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「分ける財産はない」 離婚相手の言葉は本当!? 意外に多い「隠し財産」 漫画「離婚事件対決 コン弁護士vsポン弁護士」

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まさかの隠し財産が発覚!?(c)赤ネコ
離婚にまつわる疑問を、漫画で学べる連載「離婚事件対決 コン弁護士vsポン弁護士」。第6回のテーマは「隠し財産」です。 財産分与をトラブルなく進めるためには、事前に配偶者が所有する財産をしっかりと把握することが欠かせません。 弁護士兼マンガ家・赤ネコさんが、わかりやすく描きます!
目 次
  • 1. 離婚時に「分ける財産がない」と言われたら?
  • 2. 「隠し財産」のトラブルは珍しくない
  • 3. 隠し財産の証拠を離婚の交渉材料に
  • 4. 全ての財産を把握するまでは離婚をしない
  • 5. 隠し財産が見つからない場合は弁護士に相談を
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1. 離婚時に「分ける財産がない」と言われたら?

配偶者の財産、ちゃんと把握してる? (c)赤ネコ
配偶者の財産、ちゃんと把握してる? (c)赤ネコ

夫・草太(32)との離婚に向けて財産分与の話し合いを始めた梨沙(34)。コン弁護士から「財産分与は、結婚してから夫婦が一緒に築いた財産を、原則として半分ずつ分ける」と説明を受けます。

しかし、草太は収入も財産もほとんどなく、家計にもお金を入れていません。梨沙は、自分が頭金を出して購入した家や、結婚後に一人で貯めた夫婦の貯金も草太に半分渡さなければならないと知り、落ち込みます。

そんな梨沙にコン弁護士は「法的手段を取る前に、夫の貯金通帳や財務諸表を探してください」とアドバイスをするのでした。

2. 「隠し財産」のトラブルは珍しくない

財産分与で相手に渡す金額を減らそうと、預貯金や株券、不動産といった財産を隠すケースは少なくありません。特に、内緒で貯めていたへそくりや、配偶者が知らない名義の口座など、存在を把握しにくい資産を申告しないケースが意外に多いのです。

そのため、コン弁護士がアドバイスするように、配偶者の財産を離婚前に徹底的に把握することが重要です。

ここで大切なのは、隠し財産の調査は同居中に行うことです。離婚や別居状態で配偶者の所有物にアクセスしたり、家に侵入して書類を物色したりすれば、プライバシー侵害や不法侵入で罪に問われる可能性があるためです。

また、調査は離婚の話が本格化する前に始めましょう。離婚の話が具体的に進むほど、配偶者も警戒して財産を隠すようになってしまいます。早めの調査が成功の鍵です。

隠し財産の証拠を探す際は、以下の場所・書類を確認しましょう。

  • 不動産の登記簿や固定資産税情報

  • 株式や投資信託など有価証券の売買履歴

  • 預金口座の通帳や残高証明書

  • 退職金に関する明細書や通知書

  • 生命保険の契約内容や支払明細

日頃から、郵便物や明細書など、金融機関の名前が入った書類やノベルティにも注意を払っておくと証拠も見つけやすくなります。 見つけた証拠はコピーを取ったり、スマートフォンで撮影して記録を残します。後で証拠として提出できるよう、しっかりと保存しておきましょう。

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3. 隠し財産の証拠を離婚の交渉材料に

稼ぎがないは嘘だった...。隠し財産を発覚 (c)赤ネコ
稼ぎがないは嘘だった...。隠し財産を発覚 (c)赤ネコ

執念で草太の隠し財産を見つけた梨沙さん。では、実際に隠し財産が見つかった場合、どうすればいいのでしょうか?

まず、夫婦間で財産を隠す行為は刑事罰の対象になりません。しかし、財産隠しにより不利益が生じた場合は、民事上の不法行為として、損害賠償を請求できることがあります。

さらに、財産隠しの証拠は、離婚の話し合いを有利に進めるための強力な交渉材料になります。夫婦間で話し合いがまとまらず調停や裁判に進んだ場合、財産隠しをした相手は、調停委員や裁判所から「他にも財産を隠しているのでは?」と疑われ、信頼を失います。

その結果、隠された側の主張が通りやすくなるだけでなく、裁判所が銀行などに相手名義の口座情報の開示を命じる「調査嘱託」といった手続きが認められやすくなります。

これらの事実を相手に伝えれば、話し合いでの離婚(協議離婚)の段階で、離婚条件について有利な状況で交渉を進められるでしょう。

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4. 全ての財産を把握するまでは離婚をしない

財産隠しの証拠を見つけても、すぐに相手を問い詰めてはいけません。全ての調査が完了するまでは相手に気づかれないよう、粛々と調査を進めることが重要です

草太さんの隠し財産が発覚し、梨沙さんも取り乱していますが、まずはぐっとがまん。全ての財産を把握するまでは離婚手続きに応じないようにしましょう。一度離婚が成立して隠し財産が見つかった場合、財産分与のやり直しを求めることができる可能性はありますが、二度手間です。そもそも離婚後に、財産調査を継続するのは現実的ではありません。一刻も早く離婚したいという人もいるかもしれませんが、財産調査は離婚前に慎重に進めましょう。

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5. 隠し財産が見つからない場合は弁護士に相談を

全ての隠し財産を個人で探すのは限界があります。しかし、弁護士に依頼すれば、法的な権限を使って財産を調査できるため、見つけられる可能性が格段に高まります

弁護士に離婚事件を依頼すると、弁護士会照会制度を利用して相手の隠し財産を調査できます。これは弁護士会が官公庁や企業などに対して必要事項を調査・照会する制度です。弁護士のサポートにより、弁護士会照会や調査嘱託による財産調査、預貯金の仮差押さえ(配偶者が財産を勝手に使わないよう銀行口座を凍結する手続き)など、専門性の高い対処をスピーディーに行えます。

さらに弁護士は豊富な経験から「この職業の人はこういう場所に財産を隠しがち」といった専門知識を持っています。今回のコン弁護士のように、一人では思いつかないポイントを指摘してもらえることも多いでしょう。

離婚には、財産隠しのような思わぬトラブルが潜んでいることがあります。一人で悩まず、離婚問題に詳しい弁護士に早めに相談し、有効な対処法についてアドバイスを受けることをおすすめします。

(記事は2025年10月1日時点の情報に基づいています)

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