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1. 婚約破棄で慰謝料請求できる?
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1-1. 正当な理由のない婚約破棄に対しては、慰謝料を請求できる
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1-2. 婚約破棄による慰謝料請求が認められないケース
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1-3. 婚約破棄の慰謝料相場
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1-4. 慰謝料以外に請求できる金銭
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2. 婚約破棄された側が弁護士に相談するメリット
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2-1. 損害賠償を請求できるかどうか適切に判断できる
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2-2. 損害賠償を得られる可能性が高まる
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2-3. 相手とのやり取りや訴訟対応を任せられる
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3. 婚約破棄した側が弁護士に相談するメリット
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3-1. 法外な損害賠償請求を拒否できる
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3-2. 示談成立後のトラブルを回避できる
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3-3. 示談交渉や訴訟対応を一任できる
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4. 婚約破棄について弁護士へ相談した方がいいケース
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5. 婚約破棄について弁護士に相談する際に必要な準備
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6. 婚約破棄の弁護士費用相場
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7. 婚約破棄の損害賠償請求を弁護士に依頼するときの注意点
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7-1. 費用倒れに注意する
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7-2. 男女問題の対応経験が豊富な弁護士を選ぶ
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8. 婚約破棄について弁護士に相談することに関連した質問
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9. まとめ 婚約破棄トラブルは泥沼化する前に弁護士に相談
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1. 婚約破棄で慰謝料請求できる?
婚約破棄とは、婚約が成立した後に、片方が一方的に解消することです。婚約破棄されてしまった場合、相手に慰謝料などを請求できるのでしょうか。
1-1. 正当な理由のない婚約破棄に対しては、慰謝料を請求できる
正当な理由がないにもかかわらず一方的に婚約を解消する行為は、債務不履行(民法415
条)や不法行為(民法709条)に該当する可能性があり、慰謝料や式場のキャンセル料などについての賠償金を請求できます。
例えば、結婚を申し込んで婚約指輪を購入し、お互いの両親との顔合わせや結納などを済ませ、すでに結婚式場の予約をして準備しているケースです。このような中で、いきなり婚約を破棄されてしまったら、当事者は深く傷つくでしょうし、金銭的な損害も大きくなります。このケースでは、正当な理由がなければ債務不履行や不法行為に該当する可能性があるため、慰謝料や損害賠償の請求ができると考えられます。
1-2. 婚約破棄による慰謝料請求が認められないケース
一方的に婚約を解消した場合でも、正当な理由があれば慰謝料請求は認められません。
例えば、相手が浮気をした場合や暴力やひどい暴言があった場合、また多額の借金があるなど、結婚生活に影響をおよぼすような重大な事実を隠していたり虚偽の説明をしていたりするような場合は、正当な理由があるといえる でしょう。
他にも、婚約相手が重い精神病を患ってしまった場合や、行方不明になってしまった場合なども正当な理由になると考えられます。なお、当事者2人で婚約の解消に同意した場合は、一方的な婚約破棄には該当しないため、慰謝料や損害賠償は認められません。
1-3. 婚約破棄の慰謝料相場
婚約破棄で慰謝料が認められる場合の相場は、数十万〜200万円程度 です。ただし、これはあくまでも相場に過ぎず、事案次第ではもっと高額になる可能性もあります。
1-4. 慰謝料以外に請求できる金銭
結納金を渡したり、結婚式場の予約金やキャンセル料を支払ったりする場合は、その金額を、不当利得や損害賠償として請求できると考えられます。また、婚約指輪を渡した場合は、婚約指輪の返還が認められるでしょう。
2. 婚約破棄された側が弁護士に相談するメリット
婚約破棄された場合は、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談することで、慰謝料や損害賠償を請求できるかどうか判断しやすいほか、相手との交渉もスムーズになるなどのメリットが挙げられます。詳しく説明します。
2-1. 損害賠償を請求できるかどうか適切に判断できる
婚約破棄の問題は、感情が絡みやすいだけでなく、家族間の争いになることも多いです。客観的には正当性がない場合でも、相手からは正当な理由だと主張されるなど、当事者同士が冷静に解決するのは難しい 傾向にあります。
弁護士に相談することで主張は正当であるか、慰謝料や損害賠償を請求すべきかどうか、また請求する場合の根拠や金額などについて適切な判断が可能になります。
2-2. 損害賠償を得られる可能性が高まる
損害賠償請求は、自身で行うよりも弁護士を通じて請求する方が、スムーズに支払われやすいです。なぜなら、当事者同士だとどうしても感情的な争いになることが多いためです。
婚約破棄をした側は罪悪感を感じ、当初は「多少はお金を払うべきかもしれない」などと思っている場合が少なくありません。しかし、支払うべき金額についての意見が相違するなど、当事者同士に感情のもつれが生じてしまうと「そもそも相手が悪い」「絶対に払いたくない」という気持ちに変化してしまう ことが多々あります。
弁護士から根拠とともに適切な金額を請求すれば、相手も弁護士に相談するなどして冷静に対応することが多いため、スムーズな支払いに応じる可能性が高まります。
2-3. 相手とのやり取りや訴訟対応を任せられる
慰謝料や損害賠償などの話し合いは、当事者同士で解決ができるならそれが一番です。しかし、相手がすんなり支払いに応じてくれるとは限りません。婚約を破棄した側も結婚に向けてそれなりの費用負担をしているとなると、さらなる金銭の支払いについて拒否することが多いためです。
また、相手は相手の理屈で婚約破棄に正当な理由があると考えて、金銭を払う義務がないと思い込んでいる可能性があります。慰謝料などを請求したことで相手から感情的な反論を受けて余計に傷つけられることもありますし、相手だけでなく相手の親から心無い言葉を投げつけられることも少なくありません 。
こうした状況に悩む場合は、弁護士に対応を任せることで相手と交渉する精神的な負担を軽減できます 。加えて、弁護士が対応することにより、相手も「支払いを拒否すれば訴訟になってしまう」と考えて示談に応じる傾向があり、早期解決につながりやすくなります 。
3. 婚約破棄した側が弁護士に相談するメリット
婚約破棄をされた側だけでなく、「した側」にも弁護士に相談するメリットがあります。
3-1. 法外な損害賠償請求を拒否できる
婚約破棄をしたことで損害賠償などを請求された場合は、なるべく早く弁護士に相談することを強くおすすめします。
相手が感情に任せて過大な請求をしていることも少なくありません。その場合「そもそも支払う必要があるのかどうか」「支払う必要があるとしてもいくら支払うべきなのか」など、適切に判断することが必要 です。
相手の請求が明らかに過大な場合でも、勢いに負けて支払ってしまった後では、金銭を取り返すのは至難の業です。そのため、損害賠償などを請求された場合は、自分で返事をする前に弁護士に相談しましょう。
3-2. 示談成立後のトラブルを回避できる
当事者同士で解決した場合は適切な示談書を作成しないと、後になってから追加でお金を請求される可能性があります。
誠実に対応するつもりで相手の言い値を支払ったにもかかわらず、後に「うつ病になって仕事ができなくなった」などの理由で、さらに損害賠償を請求された例 があります。
このように、誠実な対応や早期解決のつもりで多額の金銭を支払ったにもかかわらず、さらなる請求を受けてしまうこともあるのです。弁護士が解決する場合は、後に問題が生じないように適切な内容の示談書を作成するため、問題が蒸し返されることを防げます 。
3-3. 示談交渉や訴訟対応を一任できる
近年は、婚姻目的で結婚相談所やマッチングアプリを通じて出会い、ほとんど交際期間を経ずに婚約を成立させる例も増えています。そのような場合、婚約した後に相手の性格に難があると気付き、婚約を破棄せざるを得ないこともあります。しかし、そのような相手に限って過大な請求をしてくる傾向があります。
婚約を破棄せざるを得ないような相手との交渉は、非常に大変です。請求側は相手の罪悪感に付け込んでさまざまな請求をしてくる ため、請求される側はどこまで応じるべきかの判断も難しく、支払わないと訴訟になってしまうかもしれないという不安に苛まれます 。
弁護士に依頼すれば、適切な金額を根拠とともに提示するので、示談で解決できる可能性が高くなります。また、相手が引かずに訴訟提起してきた場合でも対応を任せられます 。相手と直接交渉する精神的な負担を避けて、適切に解決するためには弁護士に依頼をすることをおすすめします。

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4. 婚約破棄について弁護士へ相談した方がいいケース
婚約が明確に成立しており、相手が婚約破棄をしたことについて非を認めていて、支払うべき金額についても円満に合意ができる場合は、当事者同士での解決も可能だといえます。しかし、慰謝料を支払うべきかわからない場合や、金額について争いがある場合は、弁護士に相談することをおすすめ します。
婚約破棄の問題は、まず婚約が成立しているかどうかについて争いがある場合が少なくありません 。また、婚約破棄に正当な理由があるかどうかの判断も難しいケース があります。
例えば、本人同士で結婚の約束をしたものの、双方の親に挨拶したり、婚約指輪を購入したりする具体的な行動をしていない段階では、結婚の約束を解消しても慰謝料が発生することは考えにくいです。
実際、長期間同棲しておりお互いに結婚するつもりだったのに、一方的に別れを告げられたため、婚約破棄による慰謝料を請求したいという相談を複数受けたことがあります。しかし、この場合は婚約が成立したことを客観的に証明できないため、慰謝料は認められません。ただし、結婚に向けて新居を借りた場合は、敷金礼金や家賃、新居で使うための家具家電を購入した場合の代金負担などが問題になることがあります。
5. 婚約破棄について弁護士に相談する際に必要な準備
弁護士が婚約破棄についての相談を受ける場合、「婚約が成立しているかどうか」「婚約破棄の正当な理由があったかどうか」「正当な理由なく婚約が破棄された場合はその損害額や慰謝料などの金額」について検討します。
したがって、2人が婚約に至るまでの事実経緯や、婚約が解消された原因やその後の出来事などを時系列にまとめておくと、弁護士に説明する時間を節約できます 。また、結婚に向けて婚約指輪を購入したり、両親の顔合わせや結納を行ったり、結婚式場の下見や予約金を支払った事実などがある場合は、それらを示す領収書などを持参すると、弁護士が証拠の有無を判断しやすくなります。
また、事案によってはどちらが婚約を破棄したのかという点に争いが起こることもあります。そのような場合は、婚約が解消されるに至るまでの当事者のやり取りがわかるもの(LINEメッセージやメールのコピー、手紙など) があるといいでしょう。
すでに相手と話し合いをしている場合は、相手の主張がわかるものを持参すると話し合いの状況を把握しやすくなります。さらに、弁護士に聞きたいことをあらかじめ整理しておくのもおすすめです。
6. 婚約破棄の弁護士費用相場
なお、法律相談をしても、その場で依頼する必要はありません。法律相談の中で、依頼した場合の方針や見込み、具体的な弁護士費用などの説明を受けて、依頼するかどうかを判断することをおすすめします。
弁護士に依頼をする場合は、最初に着手金や事務手数料を支払います。着手金の相場は20万〜30万円、事務手数料は1〜3万円程度が相場 です。
そして、解決時に発生するのが報酬です。報酬は結果に応じて変動する場合が多く、経済的利益(和解金額や判決金額)の15〜20%程度が相場 です。その他に訴訟対応が必要な場合は、訴訟手続きの着手金として10万〜30万円加算 され、訴訟期日の回数に応じて日当(1回あたり、1万〜3万円程度)が設定されている 場合が多いです。
すなわち、相談料・着手金・事務手数料・訴訟の場合の追加着手金・日当・報酬の合計が
弁護士費用の総額となります。実際の弁護士費用は事務所によってさまざまなので、まずは相談してみることをおすすめ します。
7. 婚約破棄の損害賠償請求を弁護士に依頼するときの注意点
婚約破棄について、弁護士に依頼する際には注意点が2つあります。
7-1. 費用倒れに注意する
婚約破棄に関する問題は、事情に応じた個別の判断となります。示談で解決できない場合は訴訟となり、裁判官による判断となります。しかし、男女問題は裁判官次第で結論が変わる可能性が否定できません。
したがって、弁護士費用を支払って訴訟を起こしても、最終的に回収できる金額が想定よりも少なくなったり、敗訴してしまったりする可能性 もあります。その場合は、弁護士費用分がマイナス(赤字)になってしまいます。
相手の対応がどんなにひどくても、その事実を示す証拠がなければ訴訟では戦えません。弁護士費用は決して安くないため、依頼をする場合は費用倒れの可能性も考えて、冷静に判断しましょう。
7-2. 男女問題の対応経験が豊富な弁護士を選ぶ
弁護士を選ぶ場合は、男女問題に関する経験や実績の豊富な弁護士に依頼することを強くおすすめします。
弁護士は法律の専門家ですが、業務の内容はかなり広範囲なため、それぞれ得意分野が異なります。医師であれば眼科や整形外科、内科などそれぞれの専門が明確に分かれていますが、弁護士は法律行為全般を取り扱うことが前提とされてきたため、依頼者から見てわかりにくくなっています。
しかし、どんなに優秀な弁護士でも不慣れな分野の事件については、明確な見通しを立てて適切に対応するのは難しい ものです。男女問題の実績が豊富な弁護士であれば、裁判所の実務や判決の動向などにも精通しているため、明確な見通しをもって的確に対応することが可能です。

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8. 婚約破棄について弁護士に相談することに関連した質問
9. まとめ 婚約破棄トラブルは泥沼化する前に弁護士に相談
婚約破棄に関する問題は、状況に応じた検討が必要であり一律の判断が難しい問題です。また、具体的な事実経緯や婚約が解消された段階などにより、結論が大きく異なります。さらに、双方の家族が巻き込まれることも多く、争いになると泥沼化しやすい傾向があります。
したがって、問題が生じてしまった場合は、泥沼化する前に実績豊富な弁護士に相談することをおすすめします。
(記事は2025年3月1日時点の情報に基づいています)