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1. 弁護士に養育費の無料相談ができる窓口一覧
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1-1. 【おすすめ】弁護士事務所の無料相談
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1-2. 法テラス
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1-3. 各自治体の法律相談
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2. 弁護士に無料相談する前に知っておきたい養育費の基礎知識
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2-1. 養育費とは
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2-2. 養育費の相場と計算方法
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2-3. 養育費を受け取れる期間
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2-4. 養育費を請求する方法
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3. 養育費について弁護士に相談すべきケース
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3-1. 養育費の話し合いが進まない
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3-2. 相手が養育費を払わない
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3-3. 養育費を減額・増額したい
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3-4. 養育費の取り決めを法的に有効な書面にしたい
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3-5. 離婚後に養育費を請求したいけど連絡が取れない
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3-6. 相手方の弁護士が出てきた
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4. 養育費に関する弁護士費用の相場
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4-1. 養育費含む離婚全般の交渉を依頼する場合
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4-2. 養育費の請求や未払い分の回収のみ依頼する場合
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4-3. 養育費の減額交渉のみ依頼する場合
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5. 養育費のお悩みは離婚問題に強い弁護士に無料相談を
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6. 養育費について弁護士への無料相談でよくある質問
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7. まとめ 養育費で悩んだら無料相談を活用して弁護士に相談
無料相談OK 事務所も!
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1. 弁護士に養育費の無料相談ができる窓口一覧
養育費の取り決めや請求について困っている人は、以下の窓口で弁護士に無料相談ができます。
【おすすめ】弁護士事務所の無料相談
法テラス
各自治体の法律相談
以下、各相談窓口について、メリットやデメリットなどを順に解説します。
1-1. 【おすすめ】弁護士事務所の無料相談
多くのケースで最もおすすめなのが、無料相談を実施している弁護士事務所に相談することです。
【メリット】
弁護士事務所に直接相談することで、それぞれの事情を踏まえた柔軟な解決策を模索できるのが大きなメリットです。
養育費に関する事件を専門的に取り扱っている事務所であれば、「未払いの強制執行をしてほしい」「養育費を払ってほしい」「適切な離婚条件が知りたい」「離婚の条件を見直したい」といった個々の具体的な疑問にもきちんと対応してくれます。
相談の結果、交渉や手続きの代理を依頼する場合でも、そのまま相談の対応をした弁護士が担当するのが一般的です。また、他の相談窓口と違い、自分で直接事務所や弁護士を探して、自分に合った雰囲気の事務所や弁護士を選ぶことができます。
【デメリット】
弁護士事務所は相談の予約が必要です。弁護士も適切な回答をするために、資料などを確認しながらじっくり相談を受けるため、事前に時間を確保しておく必要があります。弁護士事務所によってはオンラインに対応しているところもあるため、相談しやすい事務所を選びましょう。
事務所や弁護士にはそれぞれ特色があるため、インターネットなどで自分と合いそうな事務所を探して予約を取ったうえで、弁護士に相談する流れになります。
1-2. 法テラス
法テラスとは、弁護士費用の負担が難しい人のために用意された、国によって設立された機関です。
【メリット】
法テラスの大きな特徴は、収入や資産が一定の基準以下に該当する人であれば、1つの問題につき3回まで無料法律相談を利用できる点です。依頼した場合も法テラス側が弁護士費用を立て替えてくれる制度(民事法律扶助)があるため、専業主婦(夫)や収入の少ない人におすすめです。
【デメリット】
法テラス経由での相談では弁護士の指名や選択ができません。そのため、離婚や養育費について実績が少ない弁護士に当たる可能性もあります。また、前述の条件を満たさない人は利用できない点もデメリットでしょう。
法テラスは、無料相談だけでなく、そのまま依頼をしても民事法律扶助が利用できる可能性があるため、専業主婦(主夫)や収入が少ないという人におすすめです。法テラスに相談する際も、まず法テラスに電話をして、相談日時の予約や法テラスが利用できるかどうか確認しましょう。
1-3. 各自治体の法律相談
各自治体でも弁護士による無料の法律相談会を開催している場合が多くあります。
【メリット】
各自治体の法律相談では、電話相談や対面相談、自治体によってはオンラインの相談を受けていたり、複数回相談できる所もあります。
【デメリット】
他の選択肢に比べて相談会が開催される曜日や時間帯が、平日昼間のみなど限定されている場合が多いです。特定の曜日や時間帯の都合をつけづらい方に向かない点はデメリットです。
また、法テラス同様に相談する弁護士を選べません。弁護士によって得意分野が異なるため、担当する弁護士が養育費について詳しいとは限りません。
各自治体の法律相談は、「平日昼間なら時間がとれる」「いきなり弁護士事務所はハードルが高い」という人におすすめです。いずれも事前に電話で予約をして相談しましょう。
なお、お住まいの地域を管轄している(一般的には都道府県ごと)弁護士会が実施している法律相談サービスに相談する方法もありますが、30分5500円ほどかかるケースがほとんどです。相談はできますが有料である可能性が高いため、費用について確認してから相談するようにしましょう。
2. 弁護士に無料相談する前に知っておきたい養育費の基礎知識
2-1. 養育費とは
そもそも、養育費とは未成熟の子どものための生活費全般のことです。法律上、親は子に対して扶養義務(民法第877条)を負っています。この扶養義務は子の親権者か否か、同居しているか否かにかかわりのない義務であるため、離れて暮らしている子に対しては生活費を負担すべき=養育費を支払うべきと考えられています。
2-2. 養育費の相場と計算方法
養育費の金額は「養育費標準算定表」という表を用いて決定されるのが一般的です。
養育費標準算定表とは、家庭裁判所が作成した、養育費の金額を簡単に決めるための表です。統計資料などの客観的な資料から導かれた計算式がこの表の元になっており、法的な公平性が担保されています。そのため、どんなに争いになっても、基本的にはこの表(または元になった計算式)から算定されることで決着がつきます。
養育費標準算定表を使うためには、夫婦それぞれの年収、子どもの人数・年齢についての情報が必要です。後者の子どもが何人いるか、何歳かという情報で使用する表を決め、前者の夫婦それぞれの年収をその表の中に当てはめることで養育費の金額を算出します。
例えば、夫が年収700万円、妻が年収100万円、14歳以下の子どもが2人とすると、夫は妻に対して毎月約11万円の養育費を支払う必要があると計算されます。
2-3. 養育費を受け取れる期間
養育費を受け取れるのは、子どもが満20歳を迎えるまでです。成人年齢は18歳に引き下げられましたが、養育費の定義は「未成年の」ではなく「未成熟の」子どもの生活費と捉えられていますので、かつての成人年齢の満20歳までと考えることが一般的です。なお、夫婦間で合意ができれば、大学卒業までというように期間の延長も可能です。
2-4. 養育費を請求する方法
養育費を請求する場合、まずは相手に対して、「養育費を支払ってほしい」と伝えることが先決です。できる限り口頭ではなくメールやLINEなどの後から確認できるような手段を使いましょう。また、後述の時効が迫っている場合は、その時効の進行を一時的に食い止めるためにも、内容証明郵便によって請求をする必要があります。
相手が支払いをしない、もしくは、養育費の取り決めがまとまらない場合、裁判所に養育費請求調停を申し立てます。調停なら、万が一話し合いがまとまらなくても、自動的に「審判」といって、裁判官が判断する手続きに移行できます。上記のとおり養育費を支払うことは扶養義務の範囲内のことである以上、審判では、基本的に養育費を一切支払わなくてよいという結論にはなりません。最終的には支払ってもらえるという結論にたどり着ける点で、養育費請求調停は有効な選択肢です。
なお、養育費は離婚後も請求が可能です。ただし、「消滅時効」という制度があり、毎月の養育費は、その毎月のもらえる日が経過してからそれぞれ5年を過ぎてしまうと、もらう権利が消滅してしまう(民法166条)ことに注意が必要です。まずは養育費の金額や支払う期間、支払いが遅れた際の措置について取り決めを行うこと、そして相手が支払わない場合にしっかりと回収を行うことです。
3. 養育費について弁護士に相談すべきケース
3-1. 養育費の話し合いが進まない
養育費について、相手が話し合いで納得しない、合意が得られないといった場合、弁護士に相談するのも一つの方法です。弁護士に相談して、自分のケースでは法律上はどのような見通しになるか確認した上で、相手に説明する流れが考えられます。また、弁護士に依頼することで、相手との交渉をしてもらい、適切な額の養育費を得られる可能性があります。
3-2. 相手が養育費を払わない
相手方が養育費を支払わない場合は、養育費の回収ノウハウのある弁護士への相談が有効な対処法の一つとなります。弁護士に依頼すれば、そのまま強制執行や内容証明郵便の送付などができ、養育費回収のサポートを受けることができます。
3-3. 養育費を減額・増額したい
当事者のどちらかの収入の増減、再婚などの理由で養育費の増額や減額を求めたり、求められたりしたときも、弁護士に相談するのがおすすめです。法律上、増額や減額はどのような理由でも認められる訳ではなく、高度な議論に発展することもあり得ます。法的な知識を求められるため、弁護士に相談しましょう。
3-4. 養育費の取り決めを法的に有効な書面にしたい
将来的に養育費が不払いになることが心配な人は、弁護士に依頼して養育費の取り決めを法的に有効な書面とすることがおすすめです。将来の不払いを防ぐためには、「強制執行認諾文言付公正証書」の作成が一番です。強制執行認諾文言付公正証書を作成すれば、裁判所が関与する手続きなしで差し押さえができます。ただし、この書面案の作成には専門的な知識が求められるため、作成は弁護士に依頼するのが安心です。
3-5. 離婚後に養育費を請求したいけど連絡が取れない
離婚後に養育費を請求したいものの相手の連絡先や所在が分からない時は、弁護士に依頼することで、相手の連絡先や所在の調査ができる可能性があります。諦めずに相談してみてください。
3-6. 相手方の弁護士が出てきた
養育費の減額や増額を目的として、相手が弁護士をつけてくることもあります。相手が弁護士に依頼した場合、相手のペースや意向で自分に不利な方向で話が進んでしまうおそれがあります。相手の要求を受け入れてしまうと、長期間養育費について不安を抱えたまま生活しなければなりません。自分の権利・利益を守るために、弁護士に依頼するのがおすすめです。減額や増額については、相手の主張も踏まえて、的確な反論や主張を行ってもらえます。

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4. 養育費に関する弁護士費用の相場
弁護士費用は各法律事務所によって異なりますが、以下のとおり、①契約時に支払う着手金と、②事件終了時に支払う報酬金に分類できます。それぞれの事務所における具体的な料金については、各事務所の公式HPなどで確認するようにしてください。
4-1. 養育費含む離婚全般の交渉を依頼する場合
養育費以外の項目(親権、面会交流、財産分与など)を含めた離婚条件全般については、交渉や調停、裁判によって、費用も異なります。以下の金額が相場だと考えられます(いずれも税抜)。
【交渉の場合】
・着手金 :20万円~
・報酬金
離婚成立に対する報酬金 :20~30万円
親権獲得に対する報酬金 :20~30万円
財産分与に対する報酬金 :得られた財産に対して10~20%程度
【調停や裁判の場合】
・着手金 :30万円~
・報酬金
離婚成立に対する報酬金 :20~40万円
親権獲得に対する報酬金 :20~30万円
財産分与に対する報酬金 :得られた財産に対して10~20%程度
例えば、協議離婚で弁護士に依頼して離婚が成立、親権を得て、財産分与200万円を得られた場合を例として挙げます。
・着手金 :20万円
・離婚成立の報酬金 :30万円
・親権獲得の報酬金 :20万円
・財産分与200万円の報酬金 :200万円×10%=20万円
・合計 :90万円
報酬金については、離婚成立、親権獲得など、お金そのものではない成果の場合は一定額を設定し、財産分与などの金銭的な成果は得られた利益の10~20%という基準を別途設定している事務所が多いです。
どこからどこまでを弁護士に依頼するのか、どの手続きで離婚をするのか、各事務所の料金体系によっても、弁護士費用は大きく異なります。いくつかの弁護士事務所に見積もりを出してもらい、比較検討すると良いでしょう。
4-2. 養育費の請求や未払い分の回収のみ依頼する場合
養育費のみを請求・回収する場合は、離婚全般についての依頼よりも低額の弁護士費用となることが多くなっています。
養育費の取り決めと 回収 | 未払いの養育費の回収 | |
---|---|---|
着手金 | もらう側:20万円 払う側 :10万円 | 10万円~ |
報酬金 | 得られた養育費や | ・未払いの養育費を回収した場合は、 ・将来分の養育費を回収した場合は、 |
例えば、養育費が月々4万円で5年分の240万円を回収できたケースを例に挙げます。
・着手金 :10万円
・報酬金 :240万円×10%=24万円
・合計 :34万円
ただし、これはあくまでも一例です。なお、私の事務所のように、所定の条件を満たす場合に着手金のない完全成功報酬制プランを設けている事務所もあります。気になる人は、弁護士事務所の公式HPを確認するか、実際に問い合わせてみましょう。
4-3. 養育費の減額交渉のみ依頼する場合
養育費の減額交渉については、ケースによっては難航する可能性がありますので、養育費のみの請求よりも若干高額の費用が発生することが多いです。
【交渉の場合】
・着手金 :20~40万円
・報酬金 :養育費を減額できた金額に対して10%
もしくは養育費2~5年分で減額できた金額に対して10%
例えば、離婚時に子どもが10歳で、月々4万円、10年分の養育費、計480万円を月々2万円まで減額できたケースを例に挙げます。
・着手金 :20万円
・報酬金 :10年分480万円を240万円まで減額できた場合、240万円×10%=24万円
・合計 :44万円
上記も目安です。各事務所によって異なりますので、見積もりをもらい比較検討しましょう。
5. 養育費のお悩みは離婚問題に強い弁護士に無料相談を
養育費については、標準算定表を用いれば簡単に妥当な金額を知ることができるなど、自分でも対処可能な部分があります。しかし、養育費をいったん取り決めたにも関わらず支払ってもらえない場合や増額や減額をしたい場合などは、専門的な知見が求められるシーンも度々あります。例えば、裁判や調停などの手続きの利用が必要になることもあります。自力での解決が難しいと少しでも感じられたら、ためらわずに離婚問題に強い弁護士の無料相談を受けましょう。
6. 養育費について弁護士への無料相談でよくある質問
可能です。ただし、毎月の養育費は、その毎月のもらえる日が経過してからそれぞれ5年を過ぎてしまうと、もらう権利が消滅してしまう「消滅時効」(民法166条)が存在します。可能な限り早めに弁護士に相談してください。
対応可能な法律事務所もあるため、まずは各法律事務所まで問い合わせてみましょう。
相手と合意ができれば可能です。ただし、受け取る側に贈与税がかかってしまったり、支払い側で扶養控除が受けられなかったりする可能性があります。基本的には毎月一定額を受け取るのがおすすめです。
養育費について取り決めをした「強制執行認諾文言付公正証書」または「調停調書」があり、相手が養育費を支払える収入や資産があるにも関わらず支払わない場合は、いわゆる「強制執行」の手続で強制的な回収を試みることができます。
これらの書類がない場合は、家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てて、調停調書(または調停移行後の審判の審判書)を入手するところから始めることになります。また、「強制執行」は相手の資産から強制的に金銭を回収する仕組みであるため、相手方に収入や資産がなければ、回収するのは難しいのが実情です。
7. まとめ 養育費で悩んだら無料相談を活用して弁護士に相談
養育費は子どもの養育に欠かせない費用です。しかし、離婚時に取り決めをせず、養育費が支払われていないケースも少なくありません。子どものためにも、養育費は必ず請求しましょう。一方で、支払い側の負担が大きいこともあるでしょう。支払う金額については、算定表を参考にすれば判断できますが、金額面で双方交渉が難航することも考えられます。
「養育費を支払ってもらえない」「養育費を支払うのが苦しい」など養育費で困っている人は、積極的に無料相談を活用して弁護士に相談してください。
(記事は2025年6月1日時点の情報に基づいています)