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不倫相手に内容証明を送る方法 効果は? 送られてきたときの対処法も解説

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不倫相手に内容証明郵便で慰謝料を請求すると、どのようなメリットがあるのでしょうか(c)Getty Images
配偶者の不倫相手に慰謝料を請求する際、内容証明郵便で文書を送ることがあります。内容証明郵便とはどのような制度で、利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。送る際の注意点や内容証明郵便を送ったあとの対応などを、弁護士が詳しく解説します。
目 次
  • 1. 内容証明郵便とは
  • 2. 配偶者の不倫相手に内容証明郵便を送るメリットとデメリット
  • 2-1. メリット|相手へのプレッシャーや時効完成の猶予
  • 2-2. デメリット|費用
  • 3. 不倫相手に送付する内容証明郵便の書き方
  • 3-1. 不倫相手への内容証明郵便のテンプレ―ト(例文)
  • 3-2. 不倫相手に送付する内容証明郵便の主な記載事項
  • 4. 内容証明を発送する手続き
  • 4-1. 郵便局の窓口での発送手続き
  • 4-2. e内容証明の発送手続き
  • 5. 不倫相手に内容証明郵便を送る際の注意点
  • 5-1. 不倫相手の住所がわからなければ送れない
  • 5-2. 書式ルールは必ず守らなければならない
  • 5-3. 内容文書以外の書類は添付できない
  • 5-4. 脅迫や恐喝にあたる内容は記載しない
  • 5-5. 不倫相手の勤務先に送付するかどうかは慎重に検討する
  • 6. 不倫相手に内容証明郵便を送ったあとの対応
  • 6-1. 不倫相手が慰謝料の支払いに応じた場合
  • 6-2. 不倫相手から反応がなかった場合
  • 6-3. 不倫相手から反応があったが、慰謝料の支払いは拒否された場合
  • 7. 不倫に関する内容証明郵便について弁護士に相談するメリット
  • 7-1. 内容証明郵便を送る側のメリット
  • 7-2. 内容証明郵便を受け取った側が弁護士に依頼するメリット
  • 7-3. 不倫の内容証明郵便について弁護士に相談する際の費用
  • 8. 不倫の内容証明郵便についてよくある質問
  • 9. まとめ 不倫の内容証明郵便の対応は弁護士の手を借りて
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1. 内容証明郵便とは

内容証明郵便とは、①誰から(差出人)、②誰宛てに(宛先)、③いつ(日付)、④どのような内容の文書が差し出されたか、ということを日本郵便株式会社が証明してくれる制度です。郵便物の内容を記録として残すために利用されます。

内容証明郵便を送るには、郵便局の窓口で出す方法と、電子内容証明サービス(e内容証明)を利用する方法があります。内容証明郵便は一般書留郵便とする必要があるので、原則として受取人に手渡しで配達されます。ただし、受取人から受け取りを拒否されると、差出人に返送されてしまいます。

2. 配偶者の不倫相手に内容証明郵便を送るメリットとデメリット

配偶者の不倫相手に内容証明を送るメリットとデメリットは以下のとおりです。

2-1. メリット|相手へのプレッシャーや時効完成の猶予

不倫相手に慰謝料請求する場合、内容証明郵便で送ると相手に心理的なプレッシャーを与えられます。

内容証明郵便は原則として手渡しで配達されるので、普通郵便と比較すると「受け取っていない」「ポストに投函されていなかった」などと言い逃れができないのも利点です。

また、慰謝料請求の時効の完成が迫っている場合には、内容証明郵便で請求することで、6カ月間は時効の完成が猶予されます

なお、6カ月間の猶予期間の間で訴訟を提起するなどする必要がありますので、注意が必要です。

2-2. デメリット|費用

デメリットとして考えられるのは、普通郵便よりも費用が高い点です。

普通郵便の料金に加え、内容証明の加算料金480円(2枚目以降は290円加算)がかかるほか、内容証明を利用する際は一般書留とする必要があるため、一般書留の加算料金480円も必要です。

また、一般書留の郵便物が配達されたことを証明する「配達証明」のサービスを利用すると、さらに加算料金350円がかかります。

送る枚数や、速達などのオプションサービスを利用するかどうかなどによっても具体的な金額は異なります。ただし、普通郵便よりも高いとはいえ、そこまで高額ではないため、注意点をふまえて適切に発送すれば、大きなデメリットはありません。

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3. 不倫相手に送付する内容証明郵便の書き方

不倫相手に送付する内容証明郵便の書き方は、以下のとおりです。

3-1. 不倫相手への内容証明郵便のテンプレ―ト(例文)

〒○○○-○○○○

(相手の住所)

(相手の氏名)殿

通知書

令和○年○月○日


(差出人の住所)

(差出人の氏名)


私は●●の妻/夫です。貴殿に対し、以下のとおり通知します。


貴殿は、●●と、令和○年○月頃から令和○年○月現在まで、不貞行為を続けています(以下「本件行為」といいます。)。


貴殿の本件行為は不法行為に該当し、私は、本件行為により著しい精神的苦痛を受けました。


よって、私は、貴殿に対し、慰謝料●万円を請求します。本通知書の到着後、●日以内に、下記の銀行口座に慰謝料●万円をお振込ください。


△△銀行△△支店

普通預金口座

口座番号 ○○○○○○○

口座名義 □□□□

以上


なお、期限までにお支払いいただけない場合、法的措置を講じざるを得ませんので、申し添えます。

3-2. 不倫相手に送付する内容証明郵便の主な記載事項

内容証明郵便の主な記載事項は、以下のとおりです。

・相手の住所、氏名
冒頭に相手の住所、氏名を記載します。

・文書のタイトル
文書のタイトルを記載します。慰謝料請求の場合は「通知書」などとすることが一般的です。

・差出日
内容証明郵便を差し出す日を記載します。郵便局の窓口で出す場合は窓口に行く日、電子内容証明サービスで出す場合には、電子内容証明サービスで発送手続きを行う日を記載します。

・自分の住所と氏名
差出人である自分の住所と氏名を記載します。

・内容
不倫相手が自分の配偶者と不貞行為を続けていることを理由に慰謝料を請求する、という内容を記載します。

不倫相手との不貞行為がいつからいつまで続いているのかを把握している場合には、その期間を記載します。不貞行為の開始の時期を詳しく把握していない場合には、「遅くとも令和○年○月頃から」などと記載することも一案です。

・慰謝料額
相手に求める慰謝料の金額を記載します。

・支払期限
慰謝料が支払われなかった場合には次の対応を検討する必要があるため、支払期限を明確に定めておきます。たとえば「本通知書の到着後、7日以内に」などとします。

・振込先口座
自分の銀行口座を記入します。

4. 内容証明を発送する手続き

内容証明を発送する際の手続きは以下のとおりです。

4-1. 郵便局の窓口での発送手続き

郵便局の窓口で内容証明郵便を発送する場合には、次のものを準備します。

  • 内容文書(相手に送付するもの)

  • 内容文書の謄本2通(差出人及び郵便局がそれぞれ1通ずつ保存するもの)

  • 差出人及び受取人の住所と氏名を記載した封筒

  • 内容証明の加算料金を含む郵便料金

内容文書の謄本を作成する際は、次のとおり字数や行数の制限があるため注意してください。なお、原則として記号は1個を1字として数えます。

<縦書きの場合>
・1行20字以内、1枚26行以内

<横書きの場合>
・1行20字以内、1枚26行以内
・1行13字以内、1枚40行以内
・1行26字以内、1枚20行以内

謄本が2枚以上にわたる場合には、契印(けいいん)といって、ページのつづり目に押印する必要があります。また、謄本の文字などを訂正する場合には訂正印が必要です。郵便局の窓口に行く際には、印鑑を持参することをお勧めします。

4-2. e内容証明の発送手続き

電子内容証明(e内容証明)とは、インターネットを通じて内容証明郵便を24時間発送できるサービスです。Wordファイルで作成した内容証明文書をインターネット上にアップロードすれば、日本郵便株式会社が印刷、照合、封入投函し、内容証明郵便として発送されます。

e内容証明を利用するには、まず郵便局の専用Webサイトにログインします。その後、Wordファイルで作成した内容証明文書をアップロードし、差出人及び宛先を入力します。

料金は、クレジットカードまたは料金後納で支払います。

アップロードした内容証明文書が内容証明郵便として発送され、受取人宛てに正本が、差出人宛てに謄本が、一般書留で配達されます。

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5. 不倫相手に内容証明郵便を送る際の注意点

不倫相手に内容証明郵便を送る際には、次のような点に注意する必要があります。

  • 不倫相手の住所がわからなければ送れない

  • 書式ルールは必ず守らなければならない

  • 内容文書以外の書類は添付できない

  • 脅迫や恐喝に当たる内容は記載しない

  • 不倫相手の勤務先に送付するかどうかは慎重に検討する

以下で詳しく解説します。

5-1. 不倫相手の住所がわからなければ送れない

不倫相手の住所がわからなければ、内容証明郵便を発送することはできません。

相手の住所がわからない場合は、弁護士に依頼して、弁護士会を通じた調査を依頼することが有効な場合もあります。

5-2. 書式ルールは必ず守らなければならない

内容証明郵便には、書式のルールがあります。書式のルールが守られていないと郵便局に受理されないため、注意してください。

郵便局の窓口で差し出す場合と、電子内容証明(e内容証明)で発送手続きを行う場合とで、それぞれ書式のルールが異なります。詳細は日本郵便株式会社の公式ホームページの「郵便局|内容証明 ご利用の条件等」や「郵便局|e内容証明(電子内容証明)」で確認しておきましょう。

5-3. 内容文書以外の書類は添付できない

内容証明では、内容文書以外の物を同封することはできません。たとえば、図面や返信用封筒などを同封することはできません。また、写真などを添付できないため、必要な場合は別送する必要があります。

5-4. 脅迫や恐喝にあたる内容は記載しない

内容文書の内容によっては、脅迫罪などの刑事罰に問われるおそれがあるため、注意が必要です。

たとえば、慰謝料を支払わなければ痛い目にあうとか、インターネットやSNSで拡散するなどといった内容は記載しないよう、十分に注意してください。

5-5. 不倫相手の勤務先に送付するかどうかは慎重に検討する

不倫相手の住所はわからなくても、勤務先なら把握しているというケースもあるかもしれません。ただし、その場合もいきなり勤務先に内容証明郵便を送るべきではありません。

必要性がないにもかかわらず、いきなり勤務先に内容証明郵便を送ると、逆に差出人が名誉棄損などで損害賠償を請求されるリスクがあるからです。

また、本人が内容証明郵便の受領を拒否している場合でも、同様の理由で勤務先には内容証明郵便を送るべきではありません。

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6. 不倫相手に内容証明郵便を送ったあとの対応

配偶者の不倫相手に内容証明郵便を送ったあとにどう対応すべきかは、不倫相手の反応によって異なります。

6-1. 不倫相手が慰謝料の支払いに応じた場合

不倫相手が慰謝料の支払いに応じた場合には、示談書を締結して、慰謝料の支払いを受けます

6-2. 不倫相手から反応がなかった場合

内容証明郵便を送ったにもかかわらず不倫相手から反応がなかった場合には、内容証明郵便を弁護士名義で再送するか、不倫相手に対し損害賠償請求の訴訟を起こすことを検討します。弁護士に相談する際には、手元にある証拠などを持参します。

6-3. 不倫相手から反応があったが、慰謝料の支払いは拒否された場合

不倫相手から反応があったものの、慰謝料の支払いは拒否された場合には、まずは支払いを求めて交渉を試み、交渉がまとまる見込みがなければ、訴訟を提起します。慰謝料請求の交渉や訴訟を提起する際は、弁護士への依頼をお勧めします。

7. 不倫に関する内容証明郵便について弁護士に相談するメリット

不倫に関する内容証明郵便を送る場合や、反対に自分が内容証明郵便を受け取った場合には、まずは弁護士に相談することをお勧めします。弁護士に相談すると、それぞれの場合で以下のようなメリットが考えられます。

7-1. 内容証明郵便を送る側のメリット

内容証明を送る場合には、弁護士に依頼することで、適切な内容の通知書を作成してもらえるほか、内容証明郵便を送ったにもかかわらず無視された場合や支払いを拒否されたりした場合でも、適切に対応してもらえるというメリットがあります。

また、内容証明郵便を送る際や送ったあとの交渉や訴訟には、多大な労力が必要です。不倫されたことに加え、不倫相手に対応しなければならないのは大きなストレスです。弁護士に依頼すると、交渉や訴訟の際に必要な労力やストレスが軽減されるというメリットもあります。

筆者が実際に依頼を受けた事例でも、不倫相手に内容証明郵便を送ったところ、交渉で相手が慰謝料の支払いに応じたケースや、交渉段階では支払いを拒否されたものの、訴訟を提起したあとに和解で慰謝料の支払いを受けることができたケースなどがあります。

7-2. 内容証明郵便を受け取った側が弁護士に依頼するメリット

内容証明郵便を受け取った場合、その内容について身に覚えがなかったり、不当に高額な請求をされたりした場合には、弁護士に依頼することで、不当な請求を拒否して反論してもらえたり、訴訟になっても対応を任せられたりするというメリットがあります。

特に相手に弁護士がついている場合には、内容証明郵便を受け取った側でも弁護士に依頼したほうがよいでしょう。

内容証明郵便を送る側と同様に、弁護士に依頼すると、交渉や訴訟に必要な労力やストレスが軽減されるなどのメリットもあります。

7-3. 不倫の内容証明郵便について弁護士に相談する際の費用

弁護士が代理人として内容証明郵便を発送し、慰謝料請求の対応を行う場合の弁護士費用は、弁護士によって異なります。

弁護士に依頼する段階で着手金を支払い、案件が終了してから報酬金を支払う形式で弁護士費用を設定している場合の一例をご紹介します。

  • 着手金:20万~30万円程度(税別、訴訟に移行する場合には追加着手金が必要)

  • 報酬金:回収額に応じて、40万~60万円程度(税別)

基本的に、内容証明郵便の発送だけでなく、そのあとの交渉も含めた費用を設定している場合がほとんどです。

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8. 不倫の内容証明郵便についてよくある質問

Q. 内容証明郵便を送れば、不倫相手の財産を差し押さえられる?

内容証明郵便を送っても、不倫相手の財産を差し押さえることはできません。不倫相手の財産を差し押さえるためには、訴訟を提起し勝訴判決を得たあと、あらためて強制執行の手続きを行う必要があります。

Q. 不倫慰謝料の請求書を普通郵便で送るとどうなる?

不倫慰謝料の請求を普通郵便で送っても、請求自体は有効です。ただし、請求書を発送した事実や内容が記録に残らないので、相手から「請求を受けていない」「受け取っていない」と反論されるおそれがあります。


特に、内容証明郵便で請求することで6カ月間は時効の完成が猶予されるため、慰謝料請求の時効完成が迫っている場合には、普通郵便ではなく内容証明郵便を利用すべきです。


なお、6カ月間の猶予期間の間に訴訟の提起などをする必要がありますので、注意が必要です。

Q. 不倫相手の住所がわからないときは、どうすべき?

配偶者に不倫相手の住所を聞く方法が考えられますが、回答は得られないかもしれません。


不倫相手の住所がわからなくても、電話番号やメールアドレスがわかっているときには、弁護士に依頼し、弁護士会を通じて携帯電話会社に照会をかけることで、住所が判明する場合もあります。


場合によっては探偵に調査を依頼することも一つの選択肢です。ただし、調査をしても不倫相手の住所が判明するとは限りません。

Q. 突然、不倫慰謝料の請求書が届いたらどうすればよい?

突然、不倫慰謝料の請求書が届いた場合には、請求書の内容を確認して、どう対応したらよいか弁護士に相談すべきです。請求書が届いたにもかかわらず無視していると、訴訟を起こされる可能性もあります。

9. まとめ 不倫の内容証明郵便の対応は弁護士の手を借りて

不倫相手への慰謝料請求を内容証明郵便で送ると、相手に心理的なプレッシャーを与えられたり、言い逃れを防げたりするほか、慰謝料請求権の時効の完成を6カ月間猶予できるといったメリットもあります。決められた書式ルールや、相手の住所がわからないと送れないといった注意点もありますが、それほど高額な費用は必要ないため、弁護士にアドバイスをもらいながら効果的に利用したいものです。

内容証明郵便を送っても相手から反応がなかったり、慰謝料の支払いを拒まれたりした場合には交渉や訴訟が必要になります。自分で対応するのは負担が大きいため、弁護士に相談することをお勧めします。

(記事は2025年8月1日時点の情報に基づいています)

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