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1. 離婚調停前や調停中に別居をしてもいいの?
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2. 離婚調停前に別居した場合の影響
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2-1. 【好影響】別居期間が長くなると離婚が認められやすくなる
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2-2. 【影響なし】調停委員の印象が悪くなることは基本的にない
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2-3. 【悪影響】子どもの親権獲得には不利になりうる
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2-4. 【悪影響】離婚をしたくない場合
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3. 離婚調停で不利にならない別居とは
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3-1. 合意を得た上での別居
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3-2. すでに婚姻関係が破綻している状態での別居
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3-3. DVやモラハラを理由に行う別居
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4. 別居しながら離婚調停する上での注意点
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4-1. 生活費の請求を忘れない
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4-2. 離婚調停中に恋愛は避ける
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4-3. 別居前に財産を把握する
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4-4. 別居前に離婚原因の証拠を集めておく
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4-5. 別居中に相手の連絡を無視しない
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5. 離婚調停時の別居に相手が反対してくるときの対処法は?
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6. 離婚調停時の別居は誰に相談したらいい?
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7. 離婚調停と別居についてよくある質問
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8. まとめ 離婚調停前や調停中に別居を検討する人は弁護士に相談を
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1. 離婚調停前や調停中に別居をしてもいいの?
民法752条では「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」として、夫婦の同居義務を定めています。夫婦の同居義務とは、言葉のとおり「同じ住居に居住して一緒に生活する義務」をいいます。よって、正当な理由もなく相手の同意を得ずに同居をやめると、同居義務違反になります。
しかし、離婚について話し合いをしていたり、離婚調停中であったりする状態は、すでに夫婦関係は破綻しているとみなされる可能性が高く、別居が違法と認定されることはほとんどありません 。
2. 離婚調停前に別居した場合の影響
離婚調停前の別居について「好影響・影響なし・悪影響」となり得る状態をそれぞれ解説します。
2-1. 【好影響】別居期間が長くなると離婚が認められやすくなる
別居期間が長ければ長いほど、夫婦関係はすでに破綻しており、修復するのが困難だという客観的な裏付けになります。民法で定められた離婚が認められる事由(法定離婚事由)のひとつである「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当して、離婚が認められやすくなります。
一般的には、離婚が認められるための別居の目安は「3~5年以上」 とされています。ただし、別居期間だけでなく、婚姻期間、別居の原因など様々な事情を総合的に考慮して判断されるので、あくまでも目安に過ぎません。
2-2. 【影響なし】調停委員の印象が悪くなることは基本的にない
別居していても、離婚調停の調停委員の印象が悪くなることはありません。実際に、別居しながら離婚調停を行っている人は多くいます。ただし、別居が「悪意の遺棄」にあたるケースは、調停委員の印象が悪くなる可能性 があります。
悪意の遺棄とは、夫婦の義務である同居・居力・扶助義務に違反する行為をいい、民法で定める離婚が認められる事由(法定離婚事由)のひとつです。例えば、相手を無理やり追い出して別居したケースや、相手が病気やケガをして一人で生活がするのが困難な状態なのに別居したケースなどが挙げられます。
また、子どもを違法に連れ去って別居したケースも調停委員の印象が悪くなる可能性があります。
2-3. 【悪影響】子どもの親権獲得には不利になりうる
子どもを実家に連れていきそのまま帰さなかったり、保育園や学校などの通学路で待ち伏せし、そのまま子どもを連れ去って別居を強行したりした場合は、違法な連れ去りと判断されて、親権獲得に不利になり得ます 。
また、話し合いができる状態だったにも関わらず、話し合いをせずに一方的に子どもを連れて別居した場合も、違法な連れ去りとして、親権者として不適合者だと判断されてしまうおそれがあります。
ただし、相手のDVから逃れるためや、合意の上での別居は、子どもの親権獲得に不利になりません 。
2-4. 【悪影響】離婚をしたくない場合
「いったん距離をとって、お互いを見つめなおそう」「別居して落ち着いたらもう一度やり直そう」などのやり取りから別居が開始されることがよくあります。しかし、離婚をしたくない場合には、別居は禁物 です。
別居で距離ができることで、コミュニケーションも減り、気持ちがさらに離れてしまう可能性もあります。結果として再同居のタイミングを失って同居が長期間となり、離婚に至るおそれがあります。
別居をしたのちにやり直して円満になったという例は、あまり聞いたことがありません。離婚をしたくない場合には、安易な別居は禁物でしょう。
3. 離婚調停で不利にならない別居とは
離婚調停で不利にならない別居として、次のような状況での別居が挙げられます。
合意を得た上での別居
すでに婚姻関係が破綻している状態での別居
DVやモラハラを理由に行う別居
それぞれ詳しく解説します。
3-1. 合意を得た上での別居
別居前にきちんと相手と話し合いをして、相手の合意を得て別居する場合は、夫婦にある同居義務違反になりませんので、離婚調停で不利になりません。
3-2. すでに婚姻関係が破綻している状態での別居
同じ屋根の下に住んでいるときから、すでに夫婦間での会話がなく、食事は別々、寝室の別室といった家庭内別居状態である場合は、すでに婚姻関係が破綻している と考えられます。そのため、離婚調停前や調停中に別居をしても同居義務違反にはならず、離婚調停で不利になりません。
3-3. DVやモラハラを理由に行う別居
DVやモラハラの被害を受けており、同居を続けると生命身体に危険が及ぶ可能性がある場合は、正当な理由のある別居 です。よって、相手の合意を得てなくても同居義務違反にならず、離婚調停で不利になることはないでしょう。
4. 別居しながら離婚調停する上での注意点
別居しながら離婚調停をするうえで注意すべき点があります。気をつけないと思いがけない形で損をしたり、トラブルになったりする可能性があるので、あらかじめ理解しておきましょう。
4-1. 生活費の請求を忘れない
離婚を見据えて別居したとしても、婚姻関係が継続している限り、夫婦には互いの生活を守りあう義務(生活保持義務)があるため、別居しても夫婦と子どもにかかる生活費を夫婦で分担 しなければいけません。
基本的に、別居中の生活費を夫婦のうち収入の少ない方が収入の多い方に「婚姻費用」として請求できます 。婚姻費用は、夫婦の話し合いで自由に決めて問題ありません。もし、婚姻費用について折り合いがつかなければ、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てる方法があります。
離婚調停を行っている家庭裁判所に申し立てると、離婚調停と併合して離婚問題と一緒に婚姻費用について話し合いができる可能性があります。なお、婚姻費用は、通常相手に請求した時点からしか受け取れません。別居した時点から遡って請求できないので、別居を開始したらすぐに請求するのが望ましいです。
4-2. 離婚調停中に恋愛は避ける
離婚調停中は、まだ離婚が成立していないので、配偶者以外の人と肉体関係を持つのは控えるべき です。厳密には、夫婦の婚姻関係が破綻していれば、すでに双方に貞操義務はありません。しかし、調停中であっても婚姻関係が破綻していないと認定される恐れもあります。
婚姻関係の破綻前に恋人ができてしまうと、離婚の主な責任のある配偶者をいう「有責配偶者」とみなされます。すると、離婚請求が認められなくなったり、慰謝料を支払わなければいけなくなったり して、不利な状況になりかねません。
もっとも、すでに婚姻関係が破綻していると認められた場合には、離婚調停中の肉体関係を伴う恋愛をしても、不法行為になりません 。ただ、夫婦関係が破綻しているかどうかは、法的な判断が必要となるので、自己判断で行動するのは危険です。
また、自分に交際相手がいると知れば、配偶者が気分を害して態度を硬化させ、調停においてなかなか合意を得られない状態になるおそれがあるため、離婚調停中に恋愛をしないほうがいいでしょう。
4-3. 別居前に財産を把握する
離婚する際、取り決めるべきもののひとつに「財産分与」があります。財産分与とは、婚姻中に夫婦で築き上げた財産を公平に分配する制度をいい、基本的には夫婦どちらの名義かは問わずに、共有財産を2分の1ずつ分け合うのが一般的です。
ご自身名義の財産は把握できても、別居すると相手名義の財産を把握するのが難しくなります 。また、財産を隠したり、勝手に処分したりするおそれもあるため、別居する前に夫婦の共有財産を把握するようにしましょう。具体的には、預金口座の通帳、生命保険の保険証券、住宅ローンや借金の明細などが挙げられます。
4-4. 別居前に離婚原因の証拠を集めておく
相手の有責行為が原因で別居に至り、離婚調停をするのであれば、別居前に相手の有責行為を裏付ける客観的な証拠を集めておく ようにしましょう。証拠があれば、離婚が認められやすくなり、慰謝料請求できる可能性があります。
別居をすると相手の行動が把握しづらくなります。また、別居や離婚を切り出すと、相手も証拠を残さないように行動するおそれがあるためです。
例えば、離婚原因が相手の不倫・浮気の場合は、同居している間に、不倫相手と肉体関係があると推測できるメール・LINEなどのやりとりや、ラブホテルの領収書・クレジットカードの明細書などの証拠を確保しておくと有用です。
4-5. 別居中に相手の連絡を無視しない
別居中に相手の連絡を無視しても、法的に不利になることはありません。しかし、最低限の連絡は無視しないほうがいいでしょう。例えば、婚姻費用の支払いに関する問い合わせや子どもに関する連絡などであれば、無視すると自分が損する場合があります。
また、連絡を無視すると相手は気分を害してしまって、離婚調停においてなかなか合意を得られなくなるおそれもあります。どうしても相手と直接連絡を取りたくない場合は、弁護士に依頼する と良いでしょう。弁護士が代理人になれば、窓口はすべて弁護士になるので、相手と直接やりとりせずに済みます。
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5. 離婚調停時の別居に相手が反対してくるときの対処法は?
別居について相手が反対してくるときは、離婚調停時に調停委員に事情を説明して、調停委員から別居に同意してもらえるように説得してもらう 方法が考えられます。DVやモラハラがある場合などには、調停員も別居を勧めてくることも考えられ、特に相手が反対していたとしても別居をすることにより不利になることはないでしょう。
ただし、子どもがいる場合には、相手が反対しているにもかかわらず、無断で子どもを連れて別居すると違法な連れ去りと認定されてしまう恐れがあるので、注意が必要でしょう。
6. 離婚調停時の別居は誰に相談したらいい?
離婚調停時の別居についての相談先として考えられるのは、親族・友人や離婚カウンセラー、自治体の相談窓口、弁護士などです。なかでも、離婚問題に精通した弁護士への相談を強くお勧めします。
同居中に、夫婦の共有財産や相手の有責行為の証拠を確保してなかったばかりに、離婚条件で有利に進められず後悔が残ってしまうケースもあります。弁護士に相談すれば、個別の状況に沿って、別居する際に何をするべきか、どんな点に注意すべきかなど具体的にアドバイスを受けられるため、離婚調停で有利に進められる 可能性が高まります。
7. 離婚調停と別居についてよくある質問
8. まとめ 離婚調停前や調停中に別居を検討する人は弁護士に相談を
離婚調停前もしくは離婚調停中に別居することは可能です。ただし、別居が離婚調停に及ぼす影響や別居しながら離婚調停をするうえでの注意点などをあらかじめ知っておかなければ、離婚調停で不利な状況に陥りかねません。
不利な状況になってしまうと、かえって離婚調停が長引いたり、調停不成立となって離婚裁判に発展したりして精神的に疲弊するうえ、時間や労力もかかってしまいます。
離婚調停で不利にならないためにも、離婚調停をする前、もしくは離婚調停中に別居したいとお考えの方は、早い段階で弁護士に相談することをお勧め します。弁護士であれば、個別の事情を伺い、どのようなタイミングで、どのように別居をしたらいいか、また、どのような点に注意して別居するべきかなど、具体的に有益なアドバイスが得られます。
また、離婚調停自体のサポートも行えますので、離婚調停を有利に進めたい方、早く終わらせたい方もぜひ弁護士にご相談ください
(記事は2024年12月1日時点の情報に基づいています)