-
1. 旦那が家を出たまま音信不通になる理由
-
2. 音信不通の旦那と連絡をとる方法
-
2-1. 電話だけでなくLINEやショートメッセージを送っておく
-
2-2. 身内や共通の知人に相談する
-
2-3. 職場に連絡する
-
2-4. 警察に通報する
-
2-5. 住民票や戸籍の附票を取得する
-
2-6. 弁護士や探偵に調査を依頼する
-
3. 音信不通の旦那と離婚する方法
-
3-1. 旦那がどこにいるかわかる場合
-
3-2. 旦那がどこにいるかわからない場合
-
4. 家を出たまま連絡もとれない夫との離婚は裁判で認めてもらえる?
-
4-1. 不貞行為(不倫)
-
4-2. 悪意の遺棄
-
4-3. 3年以上の生死不明
-
4-4. その他婚姻を継続し難い重大な事由
-
5. 音信不通の旦那と離婚したいときの注意点
-
6. 音信不通の旦那との離婚について、弁護士に依頼するメリット
-
7. 「旦那が連絡なしで帰ってこない」に関連してよくある質問
-
8. まとめ 音信不通の旦那と離婚したいなら弁護士に相談を
無料相談OK 事務所も!
離婚問題に強い弁護士を探す
1. 旦那が家を出たまま音信不通になる理由
夫が家を出たまま音信不通になる理由としては、次のようなものが考えられます。
トラブルに巻き込まれている
家に居場所がないと感じ妻と顔を合わせたくない
突然一人になりたくなった
離婚を考えている
不倫している
「トラブルに巻き込まれている」場合には、その内容によりますがトラブルが解決すれば家に帰ってくる可能性が高いでしょう。
他方、「家に居場所がないと感じ妻と顔を合わせたくない」「突然一人になりたくなった」「離婚を考えている」場合には、夫婦関係ないし子どもや親戚を含めた親族関係が原因となっているケースが多く、早急に対処しなければ将来的に離婚に向かう可能性が高まります。
「不倫している」というケースは、不倫相手の本気度や夫の性格によって時間がたてば帰ってくる可能性もあります。ただし、不倫(不貞行為)によって音信不通にするような夫と今後も結婚生活を続けるかどうか、慰謝料請求するかどうかを検討することになるでしょう。
2. 音信不通の旦那と連絡をとる方法
音信不通の夫と連絡をとる方法として、主に6つの方法が考えられます。
2-1. 電話だけでなくLINEやショートメッセージを送っておく
音信不通になった場合、心配で何度も電話をかけたくなります。ただし、もし仕事上のトラブルで一時的に連絡がとれない場合などには、何度も電話をすることで夫や職場に迷惑をかける可能性があります。
数回電話してつながらない場合は、「心配している」という内容のLINEやショートメッセージに残したほうが、夫から返信がくる可能性は高まるでしょう。
2-2. 身内や共通の知人に相談する
一人で悩まず、一緒に心配してくれる身内や夫と共通の知人に相談しましょう。もし夫の居場所や近況について知っていることがあれば、教えてもらうよう協力を依頼しておくのが望ましいです。
2-3. 職場に連絡する
出社したまま翌日になっても帰ってこないという場合には、夫の職場に連絡して居場所を聞きます。妻が心配しているという伝言を夫に伝えてもらうのも一つの方法です。
2-4. 警察に通報する
知人や職場に聞いても居場所がわからず、丸1〜2日間も音信不通の場合には、警察に相談する選択肢も考えられます。夫が自分の意思で家出をしている場合は根本的な解決にはなりませんが、もし事故やトラブルに巻き込まれている可能性がある場合は捜索願を出しておくとよいでしょう。
2-5. 住民票や戸籍の附票を取得する
夫の住民票や戸籍の附票を取得すれば、居場所の手がかりがつかめる可能性があります。自身では取得できない場合でも、弁護士であれば取得できる場合があるので、弁護士に相談することをお勧めします。
2-6. 弁護士や探偵に調査を依頼する
夫の居場所に心当たりや何らかの手がかりがある場合は、弁護士を通じて夫に連絡をしたり、探偵に調査してもらったりすることで居場所が判明する可能性があります。
3. 音信不通の旦那と離婚する方法
音信不通の夫と離婚したいと考えたとき、夫の居場所がわかっているかいないかで、対応は変わってきます。
3-1. 旦那がどこにいるかわかる場合
夫がどこにいるかわかっている場合は、夫に連絡して夫婦による話し合いによる離婚協議を提案します。離婚協議がまとまれば離婚協議書や公正証書を作成します。
夫から返信がない場合は、離婚調停を申し立てて裁判所で話し合う機会を設けます。
もっとも、音信不通となっている夫は離婚調停を欠席する可能性が高いです。夫が欠席し調停不成立となった場合は離婚訴訟を提起します。なお、音信不通の夫と裁判で離婚しようとする場合は、民法で定められた離婚理由(法定離婚事由)が必要になります(詳しくは後述)。
3-2. 旦那がどこにいるかわからない場合
どうしても夫の行方が判明しない場合は、公示送達によって離婚訴訟を提起することになります。
公示送達とは、訴訟当事者の住所や居所がわからない場合に公示手続きを行い、一定期間が経過したら訴訟当事者に書面が送られたものと扱う制度です。この制度を使えば、夫がどこにいるかわからなくても離婚訴訟を提起できます。
4. 家を出たまま連絡もとれない夫との離婚は裁判で認めてもらえる?
夫と音信不通であっても、法定離婚事由があれば裁判で離婚が認められる可能性があります。法定離婚事由とは、民法770条で定められている裁判離婚が認められるための5つの事由のことです。具体的には、以下の5つを指します。
不貞行為
悪意の遺棄
3年以上の生死不明
回復の見込みがない強度の精神病(民法改正により2026年5月までに削除予定)
その他、婚姻を継続し難い重大な事由
旦那が音信不通の場合には、「回復の見込みのない強度の精神病」を除く4つの法定離婚事由のいずれかもしくは複数に該当する可能性があります。
4-1. 不貞行為(不倫)
夫が家を出たまま音信不通となった理由が、不倫相手の家に転がり込んでいたという場合には、法定離婚事由に該当します
4-2. 悪意の遺棄
悪意の遺棄とは、民法に定められている同居義務、協力義務、扶助義務という夫婦の義務を正当な理由なく果たさずに結婚生活を破綻させることを指します。
夫が理由も告げずに家を出たまま音信不通となった場合には、同居義務違反となるでしょう。さらに、生活費を入れないなど婚姻生活の維持に必要な協力をしない場合には協力義務にも違反するため、「悪意の遺棄」を理由とした裁判離婚が認められる可能性があります。
なお、夫婦がお互い同意のうえで選択した別居婚や一定期間の単身赴任、妻からのDV(ドメスティック・バイオレンス、家庭内暴力)や不倫が原因で開始した家出は、同居しないことに正当な理由があるため悪意の遺棄に該当しません。
4-3. 3年以上の生死不明
通常、離婚訴訟はあらかじめ調停を申立てる必要があります。しかし、夫の行方がわからず調停の申し立ても困難という場合は、「3年以上の生死不明」を理由として、例外的に調停申立てを経ずに離婚訴訟を提起できます。この場合、夫への訴状の送達は公示送達を利用します。
「3年以上の生死不明」は単に連絡がとれないだけではなく、夫が生死不明である必要があります。最後に夫と連絡をとった際のLINEやショートメッセージ、捜索願いなどは証拠として残しておきましょう。
4-4. その他婚姻を継続し難い重大な事由
夫が音信不通のまま長期間別居が続いた場合も法定離婚事由が認められます。
必要な別居期間は、婚姻期間のほか、子どもの有無や年齢、別居前の夫婦関係などによって多少変動しますが、おおむね5年以上別居していれば法定離婚事由が認められる可能性が高いと言えます。
5. 音信不通の旦那と離婚したいときの注意点
音信不通の夫と離婚する場合、財産分与の対象となる夫名義の預貯金や株式などがどこにいくらあるのかを、きちんと調査する必要があります。しかし、夫が財産を隠していた場合には、妻が一人で調べるのは難しいケースが多いでしょう。
また、7年以上夫が生死不明の場合、失踪宣告の手続きを行うかどうかも検討する必要があります。失踪宣告がなされると、妻との関係では死別と同様に扱われます。この場合、夫の財産を妻が相続することも可能となりますが、失踪宣告後に夫が生存していることが判明した場合には、相続した財産を夫に返す必要があります。
夫が音信不通で居所もわからない状態が長期間続いている場合は、裁判離婚するのか失踪宣告の手続きをするのか、個別のケースによって優先順位が異なるため、弁護士に相談しながら決断するのが望ましいです。
6. 音信不通の旦那との離婚について、弁護士に依頼するメリット
夫と音信不通になった場合、妻としては夫を心配すると同時に、夫婦関係を続けていくかどうか悩むことになるでしょう。
弁護士からの連絡であれば夫が応答してくれる、あるいは夫の居場所を突き止められる可能性が高まるため、夫の気持ちも聞きながら落ち着いて決断することができます。
離婚を決断した場合にも、法定離婚事由の有無や夫の財産調査などについて、専門家の知見を得て適切な離婚の方法を選択することができます。さらに、養育費の未払いなど離婚後のトラブル発生を未然に防ぐことも可能です。
音信不通の夫との離婚は、通常の離婚と比べて慎重な判断が必要となります。早いうちに弁護士に相談し、アドバイスを受けながら手続きを進めることが重要です。
7. 「旦那が連絡なしで帰ってこない」に関連してよくある質問
8. まとめ 音信不通の旦那と離婚したいなら弁護士に相談を
夫と音信不通となった場合、職場や共通の知人はもちろん、場合によっては警察に相談する必要があります。しかし、どのような初期対応が望ましいかはケースバイケースであり、妻が一人で判断することは難しいと言えます。
夫と離婚したいかどうかが決まっていなくても、夫への連絡や財産調査などでできる限りの情報を集めることが、その後の判断を助けてくれることに間違いありません。離婚を決断したあとでも、通常の離婚とは注意すべきポイントが異なります。夫と音信不通で悩んでいる場合は、男女問題に詳しい弁護士に相談し適切なアドバイスを受けることをお勧めします。
(記事は2025年4月1日時点の情報に基づいています)