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1. 夫婦関係を修復するためにできる9個のこと
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1-1. 不仲になった原因を考える
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1-2. 相手の話をよく聞く
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1-3. 完璧を求めない
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1-4. 些細なことでも感謝を伝える
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1-5. 良いところを見つけて褒める
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1-6. 関係修復したい気持ちを言葉で伝える
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1-7. 行動を共にする
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1-8. その日の出来事を伝え合う
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1-9. 夫婦関係調整調停(円満)を利用する
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2. 夫婦関係の修復でやってはいけないこと
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2-1. 相手だけが悪いように責め立てる
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2-2. 自分は一切変わる気がない
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2-3. できないことばかり言う
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2-4. 親や友人などの第三者を介入させる
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2-5. 無理にスキンシップを取ろうとする
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3. 関係修復が見込める夫婦の特徴|修復に成功する夫婦の共通点とは?
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3-1. 尊敬できるところがある
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3-2. 相手を愛する気持ちが残っている
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3-3. 本音を伝え合えている
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3-4. 考えや行動を改める気持ちがある
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3-5. 焦らないで変化を待てる
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3-6. 言葉や態度で伝えることを惜しまない
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4. 関係修復が難しい夫婦の特徴|冷めていく夫婦の共通点とは?
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4-1. 不倫を繰り返している
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4-2. 激しい口論になってしまう
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4-3. 相手に興味・関心がない
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4-4. DVやモラハラがある
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4-5. 思いどおりにしたい気持ちが強い
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5. 夫婦関係の修復がどうしても難しいときの対処法は?
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6. 夫婦関係の修復は難しいと感じたときの相談先
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6-1. 夫婦カウンセラー
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6-2. 弁護士
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7. 夫婦関係の修復に関してよくある質問
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8. まとめ 夫婦関係の修復は相手の気持ちを尊重して
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1. 夫婦関係を修復するためにできる9個のこと
夫婦関係が悪化してしまっても、現在に至るまでの経過を振り返って原因を考えたり、気持ちの持ちようを変えたり、態度を改めたりすることで、夫婦関係を修復するきっかけになることがあります。
1-1. 不仲になった原因を考える
不仲になる前に配偶者から何らかのサインが出ていなかったか、それに対して自分がどのような態度をとってきたかなど、これまでの二人の関係性を見つめ直すことが大切です。まずは、不仲になったきっかけを自分で掘り下げて考えてみるべきでしょう。
大きな喧嘩や考え方の対立など、不仲になった決定的な出来事がないと思っている場合でも、配偶者にとっては重大な出来事があり、わだかまりを抱えていることがあります。また、本当に些細なことであっても、日常的に繰り返されることで相手の不満や不信が積み重なり、関係が悪化していくケースもあります。
1-2. 相手の話をよく聞く
当たり障りのない会話はできるものの、込み入った話になると言い合いになってしまうという場合には、相手の話を聞く、傾聴を心がけるといった対応が考えられます。
自分の言い分や希望もあるかと思いますが、関係修復を希望するのであれば「相手が本当は何を伝えたいのか」「本当はどうしてほしいのか」などを見定めることが重要です。何でも相手の希望どおりにすべきとまではいえませんが、お互い自分の気持ちや考えを十分伝えているつもりでも相手には伝わっていない、自分も理解しているようで実は正確に理解できていない、ということはよくあります。相手のことや結論を決めつけずに、まずは相手を理解するために話をよく聞くということが必要です。
1-3. 完璧を求めない
関係性が近く、一緒に暮らしていて相手の行動が目につくだけに、配偶者に対してはいろいろ求めたくなるものです。しかし、「満点でなくても十分」と思うようにするだけで気持ちが楽になることがあります。
特に、向上心があり自分で自分を律することができる性格の人は、配偶者にも同じことを求めてしまいがちです。しかし、相手の言動をコントロールすることはできないため、完璧を求めすぎて距離ができてしまった場合には、自分の認識を変えて配偶者との関係改善を図ることも検討すべきでしょう。
1-4. 些細なことでも感謝を伝える
日常的なことであっても家族のために何かしてくれたときには、たとえ期待どおりでなくても感謝の気持ちを伝えることが、相手との関係性を悪化させないためのセーフティーネットになります。
夫婦は気心の知れた間柄であり、一番身近な人間関係ともいえますが、どんなに近しい間柄であっても独立した人格を持つ別の人間であり、相互に認められたいという気持ちがあるものです。そのため、心が満たされないことをきっかけとして、関係が悪化していってしまうケースは少なくありません。
もっとも、相手に常に感謝の態度を示すよう求めたり、それを期待しすぎたりすることは関係悪化につながりかねません。また、形ばかりの感謝を伝え続けても、かえって白々しく思われてしまいます。何でも当たり前と思わず、相手の努力や気遣いをきちんと受け止め、それを理解していると相手にも伝わることが、関係改善のきっかけとなるでしょう。
1-5. 良いところを見つけて褒める
気心が知れている夫婦関係であっても、他の人間関係と同じく、相手を一人の人間として尊重し、それを相手に伝わる形で伝えることが、関係を悪化させないためには大切です。近しい間柄であるからこそ相手にきちんと認めてほしいという気持ちがあるものなので、相手の良いところを褒め、自尊心を満たすことが必要な場面もあります。
相手の良いところを見つけようとすると、尊敬や感謝の気持ちを持てるようになることもあるので、褒めるという行為は夫婦関係を良好に保つのにも役立つといえるでしょう。
1-6. 関係修復したい気持ちを言葉で伝える
関係を修復したいと思っていても、何も言わなければ相手は「関係が悪化したままでよいと思っているだろう」と認識してしまう可能性があります。相手にそう思われていては、関係修復はできないので、真に関係を修復したいのであれば、まずは言葉で気持ちを伝えることが必要です。
夫婦だから口にしなくてもわかるだろうと思うのは早計で、どんなに近しい関係だとしても、「お互いの考えや気持ちは言葉にしなければ正確にはわからない」と考えた方がよいでしょう。
1-7. 行動を共にする
一緒に食事をとる、一緒に出勤する、一緒に買い物に出かける、一緒に料理する、一緒に寝るなど、日常的な行動を共にする時間を意識的に持つことが夫婦関係改善の第一歩になります。
たとえ会話がなくても、何をするわけでもなく一緒に過ごすだけでも、お互いにとって心地よい時間にするよう努めることで一体感が増していきます。こういった時間を過ごすうちに、お互いの気持ちがそれなりにほぐれていくと考えられます。
ただし、相手にとって一緒に過ごす時間が不快だったり負担だったりすると、行動を共にするだけでは関係改善は期待できず、むしろ悪化させる危険性もあります。相手の気持ちを読み間違えないことや、行動を共にしてもよいと思われるだけの努力は必要です。
1-8. その日の出来事を伝え合う
その日あった出来事を伝え合うことでコミュニケーションが生まれ、関係改善のきっかけにつながる場合があります。お互いの情報に多く触れることで、身近な存在として再認識することもありますし、相手がどんなことに関心があるのか、どのような考えを持っているのかを知る機会を増やすと、相互理解がより深まります。
会話がなくなりつつある関係性の場合は、お互いに「相手がコミュニケーションに関心がない」と思っており遠慮し合っている可能性があります。そのような場合には、その日の出来事を伝え合ってコミュニケーションを増やすことで関係改善が期待できるでしょう。
1-9. 夫婦関係調整調停(円満)を利用する
コミュニケーションがあまり得意ではなく、会話のきっかけがつかめなかったり、表面的な会話にしかならなかったりするような問題がある場合には、お互いに信頼できる第三者を間に入れて、コミュニケーションを図る方法もあります。できるだけ中立な立場でお互いの話を聞いてもらい、不仲になった原因を掘り下げて考えたり、解決策を考えたりする機会を持つことで関係改善を目指せます。
身近な人に頼むのが難しい場合は、夫婦関係調整調停(円満)を申し立て、調停委員にそれぞれの話を聞いてもらって解決を図るという方法もあります。相手も夫婦関係の問題を解決したいという考えがあり、調停委員にうまく調整活動を行ってもらうことができれば、関係改善のきっかけとなるでしょう。
2. 夫婦関係の修復でやってはいけないこと
夫婦関係の修復を希望していても、相手の反応が芳しくなく状況が変わらないと、気持ちが急いてしまうこともあるでしょう。ただし、関係修復のためには相手の気持ちや考えも尊重すべきであるため、以下のようなことは避けるべきです。
2-1. 相手だけが悪いように責め立てる
関係悪化の原因が相手にあると決めつけ、相手を受け入れる姿勢を見せずに一方的に責め立てることは避けるべきです。関係改善を急ぐあまり気持ちに余裕がなくなっているようなときは、特に注意しましょう。
たとえ悪意がない言動であっても、相手にとっては自尊心を傷つけられて自信を失うこともあり、接触を回避するようになってしまう可能性があります。自分に非がなく相手が100%悪いと思っていても、相手の認識が異なる場合もあるため、話を聞いて理解しようとする姿勢が大切です。
2-2. 自分は一切変わる気がない
相手にのみ変化を求め、自分に非がないからと歩み寄る姿勢を見せないと、コミュニケーションをとること自体が難しくなっていきます。相手からすると一方的に要求を押しつけられているように感じられ、自分の希望が受け入れられないことに不満が募っていくため、関係がより悪化していくと考えられます。
2-3. できないことばかり言う
あまり現実的ではない関係改善の方法を考え、口先だけでそれらしいことを言い、結局はできないとなると、相手の信頼を失ってしまいます。そうすると、関係改善は期待できないどころか、以前より悪化する可能性もあり得ます。
2-4. 親や友人などの第三者を介入させる
自分を擁護してもらったり、相手を説得してもらったりするために、親や友人などの第三者を介入させることは、話を複雑化させて関係がよりこじれる原因になります。相手には敵が増えたと受け取られることがあるだけでなく、介入した第三者と相手との関係性が原因で、夫婦関係が決定的に壊れてしまうこともあります。
2-5. 無理にスキンシップを取ろうとする
関係改善を図る際に相手の人格を真に尊重することは必ず心に留めておくべきことであり、相手が求めていない状態でのスキンシップを図るのは厳禁です。場合によっては、配偶者からの性暴力として警察への通報やその他の行政機関への相談につながり、別居や離婚の原因になる恐れもあります。
3. 関係修復が見込める夫婦の特徴|修復に成功する夫婦の共通点とは?
夫婦関係が危機的状況に陥っても、家庭内別居状態が定着してしまったり、別居や離婚に至ってしまったりする夫婦ばかりではありません。なかには別居をきっかけとして、または離婚調停を経て、関係修復に至る夫婦もいます。このように、一時的に関係が悪化しても関係修復が見込める夫婦には、次のような特徴があります。
3-1. 尊敬できるところがある
お互いに相手を尊敬し、尊重する気持ちがあれば、関係修復が十分望めます。自分だけが正しいと思いこまず、仮に意見の対立があっても、まずは相手の話を聞くことで、お互い譲歩し合ってより良い解決策を導けると考えられるからです。
3-2. 相手を愛する気持ちが残っている
一時的に関係性が悪化していたとしても、相手に対する愛情や信頼があれば、関係修復をゴールとして努力することができます。
もともとは長い人生を共に過ごすつもりで婚姻までした相手ですから、そのときの気持ちを維持している限り、一時的な関係悪化を乗り越えようとする気持ちを持つことができ、結果的に良い関係を築けると考えられます。
3-3. 本音を伝え合えている
お互いに本音を言い合うと衝突することもあります。しかし、きちんと言いたいことを伝えると、不満をため込んで恨みや不信が積み重なっていく事態を避けられ、早い段階で問題を解決できます。
ただし、たとえ本音であっても相手のことを一方的に責めたり、相手が悪い・間違っていると決めつけたりすることを続けてしまうと、相手の心を傷つけてしまいます。夫婦関係を維持することが難しいと考えられてしまうため、本音を伝えるときでも相手への配慮は必須です。お互いダメ出しをするような関係になってしまうと、いつでも喧嘩腰でしか会話ができなくなってしまい、コミュニケーション自体が不快で負担になってしまうこともあります。
3-4. 考えや行動を改める気持ちがある
たとえ自分が間違っているとわかっていても、他人から指摘されると反発してしまうことは少なくありません。しかし、相手から問題を指摘されたときに、真摯に聞き入れたり態度を改めたりすることで、配偶者の信頼を回復し、夫婦関係を再構築していけます。
3-5. 焦らないで変化を待てる
関係改善に向けて自分が努力していても、相手が夫婦の問題に向き合うのに時間がかかることもありますし、すぐには受け入れてもらえない場合もあります。また、相手が職場や親族の問題といった夫婦関係とは別の問題を抱えており、それが解決するまでは夫婦の問題にも気持ちを向けられないというケースもあります。
そのような場合には、長期的な視点で考えて関係改善を急がず、相手の気持ちが落ち着くのを焦らないで待つことが肝要です。
3-6. 言葉や態度で伝えることを惜しまない
夫婦関係も人間関係である以上、相手との関係を大切に思っていることを言葉や態度で示す必要があります。相手が何も示さないような場合でも、「相手を大切に思っている」「関係修復を希望している」といった自分の気持ちを言葉や態度で伝えることで、きっかけをつかめる可能性があります。

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4. 関係修復が難しい夫婦の特徴|冷めていく夫婦の共通点とは?
関係修復を望んでいても、次のような特徴がある夫婦の場合、関係修復が難しい傾向にあります。
4-1. 不倫を繰り返している
不倫(不貞行為)は法定離婚事由(裁判で離婚が認められる理由)にもなっており、信頼関係を大きく損なう行為です。
未成年の子どもがいる場合や経済的な問題があるなどの理由で離婚に踏み切れないということも少なくありませんが、不倫を繰り返すのは相手を配偶者として尊重しない行為ともいえます。したがって、信頼関係の回復は難しく、経済面でのつながりしかないため、子どもが成人したり経済的に自立できる状態になったりした後に、離婚に至ることも少なくありません。
4-2. 激しい口論になってしまう
価値観に大きな相違がある、コミュニケーションの方法にギャップがあり相互理解がそもそも難しいなどの理由により、歩み寄りを試みてもいつも激しい口論になってしまう場合、関係修復は容易ではありません。
このような場合、それぞれの考え方やコミュニケーションの癖が衝突してしまう理由になっていると考えられます。しかし、それらを変えることはかなり難しい場合が多く、また近しい間柄ゆえに曲げられない、相手に許容・受容されたいという気持ちもあるため、折り合える部分を探るのが現実的に難しいケースがしばしばあります。
4-3. 相手に興味・関心がない
一緒に生活している相手が、自分に興味・関心がないことに傷つき、心が離れていくことで夫婦関係が壊れてしまうケースがあります。
相手に興味がなく関係を築くことをまったく考えていない、子どもは大事だが配偶者には興味がない、というような態度があまりにも顕著な場合、人格をないがしろにされているように感じてしまうでしょう。そうなると、関係を築くことや、関係修復に期待を持てず、婚姻関係の継続に疑問を持つことがよくあります。
お互いに割り切っていれば決定的に関係が悪化する事態には至らないかもしれませんが、興味・関心のない相手との婚姻生活に疑問を抱き、結果的に離婚に至るケースもあります。
4-4. DVやモラハラがある
DVやモラハラは相手の人格を尊重しない言動であるため、被害者側は別居や離婚などの方法で加害者から安全な距離を取ろうと考えるようになり、関係修復には至らないことが多いです。
DVやモラハラの加害者とされる側の配偶者は、自分の言動に無自覚で事実を認めなかったり、相手を過小評価したりすることが比較的多く、形式的な謝罪をして被害者を懐柔し、関係修復を図ろうとすることも少なくありません。
しかし、そのような言動は被害者側に恐怖や不信感を抱かせるため、別居後や離婚手続きのなかでの対応が、婚姻関係をさらに悪化させ、修復不可能なほどに破綻させていくということも珍しくありません。
4-5. 思いどおりにしたい気持ちが強い
相手を自分の思いどおりにしたいという気持ちが強く、相手の考えや気持ちに配慮できないと、相手は一方的な意見や希望を押しつけられていると感じてしまい、関係修復が難しくなります。
相手の考え方が明らかに間違っており、自分が正しく導いてあげたいという動機であっても、相手には相手の考え方があります。動機や目的のいかんを問わず、思いどおりにしたい気持ちだけで関係修復を図ることは困難だと理解しましょう。
5. 夫婦関係の修復がどうしても難しいときの対処法は?
関係修復に向けて努力してみたもののどうしてもうまくいかず、関係修復を試みること自体に疲れてしまったという場合には、冷却期間を置くという選択肢もあります。
家庭内で少し距離を置いてみたり、離れて暮らしてみたりすることで、相手の良いところや存在の大切さに気付けることもあります。また、相手と距離を置くことで冷静になり、違う視点から関係を見つめ直すこともできます。
ただし、別居期間が長期化すると関係修復が難しくなり、相手が離婚を希望したときに認められやすくなってしまいます。別居期間のみで離婚事由が認められるわけではありませんが、交流がないまま3年以上の別居が続くと、婚姻破綻が認められやすくなります。また、婚姻期間や別居前の夫婦関係によっては、1年程度の別居でも婚姻破綻が認められるケースもあるため、離婚を避けたいのであれば別居を長期化させないようにすべきでしょう。
6. 夫婦関係の修復は難しいと感じたときの相談先
当事者間だけでの関係修復が難しい場合は、冷静な助言を与えてくれる第三者に相談することを検討するとよいでしょう。
6-1. 夫婦カウンセラー
夫婦カウンセラーは、夫婦関係に起因する悩みに特化した相談を受け付けています。関係修復に向けて第三者に相談したい、助言をもらって心の支えを得たいという場合には利用を考えてもよいでしょう。
ただし、離婚問題に関しては、弁護士とは異なり法律的な助言はできないほか、国家資格である公認心理師や内閣府が認定する臨床心理士の資格を必ずしも有しているわけではありません。精神的な問題について、専門知識に基づいて解決することは難しいため、問題の内容によっては別の相談先の検討が必要になります。
6-2. 弁護士
男女間の問題に詳しく、夫婦カウンセラーの資格を持つ弁護士が、夫婦関係の問題に関する相談を受け付けてくれることもあります。また、離婚したい場合や、離婚したくなくても離婚の問題が持ち上がっている場合には、今後の見通しや状況を踏まえて法律的な視点から助言を得て、ベストな解決策を考えるきっかけにもなります。
ただし、離婚を回避したいという希望がある場合には、配偶者との関係修復を強制するような手続きはありません。「離婚を申し入れてきた配偶者との関係を取り持ってほしい」「関係修復に向けた調整活動をしてほしい」というような相談については、対応は難しいでしょう。
もっとも、配偶者が離婚を希望している場合、相手に弁護士がついて離婚請求してきた場合、調停を申し立ててきた場合などは、弁護士に相談して助言を得るメリットがあります。離婚事件への適切な対応が必要な状況になっているといえるため、今後の見通しを立てるためにも、早めに相談しましょう。
7. 夫婦関係の修復に関してよくある質問
場合によっては相談できる可能性があります。不貞をした配偶者から離婚を求められているが小さな子どもがいるため、できれば夫婦関係を修復したいという希望がある場合には、弁護士に相談するとよいでしょう。その際は、男女問題に詳しい弁護士や夫婦カウンセラー資格を持つ弁護士がおすすめです。
数週間で修復できる場合もあれば、1年以上かけて修復できる場合もあります。弁護士が離婚事件の委任を受けて介入したあとに夫婦関係が修復される場合もあります。
筆者の経験では、別居して受任通知(弁護士が代理人になったことの通知)を送ったあと、配偶者からこれまでの対応の謝罪とやり直しの申し入れがあり、依頼者がこれを受け入れたため1カ月もせずに関係修復に至ったケースがあります。また、1年以上にわたり未成年者の監護権を争っていたものの、面会交流時に家族で過ごす時間を持つようになったことで、離婚はせず再び同居して関係を修復することを決めたケースもあります。
筆者の経験上、一度壊れてしまった関係をもとに戻すことは難しく、離婚に至るケースが多いです。しかし、まれに離婚に向けて具体的に協議していたにもかかわらず双方が関係修復に合意するケースもあります。
たとえば、一度は別居して深刻な対立関係に至ったものの、子どものために夫婦そろっていた方が良いという考えが一致し、関係修復できたケースがあります。ただし、これは客観的に見ても些細なすれ違いで別居が始まり、子どもの監護権をめぐって対立が深まってしまったケースです。配偶者に対する不満よりも、子どもにとって良い環境を与えることを優先すべきという価値観が一致していたことなど、修復が可能な事情があったといえます。
夫婦関係の修復が難しく、これ以上は婚姻関係を続けるのが難しいと判断した場合には、離婚に向けて手続きを進めることも可能です。自身が有責配偶者であれば離婚までに時間がかかる場合もありますが、条件次第で離婚に向けて協議を進めていくこともできます。まずは状況を踏まえた対応を検討するため、離婚問題に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
8. まとめ 夫婦関係の修復は相手の気持ちを尊重して
決定的に関係性が壊れてしまうと、多くの場合は修復が非常に困難になります。信頼関係を回復したり、愛情を取り戻したりできる段階で、適切な対応をすることが求められますが、相手の気持ちもあるため、自分の努力だけでどうにかなるわけではないのが難しいところです。
ただし、放置して関係が改善するということはありません。今できる対応をよく検討して、対応していくしかないといえます。もっとも、修復が難しいと感じて離婚も考えるようになった場合には、弁護士から法的な助言を得たうえで対応を検討し、手続きを進めるための準備が必要です。
(記事は2025年7月1日時点の情報に基づいています)