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1. 強制認知とは
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1-1. 強制認知が認められる条件
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1-2. 強制認知の効果
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2. 認知調停の流れ
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2-1. 【STEP1】 認知調停の申立て
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2-2. 【STEP2】調停期日
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2-3. 【STEP3】合意の成立、不成立
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3. 認知の訴えの流れ
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3-1. 【STEP1】 認知の訴えの申立て
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3-2. 【STEP2】裁判期日
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3-3. 【STEP3】判決
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4. 強制認知にかかる費用
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4-1. 認知調停、認知の訴えの申立て費用
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4-2. DNA鑑定の費用
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4-3. 弁護士費用
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5. 強制認知の手続きを進める際のポイント
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5-1. 強制認知が可能な期間に注意する|時効
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5-2. 父子関係の存在の証明が重要|不成立、負けるケースとは?
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5-3. 認知によるリスクも考慮する
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5-4. 強制認知は弁護士なしでは難しい?|弁護士に相談するメリット
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6. 2026年5月までに導入|共同親権制度が強制認知に与える影響は?
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7. 強制認知に関してよくある質問
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8. まとめ|強制認知の調停や訴訟を検討している場合は弁護士に相談を
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1. 強制認知とは
「認知」とは、非嫡出子(ひちゃくしゅつし)と呼ばれる法律上の婚姻関係にない父母の間に生まれた子を、自分の子であると認めて法律上の親子関係を生じさせる手続きです。
認知の代表例は、父が自らの自由意思で子であることを承認する任意認知と、認知の訴えを起こして強制的に認知させる強制認知の二つの方法です。
つまり、父が子を認知しない場合でも、親子関係にあることが客観的に認められるときには、子の側から父子関係の存在を主張して、認知するよう訴えることができます。これが強制認知です。
1-1. 強制認知が認められる条件
強制認知とは、父が自分から認知しない場合に、裁判所の判決によって強制的に認知を実現する手続きです。父の意思にかかわらず認知の判決が可能であるため、子どもと父の間に生物学上の親子関係、つまり血縁関係があることが前提条件となります。
1-2. 強制認知の効果
強制認知によって父と子の親子関係が認められると、扶養義務や相続権などの権利や義務が親子間に発生します。つまり、子は父に対して養育費を請求できるようになり、父が死亡した場合には、子が相続人として相続手続きに関与できます。
審判や判決に基づいて認知届を提出すると、子の戸籍に認知日、認知者の氏名、認知者の戸籍が記され、【父】の欄に父の氏名が記録されます。父の戸籍にも、認知日、認知した子の氏名、認知した子の戸籍が記されます。
2. 認知調停の流れ
認知の訴えは、訴訟の前にまずは調停で話し合う調停前置主義が採用されているため、まずは認知調停を申し立てなければなりません。認知調停の流れは以下のとおりです。
2-1. 【STEP1】 認知調停の申立て
認知調停は、相手の住所地または当事者が合意して定める家庭裁判所に申し立てます。
申立てができるのは、子か、その子の母や祖父母などの直系尊属、またはそれらの法定代理人です。子が未成年の場合は、親権者である母が法定代理人として申立てをするのが一般的です。
申立てに必要な書類は、以下のとおりです。
申立書とその写し
子と相手の戸籍謄本
子の出生証明書の写し
母の戸籍謄本(離婚後300日以内に出生した出生届未了の子に関する申立ての場合)
このほか、裁判所によっては、連絡先などの届出書や進行に関する照会回答書といった所定の書類の提出を求められる場合があります。申立て費用として、収入印紙1200円と郵便切手代もあらかじめ納める必要があります。
2-2. 【STEP2】調停期日
家庭裁判所に申立書が受理されると、裁判所が第1回調停期日を指定します。調停期日とは、実際に裁判所に出向いて調停が行われる日のことで、平日に開かれ、1回の所用時間は2時間程度です。2回目以降は1カ月から2カ月に一度のペースで開かれます。手続きが終了するまでの期間は、平均して3カ月から半年ほどです。
調停期日では、調停委員が当事者双方の話を聞きながら手続きを進めます。
子の母と相手の関係として、知り合った時期や経緯、性交渉の時期、同棲生活の有無などを主に聞かれます。子については、出生年月日や出生届の有無などが確認されます。子または母が知っている範囲で、子や母、相手のABO式血液型なども確認されます。
認知調停では、相手が父子関係の存在を認めていても、血液型検査やDNA鑑定検査などが必要とされるケースも多くあります。この場合の鑑定費用は、申立人が負担します。多くの場合、DNA鑑定で「99.999999%父子関係が認められる」といった結果が出ます。そうした結果が出た場合には、男性も認知を認めることがほとんどです。
2-3. 【STEP3】合意の成立、不成立
相手が父子関係の存在を認め、子を認知するという審判を受けることに当事者双方で合意ができれば、家庭裁判所が当事者双方やそのほかの利害関係者に口頭または書面で審問するなど、事実の調査を行います。この調査を経たあと、家庭裁判所が当事者の合意が正当であると認めた場合、合意に従った審判がなされます。
当事者間に合意が成立しないときや、合意に相当する審判をするのが正当ではないと認められるときは、裁判所は調停が成立しないことを宣言します。この場合は、不成立調書が作成されます。
審判は、申立人と相手に告知されます。利害関係者からの適法な異議申立てがないまま、告知から2週間が経過すれば、審判が確定します。
申立人は、審判が確定した日から10日以内に、審判書謄本と確定証明書を添付して、当事者の本籍地または届出人の所在地の市区町村役場に、認知届を提出する必要があります。
3. 認知の訴えの流れ
調停が不成立に終わったときは、認知の訴え、つまり認知訴訟を提起します。訴訟提起は、以下のような流れで進みます。
3-1. 【STEP1】 認知の訴えの申立て
認知の訴えは、原告または被告の住所地を管轄する家庭裁判所に提起します。原告として訴えを提起できるのは、子かその母や祖父母などの直系尊属、またはそれらの法定代理人です。子が未成年の場合は、親権者である母が法定代理人として訴えを起こすのが一般的です。
認知の訴えの提起に必要な書類は、以下のとおりです。
訴状(正本、副本)
子、母および被告の戸籍謄本
原告の主張を裏づける証拠書類 など
このほか、手数料として収入印紙1万3000円分と郵便切手代が必要になります。
3-2. 【STEP2】裁判期日
認知の訴えでは、裁判官が当事者の主張や証拠、調査により明らかとなった事実などを考慮して親子関係が存在するかどうかを認定します。
原告の女性は子が被告の男性の子であることを立証する責任があります。立証方法や裁判所の認定基準には法律的に明確な規定はありませんが、近年では科学や医療技術の進歩に伴い、DNA鑑定が父子関係証明の主要な手段として多く利用されています。
被告がDNA鑑定に応じない場合、裁判所は証拠調べとしてDNA鑑定を実施できます。これは、DNA鑑定の検査をする鑑定人に対して裁判所が命令するかたちで行われるものです。しかし、裁判所のDNA鑑定は被告本人に直接強制することはできないため、被告が頑なに拒否する場合には鑑定を実施できません。
被告がDNA鑑定を拒否する場合には、次のような間接事実や補強証拠の積み重ねで父子関係を立証していくことになります。
妊娠時に母と被告との間に性関係が存在すること
子と被告との間に血液型の食い違いがないこと
指紋、顔立ち、足紋などの人類学的特徴の比較
父性の存在を推測させる被告の言動
これらの間接事実や補強証拠を積み重ねれば、DNA鑑定の結果が得られなくても強制認知を認めてもらえる可能性があります。
なお、被告がDNA鑑定を拒否したという事実だけでただちに被告が不利になることはありませんが、鑑定を拒んだという態度が、裁判官の心証形成に影響を与える可能性があります。
裁判は平日の日中に開かれ、平均して半年から1年程度かかります。弁護士に依頼すれば、本人尋問以外の期日には基本的に出廷する必要はなく、書面の作成や証拠の提出なども任せられます。
3-3. 【STEP3】判決
父子関係が認められると裁判所が判断した場合は、認知を認める判決が言い渡されます。この判決が確定期間を経て確定すると、出生時にさかのぼって認知の効果が発生します。
判決が確定した日から10日以内に、原告は当事者の本籍地または届出人の所在地の市区町村役場に、認知届を提出しなければなりません。その際、判決謄本と確定証明書を添付します。
4. 強制認知にかかる費用
強制認知にかかる費用は、以下のとおりです。
4-1. 認知調停、認知の訴えの申立て費用
認知調停を申し立てる際は、収入印紙1200円と郵便切手代がかかります。郵便切手代は、1000円から3500円程度が一つの目安です。
認知の訴えの手数料としては、収入印紙1万3000円と郵便切手代が必要です。郵便切手代は、6000円前後になることが多いようです。
郵便切手代は、金額や内訳が裁判所ごとに異なるため、事前に確認してください。
4-2. DNA鑑定の費用
調停または裁判手続きでDNA鑑定が実施される場合には、鑑定費用として10万円から15万円程度の費用が発生します。調停の場合、鑑定費用は原則として申立人が負担しますが、協議により相手と折半するケースもあります。
裁判の場合、当事者双方の折半にして予納させることもありますが、被告がしぶしぶ鑑定に応じるような状況では、原告側で鑑定費用を全額予納するケースが少なくありません。ただし、この場合も「訴訟費用は被告の負担とする」という判決が言い渡された場合には、判決確定後、被告から回収できる可能性があります。
4-3. 弁護士費用
強制認知の手続きを弁護士に依頼した場合の費用の相場は、以下のとおりです。
法律相談料:30分5000~1万円程度
着手金:20万~30万円程度
報酬金:20万~30万円程度
認知調停では解決できず訴訟に移行した場合には、追加着手金として10万円程度かかるのが一般的です。
なお、弁護士費用は基本的に弁護士に依頼した人が負担するものであるため、相手男性が自分から費用の負担に応じない限り、強制的に負担させることはできません。

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5. 強制認知の手続きを進める際のポイント
強制認知の手続きを進める際のポイントは、次のとおりです。
5-1. 強制認知が可能な期間に注意する|時効
強制認知の手続きは、子の父の生存中はいつでもできます。ただし、父が死亡した場合は、死亡の日または父の死亡が客観的に明らかになったときから3年以内に訴えを提起しなければなりません。
なお、子が生まれる前の胎児の時期には、強制認知に関する手続きはできません。
5-2. 父子関係の存在の証明が重要|不成立、負けるケースとは?
強制認知は、相手男性が任意での認知に応じない場合にとることのできる手続きです。そのため、生物学的父子関係の証明が非常に重要な要素となります。
DNA鑑定を用いれば父子関係の証明は難しくありませんが、それには相手の協力が不可欠です。相手が鑑定を拒否した場合には強制する手段がなく、認知請求が認められないこともあるからです。
たとえば、鑑定結果がなくても、母側が妊娠した際に相手との間に継続的な性関係が存在することを証明でき、母にほかの男性と性関係があったことを相手が証明できなければ、認知請求が認められる余地はあります。しかし、相手との性関係が証明できなかったり、性関係が継続的でなかったりした場合には、DNA鑑定の結果が得られないと、認知請求が認められない可能性があります。
また、認知調停はあくまで話し合いを前提とした手続きであるため、家庭裁判所による事実の調査を経たあとでも、相手が認知を拒んだ場合や期日に出席しない場合は、調停は不成立となります。
認知の訴えでは、相手男性の協力を得られるかどうか、協力を得られない場合に父子関係を証明する間接事実や補足証拠があるかどうかが非常に重要になります。
なお、現在はインターネットでの申し込みや検体の発送によりDNA鑑定を提供する事業者もあります。しかし、こうした事業者を利用して個人的に行う私的鑑定では、検体や採取物の劣化で正確にDNAを読み取れないこともあります。また、身分確認がなく立会人もいないという点から、相手男性から再度法的鑑定を行うべきではないかと指摘されたり、自身の同意を得ずに行われた鑑定だと反論されたりするケースもあります。
したがって、裁判手続き以外でDNA鑑定を行う場合には、弁護士を通じて公的鑑定(法的鑑定)を利用することをお勧めします。
5-3. 認知によるリスクも考慮する
子を認知してもらうことで生じるのは、メリットばかりではありません。
認知によって父子関係が発生するということは、子にも父を扶養する義務が生じるということです。子が成人したあとで、父が生活に困窮した場合や介護が必要な場合には、負担を求められる可能性があります。
相手男性が既婚者の場合には、子が認知されることで、相手男性の配偶者から不倫の慰謝料を請求される可能性もあります。子を認知すると、父の戸籍には認知事項が記載されるため、配偶者が何らかの手続きのために戸籍を取得した場合、認知や不倫の事実が知られてしまうからです。戸籍の記載から、自分の氏名や本籍地も知られてしまうため、慰謝料請求の手続きは迅速に進んでしまうかもしれません。
また、父母が事実婚関係になかった子の場合、父からの認知があると、ひとり親世帯に支給されていた児童扶養手当は支給停止されます。
子を認知してもらうことで得られるメリットよりデメリットが多い場合には、認知は求めず、相手男性の合意を得て養育費のみを支払ってもらうなどの解決策も検討することをお勧めします。
5-4. 強制認知は弁護士なしでは難しい?|弁護士に相談するメリット
強制認知の手続きは自身で行うことも可能ですが、弁護士なしでの対応はあまりお勧めできません。認知の訴えを提起する際には、原告である子またはその親権者兼法定代理人である母が、子と相手男性との間に父子関係が存在することを証明する責任を負います。このプロセスでは、平日日中の裁判所への出廷や、主張や書類の整理、証拠の収集が必要です。法律や裁判手続きに不慣れな場合には、時間的かつ精神的な負担が大きくなります。
弁護士に依頼すれば、必要な書類の作成や証拠の収集、裁判所での主張を代行してもらえるため、時間的かつ精神的な負担を大幅に軽減できます。弁護士は、裁判所に父子関係を認めてもらうために必要な証拠を効果的に収集し、過去の判例や法律に基づいて適切な主張を展開します。
子の父である相手男性の所在がわからない場合でも、弁護士は職務上請求などの適切な手続きを通じて必要な情報を収集できるため、法的手続きを円滑に進めるためのサポートを受けられます。
6. 2026年5月までに導入|共同親権制度が強制認知に与える影響は?
2026年5月までに導入が予定されている共同親権制度は、離婚後も父母双方が子どもの親権を持てる制度ですが、これは強制認知の手続きそのものには直接的な影響は与えないと考えられます。
婚姻関係にない男性との間に生まれた子の親権は母が持っているため、強制認知を求めるケースで共同親権が問題となり得るのは、強制認知の手続きが終了し、父が子を認知したあとだからです。
なお、改正民法では「父が認知した子に対する親権は、母が行う。ただし、父母の協議で、父母の双方又は父を親権者と定めることができる」としており、認知後に父母間で合意できれば、共同で親権を持つことも可能になります。協議、つまり話し合いで結論が出ないときなどは、父または母の請求により、家庭裁判所が協議に代わる審判を実施します。
そのため、改正民法が施行されたあとは、認知された子の父母が共同親権を行使できるケースもありそうです。
7. 強制認知に関してよくある質問
弁護士に強制認知の手続きを依頼することで、相手男性の所在を調査してもらえる可能性があります。
弁護士には、依頼を受けた案件に必要な範囲で、弁護士会を通じて公的機関や民間企業に照会を申し出る権限が認められています。相手男性の住所がわからなくても、携帯電話番号がわかれば、居所などを調べられることがあります。
引っ越しなどにより住所が変わった場合も、職務上請求により住民票の除票の写しを取得することで、現住所を把握できることもあります。
合理的な調査を尽くしても相手男性の所在がわからない場合には、調停を経ずに認知の訴えを提起したうえで、法的に相手に文書が届いたこととする公示送達の方法で訴状を送達できます。家庭裁判所は、相手男性が出頭しないまま審理を行い、判決を出すことができます。もっとも、このように公示送達で認知判決を得たとしても、父の所在がわからずに養育費の請求や回収が困難となるケースも残念ながら少なくありません。
基本的には、強制認知を逃れる方法はありません。父である男性が生存していて、認知の訴えを提起できる子や、その子のさらに子や孫などの直系卑属が生存している限り、認知請求がされる可能性があるからです。
また、子の父に対する認知請求権は放棄できないため、仮に父母の間で認知請求権を放棄する合意や契約を締結していたとしても、それらに効力はありません。
したがって、当事者が存命の場合には強制認知を請求される可能性があり、逃れることはできません。
子の母からDNA鑑定への協力を求められた場合、裁判所が鑑定を命じた場合のいずれにおいても、鑑定を拒否することは可能です。
日本では、DNA鑑定や血液検査の直接強制は、刑事訴訟法の領域に限定されているため、民法の領域である強制認知の手続きで鑑定を拒否しても、訴訟上何らかの制裁を下されることはありません。
ただし、DNA鑑定を拒否すると、裁判官の心証に影響する可能性はあります。「鑑定を拒否するのは、身に覚えがあるからだろう」「父子関係がないことが明らかなら、鑑定に協力して証明すればよいだろう」という見方もあるからです。
2024年4月1日の改正前の民法では、離婚後300日以内に生まれた子は、たとえ元夫が実父でないとしても、原則として元夫の子と推定され、戸籍上も元夫の子として取り扱われていました。これを嫡出推定と呼びます。そのため、2024年3月31日以前に生まれた子は、子の血縁上の父と元夫とが異なるときでも、戸籍上は元夫の子となります。
嫡出推定される子は、嫡出否認または親子関係不存在確認の訴えによって、元夫との父子関係が否定されたあとでなければ、真実の父に対する認知の訴えを提起できません。
改正前の民法では、この嫡出推定をくつがえすためには、元夫が子の出生を知ったときから1年以内に嫡出否認の訴えを提起する必要がありました。さらに嫡出否認の訴えを提起できるのは元夫のみとされていたため、子や母、実父にはその権利がありませんでした。
子や母、実父側が可能な手続きには、親子関係不存在確認の訴えがありますが、離婚後300日以内に生まれた子を対象とする場合には、元夫が長期の海外出張、受刑、別居などで母が元夫の子を妊娠する可能性がないことが客観的、外形的に明らかな場合にしか、これらの手続きを利用できませんでした。
2024年4月1日の民法改正により、子や母からも嫡出否認の訴えを起こせるようになり、訴えを提起できる期間も1年から3年に延長されました。それにより、子や母の側から嫡出父子関係を否定し、血縁上の父に認知を請求する手続きがスムーズに行えるようになったのです。
8. まとめ|強制認知の調停や訴訟を検討している場合は弁護士に相談を
強制認知は、父が子を自発的に認知しない場合に、子や母の側から父子関係を主張し、父に認知を求める手続きです。認知を拒否する父に対して親としての責任を果たさせ、子どもの福祉を守るための重要な手段と言えます。
生物学上の親子関係を証明するもっとも簡便な方法はDNA鑑定ですが、これには父の協力が不可欠です。父が鑑定に協力しない場合には、母と父の性関係の存在や父以外の男性との性関係の不存在、子と父との人類学的特徴の比較、相手男性の父親らしい言動などを積み重ねて証明する必要があります。
認知調停の申し立てや訴訟提起は自身で行うことも可能ですが、法律の専門的な知識が求められるため、弁護士に相談することを強くお勧めします。
(記事は2025年6月1日時点の情報に基づいています)