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離婚の弁護士費用の分割払いは可能? 一括で払えないときの対処法を解説

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離婚の弁護士費用を安く抑える方法は主に3つあります(c)Getty Images
夫婦で離婚問題について話し合う際に、離婚条件や離婚そのものに合意できないケースが多々あります。そのような状況に陥り、弁護士に交渉を依頼したいときに気になるのが費用面です。弁護士費用が払えない場合には、分割払いを事務所に相談してみるとよいでしょう。弁護士費用を安く抑える方法や分割払いの可否について、弁護士が解説します。
目 次
  • 1. 離婚の弁護士費用を払えない場合の対処法
  • 1-1. 弁護士費用の分割払いを相談する
  • 1-2. 法テラスを利用する
  • 1-3. 親族などに援助をお願いする
  • 2. 離婚の弁護士費用はどのくらい? 種類と目安額を紹介
  • 3. 離婚の弁護士費用は相手に請求できる?
  • 4. 離婚の弁護士費用を安く抑える方法は?
  • 4-1. 無料相談を利用し、複数の事務所に相談して見積もりを比較する
  • 4-2. 早めに相談する
  • 4-3. 法テラス経由で弁護士に依頼する
  • 5. 弁護士に依頼せずに離婚することはできる?
  • 6. 離婚の弁護士費用に関してよくある質問
  • 7. まとめ 分割払いなど無理なく支払いができる法律事務所を探そう
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1. 離婚の弁護士費用を払えない場合の対処法

弁護士費用をすぐに用意できない場合でも、弁護士に依頼するための3つの方法について解説します。

1-1. 弁護士費用の分割払いを相談する

分割払いに応じてくれる法律事務所もあります。まずは依頼を検討している弁護士に相談してみましょう。

分割回数は、弁護士費用の多寡、案件の種類、所要時間などによって異なるものの、最大で12回払いを上限としているところが多いようです。分割に伴い利息が付されることはほとんどありませんが、約束どおりに支払えない場合には、法定利率による遅延損害金が発生する場合があります。

1-2. 法テラスを利用する

法テラス(日本司法支援センター)は、国が設立した法的トラブルを解決するための総合案内所です。トラブルの内容に応じた相談先の紹介や法制度の情報を無料で提供しています。一定の資力や収入要件を満たす場合は、無料法律相談や弁護士費用の立替え(民事法律扶助業務)を受けられます

法テラス基準の弁護士費用は、一般的な弁護士費用よりも安く設定されています。離婚等請求の費用の目安は、以下のとおりです。

なお、実際の金額は成功の程度や案件の困難度などによって異なる場合があります。

法テラスを利用した際の離婚等請求に関する弁護士費用の目安

着手金

報酬金

実費

合計(概算)

交渉

6万6000円〜

11万円

6万6000円〜

13万2000円

2万円

15万2000円~

26万2000円

調停

8万8000円〜

13万2000円

6万6000円〜

13万2000円

2万円

17万4000円~

28万4000円

訴訟

23万1000円

6万6000円〜

13万2000円

3万5000円

33万2000円~

39万8000円

上図の報酬金の額は、離婚のみの成立で、金銭の支払いなどがない場合の目安です。財産分与や慰謝料、あるいは養育費など金銭が得られた場合には、得られた金額の10%+税が報酬金の目安となります。なお、婚姻費用や養育費については、それぞれ2年間分が弁護士報酬を計算する際の上限期間とされています。

通常、弁護士に離婚交渉を依頼した場合、着手金と成功報酬金を合わせると33万円~66万円(税込)程度となるのが相場です。法テラスが設定している弁護士費用の低さが実感できるでしょう。

法テラスの弁護士費用の立替え制度を利用するには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  • 収入や資産が一定基準以下であること

  • 離婚成立や法律上の利益獲得の見込みがあること

  • 民事法律扶助の趣旨に適していること

「収入や資産が一定基準以下であること」という基準を満たすかどうかは、自身が住んでいる地域や同居家族の人数、家賃または住宅ローン、医療費、教育費等の支払の有無によって異なります。

立替え制度の利用の流れは以下のとおりです。

【STEP1】法テラスの無料法律相談を受ける(予約時に収入や資産に関するヒアリングあり)
【STEP2】収入を証明する書類や住民票などを提出して審査を受ける
【STEP3】審査が通れば法テラスから弁護士に対して弁護士費用を立替払いする
【STEP4】依頼者は法テラスに対して毎月決められた金額を返済する

1-3. 親族などに援助をお願いする

両親や親族などに援助をお願いする選択肢もあります。夫婦関係に悩んでおり、離婚を検討している状況を率直に伝えれば、サポートを得られるかもしれません。親族などから援助を受ける際には、生活が安定したら返済を約束するなど、真摯な対応を心がけることが大切です。

仮に親が「返済は不要」と言い、お金をもらえることになった場合は贈与となります。金額が年間110万円を超えると、贈与税がかかるので、その点はご注意ください。

2. 離婚の弁護士費用はどのくらい? 種類と目安額を紹介

離婚問題を弁護士に依頼をする場合、相談料、着手金、成功報酬金、日当、実費がかかります。弁護士費用は事務所ごとに自由に設定できるため、事務所によって金額が異なります。また、調停や裁判になった場合は、さらに費用がかかります。

【相談料】
通常、弁護士に正式に依頼する前に法律相談を行います。

相談料の相場は30分5500円から1万1000円(税込)です。初回の相談料を無料にしている事務所もあります。

【着手金】
着手金は弁護士に依頼した段階で支払うもので、弁護士が手続きを進めるための費用です。結果の成功か不成功かにかかわらず、原則として着手金は返金されません。着手金の相場は、以下のとおりです。

協議離婚の場合:22万円~44万円(税込)程度

調停離婚の場合:22万円~55万円(税込)程度

裁判離婚の場合:33万円~66万円(税込)程度

【成功報酬金】
成功報酬金は、依頼した案件が成功に終わった場合に支払うものです。一部成功の場合はその度合いに応じて報酬が発生しますが、不成功の場合は支払う必要がありません

離婚事案では、「離婚が成立したら〇〇万円」といった固定の成功報酬に加え、「経済的利益の〇%」など、解決によって得られた経済的利益(慰謝料や財産分与で得られた金額)に応じた成功報酬を設定されていることが多いです。

離婚成立部分の成功報酬の相場は、以下のとおりです。

協議離婚の場合:22万円~44万円(税込)程度

調停離婚の場合:22万円~55万円(税込)程度

裁判離婚の場合:33万円~66万円(税込)程度

経済的利益に対する報酬金の相場は、10%〜20%が目安となっています。

たとえば、費用体系が離婚成立につき33万円(税込)+経済的利益の11%(税込)の場合を想定してみましょう。このケースで離婚が成立し、慰謝料として200万円、財産分与として500万円を獲得した場合の成功報酬金は、次のように計算します。

33万円+{(200万円+500万円)×0.11}=110万円(税込)

【日当】
日当は、弁護士が事務所外で活動した際に支払うものです。相手と交渉するために外出した場合や、遠方の裁判所に出廷した場合に発生します。

日当の相場は、半日程度の出張であれば3万3000円~5万5000円(税込)、1日がかりであれば5万5000円~11万円(税込)程度です。

【実費】
実費は、裁判所に納める収入印紙や切手、交通費など、案件の処理のために実際にかかった費用です。法律事務所によっては、委任契約時に事務手数料として一定額を請求しているところもあります。

3. 離婚の弁護士費用は相手に請求できる?

離婚の弁護士費用は、原則自己負担となるため相手に請求はできません。

基本的に弁護士費用は依頼者が全額負担するものであり、たとえ相手が離婚の原因をつくっていたとしても、相手に対して請求することはできません。

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4. 離婚の弁護士費用を安く抑える方法は?

離婚の弁護士費用を安く抑えるには、以下3つの方法を検討しましょう。

4-1. 無料相談を利用し、複数の事務所に相談して見積もりを比較する

弁護士費用は自由化されているため、事務所ごとに異なります。無料相談を行っている複数の弁護士事務所に相談をして見積もりを取り、比較検討するとよいでしょう。

ただし、安いという理由だけで依頼先を決めるのは適切ではありません。いくら費用が安くても、きちんとしたサポートをしてもらえなければ元も子もありません。離婚問題の解決を依頼する弁護士を選ぶ際には、費用だけでなく、弁護士の経験や能力、人柄などを総合して判断することが大切です。

弁護士費用をなるべく安く抑えたいため、着手金の額だけを比較して法律事務所を選びたくなる気持ちもあるでしょう。しかし、着手金が安い代わりに成功報酬を相場より高く設定している事務所もあります。

無料相談の際は、見積もりの内訳を吟味し、総額でいくら程度かかるのかをしっかりと確認しましょう。

4-2. 早めに相談する

離婚の話し合いがこじれる前に、早い段階で弁護士に相談をすることは重要です。調停や訴訟になったら、弁護士費用がさらにかかります。どうにか当事者間で解決したいと無理をすると、夫婦間の対立が深まり、調停や訴訟が避けられなくなるケースもあります。

そうなる前に弁護士に依頼して相手との交渉を委ねれば、スムーズに協議離婚が成立する可能性があります。その場合、調停や訴訟になってから弁護士に依頼するより、費用を抑えられるケースがほとんどです。

4-3. 法テラス経由で弁護士に依頼する

法テラス経由で弁護士に依頼をするか、法テラスと契約している弁護士に依頼すると、出費を抑えられる可能性が高いです。法テラスが設定している弁護士費用は相場よりも安いためです。条件を満たせば費用の立替え制度を利用できるため、弁護士費用を工面できない場合は、有力な選択肢の一つとなります。

5. 弁護士に依頼せずに離婚することはできる?

夫婦双方が話し合いで揉めることなく離婚に合意し、離婚届を提出すれば、弁護士に依頼せずとも離婚が成立します。

ただし、離婚自体に合意していても、離婚条件で揉めるケースが多々あります。子どもがいる場合には、どちらが親権者となるか、養育費の金額をいくらにするかなどで意見が対立する場合があるでしょう。いずれか一方の不倫が原因で離婚に至った場合には、慰謝料の問題も生じます。

早く離婚したいからといって、親権問題や養育費、慰謝料について妥協するのは賢明ではありません。弁護士に依頼すれば適切な条件で離婚できる可能性が高まります。弁護士が間に入ることで相手との直接交渉による精神的負担も軽減されるはずです。

調停や訴訟に備えるためにも早い段階で弁護士へ依頼することをお勧めします。

6. 離婚の弁護士費用に関してよくある質問

Q. 離婚の弁護士費用の最低額はいくら?

弁護士費用の計算方法は事務所によって異なるため、最低額は決まっていません。比較検討したい場合は、複数の法律事務所に見積もりを依頼することが大切です。

Q. 離婚の弁護士費用はいつ払う?

着手金は原則として依頼時に一括で支払いますが、分割払いや後払いに応じてくれる法律事務所もあります。成功報酬金は、案件終了時に支払うのが一般的です。日当や実費は、都度払いや後日清算など事務所によって支払うタイミングが異なります。どのタイミングで支払うのかは、無料相談の際に確認しておきましょう。

Q. 弁護士費用を消費者金融で借りてもよい?

弁護士費用がないからといって、消費者金融でお金を借りることは控えましょう。消費者金融は金利が高いため、離婚後の生活に支障が出る可能性があります。弁護士費用をすぐに用意できない場合には、分割払いや法テラスの立て替え制度の利用を検討するのが賢明です。

7. まとめ 分割払いなど無理なく支払いができる法律事務所を探そう

弁護士に依頼せず納得のいく離婚ができるのが理想ですが、実際には難しいケースも多いです。「弁護士に依頼したいけれど費用が不安……」という場合、まずは無料法律相談を行っている事務所に相談することをお勧めします。

弁護士費用の分割払いやクレジットカードでの支払いに対応している事務所もあります。無理なく支払いができる事務所を根気よく探し、弁護士のサポートを受けながら後悔しない離婚成立をめざしましょう。

(記事は2025年7月1日時点の情報に基づいています)

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