-
1. 離婚が子どもに与える影響
-
1-1. 精神的な影響
-
1-2. 生活面への影響
-
1-3. 教育への影響
-
2. 親が離婚した子どもの気持ち
-
2-1. 幼児期は強い不安を感じやすい
-
2-2. 小学生は自分のせいだと思うことも
-
2-3. 中学生の場合は不安が行動に出やすい
-
2-4. 高校生の場合はある程度冷静に受け止められる
-
3. 離婚が子どもに与える影響を抑える方法
-
3-1. 子どもに両親が争う姿を見せない
-
3-2. 子どもの気持ちに耳を傾ける
-
3-3. 今後のことを伝えて安心させる
-
3-4. 離婚は子どものせいではないことを伝える
-
3-5. 離婚後も変わらない生活が送れるように配慮する
-
3-6. 離婚後の生活が苦しくないよう経済的な問題を解決しておく
-
4. 子どもへの影響を懸念して離婚しないデメリット
-
5. 統計から見る子どもの離婚の受け止め方
-
6. 離婚が子どもに与える影響が不安なら弁護士への相談がおすすめ
-
7. 離婚が子どもに与える影響に不安な人からのよくある質問
-
8. まとめ 離婚は子どもに大きな影響を与える可能性がある
無料相談OK 事務所も!
離婚問題に強い弁護士を探す
1. 離婚が子どもに与える影響
1-1. 精神的な影響
離婚は子どもにとって大きなストレスとなる可能性があります。不安や悲しみ、怒り、混乱といった感情を抱えやすくなり、情緒不安定になることもあります。中には、自己肯定感の低下や無力感に陥る子どももいます。
また、睡眠障害や食欲不振などの身体的な症状が現れる場合もあります。長期的に見ると、抑うつ状態や不安障害などの精神疾患のリスクが高まる可能性も指摘されています。こういった症状が見られた場合は、なるべく早い段階で病院を受診することが大切です。
1-2. 生活面への影響
離婚に伴う生活環境の変化は、子どもに大きな影響を与えます。転居や転校によって、慣れ親しんだ環境や友人と離れ離れになる可能性があります。
また、経済的な状況の変化により、生活水準が低下したり、習い事を続けられなかったりする場合もあります。生活の変化への適応が難しく、ストレスを感じやすい子どももいます。
1-3. 教育への影響
精神的な不安定や生活環境の変化は、学業にも影響を及ぼす可能性があります。集中力の低下や学習意欲の減退により、学業成績が低下するケースも少なくありません。また、学校を休みがちになったり、不登校になったりする子どももいます。学校生活への適応にも困難が生じる可能性があります。
2. 親が離婚した子どもの気持ち
両親の離婚は、子どもにとって大きな出来事であり、年齢や発達段階によって受け止め方や感じ方が大きく異なります。子ども自身の性格や置かれた環境、両親の関わり方によっても影響は様々です。ここでは、年齢別に子どもの気持ちを見ていきましょう。
2-1. 幼児期は強い不安を感じやすい
言葉でうまく表現できない乳幼児期の子どもは、両親の離婚による環境の変化を敏感に感じ取ります。生活リズムの変化や、いつもそばにいた親がいなくなることで、強い不安や寂しさを感じやすくなります。
急に甘えん坊になったり、夜泣きがひどくなったり、食欲がなくなったりするなど、行動の変化として現れることもあります。言葉で表現できない分、行動を通して不安やストレスを表しているため、保護者は子どもの変化に気づき、寄り添うことが大切です。
2-2. 小学生は自分のせいだと思うことも
小学生になると、ある程度物事を理解できるようになりますが、まだ未熟な部分も多いため、両親の離婚を自分のせいだと考えてしまうことがあります。「僕がもっと良い子だったら…」「私がお手伝いをちゃんとすれば…」など、自分を責めてしまうケースも少なくありません。
自己肯定感が低下し、精神的に不安定になる可能性があります。また、学校での集中力の低下や、友達とのトラブルなども起こりやすくなります。親は、離婚は子どものせいではないことをしっかりと伝え、安心感を与えてあげることが重要です。
2-3. 中学生の場合は不安が行動に出やすい
思春期を迎える中学生は、精神的に不安定になりやすい時期です。両親の離婚という大きなストレスが加わることで、反抗的な態度を取ったり、非行に走ったり、感情のコントロールが難しくなることがあります。
また、進路への不安や、将来への希望が持てなくなるなど、将来への展望に影響が出ることもあります。親は子どもの気持ちに寄り添い、じっくりと話し合い、適切なサポートをしていく必要があります。学校やカウンセラーなどの専門機関と連携することも有効です。
2-4. 高校生の場合はある程度冷静に受け止められる
高校生になると、ある程度の社会経験や知識も身につき、物事を客観的に見られるようになるため、両親の離婚を比較的冷静に受け止められる場合が多いです。しかし、精神的な自立が進んでいるとはいえ、やはりショックや悲しみは大きいものです。
将来への不安や、経済的な心配なども抱えやすくなります。親は、子どもの自立を尊重しつつ、必要なサポートを提供することが大切です。子ども自身の意思を尊重し、進路や生活について一緒に考えていく姿勢が重要になります。
3. 離婚が子どもに与える影響を抑える方法
離婚は子どもにとって大きな変化であり、精神的な負担となる可能性があります。しかし、両親が子どものことを第一に考え、適切な対応をとることで、その影響を最小限に抑えることができます。子どもにとって最善の環境を作るために、以下の点に注意しましょう。
3-1. 子どもに両親が争う姿を見せない
両親が子どもの前で言い争ったり、相手を非難したりする姿を見せることは、子どもの心に深い傷を残します。離婚という状況を受け入れるだけでも大変なのに、両親の争いまで目撃してしまうと、子どもは強い不安や恐怖を感じ、自尊心を傷つけられる可能性があります。
たとえ離婚という難しい状況でも、子どもにとって両親は大切な存在です。子どもを守るためにも、冷静に話し合い、争う姿を見せないように心がけましょう。
3-2. 子どもの気持ちに耳を傾ける
離婚によって子どもは様々な感情を抱きます。悲しみ、怒り、不安、混乱など、複雑な感情が入り混じっていることでしょう。子どもが何を考え、何を感じているのか、じっくりと耳を傾けることが大切です。
子どもの言葉だけでなく、表情や行動にも注意を払い、気持ちを理解しようと努めましょう。子どもの気持ちを無視したり、否定したりするのではなく、共感し、受け止める姿勢が重要です。安心できる環境で気持ちを吐き出せるように、優しく寄り添いましょう。
3-3. 今後のことを伝えて安心させる
離婚後の生活について、子どもは大きな不安を抱えています。「これからどうなるんだろう」「どこに住むんだろう」「学校はどうなるんだろう」など、様々な疑問や不安が頭をよぎることでしょう。
子どもに寄り添い、将来の生活について具体的に説明することで、不安を軽減できます。住む場所、学校、生活費、両親との面会など、子どもが気になるであろう点を丁寧に説明し、安心感を与えましょう。曖昧な表現ではなく、明確な情報を伝えることが重要です。
3-4. 離婚は子どものせいではないことを伝える
子どもは、両親の離婚を自分のせいだと感じてしまうことがあります。「私がいい子にしていなかったから」「私がわがままを言うから」など、自分を責めてしまう子どもも少なくありません。離婚は決して子どものせいではないことを、しっかりと伝えましょう。
両親の関係がうまくいかなくなったことが原因であり、子どもには何の責任もないことを明確に説明することが大切です。繰り返し伝えることで、子どもが自分を責める気持ちを和らげ、自己肯定感を保てるようにサポートしましょう。
3-5. 離婚後も変わらない生活が送れるように配慮する
離婚によって子どもの生活環境は大きく変化します。住む場所、学校、一緒に暮らす家族など、多くの変化に適応しなければなりません。できるだけ変化を少なくし、これまでと変わらない生活が送れるよう配慮することが重要です。
例えば、転校を避けられる場合は避け、同じ学校に通い続けられるようにする、友達関係を維持できるようサポートするなど、子どもの生活リズムを崩さないよう配慮しましょう。安定した生活を送ることで、子どもは安心して新しい環境に適応していくことができます。
3-6. 離婚後の生活が苦しくないよう経済的な問題を解決しておく
離婚に伴い、経済的な問題も発生します。養育費や生活費など、子どもを育てるためのお金について、事前にしっかりと話し合い、合意しておくことが重要です。経済的な不安は、子どもにも影響を与えます。
子どもが安心して生活を送れるよう、経済的な問題を解決しておくことが、親としての責任です。具体的な金額や支払い方法などを明確にし、書面に残しておくことで、将来のトラブルを避けることができます。
4. 子どもへの影響を懸念して離婚しないデメリット
離婚が子どもに与える影響を心配し、夫婦関係に問題を抱えながらも離婚を踏みとどまるケースは少なくありません。しかし、不仲な両親のもとで生活を続けることが、必ずしも子どもにとって良いとは限りません。関係が険悪なまま夫婦を続けることで、子どもは以下のような悪影響を受ける可能性があります。
精神的な不安定
不適切な夫婦関係モデルの学習
人格形成への悪影響
子どもは、親の言動をよく観察しています。表面上は仲良く振る舞っていても、根本的な問題が解決していない場合、子どもは両親の間に漂う緊張感や不穏な空気を敏感に察知します。離婚をしない場合は、子どもへの影響を最小限に抑えるためにも、夫婦関係の改善に真剣に取り組むべきでしょう。

相談アリ
得意な弁護士
探せる
5. 統計から見る子どもの離婚の受け止め方
統計データによると、年齢が低いほど離婚によるストレスを感じやすい傾向があります。特に、幼い子どもは環境の変化に敏感で、両親の不在に強い不安を感じることがあります。ここでは、「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務」などを参考に、子どもの離婚の受け止め方を年齢別に見ていきます。
【乳幼児期(0歳~6歳)】
この時期の子どもは、言葉で感情を表現することが難しいため、情緒不安定になったり、夜泣きが増えたり、食欲がなくなったりするなどの変化が見られることがあります。両親の愛情不足を感じやすく、強い不安やストレスを抱えやすい時期です。スキンシップを多くとり、安心感を与えることが重要です。
【小学生(7歳~12歳)】
小学生になると、離婚という出来事を理解し始め、両親の不仲の原因を自分に求めたり、罪悪感を感じたりする場合があります。「良い子にしていれば両親は仲直りする」と考える子どももいるため、離婚が子どものせいではないことを明確に伝える必要があるでしょう。また、学業への影響も出始める時期です。集中力の低下や成績の悪化が見られる場合もあります。
【中学生(13歳~15歳)】
思春期を迎える中学生は、精神的に不安定になりやすく、離婚によって反抗的な態度をとったり、非行に走ったりするリスクが高まります。また、将来への不安や孤独感を感じやすい時期でもあります。親は子どもの気持ちに寄り添い、じっくりと話し合う時間を設けることが大切です。
【高校生(16歳~18歳)】
高校生になると、ある程度離婚という出来事を客観的に捉え、冷静に受け止めることができるようになります。しかし、進路や経済的な不安を抱える場合もあり、親は適切なサポートを提供する必要があります。
離婚は子どもに様々な影響を与える可能性がありますが、すべての子どもがネガティブな影響を受けるわけではありません。子どもの年齢、性格、離婚の状況、そして両親の対応によって、離婚に対する受け止め方は大きく異なります。
6. 離婚が子どもに与える影響が不安なら弁護士への相談がおすすめ
離婚は夫婦間だけの問題ではなく、子どもにも大きな影響を与えます。子どもの将来を真剣に考え、最善の選択をするためには、弁護士への相談が不可欠です。専門家の視点から、子どもの権利を守り、将来的なトラブルを回避するためのアドバイスを受けることができます。
弁護士を選ぶ際には、離婚問題に精通しているか、子どもの権利に配慮した対応をしてくれるかといった点を重視しましょう。初回相談は無料で行っている弁護士事務所も多いので、複数の弁護士に相談し、相性の良い弁護士を選ぶことが大切です。
7. 離婚が子どもに与える影響に不安な人からのよくある質問
以下のようなケースでは、離婚が子どもにとってプラスに働く場合もあるでしょう。
・DVやモラハラなど、子どもが精神的・身体的に危険に晒されている場合
・両親の不和が激しく、子どもが常に不安を感じている場合
・両親が離婚後も子どもの養育について協力的な関係を築ける場合
ただし、これらのケースであっても、離婚による変化は子どもにとって大きなストレスとなる可能性があります。子どもの年齢や性格、置かれている状況などを考慮し、専門家の意見も聞きながら慎重に判断することが重要です。
離婚するかどうかの決断は、人生における大きな転換点となるため、迷うのは当然のことです。特に子どもへの影響を考えると、簡単に結論を出すことは難しいでしょう。以下に、決断をするときに役立つポイントをまとめました。
・子どもの年齢と発達段階を考慮する
・子どもの性格や気質を理解する
・離婚後の養育環境を客観的に評価する
・専門家の意見を聞く
・家族や友人など、信頼できる人に相談する
・離婚後の生活を具体的にイメージする
これらのポイントを踏まえ、自分自身と向き合い、子どもにとって最善の選択をしましょう。離婚はゴールではなく、新たな生活のスタートです。子どもが健やかに成長できるよう、前向きに考えていくことが大切です。
8. まとめ 離婚は子どもに大きな影響を与える可能性がある
離婚は夫婦だけではなく、子どもにも大きな影響を与える出来事です。精神的な面や学業など、多岐に渡る影響が考えられます。親は、離婚後の養育環境も考慮し、適切なサポートを行うことが重要です。
また、財産分与や養育費など、離婚時の条件についても、最善の選択をする必要があります。離婚条件の話し合いが不安な人は、弁護士のサポートを受けながら離婚を進めると安心です。子どもの幸せを第一に考え、離婚後も子どもが健やかに成長できる環境を整えましょう。
(記事は2025年7月1日時点の情報に基づいています)