不倫相手と別れられないときは？　知っておきたいリスク、終わらせる方法

1. 不倫相手と別れられないパターン

不倫相手と別れられないパターンはいくつかあります。考えられるシチュエーションについてそれぞれ解説します。なお、この記事において「不倫相手」は「既婚者と交際している未婚の男女」または「未婚者と交際している既婚の男女」を想定しています。

1-1. 不倫相手のことが好きで別れられない

自分が不倫相手を好きな気持ちが断ち切れず、ずるずると関係を続けてしまうパターンです。離婚をするつもりがないけれど不倫相手への気持ちも抑えられないため、どっちつかずの状態が続きます。

1-2. 相手が別れに応じてくれない

不倫を終わらせたいと思っていても、不倫相手が別れに応じてくれないパターンです。自身は浮気のような軽い気持ちで付き合っていても、不倫相手が本気になってしまった場合に生じる問題です。

1-3. 別れを持ち出したらこじれそう

別れ話を持ち出したら、不倫相手との間でトラブルが起きそうなパターンです。あなたが積極的にアプローチして関係が始まったり、独身だと偽って不倫相手に近づいたりした場合、その点を責められ、こじれる可能性があります。最悪の場合、騙される行為などによって自分の貞操を汚された貞操権侵害として損害賠償請求される可能性があります。

1-4. 別れたら困る事情がある

不倫相手と別れると困る事情があるパターンです。不倫相手から定期的に金銭的援助を受けている、ビジネスパートナーで別れたら仕事に支障が出るなどの事情がある人は、なかなか関係を断ち切ることができません。

2. 知っておくべき不倫のリスク

不倫は、人によって判断は異なるものの、概して配偶者がありながらほかの異性と自由な意思で肉体関係を持つことを言います。道徳的に許されないのはもちろんのこと、法律上、「不貞な行為」として民法709条の不法行為に該当する場合は損害賠償を支払う責任が生じます 。離婚原因として規定されている不貞行為のはらむリスクには、主に以下のようなものがあります。

• 慰謝料や離婚を請求される

• 周りに知られてしまう

• 子どもが出来てしまう

2-1. 慰謝料や離婚を請求される

配偶者が不倫を知ってしまった場合、慰謝料や離婚を請求される可能性 があります。不倫期間、婚姻期間、未成年の子どもの有無によっては、相場よりも高額の慰謝料を請求されるおそれがあります。状況次第では、配偶者から裁判を起こされ、裁判にかかった費用の一部を負担しなければならないケースもあります。

2-2. 周りに知られてしまう

不倫が周りに知られてしまえば、あなたがこれまで着実に築き上げてきた社会的信用が失墜します。たとえ配偶者が不倫を許し離婚に至らなかったとしても、家庭内のトラブルに関する噂は、意外と簡単に周囲に知られてしまいます。近所の人に知られてしまえば気まずい思いをしますし、職場にばれたら「不倫をする人は信用できない」と仕事に多大な影響が出る可能性もあります。

2-3. 子どもが出来てしまう

肉体関係を持っていれば、不倫相手との間に子どもが出来てしまう可能性があります。あなたの子どもであると間違いがなければ、そのまま放置するわけにはいきません。子どもを産むのか、誰が育てるのか、認知はどうするのか、養育費はどうするか、重大な問題が山積します。

子どもが出来れば、不倫が配偶者にばれてしまう可能性が極めて高いです。その際は、離婚を切り出され高額の慰謝料を請求されるおそれがあります。

3. 不倫相手と関係を終わらせる方法

不倫相手との関係を終わらせたいと考えた場合、どのように話を進めればよいのでしょうか。「別れたい」と思った際にとるべき5つの行動を紹介します。

• 別れたい意思を伝える

• 少しずつ距離をとる

• 連絡を絶つ

• 手切れ金など不倫相手が納得できる方法を提案する

• 別れたあとは、二度と連絡をとらない

3-1. 別れたい意思を伝える

不倫相手と話し合って、別れたい意思を伝えましょう。その際に相手を激高させるような言動は避け、冷静かつ穏便に話し合いに臨みましょう。

3-2. 少しずつ距離をとる

不倫相手が感情的な人で、別れを切り出したらトラブルになりそうな場合、少しずつ距離をとっていく方法をお勧めします。会う頻度や連絡の回数を減らしたり、たとえ会ったとしても肉体関係を持ったりしないようにします。

少しずつ距離を置くことで、相手も別れを察知するかもしれませんし、うまくいけば自然消滅できるかもしれません。ただし、相手が連絡をしてきたのに、それに対して無視をして返信をしない対応をすると、逆効果になる可能性があります。

3-3. 連絡を絶つ

不倫相手と物理的に連絡を断つ方法があります。スマホの着信拒否をしたりSNSをブロックしたりする方法が考えられますが、連絡できる手段をなくした不倫相手が過激な行動に出る可能性があります。

3-4. 手切れ金など不倫相手が納得できる方法を提案する

不倫相手が簡単に別れ話に応じない場合は、手切れ金など不倫相手が納得できる方法を提案しましょう。この場合、当事者同士で話し合いを進めると話がこじれる可能性が高い です。

手切れ金という言葉に「バカにするな！」と不倫相手が激高するケースもあるかもしれません。そのため、手切れ金などを提案するなら、弁護士に交渉を依頼することをお勧めします。弁護士であれば冷静かつ事務的に交渉を進められますし、不倫相手も弁護士に対しては感情的な対応を避ける可能性が高いです。

3-5. 別れたあとは、二度と連絡をとらない

不倫相手と別れたあとは、二度と連絡をとらないようにしましょう。不倫相手に未練があるけれど離婚は避けたいからと無理やり別れた場合、連絡を取ることで関係が戻ってしまうおそれがあります。特に不倫が配偶者に知られて、二度としないと約束したにもかかわらず、再び不倫をしたなら、払うべき代償がかなり大きくなる と考えたほうがよいと言えます。

4. 不倫相手と別れたいとき、弁護士に相談や依頼をするメリット

不倫相手と別れたい場合、自分自身で対応できないと考えたら、早い段階で弁護士に相談、依頼をしましょう。弁護士に相談すれば、あなたの置かれている状況ごとに何が最善の行動なのかアドバイスが得られます。

さらに、不倫相手と直接話し合う勇気が出ない場合、弁護士であれば代理人として対応を任せられます。不倫相手が「不倫をばらされたくなかったら手切れ金を払え」などと脅してきたケースでも、弁護士であれば脅しに屈せずに対応ができます。

また、弁護士が入ることで、不倫相手が目を覚まし、きちんと関係を清算できることもあります。

弁護士に不倫相手との交渉を依頼しようと考えているなら、不倫や離婚の案件を得意とする弁護士へ依頼するのが理想です。多くの案件をこなしてきた弁護士であれば、さまざまな事例を経験しています。こなした案件の数だけ豊富な知識を有していますので、ぜひ不倫や離婚案件を得意とする弁護士に相談や依頼をしましょう。

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5. 不倫をしていることを配偶者に知られてしまった場合の対処法

細心の注意を払っていたものの、不倫が配偶者に知られてしまった場合、離婚や慰謝料を請求される可能性があります。配偶者に不倫を知られてしまった時点でトラブルになっているわけですが、これ以上傷口が広がらないための対処法としては以下の3つが挙げられます。

• 配偶者と話し合う

• 不倫相手と手を切る

• 調停や離婚も視野に入れる

5-1. 配偶者と話し合う

配偶者ときちんと話し合いをすることが重要です。不倫が事実であれば潔く認め、まずは謝罪をします。言い訳をするなど自分を擁護する発言は、相手の心証を悪くするだけなので避けたほうがよいです。今後について配偶者が離婚を望んでいるのか、婚姻生活を続けるのか意見を聞いて、夫婦の将来について話し合いをします。

当事者同士で話し合いを進めると、感情的になって建設的な話し合いができないケースが多いです。その場合は、代理人として弁護士に間に入ってもらうとよいでしょう。配偶者も弁護士が相手であれば、冷静に話し合いに応じてくれる可能性があります。

5-2. 不倫相手と手を切る

婚姻関係を継続したければ、不倫相手との関係をきっぱり絶ちましょう 。不倫を二度としないこと、不倫をしたことを心から反省していることを示すために、配偶者に対して不倫相手とは二度と会わないなど約束ごとを記した契約書を交わすのも有効な方法です。

ただし、不倫相手が関係を続けることをしつこく求めてくる場合が考えられます。不倫相手との間に問題が生じそうな場合は自分自身で対応せず、弁護士に交渉を依頼するのが望ましいです。

5-3. 調停や離婚も視野に入れる

配偶者の怒りが収まらない場合は、離婚も視野に入れていかなければいけないケースもあるはずです。配偶者が離婚を強く望んでいる場合は、家庭裁判所に調停を申立てることも考えられます。

配偶者との話し合いがこじれたら、なるべく早い段階で弁護士に交渉を任せる選択を考えてください。

離婚となれば、慰謝料以外の条件についても、配偶者と話し合いをする必要があります。家庭裁判所が仲介に入る調停になった場合には、平日の昼間に家庭裁判所へ出向かなければいけないため、仕事に支障が出る可能性があります。弁護士であれば代理人として対応を任せられ、精神的負担が軽減できます。

6. 不倫相手を本気で好きになって、離婚したいときはどうすればよい？

あなたが不倫相手を本気で好きになり、離婚したいと考えた場合、配偶者と話し合って離婚に合意をしてもらわなければいけません。不倫をしたあなたは、離婚原因をつくり婚姻関係を破綻させた有責配偶者です。配偶者が離婚に合意せず裁判になった場合、有責配偶者からの要求が認められることはほとんどありません 。

どうしても離婚したい場合は、配偶者が納得できる離婚条件を提示して、合意をめざすしかありません。どのような条件を提示すべきか、弁護士のアドバイスを受けて話を進めていったほうがよいでしょう。

7. 不倫に関してよくある質問

8. まとめ｜トラブルに発展しそうなら、弁護士に相談を

今回は、不倫相手と別れられないケースをはじめとして、不倫によって生じるさまざまな問題を紹介してきました。毎日の生活に刺激が欲しかったりゲーム感覚で始めたりと、実際に軽い気持ちで不倫をする人は一定数存在します。お互いが軽い気持ちで関係を続けているうちはまだ良いのですが、どちらかが本気になってしまうとトラブルに発展 するケースが多々あります。

「既婚者と付き合うことがどういうことかわかっていただろう」と不倫相手に言ったところで、人間の感情は都合よくコントロールできません。いずれにしても不倫はよくないことをしているのだと肝に銘じ、できるだけ早く関係を清算しましょう。

不倫相手と別れたいけれど相手が応じてくれない、脅迫めいたことを言われているなど、トラブルに発展しそうであれば、迷うことなく弁護士に相談や依頼をすることが大切 です。

（記事は2024年12月1日時点の情報に基づいています）