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1. 不倫(浮気)による離婚・慰謝料請求には証拠が重要
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2. 不倫の証拠として扱われるものは?
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3. 不倫の証拠の具体例と集め方
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3-1. 写真や動画
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3-2. LINEやメールやSNSのやり取り
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3-3. 不倫を認める念書や記録データ
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3-4. 通話履歴
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3-5. 領収書やクレジットカードの利用明細
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3-6. カーナビの履歴
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3-7. 探偵の調査報告書
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4. 不倫の証拠とならないものは?
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5. 不倫の証拠を集める際の注意点
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5-1. データの捏造や加工や改ざんはしない
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5-2. 違法な手段は使わない
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5-3. 証拠は配偶者や不倫相手へ安易に開示しない
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6. 不倫の証拠を集めるのが難しい場合の対処法
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6-1. 探偵(興信所)に浮気調査の依頼をする
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6-2. 配偶者に不倫の自白を促す
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6-3. 弁護士から証拠集めのアドバイスをもらう
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7. 不倫の証拠はなくても慰謝料の請求はできる?
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8. 不倫の証拠についてよくある質問
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9. まとめ 離婚請求や慰謝料請求には不倫の証拠が必要
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1. 不倫(浮気)による離婚・慰謝料請求には証拠が重要
配偶者の不倫を理由に、離婚や慰謝料を請求するためには、不倫の証拠を確保しておくことが大切です。
不倫の事実を指摘しても、配偶者は否認するかもしれません。配偶者が否認を続ければ、最終的には訴訟を通じて離婚や慰謝料を請求することになります。その際に有力な証拠を提出できなければ、裁判所に不倫の事実を認定してもらえず、敗訴してしまいます。
現時点では配偶者が不倫の事実を認めていても、後から自白を撤回することも想定されます。言い逃れができないように、不倫の動かぬ証拠を押さえておきましょう 。
2. 不倫の証拠として扱われるものは?
離婚請求や慰謝料請求の原因となるのは、配偶者以外の異性と性交渉をすること(=不貞行為) です。したがって不倫の証拠としては性交渉が行われたことを示す証拠を提出する必要があります。
性交渉の場面を撮影した写真や動画があれば最も有力な証拠となりますが、現実的にそれを確保するのは難しいでしょう。実務上は、性交渉の前後と思われる挙動に関する証拠や、性交渉をうかがわせるやり取りが記録された証拠などが重要です。
3. 不倫の証拠の具体例と集め方
不倫の証拠として利用できる物は、以下の例が挙げられます。
3-1. 写真や動画
性交渉の場面を撮影した写真や動画があれば、最も有力な不倫の証拠 となります。そのほか、ホテルや自宅など、性交渉が行われる可能性が高い場所へ2人で出入りする場面の写真や動画 も、不倫の有力な証拠となるでしょう。
民事訴訟では、隠し撮りなどをした写真や動画でも、証拠能力が認められるケースが多いです。ただし、あまりにも不適切な方法・態様(たとえば、不倫相手の自宅に侵入して隠しカメラを仕掛けるなど)によって撮影した写真や動画は、証拠能力が否定されることがあるのでご注意ください。
3-2. LINEやメールやSNSのやり取り
LINE・メール・SNSのダイレクトメッセージなどにおいて、性交渉をしたことをうかがわせるようなやり取りが記録されていれば、不倫の有力な証拠となります。
たとえば、自宅やホテルに行く約束をするメッセージや、性交渉の感想を伝え合うメッセージ などです。このようなメッセージを発見したら、画面を自分のカメラで撮影 して証拠保存しましょう。
なお、性交渉をうかがわせるような直接的な表現がメッセージに含まれていなくても、他の証拠と組み合わせれば性交渉の事実を立証できる可能性があります。少しでも不倫に関係がありそうなメッセージは、幅広く証拠として保存 しておきましょう。
3-3. 不倫を認める念書や記録データ
配偶者が不倫を認めた場合には、その旨を文書(念書など)に作成させるか、または自白している場面を記録すると、不倫の証拠として用いることができます。文書は、配偶者本人が作成したことを証明できるように、必ず署名と捺印をさせましょう 。
自白の場面を記録する場合は、配偶者本人が話していることが分かるように、動画で撮影することが望ましい です。ただし、録音や録画をしていることに気づいていると十分な自白をしない可能性がある場合は、配偶者に伝えずに録音することも考えられます。
3-4. 通話履歴
配偶者と不倫相手の通話履歴は、それ自体が不倫を強く推認させるものではありません。しかし、他の証拠と併せて不倫の事実を立証できる可能性があります。不倫の事実を立証するまでには至らなくても、配偶者を問い詰める際の材料として使うことはできるでしょう。配偶者のスマートフォンなどを確認して、不倫相手との通話履歴が残っていたら、自分のカメラで撮影して証拠を保存しましょう。
3-5. 領収書やクレジットカードの利用明細
配偶者が持っている領収書や、クレジットカードの利用明細が不倫の証拠となる 場合もあります。たとえば配偶者と不倫相手のメッセージの中で、旅行やホテルへ一緒に行った旨の内容が記載されていたとします。この場合、メッセージと整合する領収書やクレジットカードの利用履歴 があれば、不倫の有力な証拠となるでしょう。
領収書は、配偶者の財布や衣服のポケットに残っているケースがあります。クレジットカードの利用明細は、配偶者からIDとパスワードなどを教えてもらっていればインターネット上で閲覧可能です。
3-6. カーナビの履歴
カーナビの履歴も、不倫の証拠となる場合があります。たとえば配偶者と不倫相手のメッセージによって、2人が一緒に旅行やホテルへ行った旨が記載されており、その場所の履歴がカーナビに残っていれば、不倫の有力な証拠となるでしょう。
3-7. 探偵の調査報告書
不倫に関する調査は、探偵に依頼して行うことも考えられます。
探偵は配偶者を尾行し、写真を撮影するなどして、配偶者がどのような行動をしていたかを調査報告書にまとめます。配偶者が不倫相手と会っていれば、その様子についても調査報告書に記載されるため、不倫の有力な証拠となるでしょう。
4. 不倫の証拠とならないものは?
配偶者以外の異性との性交渉を立証できなければ、原則として慰謝料請求は認められません。したがって、以下のような資料は不倫の証拠として十分とはいえません。
配偶者と不倫相手が会う約束をするメッセージ
配偶者と不倫相手がレストランで食事をしている場面の写真、動画
SNS上で親しくやり取りをする投稿
ただし、単体では不倫を立証するのに十分でない証拠でも、たくさん集めれば不倫の立証に成功することがあります 。また、仮に裁判で勝つことは難しくても、たくさんの証拠とともに配偶者を問い詰めれば、罪悪感から不倫を自白するケースもあります。決定的な証拠がない場合でも、できる限り豊富に不倫の証拠を集めておきましょう。
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5. 不倫の証拠を集める際の注意点
不倫の証拠を集める際には、以下の各点に注意しましょう。
データの捏造、加工や改ざんはしない
違法な手段は使わない
証拠は配偶者や不倫相手へ安易に開示しない
5-1. データの捏造や加工や改ざんはしない
近年ではデジタル技術が発展しており、写真や動画のデータを編集することが容易になっています。不倫に関係する場面を切り取る程度であれば大きな問題はありませんが、ありもしない事実を存在するかのように見せかけるデータの捏造・加工・改ざんは禁物です。もしデータの捏造等が発覚すると、裁判において証拠として採用されないだけでなく、私文書偽造罪(刑法159条)によって処罰されるリスクがあります。
5-2. 違法な手段は使わない
不倫の証拠収集に当たって、違法な手段を用いてはなりません。違法に収集された証拠は、裁判の証拠として使えない場合があるだけでなく、自身が処罰される恐れもあります。
たとえば、IDとパスワードを盗用して配偶者のLINEアカウントなどにアクセスすると、不正アクセス禁止法違反による処罰の対象になり得るほか、精神的苦痛を与えたものとして損害賠償責任を負う可能性があります。
不倫相手の家を突き止めて侵入し、盗聴器やカメラを仕掛けた場合は、住居侵入罪(刑法130条前段)によって処罰されます。このような違法な手段を用いることは避け、合法的な手段で不倫の証拠を集めましょう。
5-3. 証拠は配偶者や不倫相手へ安易に開示しない
不倫に関する証拠を入手しても、それを配偶者や不倫相手に対して安易に開示することは避けるべきです。他の証拠を隠されるおそれがあるほか、言い訳を考える時間を与えてしまいます 。配偶者や不倫相手に対して証拠を提示するタイミングは、弁護士と相談しながら戦略的に判断しましょう。
6. 不倫の証拠を集めるのが難しい場合の対処法
自分だけでは不倫の証拠を集めるのが難しい場合は、以下の対応を検討しましょう。
6-1. 探偵(興信所)に浮気調査の依頼をする
探偵(興信所)に依頼すると、配偶者や不倫相手の尾行調査をしてもらえます。探偵が不倫の現場を発見すれば、写真を撮影するなどして、その様子を報告書にまとめてくれます。不倫の証拠が乏しい場合は、探偵への依頼を検討しましょう。
6-2. 配偶者に不倫の自白を促す
不倫の証拠が乏しくても、配偶者の自白を得られれば、離婚請求や慰謝料請求が認められる可能性が高まります 。不倫していることは分かっている旨を告げ、必要に応じて持っている証拠を提示して、配偶者に不倫の自白を促しましょう。
6-3. 弁護士から証拠集めのアドバイスをもらう
不倫に関する証拠収集の方法は、離婚事件を豊富に経験している弁護士に相談すると、具体的なアドバイスを受けられます。弁護士への依頼をきっかけに、自分では気づかなかったところから不倫の証拠が見つかり、離婚請求や慰謝料請求の成功へとつながるかもしれません。
また弁護士には、証拠集め以外にも離婚・慰謝料請求の手続き全般の対応を任せられます 。訴訟などの法的手続きにも適切に対応してもらえるため、自力で対応する場合に比べて労力やストレスが軽減されます。
不倫を理由とする離婚請求や慰謝料請求をご検討中の方は、お早めに弁護士へご相談ください。
7. 不倫の証拠はなくても慰謝料の請求はできる?
不倫の決定的な証拠がなくても、配偶者が不倫を自白して慰謝料の支払いに応じることがあります 。また、配偶者の自白は訴訟における証拠として用いることも可能です。配偶者の自白を引き出すためには、不倫に関係する証拠をできる限り豊富に集めて、言い逃れができないようにすることが大切です。それぞれの証明力は弱くても、たくさんの証拠を集めれば、配偶者の自白を引き出せる可能性が高まります。
配偶者に対してどのように自白を求めるか、その前提としてどのような証拠を集めるべきかについては、事前に弁護士と相談して判断しましょう。
8. 不倫の証拠についてよくある質問
9. まとめ 離婚請求や慰謝料請求には不倫の証拠が必要
配偶者の不倫を疑っている方は、不倫の証拠を集めましょう。離婚請求や慰謝料請求を行う際には、不倫の有力な証拠をどれだけ集められるかが重要 です。
不倫の証拠を集める方法が分からない場合は、弁護士にアドバイスを求めましょう。離婚事件を豊富に経験している弁護士に相談すれば、証拠収集の方法について具体的にアドバイスを受けられます。弁護士への相談をきっかけとして、自分でも気づかなかったところから不倫の証拠が見つかるかもしれません。
また弁護士には、離婚手続き全般の対応も依頼できます。労力や精神的負担を軽減しつつ、有利な条件でスムーズに離婚を成立させたい方は、弁護士にご相談ください。
(記事は2024年12月1日時点の情報に基づいています)