

2. 慰謝料の金額は、状況によって大きく変わる

そもそも夫は慰謝料が払えるのか...?(c)赤ネコ
離婚するかしないかで慰謝料は大きく変わる。そもそも夫は慰謝料が払えるのか...?(c)赤ネコ

まずは、慰謝料の金額が決まるまでの流れを確認してみましょう。

① 慰謝料請求:浮気された側が、浮気相手や配偶者に慰謝料を請求する

② 当事者間の話し合い:当事者同士で、慰謝料の金額について話し合う(弁護士が代理人として交渉を担うことも)

③ 裁判所への提訴:当事者間の話し合いがまとまらない場合、裁判所に訴えを起こす
※裁判所への提訴前に一般調停を申し立てることも可能

④ 裁判所による総合判断:裁判所が証拠や状況をもとに、いくら払うべきか判断する

⑤ 裁判官による最終決定:裁判官が法的な基準に沿って、慰謝料の金額を決める

一般的に言われる「慰謝料の相場」とは、②の話し合いがまとまらず、③の裁判に発展した場合に、過去の判決例をもとに目安として示された金額のことです。

浮気に関する慰謝料の相場は、およそ50万円〜300万円と言われています。

でもここで、こんな疑問を持つ方もいるかもしれません。

「某芸能人は浮気の慰謝料で数千万円払ったって聞いたけど、どうして?」

「慰謝料の相場が50万円から300万円って、金額の幅が広すぎない?」

どちらも気になりますよね。それぞれ詳しく見ていきましょう。

3. 合意があれば、慰謝料の金額は自由

まず、芸能ニュースなどで聞く「慰謝料○千万円」というケースについてです。

これは話を大げさに盛っているわけではなく、当事者同士の話し合いで「○千万円にしよう」と合意したということです。

つまり、慰謝料を払う側と受け取る側の両方が納得すれば、慰謝料の金額は自由に決められます。著名人であれば、ニュースになったときのダメージも大きいので、「口止め料」の意味もあるのかもしれませんね。

4. 慰謝料の金額は、状況によって大きく変わる

次に、「慰謝料の相場が50万円から300万円って、金額の幅が広すぎない?」という疑問について説明します。

コン弁護士も梨沙さんに「慰謝料の額は事案によって違う」と話していますね。

そもそも慰謝料とは「配偶者の浮気で心を傷つけられた人が、精神的苦痛に対して、浮気した配偶者や相手に請求できるお金」のことです。

つまり、精神的苦痛が大きいほど、慰謝料の金額も大きくなります

では、どんな事情が「精神的苦痛が大きい」と判断されるのでしょうか? 慰謝料の金額が増える要因には、以下のようなケースがあります。

  • 浮気が原因で、別居や離婚に至った場合

  • 浮気発覚前まで、夫婦関係が円満だった場合

  • 婚姻期間が長い場合

  • 幼い子どもがいる場合

  • 浮気の期間が長かった場合

  • 浮気を認めないなど、不誠実な対応をした場合

特に「浮気が原因で、別居や離婚に至ったかどうか」は、慰謝料の額に大きく影響します。

このように、裁判では当事者の状況や証拠を総合的に判断して、慰謝料の金額が決まります。そのため、慰謝料の金額に大きな幅が出るのです。

ここまでをふまえると、現時点で別居や離婚に至っておらず、婚姻期間も短いことを考えると、梨沙さんが得られる慰謝料が300万円に達する可能性は低いと考えられます。

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5. 相手に支払い能力がない場合も

さらに、草太さんに慰謝料を請求したとしても、支払い能力がなさそうです。

慰謝料を回収するために、分割払いを受け入れざるをえないかもしれません。

加えて、草太さんが支払いに応じない場合は、給料や財産を差し押さえるために裁判を起こさざるを得ません。

こうした事態に陥らないためにも、分割払いについて記載された公正証書を作成しておくことが大切です。強制執行認諾文言の記載のある公正証書があれば、支払いが滞ったときに裁判することなく、強制執行によって慰謝料を回収できます。

いずれにせよ、「いくらもらえるか」だけでなく、「どうすれば確実に払ってもらえるか」を考えることも重要になってきます。

配偶者の浮気が発覚し慰謝料を請求する場合、「いくら慰謝料がとれるのか?」「裁判になったらどんな証拠が必要なのか?」「相手が慰謝料を払わなかったらどうしたらいいのか?」といったように、考慮すべきことや手続きがたくさんあります。

不安や疑問を一人で抱え込まず、離婚問題に強い弁護士への相談を検討してみてください。

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6. 慰謝料が発生するのは「不貞行為」

なお、本文中で使った「浮気」は日常用語で法律用語ではなく、既婚未婚問わず、パートナー以外と交際関係にあることを指します。似た言葉に「不倫」がありますが、これは既婚者が配偶者以外の人と交際関係にあることです。

どんな行為が「交際関係」にあたるのかは、個人の価値観によるもので、明確な定義づけはできません。パートナー以外と肉体関係を持つことは「アウト」ということに異論はないでしょう。一方、「異性と2人で食事に行く」「手をつなぐ」ことが浮気や不倫にあたるのかは意見が割れるでしょう。

なお慰謝料が発生するのは「不貞行為」です。こちらは法律用語で「配偶者が自由意志のもとで、配偶者以外の人と性的な関係をもつこと」です。言い換えるなら「肉体関係を伴う不倫」です。

したがって、裁判で慰謝料を認めてもらうには、この肉体関係をいかにして証明するかが重要になってきます。今回の漫画で、梨沙さんが、草太さんが女性とホテルに入っていく姿を収めた写真は有力な証拠です。

話し合いでの決着を目指すうえでも、証拠があれば、配偶者が否定しても反論できるので有利になります。

梨沙さん、お手柄ですよ!

(記事は2025年6月1日時点の情報に基づいています)

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