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40代の離婚 メリットとデメリット 必要な準備や注意点

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40代で離婚を決意する理由には、子どもの自立や介護の問題などが挙げられます(c)Getty Images
40代で離婚を決意する夫婦は少なくありません。統計データによると、離婚する夫婦の約3割が40代です。この年代は、子どもの自立や介護の問題などをきっかけに離婚を検討することも珍しくありません。40代で離婚するメリット・デメリットや注意点などを弁護士が解説します。
目 次
  • 1. 40代の離婚率は?
  • 2. 40代で離婚をする理由とは
  • 2-1. 不倫が起こりやすい
  • 2-2. 子育ての終わりによる夫婦関係の見直し
  • 2-3. ライフステージの変化に伴う価値観の変化
  • 2-4. 経済的な自立により自由に生きたくなる
  • 2-5. 義実家での同居や介護の話が出てくる
  • 2-6. DVやモラハラを我慢してきた
  • 3. 40代で離婚をするメリットデメリット
  • 3-1. メリット|ストレスや介護問題などからの解放
  • 3-2. デメリット|お金の問題や離婚後の生活
  • 4. 40代が離婚する前に準備しておくこと
  • 4-1. 離婚条件について優先順位をつけておく
  • 4-2. 浮気やDVなどの証拠を確保する
  • 4-3. 離婚後の生活設計を立てる
  • 4-4. 一人で生きていく可能性があることを覚悟する
  • 5. 離婚の話し合いで取り決めるべきこと
  • 5-1. 親権
  • 5-2. 養育費
  • 5-3. 財産分与
  • 5-4. 年金分割
  • 5-5. 慰謝料
  • 6. 40代の離婚で弁護士に相談するメリット
  • 7. 40代の離婚でよくある質問
  • 8. まとめ 40代で離婚を決意する夫婦は多い
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1. 40代の離婚率は?

厚生労働省の令和2年の統計によると、日本国内における令和2年の離婚件数は19万3253件です。そのうち、40代男性の離婚件数は5万5873件で、全体の約29%にのぼります。40代女性の離婚件数は5万4045件で、全体の約28%です。

つまり、離婚する人の約3割は40代です。ほかの年代と比べても、40代の離婚件数は多いです。40代で離婚に至る理由には、さまざまな要因が絡んでいます。この年代は、子どもの独立やキャリアの転換期など、人生の大きな節目に差し掛かる時期でもあります。

親としての役割が一段落し、夫婦関係を見直すことも多く、パートナーとの距離感や価値観の違いが浮き彫りになることがあります。

2. 40代で離婚をする理由とは

40代で離婚を決意する理由は複合的であり、個々の状況によって異なりますが、代表的な理由を挙げていきます。

2-1. 不倫が起こりやすい

40代で比較的多い離婚理由に「不倫」が挙げられます。不倫をする理由はさまざまですが、以下のようなケースが考えられます。

  • 子育てが一段落し、夫婦関係が冷え込む

  • 仕事や家事に追われ、夫婦間のコミュニケーションが減る

  • 異性との出会いが増える(職場、SNS、趣味のコミュニティなど)

  • 経済的な自立が進み、離婚のハードルが下がる

長年一緒に暮らす配偶者を異性として意識できなくなり、不倫に走ってしまう人も珍しくありません。不倫を防ぐためには、夫婦間のコミュニケーションを疎かにせず、良好な関係を維持することが大切です。

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2-2. 子育ての終わりによる夫婦関係の見直し

子育てが終わることは、40代の夫婦にとって大きな転機となります。これまで多くの時間やエネルギーを子どもに注いできた夫婦は、自分たちの関係性を再評価する機会を迎えます。

「子供のために頑張ってきた」という思いが強い場合、「今まで子供のために我慢してきたけど、これからは自分の人生を生きていきたい」と考えることはよくあります。子育てが終わったタイミングは、夫婦間のコミュニケーション不足や価値観のずれが顕在化しやすく、離婚の一因となることも少なくありません

例えば、子育てが終わり共通の話題が減ったことで、一緒に過ごす時間が少なくなり、それが距離感を生むことがあります。また、子どもの教育費や生活費のために働き詰めだった親が、子どもの独立後は余裕が生まれたことで、今後の生き方やライフプランを見直すケースも多いです。

2-3. ライフステージの変化に伴う価値観の変化

40代で離婚を考える際、多くの人が人生の再スタートとして離婚を検討します。40代になると、子どもが独立して夫婦二人だけの生活が見えてくるときでもあり、ライフスタイルを見直す良い機会ともいえます。

中には、関係がそこまで悪くない夫婦であっても、お互いの今後を考えて、前向きな気持ちで離婚を選択する夫婦もいます。

2-4. 経済的な自立により自由に生きたくなる

特に女性が40代で離婚を考える理由の一つに、経済的な自立があります。この年代の女性は、職場での経験やスキルを積んできており、自立できる自信を持ちやすくなります。

そのため、パートナーに頼らず、自分の価値観やライフスタイルに合わせた自由な生き方を実現したいと考える人も増えます。収入が安定していると、ひとりで生活する不安も軽減されるため、離婚の決意に至る人もいるでしょう。

2-5. 義実家での同居や介護の話が出てくる

40代の離婚を考える理由の一つには、義両親との同居や介護が挙げられます。同居することで生じる生活環境の変化や、介護の負担が夫婦関係に大きな影響を与えることがあります。義両親との同居は、プライベートな空間が減少し、夫婦間のストレスを増加させる原因となり得ます。

さらに、介護は肉体的だけでなく、精神的にも大きな負担です。義両親の介護に専念することで、自分の時間が取れなくなり、夫婦間のコミュニケーション不足や関係のすれ違いが生じることもあります。このような状況で、パートナーシップの維持が難しくなり、離婚を選択する40代の夫婦が増えているのです。

この問題を解決するためには、周囲のサポートや介護サービスの利用が重要です。また、夫婦で定期的に対話を持ち、お互いの負担を軽減し合うことが、関係の悪化を防ぐポイントとなります。

2-6. DVやモラハラを我慢してきた

40代で離婚を決意する理由の一つとして、DVやモラハラが挙げられます。DVとは、家庭内での暴力を指し、身体的虐待だけでなく、精神的な虐待も含まれます。モラハラは、法律上の定義はありませんが、言葉の暴力や精神的な支配を受けることを指します。

DVやモラハラは、身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも深刻な影響を及ぼします。これらの被害を受けている場合は、早期に心理的なサポートや法律相談を受けることが重要です。DV被害者向けのホットラインや専門の相談機関を利用し、状況を改善するための具体的なアドバイスを得ることをおすすめします。

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3. 40代で離婚をするメリットデメリット

3-1. メリット|ストレスや介護問題などからの解放

40代で離婚するメリットには、パートナーと一緒に暮らすストレスや、義両親の介護問題などから解放されることが挙げられます。パートナーに対する小さな不満も、長年積み重なると大きなストレスになります。離婚して別々に暮らし、ストレスから解放されることで、精神的にも余裕が生まれます。

介護問題については、義両親だけでなく、いずれはパートナーの介護も必要になるかもしれません。介護は、肉体的にも精神的にも大きな負荷がかかります。これらの問題を離婚によって回避することで、精神的な安定や生活の質の向上につながるケースもあるでしょう

3-2. デメリット|お金の問題や離婚後の生活

パートナーが主にお金を稼いでいた場合、離婚することで、生活費や教育費、老後の生活資金など、経済的な不安が生じる可能性があります。離婚を検討する際は、離婚後の生活を具体的にイメージし、必要なお金をシミュレーションしておくことも大切です。

家事をパートナーに任せっきりにしていた場合、日々の食事や掃除、洗濯など、家事の面で苦労をするかもしれません。

また、離婚時には財産分与を行うため、これまで夫婦で築いた財産は原則半分ずつ分けることになります。長年専業主婦(主夫)だったパートナーと離婚するケースなどでは、財産分与で不満を抱くこともよくあります。

4. 40代が離婚する前に準備しておくこと

4-1. 離婚条件について優先順位をつけておく

離婚問題に限らず、交渉事においては、実現したい条件に優先順位をつけておくことが重要です。例えば、慰謝料を取りたい、持ち家に住み続けたいなどです。自分が絶対に譲れない条件と譲ってもいい条件を整理しておくことで、離婚の話し合いがスムーズに進む可能性が高まります。

4-2. 浮気やDVなどの証拠を確保する

浮気やDVを裁判で主張するには証拠が求められます。「争いのある事実は、証拠によって認定しなければならない」という訴訟のルールがあるためです。浮気の場合は、家の中を調べる、探偵に調査を依頼するなどして、浮気相手と肉体関係があることを証明する証拠が必要になります。

DVの場合、病院で診断書をもらう、役所や警察のDV相談を利用して記録を取っておく、などといった方法で証拠を確保します。これらの証拠がないと、離婚や慰謝料請求が認められない可能性があるため、不安な人は事前に弁護士などの専門家に相談しながら対応を検討してください。

4-3. 離婚後の生活設計を立てる

離婚後の生活設計も非常に重要です。まず考慮すべきは、毎月の生活費です。家賃や光熱費、食費など、実際にかかる費用を具体的に把握することが大切です。

次に、老後までの長期的なプランも検討しましょう。年金や保険の見直し、必要な貯蓄額などを計算します。子どもがいる場合は、教育費や養育費の設定も忘れてはいけません。特に、離婚後に一人で子どもを育てる場合は、子どもの将来を見据えた資金計画が必要となるでしょう。

4-4. 一人で生きていく可能性があることを覚悟する

結婚生活が長いほど、パートナーの存在は当たり前に感じます。しかし、離婚した場合は、経済的な面や家事育児まで、すべて一人で背負っていく必要があります。離婚によって住む場所が変わった場合には、友人や知人などの人間関係も変化することが多いです。

これらの要因により、離婚後に孤独感や不安を感じることもあります。再婚をするケースも考えられますが、離婚後は一人で生きていくという覚悟を持ち、新しい人間関係や経済的な安定を築いていく努力が必要です。

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5. 離婚の話し合いで取り決めるべきこと

離婚時に決めなければならないことは多岐に渡ります。取り決めをスムーズに進めるためにも、事前に自分の希望を整理しておくとよいでしょう。

5-1. 親権

離婚時には、どちらが親権を持つか決める必要があります。夫婦間で親権の合意ができない場合は、離婚調停あるいは離婚訴訟で裁判所に判断してもらうことになります。日本の家庭裁判所では、監護実績や子どもの年齢、兄弟姉妹との関係性などを総合的に考慮して親権者を指定します

40代の夫婦では、子どもが一定の年齢に達していることが想定されます。家庭裁判所において、12歳以上の子供の意見は一定程度尊重されるため、子どもがどちらと暮らしたいかも重要な判断材料です。15歳以上のときは子の意見聴取が義務付けられ、特に子どもの意見が重要視されます。

親権の問題は非常に感情的で複雑なものですが、何よりも子どもの幸せを第一に考えることが大切です。

5-2. 養育費

養育費の計算方法を知ることは、離婚を検討している人にとって非常に重要です。養育費は双方の収入や子どもの年齢、生活費などを基に計算されます。具体的には、日本の家庭裁判所が作成している『算定表』を基に算出することが多いです。

この算定表は、夫婦の収入や子どもの数などを基に、一定の基準で養育費を算出するものです。算定表を利用することで、双方の収入を考慮した公正な金額を導き出せます。養育費は子どもの健やかな成長をサポートする重要なお金ですので、適切な金額を算出することが大切です。

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5-3. 財産分与

財産分与とは、離婚時に夫婦の共有財産を公平に分ける手続きのことです。結婚後に築いた財産は夫婦共有のものと考えられ、基本的には50%ずつ分配されることが多いです。共有財産には、不動産、預金、株式、保険金などが含まれます。ただし、結婚前に取得した個人財産や相続による財産は分与対象外です。

財産分与を適切に行うには、夫婦の財産を正確に把握することが重要です。住宅ローンも含め、夫婦の財産をリスト化しましょう。財産分与の合意ができない場合は、離婚調停(離婚後であれば財産分与調停のみ)を行い、家庭裁判所が関与して解決することになります。

5-4. 年金分割

夫婦が離婚する際、将来の生活を支えるために重要となるのが年金分割です。年金分割とは、婚姻中に夫または妻が加入していた厚生年金や共済年金の保険料に基づいて算出された年金額を、離婚後に夫婦間で分割する制度です。

年金分割をする際は、「年金分割のための情報通知書」という書類を事前に取得しておく必要があります。年金事務所で取得することになりますが、窓口の予約から手元に届くまで数カ月かかることもあるので、早めに申請しておきましょう。

5-5. 慰謝料

不倫やDVなどで離婚する場合には、相手に対して慰謝料を請求できます。慰謝料の相場は、数十万円から高くても300万円程度が多いです。ただし、事案によって金額は大きく異なるため、慰謝料請求を考えている人は、弁護士に相談しながら離婚を進めた方が安心です。

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6. 40代の離婚で弁護士に相談するメリット

40代で離婚を決意した人にとって、弁護士への相談は非常に重要です。まず第一に、離婚に関する法律や手続きについて専門的なアドバイスを受けられます。これは、離婚に伴う財産分与、親権、養育費、慰謝料などの複雑な問題をスムーズに処理するために必須です。

加えて、弁護士が仲介に入ることで、パートナーとの直接的な交渉を避けることができ、精神的なストレスを大きく軽減できるメリットがあります。調停や訴訟が想定される場合でも、裁判所に提出する書類作成から期日対応まで、すべて弁護士に任せることができます。

7. 40代の離婚でよくある質問

Q. 40代で離婚する男性の立ち直り方は?

40代で妻から離婚を突き付けられた男性は、大きな精神的ショックを受け、立ち直るのに時間がかかることがあります。一般論になりますが、信頼できる人に相談したり、専門家のサポートを受けたりして、自分を責め過ぎずに、気持ちを整理していくことが大切です。

Q. 40代で離婚する場合、年金分割はどうなる?

40代で年金の受給がまだまだ先でも、年金分割はもちろん請求できます。年金分割をすることで、専業主婦(主夫)や収入が少なかった側も、将来受け取る年金額を増やせます。年金分割の請求には期限があるため、早めの手続きを心掛けることが大切です。

Q. 40代で離婚する場合、残った住宅ローンはどうなる?

離婚後、持ち家にどちらかが住み続ける場合、住宅ローンは当然残ります。その際、基本的には住む側が住宅ローンを返済していくことになります。一方、持ち家を売却して住宅ローンを清算できた場合は、売却益を分与することになります。

Q. 40代専業主婦で、貯金もないのに離婚しても大丈夫?

専業主婦が離婚する場合、離婚後の経済的な不安は重要な問題です。貯金がないと、すぐに生活が苦しくなる可能性があるため、離婚後の生活費の確保を事前に考えておくことが大切です。まず、就職先を探すことや、財産分与でどれくらいのお金を受け取れるかを確認し、必要であれば公的な支援制度の活用も視野に入れましょう。

8. まとめ 40代で離婚を決意する夫婦は多い

子育ての終わりや経済的な自立など、40代は人生の転機となる出来事も多く、離婚を決意する人も珍しくありません。しかし、離婚は今後の人生に大きな影響を与えるため、慎重に検討することが大切です。

離婚によってパートナーのストレスから解放され、自由を得られる一方で、経済的な不安や孤独を感じるなどのデメリットもあります。一時的な感情で決断せず、必要に応じて弁護士などの専門家からアドバイスを受けることも重要です。

(記事は2025年9月1日時点の情報に基づいています)

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