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離婚前にお金が無断で引き出されていた! 財産分与への影響や対処法

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離婚前に下ろしたお金も共有財産であれば財産分与の対象となります(c)Getty Images
財産分与の金額を少なくするために、離婚前にお金を勝手に引き出すケースがあります。その場合、引き出されたお金が共有財産か特有財産かによって、対応が異なります。夫婦共有の財産であれば、財産分与の対象です。そのため、勝手に引き出されたお金も考慮したうえで財産分与を行う必要があります。弁護士が解説します。
目 次
  • 1. 離婚前に銀行のお金が下ろされていたら、どうなる?
  • 1-1. 引き出されたお金が共有財産だった場合
  • 1-2. 引き出されたお金が特有財産だった場合
  • 2. 離婚前にお金を下ろされた場合の対処法
  • 3. 別居後にお金が下ろされていた場合の財産分与への影響
  • 4. 離婚前にお金が下ろされていたら弁護士に相談すべき理由
  • 5. 離婚前にお金が下ろされていた場合に関連して、よくある質問
  • 6. まとめ 離婚前に下ろしたお金は財産分与の対象になり得る

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1. 離婚前に銀行のお金が下ろされていたら、どうなる?

まずは、共有財産なのか、相手の特有財産なのかを確認する必要 があります。共有財産か特有財産なのかによって、その後の対応が異なるためです。特有財産は財産分与の対象とはならないため、離婚前に銀行からお金を下ろされていたとしても、相手に対して何も言うことはできません。

1-1. 引き出されたお金が共有財産だった場合

引き出されたお金が夫婦の共有財産であった場合には、離婚の際に、夫婦共有財産に組み戻すよう要求することが可能な場合があります。共有財産とは、夫婦が婚姻期間中に築いた財産(預貯金や不動産など)のことを指し、名義がどちらにあるかは関係ありません

離婚前に理由もなく多額のお金を引き出しているような場合には、財産分与の際に、引き出された金額を夫婦共有財産に組み戻したうえで、財産分与を行うよう要求することが可能 です。実際にお金が引き出された場合には、引き出されたことがわかる証拠(預金通帳の写しや取引明細書等)を取得しておくとその後の交渉で有利になるでしょう。

1-2. 引き出されたお金が特有財産だった場合

引き出されたお金が相手の特有財産であった場合には、夫婦共有財産に組み戻すよう要求することはできません 。特有財産とは、婚姻前に保有していた財産や相続などによって取得した財産であり、夫婦共同生活によって築いたものではない財産のことを指します。特有財産は、財産分与の対象にはなりません。

なお、自分の特有財産から引き出されたお金であれば、相手に対して返還を求めることは可能 です。また、相手の口座に自分の特有財産を入れていた場合にも、そのことを立証できれば、返還を求めることが可能です。

2. 離婚前にお金を下ろされた場合の対処法

まずは、他の口座を含む取引履歴を確認し、本当にお金が引き出されているかどうかを確認しましょう。実際に、相手が引き出したのであれば、引き出した理由や使い道について確認が必要です。夫婦共有財産であれば財産分与の対象となるため、お金を勝手に使い込まず、口座に戻すよう相手を説得する ことになります。

相手が勝手に預金を引き出した場合は、話し合いがこじれることも考えられるので、今後の対処法も含めてすぐに弁護士に相談するのが得策 です。弁護士に依頼をすれば、弁護士会照会等によって、相手名義の口座の取引履歴を調べることが可能 な場合もあります。

3. 別居後にお金が下ろされていた場合の財産分与への影響

財産分与の基準時は別居時なので、別居後に預金を引き出して残高が減っていたとしても、当該減少分は財産分与において考慮されません。あくまでも別居時の残高が基準となります。別居前に預金を引き出していた場合には、使途次第で財産分与の対象 になります。

婚姻費用名目で引き出して、実際に、その金額が適正なものであれば、財産分与の対象にはならない可能性が高いです。なお、婚姻費用は別途、婚姻費用分担請求が可能なので、無駄なトラブルを避けるため、生活費に困っているという場合を除いては、共有財産から拠出するということは控えた方が良いでしょう。

引き出したお金をギャンブルや浪費で使ってしまった場合には、婚姻費用ではないため、財産分与の対象 となります。

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4. 離婚前にお金が下ろされていたら弁護士に相談すべき理由

離婚前にお金が下ろされていた場合、夫婦共有財産に組み戻したうえで、財産分与の対象に加えるよう要求をすることが可能です。自分で交渉しても、相手は下ろしたお金の財産分与を拒否してくる可能性がありますが、弁護士に依頼すれば、話がスムーズに進む可能性が高まります 。また、離婚前に引き出されたお金だけではなく、他に隠している財産がないかどうかを弁護士に調査してもらうことも可能です。

私が過去に担当した事例では、別居する直前に、相手が依頼者名義の口座から毎日50万円ずつ合計200万円を引き出していたというケースがありました。私は、相手に対して、200万円を返還するか、200万円を財産分与の対象に加えるよう要求し、最終的には、相手が折れて200万円を財産分与の対象に加えたうえで、財産分与をしてもらうことができました。

5. 離婚前にお金が下ろされていた場合に関連して、よくある質問

Q. 相手が通帳を開示してくれないときはどうしたらいい?
弁護士会照会あるいは裁判所による調査嘱託によって、銀行に対して、相手の取引明細を開示するよう求めることが可能です。ただ、海外の金融機関は、預金保護の観点から、裁判所による命令があっても、預金者の同意がない限り、取引情報の開示に応じないことがあるので、注意が必要となります。
Q. 別居にあたって生活費(婚姻費用)としてお金を下ろしてもよい?
日々の生活に困るようであれば、別居時に生活費(婚姻費用)としてお金を下ろすことは可能です。ただし、本来、婚姻費用は婚姻費用分担請求として相手に請求するべきなので、無駄なトラブルを避けるため、共有財産から拠出することは控えた方が良いでしょう。 相手が婚姻費用の支払いに応じない場合には、家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てることになります。調停では、双方の年収を前提に婚姻費用を決めることになります。調停が不調になった場合、最終的には裁判官が審判により適正な婚姻費用を決定します。
Q. 相手がお金を下ろして解約した銀行口座を調べることはできる?
すでに解約された口座であっても、銀行側に記録が残っている限り、弁護士会照会あるいは裁判所の調査嘱託によって調査が可能です。

6. まとめ 離婚前に下ろしたお金は財産分与の対象になり得る

離婚前に相手が勝手にお金を下ろしていた場合、まずはそのお金が共有財産なのか特有財産なのかを確認しましょう。共有財産であれば、離婚時に行う財産分与の対象となるため、相手が勝手に下ろしたお金も考慮したうえで、財産分与の金額を決定する必要があります。特有財産であれば、原則として財産分与の対象にはなりません。

共有財産か特有財産かわからない場合には、弁護士に相談し、弁護士会照会の制度を利用して、相手の取引明細の開示を銀行に求めましょう。弁護士に相談することで、財産の調査から交渉まで、トータルでサポートを受けられます。

(記事は2025年2月1日時点の情報に基づいています)

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