離婚慰謝料の無料相談先4選　選び方、必要な準備について解説

1. 離婚慰謝料についての無料相談先4選

離婚を理由に慰謝料請求を考えているのであれば、弁護士の力を借りるのがおすすめです。弁護士は「相談費用が高い」という印象があるかもしれませんが、無料で相談できる場は意外と多くあります。

そのため、上手に活用すれば、慰謝料請求の道筋を立てることが期待できます。無料でもきちんとしたアドバイスはもらえます。また、費用が発生する正式依頼を強引に営業されることもありません。以下、弁護士への無料相談先として一般的な4つの相談先をまとめました。

• 無料相談を実施していて、かつ離婚分野に強い法律事務所が提供している法律相談

• 法テラスが提供している法律相談

• 弁護士会が提供している法律相談

• 市役所等自治体が提供している法律相談

それぞれを表で比較してみます。

2. 【おすすめ】離婚慰謝料に強い弁護士事務所

上記の表の中でも、弁護士事務所の無料相談は特におすすめです。「利用のしやすさ」「回答の質」「相談後のフォロー」などのバランスが最もよいからです。

2-1. 離婚慰謝料について弁護士事務所に相談するメリットとデメリット

法律事務所に相談するメリットは、自分で弁護士や事務所を選べる点にあります。離婚問題に詳しい弁護士を選べば、より的確なアドバイスを期待でき、問い合わせ段階で自分に合う雰囲気の事務所を選択することも可能です。

また、相談後に正式な依頼へ進んだ場合は、最初に対応した弁護士がそのまま担当することが一般的で、一貫したサポートを受けられる安心感があります。

一方でデメリットとしては、すべての法律事務所が無料相談を実施しているわけではないこと、無料相談があっても2回目以降は有料となるケースが多いこと、正式依頼に進んでも法テラスや弁護士保険が利用できるとは限らないことなど、費用面の課題が挙げられます。

2-2. 弁護士事務所への無料相談が向いている人

弁護士を自由に選びたい人、個々の事情に合った具体的なアドバイスを求めている人は法律事務所の無料相談を受けることを検討しましょう。また、資力があって法テラスの無料相談の対象外となってしまう人も、法律事務所への相談が向いているといえます。

2-3. 弁護士事務所への申し込み方法と流れ

まずは、事務所のウェブサイトやポータルサイトからのメールまたは電話で相談希望である旨を連絡します。その後の流れは事務所ごとに異なるので、案内に従いましょう。

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3. 法テラス

次に法テラスについて説明します。条件があるため、無料相談が利用できる人には限りがありますが、相談後の弁護士費用が安くなるなどのメリットもあります。

3-1. 離婚慰謝料について法テラスに相談するメリットとデメリット

法テラスとは、弁護士費用を負担することができない人のために用意された、国によって設立された機関です。収入や資産が一定の基準以下に該当する人は、1つの問題につき3回まで無料の法律相談を受けられます。

他方で、相談を担当する弁護士を選ぶことはできません。そのため、担当者が離婚問題に詳しいとは限らなかったり、自分と相性の悪い・話しにくい人に当たったりする可能性もあります。

3-2. 法テラスへの無料相談が向いている人

収入や資産が一定の基準以下に該当する人は、法テラスを利用することで、費用負担を抑えながら複数回の相談を受けられる可能性があります。特に、離婚慰謝料の可否や手続きの進め方など、専門家から基礎的なアドバイスを段階的に受けたい人に適しています。

また、相談だけでなく、弁護士費用の立替制度を利用できる場合もあるため、金銭的な事情で依頼をためらっている人にとっても心強い窓口といえます。

3-3. 法テラスへの申し込み方法と流れ

法テラスは全国各地に事務所があるため、最寄りなど自分の好きなところにある法テラスの事務所に電話しましょう。一部の事務所ではWEB上での予約も受け付けているようです。案内に従い相談日時の予約をした後は、その日までの間に相談に関係する資料や、相談したいことをまとめたメモ等を用意しましょう。

なぜなら、1回の相談時間が30分と限られているためです。それまでの経緯や事情を伝えることに時間の大半を使うと、肝心の専門家からの回答に充てられる時間がなくなってしまいます。

4. 弁護士会

各都道府県には弁護士会が設置されており、地域住民向けに法律相談の窓口を用意しています。離婚や慰謝料請求のような家庭問題についても相談でき、専門家から直接アドバイスを得られる点が特徴です。

4-1. 離婚慰謝料について弁護士会に相談するメリットとデメリット

弁護士会によっては、予約不要の電話相談を受け付けており、他の相談先よりも手軽にアドバイスをもらえる可能性があります。他方で、法テラスと同様、相談を担当する弁護士を選ぶことはできません。手軽な分、相談時間も短め（多くの場合30分未満）です。また、必ずしも無料で利用できるとは限りません。

4-2. 弁護士会への無料相談が向いている人

弁護士会の相談は、まず状況を整理したい人や、離婚慰謝料の相談が「今すぐ依頼するほどではない」段階の人に向いています。短時間で弁護士から基本的な方向性を聞けるため、「自分のケースで慰謝料請求が可能か知りたい」などの相談にも適しています。

4-3. 弁護士会への申し込み方法と流れ

予約不要の電話相談であれば、弁護士会が公開している窓口番号へ電話をかけるだけで相談可能です。平日の日中に実施している地域が多く、手続きは非常にシンプルです。

一方で、対面相談やオンライン相談など予約が必要な形式の場合は、公式ホームページや案内ページから日時を申し込み、当日は指定された方法に従って相談を受ける流れになります。必要書類の有無や事前準備も弁護士会ごとに異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。

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5. 最寄りの市区町村役場

各市区町村の役場では、住民向けの無料または低額の法律相談を定期的に実施していることが多く、地域に根ざした身近な相談窓口といえます。離婚慰謝料のような家庭内の問題についても相談対象に含まれており、誰に頼ればよいか分からない初期段階でも利用しやすい点が特徴です。

5-1. 離婚慰謝料について市町村役場で相談するメリットとデメリット

こちらも気軽に利用できる相談先として便利です。ただし、法テラスや弁護士会と同様に、相談を担当する弁護士を自分で選ぶことはできません。さらに、自治体の相談では、対応した弁護士に後日あらためて相談したり、そのまま依頼につなげたりすることができない、あるいは難しい場合もあります。

相談時間も比較的短く（多くは20〜30分程度）、また必ずしも無料で利用できるとは限らない点にも注意が必要です。

5-2. 市町村役場への無料相談が向いている人

市町村役場の相談は、弁護士会と同じく、まずは概要だけ聞きたい人や、問題が深刻化する前に一度専門家の意見を確認したい人に向いています。短時間で要点を教えてもらえるため、「離婚慰謝料が請求できそうか知りたい」などの軽めの相談にも適しています。

5-3. 市町村役場への申し込み方法と流れ

多くの自治体では、相談を受けるために事前の電話予約が必要です。相談希望日や時間帯を指定して申し込み、当日は予約した方法（電話・対面など）で相談を受ける流れになります。自治体によっては、ホームページ上の予約フォームからオンラインで申し込めるところもあり、忙しい人でも手軽に利用できます。

6. 離婚慰謝料の無料相談先の選び方

状況や目的、希望に応じて相談先を決めましょう。ここでは、無料相談先を選ぶ際に考えるべきことを紹介します。

6-1. 依頼費用を支払えるか

相談は無料でも、実際に弁護士に依頼するとなるとお金がかかります。多くのケースでは10万円単位でお金が必要になるでしょう。そのため、収入や資力がない人は弁護士費用を貸してもらえる法テラスへの相談がおすすめです。

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6-2. 自宅・職場近くに窓口があるか

対面での相談を希望する場合は、自宅や職場近くに窓口のある相談先を選ぶと便利です。もっとも、最近は各相談先ともに電話での相談やウェブ上の相談を充実させつつあるので、相談先を選ぶ際の優先順位としては低くなるかもしれません。

6-3. どのような内容を相談したいか

相談するからには、より適切なアドバイスを受けられる相談先を選ぶべきです。この点、離婚問題に特化していることを掲げている法律事務所を選べば、基本的に問題ありません。

7. 離婚慰謝料の無料相談をするタイミング

離婚や慰謝料の問題は、早めに弁護士へ相談するほど、状況を正しく整理しやすくなります。弁護士に無料相談すべき主なタイミングは次のとおりです。

• 不倫が発覚した直後

• 離婚するか迷っており、メリット・デメリットを知りたいとき

• 離婚手続きの流れを把握したいとき

• 慰謝料請求を決意したタイミング

• 相手と離婚条件（親権・養育費・財産分与など）でもめているとき

• 慰謝料が支払われない、支払いが滞っているとき

これらの状況に当てはまる場合は、早期に相談することで、交渉の進め方や必要な証拠、注意点などを明確にできます。離婚や慰謝料の問題は放置すると悪化しやすいため、不安を覚えた段階で専門家のアドバイスを受けることが、安心して前に進むための大切な一歩です。

8. 弁護士事務所で離婚慰謝料の無料相談をする流れ

弁護士事務所への離婚慰謝料に関する無料相談をする際の流れを紹介します。

8-1. 弁護士事務所を探す

まずは、相談したい弁護士事務所を探しましょう。インターネット検索を利用すれば、自宅周辺の事務所や、離婚問題に力を入れている法律事務所を簡単に見つけることができます。

また、法律事務所が多数掲載されているポータルサイトを活用すると、取扱分野・料金体系・相談方法などを一覧で確認できるため、自分の希望に合う弁護士を探しやすくなります。口コミや公式サイトに掲載されている相談実績などを参考にするのもよいでしょう。

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8-2. 相談日時を決めて予約する

相談したい法律事務所が見つかったら、電話やメール、問い合わせフォームなどから連絡を取り、相談日時を予約します。予約の際には、相談内容の概要や現在の状況、持参すべき資料の有無について案内される場合もあります。事前に必要な準備をしておくことで、当日の相談がより効率的に進みます。

8-3. 無料相談をする

相談当日は、予約時に指定した方法（事務所へ直接行く、オンラインでの相談、電話相談など）で弁護士と話を進めます。離婚慰謝料の可否、必要な証拠、今後の手続きの流れなど、気になっている点を整理しておくと、短い相談時間でも有意義なアドバイスが得られます。

8-4. 実際に依頼するかどうかを決める

相談が終わったあとは、実際にその弁護士に依頼するかどうかを慎重に検討しましょう。相談を担当した弁護士によっては、今後の手続きに弁護士の関与が必要かどうか、依頼の必要性についてアドバイスをしてくれることもあります。ただし、最終的にどの弁護士に依頼するかは相談者の自由です。たとえ「依頼したほうがよい」と判断された場合でも、ほかの事務所に相談し直して比較することも問題ありません。

8-5. 離婚慰謝料の無料相談を有効に活用するための事前準備

相談当日までに、聞きたい内容を整理したメモを作成したり、関係書類をあらかじめ集めておいたりするなど、基本的な準備を進めておきましょう。事務所によっては、相談前に資料を送付するよう求められるケースもあるので、案内がある場合は早めに提出しておくとスムーズです。

8-6. 質問や自分の希望を明確にしておく

メモを作成する際には、弁護士に聞きたい質問や、自分がどうしたいのかという希望を具体的に書き出しておくことが大切です。たとえば「慰謝料を請求できるか知りたい」「慰謝料はいくらくらいになりそうか知りたい」などの形で整理しておくと、相談中に話がスムーズに進み、必要なアドバイスを効率よく受けることができます。

8-7. 不倫やDVなどの時系列を明確にしておく

相談内容に関係する重要な事実については、できる限り正確な時系列をまとめておくことが重要です。不倫の発覚時期やDVの発生状況、別居開始日など、具体的な日付や状況を整理しておくと、弁護士が事案をより正確に把握しやすくなります。この準備があるかどうかで、提供されるアドバイスの質が大きく変わることもあります。

8-8. 証拠を確保する

法律トラブルでは、客観的な証拠が重視されます。離婚慰謝料の相談でも、不倫の証拠やDVの記録、やり取りのスクリーンショット、診断書など、どれだけ証拠が揃っているかによって弁護士の見立てが変わる場合があります。そのため、可能な範囲で証拠資料を集め、相談時に提示できるよう整理しておくと、より具体的で的確なアドバイスを受けられます。

9. 離婚慰謝料について相談する前に知っておきたい基礎知識

離婚慰謝料の相談をスムーズに進めるためには、事前に基本的な仕組みや考え方を理解しておくことが重要です。慰謝料の意味や相場、請求できる期間をあらかじめ押さえておくことで、相談当日に弁護士から受ける説明がより分かりやすくなるでしょう。

9-1. そもそも離婚の慰謝料とは

離婚の慰謝料とは、一方の配偶者の特定の行為によって婚姻関係が破壊され離婚に至った場合、その「離婚に至った」こと自体を理由に請求する慰謝料のことをいいます。「一方の配偶者の特定の行為」の典型例としては、不貞行為をした場合、暴力を振るった場合などが挙げられます。

9-2. 離婚慰謝料の相場は？

慰謝料には法律で明確な基準額が定められているわけではなく、裁判例が積み重ねてきた判断要素から、おおまかな相場が形成されているにすぎません。一般的には、不貞行為やDVなどの悪質性が高いほど金額が増える傾向にあります。

客観的に見ても重大な過失があるケースでは300万円以上、特に悪質な事情がある場合は500万円に達した例もあります。一方で、多くの事例では100万円前後（50〜150万円程度）で解決するケースが多いとされています。

9-3. 慰謝料の請求には時効がある

慰謝料請求権には時効が存在し、一定の期間が経過すると請求できなくなる点に注意が必要です。時効は、①損害および加害者を知った時から3年、または②行為が行われた時から20年のいずれか早い方で成立します。離婚後に気持ちの整理がついてから請求を考える人もいますが、時間が経つほど請求が難しくなるため、早めに相談して権利を失わないようにすることが重要です。

10. 離婚慰謝料の無料相談に関するよくある質問

11. まとめ 離婚慰謝料の無料相談をするなら、弁護士事務所が一番おすすめ

離婚慰謝料を請求したいと考えたときは、早めに専門家に無料相談するのがおすすめです。弁護士事務所・法テラス・弁護士会・市区町村役場など複数の相談先がありますが、中でも自分で弁護士を選べて質の高い助言を受けられる、弁護士事務所が利用しやすいでしょう。

相談前に証拠の整理や時系列の把握などの準備をしておくと、より具体的なアドバイスが得られます。慰謝料の相場や時効などの基礎知識も理解しつつ、自分に合った窓口を選ぶことが解決の第一歩となります。

（記事は2025年12月1日時点の情報に基づいています）