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1. 協議離婚から離婚調停へ
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2. 離婚調停はどうやって進む?
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3. 離婚調停で気をつけるべきポイント
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4. 意外と“あるある?” 調停で避けるべきNG行動
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5. 離婚調停を有利に進めたい場合は専門家に相談を
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1. 協議離婚から離婚調停へ
離婚に向けた話し合いがまとまらない草太(そうた、32歳)さんと梨沙(りさ、34歳)さん。このように、夫婦だけでは結論が出ない場合、次の段階として「離婚調停」へと進みます。
離婚調停とは、離婚などの夫婦関係調整のために行われる調停のことです。裁判官と調停委員が夫婦の間に入り、離婚の条件について話し合いながら合意を目指します。家庭裁判所で行われる手続きですが、あくまで話し合いの場であり、裁判のように勝敗を決める場ではありません。
調停委員は、法律や人間関係の専門知識を持つ第三者(通常は男女2名)です。この調停委員が間に入ることで、客観的かつ冷静に話し合いを進めることができます。
2. 離婚調停はどうやって進む?
では、離婚調停はどのように進むのでしょうか?流れを見てみましょう。
【申立て】
夫婦の一方が家庭裁判所に調停を申し立てる。
【調停期日】
裁判所から夫婦それぞれに呼出状が届き、調停が始まる。
【調停委員による聴き取り・解決案の提示】
調停委員が夫婦それぞれの意見を聴き取る。希望をすれば、夫婦別室で聴き取りを行うことも可能。調停委員が問題点を整理し、解決案を提案する。夫婦間で離婚の合意が成立するか、または合意成立の見込みがないと判断されるまで、1カ月に1回程度のペースで調停期日が開かれる。
【調停成立】
夫婦双方がすべての条件に合意すれば、離婚が成立する。
【調停不成立】
合意に至らなければ調停は不成立となり、次の「裁判」に進む。
調停では、調停委員が中立かつ公平な立場で夫婦の話し合いを仲介します。調停委員がそれぞれから離婚の経緯や希望を丁寧に聴き取ります。その後、調停委員は双方の主張の対立点を整理し、現実的で公正な助言や解決案を示します。夫婦が合意すれば離婚が成立し、合意に至らなければ離婚裁判で最終判断を委ねることになります。
3. 離婚調停で気をつけるべきポイント
調停委員に入ってもらい、夫婦それぞれの主張を整理するのが離婚調停だという話をしました。ここで重要なのは、離婚調停を有利に進めるために押さえるべき点があるということです。
調停委員は公平・中立な立場ではありますが、主張に根拠があり説得力があれば、調停委員も納得しやすくなります。調停委員の理解を得て自分の主張を認めてもらうために、以下の点に気をつけましょう。
【事前資料を用意する】
収入証明書や家計簿、メールやLINEのやり取りなど、主張を裏付ける資料を整理しておく。
【良い心証を与えるよう心がける】
誠実で冷静な姿勢は調停委員からの信頼につながる。感情的にならず、落ち着いた態度を意識する。
【自分の主張をわかりやすく、根拠をもって伝える】
なぜその条件が必要か、を具体的な事実や資料(証拠)に基づいて説明する。
【相手側の主張に過度に反論しすぎない】
感情的な反論は避け、冷静に事実に基づいた反論に留める。
このように気をつけるべき点が多い離婚調停ですが、弁護士に依頼すれば調停に同席してもらえます。弁護士が同席すれば、発言を法的に整理・代弁してもらえるうえ、適切な助言や反論も受けられます。
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4. 意外と“あるある?” 調停で避けるべきNG行動
調停で気をつけるべきポイントを紹介しましたが、実は意外とやりがちなNG行動があります。離婚調停で不適切な行動をすると、調停委員の心証を悪くし、手続きが不利に進む可能性があるため注意が必要です。次のような言動は避けましょう。
【相手への人格非難や誹謗中傷】
相手を攻撃する発言は、調停委員から感情的で冷静さを欠くと評価され、不利に働く。
【嘘や矛盾がある発言】
事実と異なる話や矛盾した発言は信頼を失い、調停委員や弁護士の信用を損ねる。
【推測のみに基づく発言】
根拠のない推測は説得力に欠け、調停委員に正当性がないと判断される。
【あいまいな発言】
抽象的な話は要求の正当性が伝わらず、条件交渉が進まなくなる。
【一切譲歩しない発言】
柔軟性の欠如は現実的な解決を難しくし、調停委員の心証を悪くする。
【簡単に譲歩する発言】
軽率に条件を変えると、相手に交渉の主導権を握られ、損をする可能性がある。
【ほかの異性との交際などをほのめかす発言】
調停の場で相手を刺激し、感情的な対立を招く。
【聞かれたことに答えない発言】
必要な情報を伝えないと誠実さが疑われ、主張の正当性が低く見られる。
【調停委員を否定する発言】
調停の進行を妨げ、心証を損ねる。
こうして見ると、草太さんは"やってはいけない言動"をいくつもしているようですね……。嘘の報告、打ち合わせ内容の無視など、ポン弁護士も頭を抱えています。
5. 離婚調停を有利に進めたい場合は専門家に相談を
弁護士に依頼すれば、離婚調停を格段に有利に進められます。
弁護士はあなたの主張に対する法的な見通しを立て、「譲れない点」と「譲歩すべき点」を明確に整理したうえで、戦略的に調停を進めます。さらに調停に同席することで、相手との知識や立場の差を埋め、対等で公正な話し合いが可能になります。
また、証拠書類の準備・作成・提出といった複雑な手続きも任せられるため、精神的な負担が大幅に軽減され、調停での主張に集中できます。離婚の話し合いがまとまらない場合は、できるだけ早い段階で、離婚問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。
(記事は2025年12月1日時点の情報に基づいています)