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1. 配偶者の不倫相手に電話してもいい?
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2. 配偶者の不倫相手に電話するときのNG行為
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2-1. 暴言を吐く
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2-2. 繰り返し電話をかける
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2-3. 実家や職場に電話する
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2-4. 不倫の明確な証拠がないのに電話する
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3. 配偶者の不倫相手と電話する場合、話してもよい内容
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4. 電話以外に、配偶者の不倫相手に責任をとらせる方法
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4-1. 内容証明郵便で慰謝料を請求する
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4-2. 弁護士を通じて話し合う
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4-3. 訴訟で慰謝料を請求する
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5. 配偶者の不倫相手が慰謝料の支払いを拒否したらどうする?
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5-1. 訴訟を提起する
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5-2. 強制執行を申し立てる
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6. 配偶者の不倫相手に電話したいと思ったときに、弁護士へ相談するメリット
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6-1. 電話すべきかどうか、客観的なアドバイスを受けられる
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6-2. 電話で伝えていいことと、伝えてはいけないことを区別できる
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6-3. 電話以外の方法でも不倫相手の責任を追及できる
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7. 不倫相手の配偶者から電話がかかってきたらどうすべき?
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8. 不倫相手に対する電話に関連してよくある質問
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9. まとめ 不倫相手への電話は基本的にせず、弁護士に相談すること
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1. 配偶者の不倫相手に電話してもいい?
配偶者の不倫が発覚した際には、怒りなどの感情を直接ぶつけるため、不倫相手に電話をかけたくなるかもしれません。しかし、感情に任せて不倫相手に電話しても、自分にとっていいことはありません。むしろ、不適切な言動を指摘されて逆に慰謝料を請求されたり、不倫の証拠を隠滅されたりするおそれがあります。
不倫相手に対しては、衝動的に電話するのではなく、十分な準備を整えてから冷静な状態で連絡をとることをおすすめします。
2. 配偶者の不倫相手に電話するときのNG行為
配偶者の不倫相手に電話をかけるとしても、暴言を吐いたり、しつこく電話したり、実家や職場に連絡したりするような行為は絶対にやめましょう。それぞれ、なぜいけないのかを説明します。
2-1. 暴言を吐く
不倫に対して怒りを覚えていても、配偶者の不倫相手に対して暴言を吐くことは避けるべきです。暴言によって精神的ダメージを受けたとして慰謝料を請求されるおそれがあるほか、脅迫罪(刑法222条)、強要罪(刑法223条)、恐喝罪(刑法249条)などの責任を問われることもあり得ます。不倫相手に対して電話で責任を追及する場合でも、暴言を用いることなく冷静な言葉で言いたいことを伝えましょう。
2-2. 繰り返し電話をかける
配偶者の不倫相手に対して、何度も繰り返し電話をかけることもやめましょう。建設的な話し合いができるとは思えません。度が過ぎると慰謝料の支払い義務を負う可能性があります。
不倫相手に電話をかけるとしても、あらかじめ言いたいことをまとめておき、極力1回の電話で伝えるようにしましょう。また、不倫相手に電話への応答を拒否された場合は、それ以上電話をかけることなく、文書で連絡すべきです。
2-3. 実家や職場に電話する
不倫相手の実家や職場に連絡をかけることは、原則として避けるべきです。第三者を巻き込むと問題が大きくなり過ぎ、当事者同士の話し合いで解決することが難しくなります。また、無関係の第三者にまで不倫の事実を言いふらすと、プライバシー権の侵害を理由に慰謝料を請求されたり、名誉毀損罪(刑法230条1項)によって処罰されたりするおそれがあります。
配偶者の不倫相手の連絡先が全く分からない場合などには、やむを得ず実家や職場に連絡をすることもあり得ますが、その場合は事前に弁護士へ相談しましょう。
2-4. 不倫の明確な証拠がないのに電話する
不倫の明確な証拠をつかんでいないにもかかわらず、配偶者の不倫相手に電話をかけると、不倫の証拠を隠滅されてしまうおそれがあります。不倫相手に電話をするなら、言い逃れできないほど強力な客観的証拠を掴んでからにしましょう。
3. 配偶者の不倫相手と電話する場合、話してもよい内容
配偶者の不倫相手に対して電話する際には、以下のような内容であれば伝えたり、聞いたりしても構いません。
不倫の証拠を確保している旨
不倫を始めた経緯に関する質問
不倫の回数、頻度、期間に関する質問
慰謝料を請求する旨、および支払う意思があるかどうかの確認
不倫したことについて謝罪してほしい旨
特に不倫を始めた経緯や、不倫の回数、頻度、期間などについて聞き出せれば、慰謝料請求を行う際の参考情報とすることができます。
不倫について謝罪を要求することも常識的な範囲であれば構いませんが、脅迫的な言動は絶対にやめましょう。たとえば「謝罪しないなら家に押し掛ける」「職場や実家にバラす」などと伝えることは、脅迫に当たる可能性があります。
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4. 電話以外に、配偶者の不倫相手に責任をとらせる方法
配偶者の不倫相手の責任を追及するために電話をかけることは、あまり良い方法とはいえません。電話ではなく、これから紹介する方法によって不倫相手の責任を追及しましょう。
4-1. 内容証明郵便で慰謝料を請求する
配偶者の不倫相手に対して正式に慰謝料を請求する際には、まず内容証明郵便を送付するのが一般的です。内容証明郵便は、比較的大規模な郵便局などが取り扱っています。郵便局が差出人、宛先、日付および内容を証明するので、慰謝料請求を行ったことの記録が残ります。
内容証明郵便を送付すれば、不倫相手に対して正式に慰謝料を請求する旨を伝えることができます。不倫相手としても真剣に対応せざるを得なくなり、解決に向けて前進する可能性が高いでしょう。
不倫相手に対する慰謝料請求権は、不倫の事実と相手を知った日から3年で時効により消滅しますが(民法724条)、内容証明郵便を送ると時効の完成が6カ月間猶予されます(民法150条1項)。そのため、時効の完成が近づいている場合は、早めに内容証明郵便を送付しましょう。
4-2. 弁護士を通じて話し合う
配偶者の不倫相手と直接話し合うよりも、弁護士を通じて話し合った方が論点を整理した上で建設的な対話が期待できます。その結果、適正額の慰謝料の支払いを早期に受けられる可能性が高まります。
また、不倫相手と自ら会話をすると、怒りや不快感などによって精神的にもストレスがかかるものです。弁護士に慰謝料請求を任せれば、不倫相手と直接話す必要がなくなるのでストレスは大幅に軽減されるでしょう。
4-3. 訴訟で慰謝料を請求する
話し合いによって解決するのではなく、裁判所に訴訟を提起して不倫慰謝料を請求する方法も考えられます。特に、配偶者の不倫相手が慰謝料の支払いを拒否している場合は、訴訟を提起するのが有力な解決策です。証拠などに基づいて不倫の事実が認定されれば、強制的に慰謝料を支払わせることができます。
訴訟は専門性の高い手続きなので、利用する際には弁護士のサポートを受けましょう。
5. 配偶者の不倫相手が慰謝料の支払いを拒否したらどうする?
配偶者の不倫相手が慰謝料の支払いを拒否している場合は、訴訟や強制執行を通じて慰謝料の回収を目指しましょう。
5-1. 訴訟を提起する
訴訟は、裁判所の法廷で行われる紛争解決手続きです。訴状や不倫に関する証拠資料を裁判所に提出すれば、慰謝料請求訴訟を提起することができます。
訴訟を提起した側(=被害者)は原告、請求を受ける側(=不倫相手)は被告です。原告と被告は、それぞれ法廷において事実の主張と立証を行い、裁判所が慰謝料請求の当否を判断します。原告の主張が認められれば、裁判所は被告に対して慰謝料の支払いを命じます。
訴訟で勝訴判決を得るためには、不倫の事実を立証し得る客観的な証拠を確保することや、その証拠を基に説得的な主張を行うことが重要です。弁護士のサポートを受けながら、十分な準備を整えた上で訴訟を提起しましょう。
5-2. 強制執行を申し立てる
公正証書や訴訟の判決などで確定した慰謝料を、不倫相手が支払おうとしない場合は、裁判所に強制執行を申し立てることができます。強制執行手続きでは、不倫相手の預貯金や給与債権などを差し押さえて、強制的に未払いの慰謝料へ充当します。
強制執行を申し立てる際には、不倫相手の預貯金口座や勤務先などを特定しなければなりません。自力で特定するのが難しい場合は、弁護士に依頼してサポートを受けましょう。
6. 配偶者の不倫相手に電話したいと思ったときに、弁護士へ相談するメリット
配偶者の不倫が発覚し、不倫相手に対して電話したいと思ったら、事前に弁護士へ相談することをおすすめします。どのようなメリットがあるのか、順に解説します。
6-1. 電話すべきかどうか、客観的なアドバイスを受けられる
不倫の証拠を確保できる前に不倫相手へ電話すると、証拠を隠滅されるおそれがあります。また、不倫の証拠が手元にあるとしても、慰謝料請求に向けた準備を十分に整えてから不倫相手へ電話をすることが望ましいです。
弁護士に相談すれば、今のタイミングで不倫相手に電話してもいいのかどうか、電話する前に何をすべきなのかなどについて、客観的な立場からアドバイスを受けられます。
6-2. 電話で伝えていいことと、伝えてはいけないことを区別できる
不倫相手に電話をするとしても、暴言や脅迫的な言動などは絶対にやめるべきです。また、慰謝料請求に関して手の内を明かしすぎるのも得策ではありません。
弁護士に相談すれば、不倫相手に電話で伝えていいことと、伝えるべきではないことの区別についてアドバイスを受けられます。不倫相手へ電話したことにより、思いがけず不利な立場に追い込まれないようにするためには、事前に弁護士へ相談するのが安心です。
6-3. 電話以外の方法でも不倫相手の責任を追及できる
不倫相手の責任を追及する方法としては、内容証明郵便の送付や訴訟の提起などが挙げられます。
これらの方法を用いる際には、不倫の客観的証拠を十分に確保し、法律上の要件に従って請求を行うなどさまざまな注意点が存在します。また、特に訴訟を提起する際には専門的な訴訟手続きについて適切に対応しなければなりません。
弁護士に依頼すれば、法律の専門家としての知見と経験を活かして内容証明郵便の送付や訴訟の提起などをスムーズに行ってもらえます。弁護士が適切に対応することによって、適正額の慰謝料の支払いを早期に受けられる可能性が高まります。
7. 不倫相手の配偶者から電話がかかってきたらどうすべき?
これまでは、不倫の被害者が電話をかける際のポイントを解説してきました。
反対に、既婚者と不倫している側の立場で、被害者から電話がかかってきたらどうすればいいのでしょうか?
不倫をしている場合、不倫の事実が相手の配偶者に知られ、突然電話がかかってくる可能性があります。こうした状況では、冷静な対応が重要です。
まず、電話では用件を簡単に聞き取るにとどめ、「弁護士に相談した上で後日回答する」と伝えるのがおすすめです。感情的な発言は避け、冷静に対応しましょう。感情的な言葉をぶつけてしまうと、問題の解決がさらに難しくなる可能性があります。
一方で、相手からの電話を完全に無視するのも得策ではありません。連絡が取れないことで、相手が慰謝料請求の訴訟を起こし、トラブルが複雑化するリスクがあります。ただし、繰り返ししつこく電話がかかってくる場合は、無理に応じる必要はありません。その場合も弁護士に相談し、適切な対応を検討することが大切です。
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8. 不倫相手に対する電話に関連してよくある質問
職場の人を含めて、無関係の人に対して不倫の事実を言いふらすことは名誉毀損やプライバシー権侵害に当たるおそれがあります。基本的には配偶者の不倫相手の職場へ連絡することは避けるべきです。不倫相手の連絡先が分からない場合は弁護士にご相談ください。
離婚しない場合は50万円から200万円程度、離婚する場合は150万円から300万円程度の慰謝料が認められる傾向にあります。不倫の内容が悪質である場合、婚姻期間が長い場合、未成熟の子がいる場合などには、高額の慰謝料が認められやすいです。
実際の慰謝料額は、不倫相手との協議や訴訟などを通じて決まります。適正額の慰謝料を得るためには、弁護士のサポートを受けましょう。
9. まとめ 不倫相手への電話は基本的にせず、弁護士に相談すること
配偶者の不倫が発覚しても、感情に任せて不倫相手に電話をかけることは避けましょう。電話の内容が脅迫に該当したり、不倫の証拠を隠滅されたりして自分が不利になる可能性があります。十分な準備を整えた上で、内容証明郵便の送付や訴訟の提起などを行った方が慰謝料請求が成功する可能性が高まります。
適正額の不倫慰謝料を得るためには弁護士のサポートが大いに役立ちます。配偶者の不倫が疑われる場合には、お早めにご相談ください。
(記事は2025年12月1日時点の情報に基づいています)