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不倫相手からの慰謝料請求はありうる? 支払うべきケースについて解説

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不倫相手からの慰謝料請求は、不倫相手に対して不法行為がある場合に認められる可能性があります(c)Getty Images
慰謝料と言えば、既婚者と不倫相手が、その配偶者から請求されるのが一般的でしょう。しかし、不倫相手に対して「不法行為」がある場合、不倫相手からの慰謝料の請求が認められる可能性があります。不倫相手から慰謝料請求をされるケースや、不倫相手から慰謝料を請求された場合の対処法、対応を誤った場合のリスクを弁護士が解説します。
目 次
  • 1. 不倫相手から慰謝料を請求されることはあり得る?
  • 2. 不倫相手からの慰謝料請求が認められるケース
  • 2-1. 独身と嘘をついて不倫していた
  • 2-2. 不倫相手が妊娠や中絶をした
  • 2-3. 不倫相手と重婚的内縁関係だったケース
  • 3. 不倫相手から慰謝料請求された事例と相場
  • 3-1. 貞操権の侵害の慰謝料相場
  • 3-2. 妊娠中絶の慰謝料相場
  • 4. 不倫相手から慰謝料請求された場合の対処法
  • 4-1. 法的な支払い義務があるのか確認する
  • 4-2. 請求された金額が妥当かどうか確認する
  • 4-3. 不倫相手と話し合う
  • 4-4. 弁護士に相談する
  • 5. 不倫相手からの慰謝料請求で対応を間違えるとどうなる?
  • 6. 配偶者に慰謝料を払った不倫相手から、お金を請求される可能性がある
  • 7. 不倫相手からの慰謝料請求でよくある質問
  • 8. まとめ 不倫相手から慰謝料請求されたら弁護士に相談を

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1. 不倫相手から慰謝料を請求されることはあり得る?

不倫は、法的には「不貞行為」と呼ばれ、婚姻関係にあるものが配偶者以外の異性と肉体関係を結ぶことをいいます。不貞行為は結婚の共同生活の平和を破壊することから、「不法行為」(民法709条)として慰謝料の対象です。

もっとも、不倫による慰謝料を請求できるのは、あくまで不倫をした夫(または妻)の配偶者のみ です。不倫をした当事者は、不倫という不法行為の「加害者」同士であり、不倫の当事者間では慰謝料は発生しないのが原則です。

ただし、単に不倫をしたという事実だけではなく、不倫相手に対する「不法行為」があり、それにより不倫相手が精神的苦痛を受けたといえる場合には、不倫相手からの慰謝料請求が認められる場合があります

2. 不倫相手からの慰謝料請求が認められるケース

不倫相手からの慰謝料が認められるのは、下記のようなケースです。

  • 独身と嘘をついて不倫していた

  • 不倫相手が妊娠や中絶をした

  • 不倫相手と重婚的内縁関係だった

それぞれを詳しく解説します。

2-1. 独身と嘘をついて不倫していた

不倫相手に対して、自分は独身であると嘘をつき、結婚を匂わせていたような場合には、相手の貞操権を侵害したとして慰謝料請求が認められる可能性 があります。「貞操権」とは、性的自由、つまり、どのような相手と性的関係を結ぶかを選択する自由のことです。

不倫関係にある相手が、「結婚を前提に交際していたからこそ相手に体を許した」「既婚者であると知っていれば肉体関係を持たなかった」と考えていた場合、独身と嘘をついて性交渉に及ぶ行為は、相手の性的自由を侵害することになります。

なお、このように独身だと偽っていたケースでは、その不倫関係にある相手は自身が「不貞行為」をしているという認識がありません。そのため、配偶者が不倫相手に慰謝料請求したとしても、不法行為は成立せず、慰謝料請求は認められない ことになります。

ただし、既婚者であると知らなかったとしても、その知らないことに対する不注意(過失)がある場合には、配偶者に対する慰謝料の支払い義務は免れません。過失があるかは、不倫相手の年齢や不貞が始まった経緯などから総合的に判断 されます。

2-2. 不倫相手が妊娠や中絶をした

不倫相手が妊娠し、中絶した場合、それだけで慰謝料の支払義務が発生するわけではありません。互いに同意の上で性交渉に及んだ以上、妊娠については双方に責任があり、不法行為は成立しないからです。

中絶は少なからず母体に精神的・肉体的苦痛を与えることにはなりますが、双方が納得して中絶を決めた場合には、やはり不法行為は成立せず、慰謝料は発生しません。

しかし、話し合いに一切応じなかったため中絶のタイミングを逃してしまったケースなど、妊娠中絶に責任を持つものとしての配慮義務を怠れば、不倫相手に対して慰謝料を支払う義務が生じます

また、「避妊を拒否し、その結果妊娠した」「妊娠を告げられた後、暴力や脅迫により中絶に同意させた」のように、妊娠・中絶自体に不法行為が成立する際にも、慰謝料の支払義務は免れません。

2-3. 不倫相手と重婚的内縁関係だったケース

法律上婚姻関係のある配偶者がいながら不倫をし、その不倫相手と内縁関係にあった場合(いわゆる重婚的内縁関係の場合)にも、不倫相手からの慰謝料請求が認められる可能性があります

内縁関係とは、婚姻届を提出しておらず法律上の夫婦ではないものの、①互いに婚姻の意思があり、②夫婦として共同生活を送っている夫婦のことをいいます。日本では一夫一妻制が採用されており、重婚は禁止されていることから(民法第732条)、通常の内縁関係と異なり、重婚的内縁関係の場合には、原則として法律上の保護を受けられません。

しかし、例外的に、法律上の夫(妻)との婚姻関係が破綻し、形骸化している場合には、重婚的内縁関係も婚姻関係に準ずるものとして、法的に保護されます。そのような場合には、不倫相手以外の異性と性交渉に及んだ場合には、不倫相手からの慰謝料請求が認められる可能性があります

3. 不倫相手から慰謝料請求された事例と相場

3-1. 貞操権の侵害の慰謝料相場

貞操権侵害を理由とする慰謝料の相場は、50万から200万円程度 です。事案により金額にばらつきがありますが、以下のような要素が考慮されています。

・交際期間
・性交渉の回数
・交際の経緯
・妊娠の有無
・不倫相手の年齢
・既婚者の騙す行為の態様

実際に、貞操権の侵害で慰謝料の支払いが命じられたケースもあります。

【貞操権侵害の裁判例】
婚活サイトで独身男性として登録、結婚をほのめかして約4か月間交際した事案。性的関係の前提となる信頼感を醸成するために、過去に離婚した独身だと信じ込ませたり、結婚への期待を抱かせるような発言をするなど積極的な働きかけをして、複数回性交渉に及ぶなどして被告の態様が悪質であることや、被告の事後の対応が自己の責任を免れようとする不誠実なものであることから、慰謝料50万円の支払いが命じられた(東京地判令和2年3月2日)

3-2. 妊娠中絶の慰謝料相場

不倫相手の妊娠中絶に関して慰謝料が認められた場合の相場は、数十万円から高くても100万円程度 と考えられます。

【妊娠中絶の裁判例】
妻との夫婦関係が破綻しており必ず離婚すると嘘をつき、「結婚を考えているし、子供も欲しい」などと甘言を用いて避妊を拒否して不倫相手を妊娠させた事案。再三の不倫相手からの中絶の提案も拒否し、出産を積極的に後押ししたにもかかわらず、出産直前に態度を翻して不倫相手との交信を断ち、再三の認知の求めにも応じなかったなど不貞関係解消後の男性の不誠実な対応から、75万円の支払いが命じられた(長野家裁諏訪支部判平成23年12月13日)

4. 不倫相手から慰謝料請求された場合の対処法

4-1. 法的な支払い義務があるのか確認する

まずは、不倫相手からの慰謝料請求について、法的な支払い義務があるのか、どのような名目で慰謝料請求をしているのか、確認することが大切です。前述のような慰謝料の支払い義務が生じる事情がなければ、不倫相手からの慰謝料請求は認められません。

不倫相手が「納得がいかない」「人生で無駄になった時間を返してほしい」などと感情論を述べるだけで請求に法的な根拠がないのであれば、慰謝料を支払う必要はありません。

また、合意の上で性交渉を行ったにもかかわらず、単に妊娠したという事実だけで慰謝料を請求されるケースは少なくありません。妊娠に関する話し合いは真摯に対応する必要がありますが、法的な支払義務がない場合には、慰謝料は拒否すべきです。出産するかどうかや子どもの認知、養育費は、慰謝料とはまた別の話し合いとなります。

4-2. 請求された金額が妥当かどうか確認する

仮に法的な責任がある場合は、その請求金額が妥当であるのかを確認しましょう。不倫相手が法外な慰謝料を請求してきた場合には、妥当な金額まで減額の交渉ができます。

ただし、請求された金額が妥当かどうかは、事案によります。金額の相場がわからない場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。

4-3. 不倫相手と話し合う

法的な責任があり、慰謝料の支払いが免れない場合には、不倫相手と話し合いを行います。話し合う際は、誠実な対応を心がけましょう。不誠実な対応をとると、職場や奥さんにバラすと脅されたり、暴行を受けたりするなど別の問題に発展する可能性があるため注意が必要です。

4-4. 弁護士に相談する

当事者同士では感情的になり、冷静な話し合いができない場合は、弁護士に依頼すれば、交渉をすべて任せられ、不倫相手と直接連絡を取る必要がなくなります。

交渉の末、合意できた場合には、弁護士が示談書を作成します。示談書には、将来追加で慰謝料を請求されることのないよう清算条項を入れ、後日の紛争を防止することが大切 です。弁護士に依頼すれば、正確な示談書を作成することができ、安心できます。

また、後日裁判となった場合でも、交渉経過を熟知している弁護士が裁判当初から関与できるので、スムーズに対応できます。

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5. 不倫相手からの慰謝料請求で対応を間違えるとどうなる?

感情的な対立から話し合いがこじれ、対応を誤ると下記のようなリスクがあります。

  • 不倫相手から職場や配偶者にバラすなどと脅されたり、嫌がらせを受けたりする

  • 裁判を起こされ、自宅に裁判所からの書類が届いたことで、配偶者に不倫が発覚する

  • 腹いせから不倫相手が、配偶者に不倫をバラしてしまう

  • 不倫がバレたことで、配偶者からも離婚や高額な慰謝料を請求される

特に不倫相手から裁判を起こされて、裁判所の通知から配偶者に知られるケースや、不倫相手から配偶者に不倫をバラされてしまうケースも少なくありません。そうすると、夫婦間で離婚問題に発展しかねず、より事態は深刻です。

だからといって、不倫相手からの法外な請求にそのまま応じる必要はありません。大切なのは、不倫相手からの慰謝料請求を放置することなく、早期に適切に対応すること です。

当事者同士では冷静な話し合いは困難なことが多く、不倫相手との慰謝料交渉については、弁護士に相談されることを強くおすすめします 。弁護士であれば、適切な対応により、深刻な事態に発展する前に早期解決も可能です。

6. 配偶者に慰謝料を払った不倫相手から、お金を請求される可能性がある

例えば、不倫された妻が不倫相手だけに慰謝料全額を請求し支払ってもらった場合、夫に対して不倫相手からお金を請求されることがあります。

不倫をした当事者は「共同不法行為」をしたとして、その配偶者に対して、連帯して慰謝料を支払う責任を負います。配偶者は、自分の夫(妻)に慰謝料を請求するか、不倫相手に請求するのか、もしくはその両方に対して請求するのか自由に選ぶことができます。

配偶者が不倫相手のみに全額請求し、不倫相手が全額支払った場合には、不倫相手は自己の負担部分を超える部分につき、当事者(不倫相手)に対し、支払いを請求できます 。これを求償権(きゅうしょうけん)といいます。

不倫が発覚しても夫婦が離婚しない場合には、不倫相手から慰謝料を支払ってもらっても、不倫相手が不倫をした配偶者に対して求償権を行使する可能性があるため、不倫相手側から求償権の放棄を条件に、慰謝料の減額交渉をするケースもよくあります。全額請求して支払を受けた場合には、求償権を行使され、一定金額を支払う必要が生じるので、注意が必要です。

7. 不倫相手からの慰謝料請求でよくある質問

Q. 不倫相手と別れようとしたら、「手切れ金を払わないと奥さんにばらすぞ」と言われたらどうすればいい?
不倫の解消を目的として支払う手切れ金は、法的には必ず支払うべきものとはいえません。しかし、配偶者に不倫がばれてしまうと離婚に発展するリスクもあり、それを阻止するために手切れ金を支払うのも選択肢の一つと言えます。 ただし、手切れ金を支払う場合には、追加で請求されることのないよう、必ず書面に残すようにしましょう。また、奥さんにばらすと脅して法外な金額の手切れ金を要求する行為は恐喝罪または脅迫罪に該当します。そのような場合には、支払いを拒否した上で、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
Q. 不倫相手から慰謝料請求されたら配偶者にバレる?
不倫相手から慰謝料請求されたとしても、裁判までいかず交渉で解決できた場合には、配偶者にはバレずに済むこともあります。 ただし、不倫相手にまとまった金額の慰謝料を支払った場合、高額な現金の引き出しについて後で配偶者から問い質され、不倫が発覚してしまったというケースもあります。特に家計が同じ夫婦の場合には、注意が必要です。

8. まとめ 不倫相手から慰謝料請求されたら弁護士に相談を

不倫相手に対して、独身だと偽って交際をしていたような場合は、不倫相手から慰謝料を請求される可能性があります。そもそも法的な支払い義務が生じない場合は、毅然とした対応で支払いを拒否しましょう。

ただし、不倫の関係があっただけでも、慰謝料や離婚のリスクがあるため、不倫相手との話し合いは真摯かつ慎重に対応することが重要です。

「不倫相手から慰謝料を請求された」「不倫相手が感情的なので交渉が難しい」という場合は、早めに法律の専門家である弁護士に相談してください。

(記事は2025年2月1日時点の情報に基づいています)

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