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1. 離婚式とは?
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2. 離婚式では何をする?
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2-1. 夫婦の挨拶
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2-2. 離婚に至った経緯の説明
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2-3. 友人のスピーチ
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2-4. 離婚届の記入・押印
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2-5. 最後の共同作業|指輪をハンマーでたたきつぶすなど
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2-6. 会食・歓談
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2-7. 余興など
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3. 離婚式を行う意義・メリット
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3-1. 離婚について前向きな気持ちになれる
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3-2. 親しい知人に会う機会を設けられる
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4. 離婚式のデメリット(注意点)はある?
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4-1. 費用がかかる
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4-2. 参列者の理解が必要
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5. 離婚式にかかる費用の目安
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6. 離婚式に関するQ&A
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7. まとめ 離婚式は参加者に趣旨を理解してもらうことが何より大切
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1. 離婚式とは?
離婚式とは、これから離婚する夫婦やすでに離婚した夫婦が、友人などに対して離婚の報告をする式典です。
結婚する夫婦が結婚式を行う文化は定着していますが、離婚する夫婦が離婚式を行うケースは、ごく一部でしか見られません。夫婦関係が険悪な場合は、そもそも離婚式のようなイベントを開催する気にはならないでしょう。
その一方で、離婚式を開催して夫婦が同じ場に現れ、友人に対して離婚の報告をすれば、離婚について前向きな印象をアピールすることができます。離婚式そのものが珍しい機会でもあるので、友人の間でしばらく話題になるかもしれません。
離婚式を行うかどうかについては、夫婦によってさまざまな考え方があります。自分たちにとってプラスに働くと考えられる場合には、離婚式の開催を検討してみましょう。
2. 離婚式では何をする?
離婚式の流れは、おおむね結婚式と似ていますが、離婚式特有のイベントが行われるケースもあります。一般的な離婚式の流れを紹介します。
2-1. 夫婦の挨拶
まずは夫婦が入場し、参列者に向けて挨拶をします。深刻な雰囲気を醸し出すことなく、明るい雰囲気で挨拶をすることが望ましいです。
2-2. 離婚に至った経緯の説明
夫婦と参列者が会場に揃ったところで、離婚を決断するに至った経緯を司会者が参列者に説明します。ユーモアを交えて離婚の経緯を説明し、参列者が深刻になることなく、本人を和やかに慰めることができるような雰囲気を整えます。
スライドショーを上映して、夫婦が出会ってから離婚するまでの写真を紹介するケースもあるようです。
2-3. 友人のスピーチ
離婚式でも結婚式と同じように、友人にスピーチをお願いする例がよく見られます。友人としては、何を話したらいいのか難しいところですが、前向きな離婚を祝福するメッセージを送ることが望ましいでしょう。
友人が何を話すかによって離婚式の雰囲気が大きく変わるので、信頼できる友人にスピーチをお願いしましょう。
2-4. 離婚届の記入・押印
離婚を象徴するセレモニーの一つとして、離婚式の場で離婚届を記入し、押印するケースもあるようです。
離婚届には、証人2名が署名をする必要があります。参列者の中から離婚届の証人を募れば、いい記念になるかもしれません。
2-5. 最後の共同作業|指輪をハンマーでたたきつぶすなど
離婚式におけるもう一つの代表的なセレモニーが、夫婦で行う最後の共同作業です。具体的に何をするかは個別に検討しますが、たとえば結婚指輪や婚約指輪をハンマーで叩きつぶすようなケースもあります。
夫婦生活を終わらせるいいけじめになり、かつ参列者にとっても見ていて楽しめるようなセレモニーを考えましょう。
2-6. 会食・歓談
夫婦の挨拶やセレモニーなどが行われていない時間帯は、参列者同士が会食および歓談をするのが一般的です。
離婚式は結婚式と同様に、親しい友人同士が集まるいい機会になります。離婚する夫婦もテーブルに足を運ぶなどして、旧交を温める時間を楽しみましょう。
2-7. 余興など
離婚式でも、結婚式と同様に、友人などによる余興が行われることもあります。
結婚式の余興は、夫婦の結婚を祝福し、これから仲睦まじく暮らしていけるように後押しする内容とするのが一般的です。これに対して離婚式の余興は、離婚を深刻なものに捉えすぎることなく、夫婦それぞれが前向きに自分の道を歩んでいけるように、ユーモアのある内容にすることが望ましいでしょう。
3. 離婚式を行う意義・メリット
離婚はどうしてもネガティブなイメージがありますが、離婚式を行うことで前向きな気持ちになれたり、親しい知人に会う機会を設けられたりするメリットがあります。
3-1. 離婚について前向きな気持ちになれる
夫婦が離婚に至るまでの道のりは、スムーズに進むとは限りません。離婚条件で対立したり、相手の顔を見るのも嫌になったりして、精神的負担がかかるケースもよくあります。
しかし、離婚の話し合いが無事にまとまったのであれば、その後は良好な関係を築いてもよいでしょう。特に子どもがいる場合、今後も子育てにおいて協力し合う場面が多いため、良い関係を保つことが望ましいでしょう。
離婚式は、離婚に関する争いを「ノーサイド」の状態にし、区切りをつける意味合いがあります。元夫婦がお互いに良好な関係を築きながら、それぞれの人生を前向きに歩んでいくことを宣言する場として、意義のある機会となるでしょう。
3-2. 親しい知人に会う機会を設けられる
大人になってから、親しい人たちと会う機会がめっきり減ったという人は多いかと思います。かつては同じ学校やサークルなどで過ごした友人も、そのコミュニティを離れてしまえば、会う機会は非常に少なくなります。
結婚式は、親しい知人が一同に会する貴重な機会です。離婚式も結婚式と同様に、夫婦にとっては、親しい知人との交流を持つ貴重な機会となるでしょう。
特に夫婦の共通の知人は、離婚した(する)ことを聞いて、どのように接すればいいか迷っているかもしれません。離婚式を開催して、夫婦が揃って前向きな離婚であることを伝えれば、共通の知人としても、これまでどおり接しやすくなるでしょう。

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4. 離婚式のデメリット(注意点)はある?
離婚式を開催することにはメリットがある一方で、費用がかかることや、参列者の理解が必要となる点などに注意しましょう。
4-1. 費用がかかる
離婚式を開催するには、数十万円程度の費用がかかります。結婚式ほどの大きな出費ではありませんが、それでも決して少なくない金額です。
結婚式ではご祝儀の文化が定着していますが、離婚式はまだ一般的なイベントとは言えません。そのため、参列者から会費を徴収して開催費用を賄うことができるかどうかは不確かです。式の内容によっては、思わぬ大きな持ち出しが発生する可能性があることを覚えておきましょう。
4-2. 参列者の理解が必要
結婚式とは異なり、離婚式はあまり定着していないため「特殊なイベント」として捉えられがちです。離婚式の招待を受けたとしても、ネガティブな印象を抱いて参列を断る人が出てくるかもしれません。
離婚式を成功させるためには、参列者の理解を得ることが大切です。招待状に離婚式を開催することになった経緯を丁寧に記載したり、参列をお願いする人に対して直接説明したりして、参列への理解を得られるようにつとめましょう。
5. 離婚式にかかる費用の目安
離婚式にかかる費用は、参列者の人数や式の内容などによって異なります。
飲食店やパーティ会場などを借り切って行う場合は、結婚式の二次会に近いような費用感になります。参列者1人当たり6000円から8000円程度が標準的です。このくらいであれば、参列者にお願いする会費負担としてもそれほど無理がありません。参加者に会費の負担をお願いするなら、夫婦の持ち出しはほとんど発生しないでしょう。
これに対して、結婚披露宴のように会場の装飾を依頼したり、式場・寺・屋形船などの特別な会場を借り切ったりする場合は、離婚式にかかる費用はもう少し高くなります。飲食代として参列者1人当たり1万円から1万5000円前後と、さらに追加費用として数十万円程度がかかるケースが多いです。
参列者1人当たりで頭割りすると2万円前後が見込まれますが、離婚式の会費として負担をお願いするには少々高い金額です。ある程度の金額は、夫婦の持ち出しになってしまうことを覚悟しておきましょう。
6. 離婚式に関するQ&A
結婚式ではご祝儀の文化が定着していますが、離婚式に関しては、参列者が負担する費用などについて定着しているルールやマナーはありません。基本的には会費制として、参列者には事前に明示した金額の負担をお願いするのが親切です。
離婚式は定着した文化とは言えないので、「何でそんなイベントを開催するのだろう」「離婚する夫婦に対してどう接すればいいのか分からない」などとネガティブな印象を抱く人もいるでしょう。結婚式にさえ参加したくない人はいるので、定着していない離婚式についてはなおさらです。
だからこそ、離婚式を成功させるためには、参列者の理解を得ることが大切です。
離婚式の服装については、特に定着したマナーはありません。
離婚する夫婦からの指定があれば、それに従いましょう。特に指定がなければ、結婚式の二次会のような服装(スーツやパーティドレスなど)を着ていくのが無難と思われます。
7. まとめ 離婚式は参加者に趣旨を理解してもらうことが何より大切
離婚式は、夫婦が共通の知人に離婚したことを報告するイベントです。結婚式とは異なり、まだ定着していないイベントですが、前向きな離婚であることを伝えるいい機会になります。
ただし、離婚式に対する理解は広がっておらず、ネガティブな印象を持たれることもあります。主催する夫婦は、招待状やメッセージで開催の経緯を丁寧に説明し、参列者の理解を得ることが大切です。
また、離婚式は文化として定着していないため、内容や費用はまちまちです。親しい知人と手作りで開催することが多く、参列者への配慮や伝えたいメッセージを十分に検討することが成功のカギとなります。もし身近に離婚式を開催した人がいれば、その経験を参考にするといいでしょう。
(記事は2025年5月1日時点の情報に基づいています)