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1. 不倫が相手の奥さんにバレたらどうなる?
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1-1. 慰謝料を請求されるおそれがある
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1-2. 職場や自分の家族に知られる可能性がある
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1-3. SNSで拡散されるリスクがある
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2. 不倫が相手の奥さんにバレたときの対処法
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2-1. 適切に謝罪する
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2-2. 慰謝料を支払う
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2-3. 弁護士に相談する
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3. 不倫慰謝料の請求を受けたときの注意点
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3-1. 何も考えずに相手の言いなりになって慰謝料を支払わない
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3-2. 慰謝料の適正額を検討し、高すぎる場合は減額を交渉する
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3-3. 可能であれば話し合いで解決をめざし、解決したら必ず書面に残す
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4. 不倫相手の奥さんと話し合う際の注意点
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4-1. 感情的にならない
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4-2. 必要な説明を除き、謝罪をする場合は言い訳をしない
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4-3. 要点を話す
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4-4. 第三者を入れるか、録音をする
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5. 不倫は自分だけの責任? 求償権について
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6. 不倫相手の奥さんとの交渉に関する弁護士費用
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7. 不倫が相手の奥さんにバレた場合に関してよくある質問
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8. まとめ 不倫が相手の奥さんにバレた場合は弁護士に助けを求めて
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1. 不倫が相手の奥さんにバレたらどうなる?
既婚男性と不倫していた事実が、その妻に知られてしまった場合には、どのようなリスクがあるのでしょうか。
1-1. 慰謝料を請求されるおそれがある
不倫は法律上「不貞行為」と呼ばれます。
不貞行為は民法上、違法な行為、つまり不法行為にあたります。不倫していた男性の妻は、不倫によって自身が精神的な苦痛を受けたという理由から、夫が不倫していた相手の女性に慰謝料を請求することができます。
1-2. 職場や自分の家族に知られる可能性がある
不倫を知った妻は慰謝料を請求する以外に、ショックや怒りの感情から、不倫相手である女性の家族や職場に不倫の事実を知らせたり、相談をしたりすることがあります。特に社内不倫の場合は、職場に知られるリスクが高まります。
また、不倫していた女性にも夫や子ども、両親などの家族がいる場合は、妻から届いた手紙から家族に知られてしまう可能性もあります。
不倫相手の妻からの手紙やメールなどの連絡を無視していたら、妻が直接女性の自宅や職場に訪問してきたというケースもあります。
1-3. SNSで拡散されるリスクがある
昨今は、不倫相手の妻がSNSで不倫の事実を書き込むことで、有名人でなくともSNSを通じて不倫していたことが拡散されるケースが出てきました。
SNSで拡散されると、職場や家族などに限らず、不特定多数の第三者にも不倫を知られることになり、面識のない人から誹謗中傷を受けたり、個人の特定をされたりといったリスクが生じます。
2. 不倫が相手の奥さんにバレたときの対処法
不貞行為とは、既婚者と性的関係(肉体関係)をもつことを指します。
不貞行為が成立するのは、相手が既婚者であることを知っていた場合(故意)か、不注意で知らなかった場合(過失)です。
結婚していることを相手が巧妙に隠していた場合など、注意していたにもかかわらず相手が既婚者であることを知ることができなかったと判断される場合は、既婚者と性的関係をもったとしても不貞行為にはあたらず、慰謝料を支払う義務は発生しません。
相手の配偶者に交際が知られてしまった場合には、まずは自分の行為が不貞行為にあたるのかを検討したうえで、自分がどのように対処すべきか考える必要があります。
2-1. 適切に謝罪する
既婚者であることを知っていたうえで相手と肉体関係をもったことが事実である場合は、適切に謝罪する必要があります。
「適切に謝罪する」というのは、言い訳をしたり嘘をついたりせずに、誠心誠意の謝罪をするということです。言い訳をしたり、嘘をついたことが不倫相手の妻に発覚したりすると、さまざまなリスクを招く可能性がさらに高まります。
ただし、事実を認めて謝罪をした場合は、認めたこと自体が不倫をしたことの証拠になり、慰謝料請求などの際に証拠として使われることがあるため、注意が必要です。
そのため、もしも相手が既婚者であることを本当に知らず、怪しい様子もなかったのであれば、はっきりとそのことを不倫相手の妻に伝えるべきです。
謝罪の方法の一つとして考えられるのが手紙です。以下は、手紙で謝罪する場合の謝罪文の例です。
謝罪文
△△△△ 様
この度は、私の不適切な行為により、△△様に大変なご心痛を与えてしまったことにつきまして、心よりお詫び申し上げます。
私は、○年○月○日、△△様のご主人(または奥様)である□□様と知り合い、その後、○月から○月までの間、□□様が既婚者であることを知りながら、肉体関係をもつという不貞関係にありました。
私が行った行為は、不貞行為として違法な行為であり、また道徳上、倫理上許されない行為であり、△△様に多大な精神的苦痛を与えるもので、△△様からしても到底許せない行為であるかと存じます。
今回私がしてしまった事の重大さを認識し、到底取り返しのつかないことをしたと、自らの愚行を深く反省し、後悔しております。
私としましては、△△様のご意向に従い、△△様が負われた多大な精神的苦痛に対する慰謝料など法律に従った適切な賠償をさせていただきたいと考えております。
また、併せて、△△様に対し、以下のことを誓約いたします。
●□□様、△△様及びそのご家族や職場の方へ、連絡、接触をしたり、あるいは、連絡、接触を試みたりを今後一切しないこと
●本件につき、正当な理由がない限り、第三者に一切口外しないこと
その他、△△様からご要望などがありましたら、誠心誠意対応させていただく所存です。
今回、私は取り返しのつかないことをし、自らの行為を深く反省しております。
当然のことではございますが、二度と同じ過ちを繰り返さないことを誓います。
この度は誠に申し訳ございませんでした。
年 月 日
氏名 印
(連絡先:〇〇〇―××××―△△△△)
上記の例文は、既婚者と知って肉体関係をもったことが事実であり、そのことを認める内容です。不倫の事実を認める内容のため、この謝罪文自体が慰謝料請求などの際に証拠として使われる可能性があることに注意してください。
また、この例文はあくまでもイメージであり、実際に記載すべき内容は個別のケースによって異なります。例文のまま使用することは避け、内容は事前に弁護士に相談することをお勧めします。
2-2. 慰謝料を支払う
不貞行為をしていた場合には法律上、慰謝料を支払う義務があるため、不倫相手の配偶者に適切な慰謝料を支払って賠償します。
適切な慰謝料の金額は、不倫をした期間や回数などさまざまな事情を考慮して決定されます。考慮すべき大きな要素の一つが、不倫によって夫婦関係が破綻し離婚したかどうかという点です。
過去の裁判で決定された慰謝料の金額を見ると、夫婦が離婚していない場合の慰謝料は50万円から150万円ほどの金額とされるケースが多いようです。一方、夫婦の離婚が成立している場合は、200万円や300万円という金額が認定されるケースもあります。
ただし、裁判に持ち込まれるのを避けるため、法律上の適切な金額にこだわらず、交渉の段階で相手から請求された金額やそれに近い金額を支払い、早々に解決するという場合もあります。
2-3. 弁護士に相談する
そもそも自分のした行為が慰謝料を支払うべき不貞行為にあたるのか、支払う場合にはどのくらいの金額が適切なのかなどを判断するため、謝罪や慰謝料の支払いをする前に、できれば一度弁護士へ相談することをお勧めします。
一度慰謝料の支払いなどに合意してしまうと、あとから取り消したいと思っても基本的にはできません。自分一人で判断して行動する前に、まずは弁護士への相談を検討してください。
3. 不倫慰謝料の請求を受けたときの注意点
不倫相手の配偶者から慰謝料を請求された場合には、次のような点に注意する必要があります。
3-1. 何も考えずに相手の言いなりになって慰謝料を支払わない
慰謝料を請求されたからといって、相手に言われるがまますぐに支払ってはいけません。
相手とはデートを重ねていただけで性的関係はもっていない場合や、既婚者だと気づく余地がなかった場合などは不貞行為に該当しないため、慰謝料の支払い義務はないからです。
そもそも自分のケースは慰謝料を支払うべきなのか、まずはよく検討することが重要です。
3-2. 慰謝料の適正額を検討し、高すぎる場合は減額を交渉する
慰謝料の支払い義務がある場合でも、相手から請求された金額をそのまま支払うのではなく、その金額が適正かを検討することが大切です。
相場からかけ離れた高額の慰謝料を請求された場合や、現実的に自分には到底支払うことができない金額を請求された場合などは、相手と交渉して慰謝料の減額を求める必要があります。
3-3. 可能であれば話し合いで解決をめざし、解決したら必ず書面に残す
慰謝料の金額を最終的に決定する権限は裁判所にあります。相手と条件が合わず話し合いで解決できなければ、最終的には裁判所に決定を求めることになります。
ただし、裁判をするには費用や時間が必要で、労力もかかります。裁判を起こされること自体に抵抗感がある人も少なくありません。
そのため多くのケースでは、まずはできる限り話し合いで早期の解決をめざします。
話し合いでお互いが条件に納得できたら、その合意した内容を必ず書面に残します。口頭での合意だけで書面に残さずにいると、合意内容の証拠がないため、後日トラブルになることがあるからです。

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4. 不倫相手の奥さんと話し合う際の注意点
不倫相手の妻と話し合う際には、以下のような点に注意してください。
4-1. 感情的にならない
不倫相手の妻が感情的になったり、不倫したことを責めるような発言をしたりするのは珍しくありません。しかし、その言動に影響されて自分まで感情的になってしまうと、話し合いが進まなくなります。なるべく感情を抑えて、冷静に話をするよう心がけてください。
4-2. 必要な説明を除き、謝罪をする場合は言い訳をしない
不倫の事実を認めて謝罪する際は、言い訳をしないことが重要です。
たとえば「不倫をしてしまったことは申し訳ないが、夫にさびしい思いをさせたあなたにも悪いところがある」などと言う人がいますが、これは謝罪とはまったく言えません。
謝罪をする場合は、一切の言い訳をせず、こちらの非を認め真摯に謝る必要があります。
なお、妻の質問に答えたり、事実に関して必要な説明をしたりするのは、状況に応じて行ってもかまいません。
4-3. 要点を話す
謝罪の際は、長々と説明せずに要点を話すことも重要です。
まずは事前に、自分が悪かった点やいたらなかった点、謝罪の気持ち、つぐないの仕方など、伝えたい内容や謝りたいことを整理しておきます。そのうえで実際に伝える際も長々と話すのではなく、要点に絞って伝えるようにします。
4-4. 第三者を入れるか、録音をする
不倫相手の妻と一対一で直接話すと、お互いに感情的になってその場で大きなトラブルに発展したり、後日その場で約束した内容とは異なる要求をされたりといった事態を招くことがあります。
そのため、直接話し合いをする場合は、第三者に立ち会ってもらうか、話し合いの場で録音をして内容を残しておくことをお勧めします。
実際に筆者が弁護士として担当した事例でも、不倫相手の妻と直接話して解決したはずが、後日妻からまったく違う要求をされたという相談を受けたことがあります。このときは話し合いの場で録音していたことが解決に役立ちました。
5. 不倫は自分だけの責任? 求償権について
法律上、不倫は不倫相手と2人で行ったものであるので、不倫相手と自分の両方に責任があります。これを不真正連帯債務と言います。
そのため、仮に不倫相手の妻から慰謝料を請求されて自分だけが支払った場合は、自分が支払った慰謝料の一部を負担するよう不倫相手に請求することが可能です。この権利を求償権と言います。
不倫相手と自分がそれぞれどのくらいの割合を負担するかは、不倫関係になった原因がどちらにあるのか、不倫の継続にどちらが積極的だったかなどの事情を考慮して決定されるため、一概には言えず個別に検討する必要があります。

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6. 不倫相手の奥さんとの交渉に関する弁護士費用
不倫相手の配偶者との交渉を弁護士に依頼する場合の弁護士費用は、弁護士や事務所によってさまざまですが、おおむね以下のような範囲にあることが多いようです。
【着手金】(契約当初に支払う、弁護士の活動費用となるお金)
10万円〜30万円(税別)
【報酬金】(事件が解決したときに支払う成功報酬)
相手に請求された金額から減額できた額の10%〜25%(税別)
例:報酬金のパーセンテージが20%の場合
相手から300万円の慰謝料を請求され、弁護士が間に入り最終的に100万円に減額できた場合
→200万円の減額に成功したので、200万円の20%で報酬金40万円
【その他】(弁護士日当や実費など)
着手金や報酬金以外に、弁護士が相手との話し合いのため相手先に出向いた場合などに発生する弁護士日当や、相手へ手紙を送る際の切手代などの実費が別途発生します。
なお、着手金が低く抑えられている代わりに報酬金のパーセンテージが高いなど、事務所ごとに設定が異なるため、無料相談の際などに、実際に依頼する場合にはいくらかかるのか、弁護士に確認しておいてください。
7. 不倫が相手の奥さんにバレた場合に関してよくある質問
8. まとめ 不倫が相手の奥さんにバレた場合は弁護士に助けを求めて
不倫が不倫相手の配偶者に知られてしまった際は、まずは自分の置かれた状況を把握し、適切に謝罪し冷静に話をすることが重要ですが、実際は突然のことに混乱し、一人では適切な行動ができないとことがほとんどです。
また、自分が慰謝料を支払うべき立場なのか、適切な慰謝料の支払い額はいくらくらいなのかなど、法的な観点から検討する必要がある事項も数多くあります。
さまざまなリスクを回避して適切に対応するために、自分一人で判断して動くのではなく、まずは弁護士に相談することをお勧めします。
(記事は2025年5月1日時点の情報に基づいています)