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1. 養育費について弁護士に依頼するメリット
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1-1. 相手に対して適切な養育費を交渉してくれる
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1-2. 養育費の未払い対策や回収を行ってもらえる
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1-3. 調停や審判の対応を任せられる
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1-4. 養育費以外の対応も依頼できる
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1-5. 相手の住所や勤務先がわからなくても回収できる可能性がある
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2. 養育費について弁護士に相談すべきタイミングは?
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3. 養育費を弁護士に依頼した場合の費用相場
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3-1. 養育費の交渉を依頼する場合
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3-2. 養育費の調停を依頼する場合
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3-3. 未払いの養育費を回収する場合
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4. 養育費について相談・依頼できる弁護士の探し方
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4-1. 検索エンジンを活用する
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4-2. 離婚のポータルサイトで弁護士を探す
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4-3. 各弁護士会の法律相談センターを活用する
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4-4. 法テラスを利用する
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4-5. 市区町村の法律相談を活用する
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5. 養育費で依頼する弁護士を選ぶコツ
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5-1. 養育費の問題を扱った経験が豊富
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5-2. コミュニケーションがとりやすく相談しやすい
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5-3. 対応やレスポンスが早い
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5-4. 弁護士費用が明確でわかりやすい
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5-5. 複数の弁護士に相談して信頼できる弁護士を選ぶ
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6. 養育費を弁護士に相談する際のポイント
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7. 2026年5月までに導入|共同親権制度や法定養育費制度、先取特権が養育費に関する弁護士への相談内容に与える影響は?
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8. 養育費について弁護士への相談を検討してる人からのよくある質問
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9. まとめ 養育費は実績のある弁護士の力を借りよう
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1. 養育費について弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼すれば、養育費の金額算出から交渉、裁判所手続き、未払い時の回収まで幅広くサポートを受けることができます。ここでは、養育費について弁護士に相談するメリットを紹介します。
1-1. 相手に対して適切な養育費を交渉してくれる
弁護士に依頼すれば、法律の専門知識に基づいて適切な養育費の金額を算出し、その金額を支払うよう相手に対して交渉してもらえます。そのため、よくわからないまま低額で合意してしまったり、相手が怖くて請求をあきらめてしまったりするような事態を防ぐことができます。
1-2. 養育費の未払い対策や回収を行ってもらえる
養育費の支払いに関する合意ができた場合、その内容を「公正証書」(公証役場で作成される公文書)にしておくことで、将来の未払いに備えることができます。強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、家庭裁判所を通さずに、すぐに相手の財産を差し押さえることが可能です。
弁護士に依頼すれば、公正証書の内容が法的に有効となるようサポートしてもらえるため、未払いを防止する上でも安心です。
また、上記の公正証書がないまま未払いになった時にも、弁護士が法的な手続きによって回収をサポートしてくれます。例えば、弁護士名義で内容証明を送ることで、元配偶者へのプレッシャーとなるでしょう。それでも支払われない場合は、訴訟や調停を代理人として提起できるので、養育費を回収できる可能性が高まります。
1-3. 調停や審判の対応を任せられる
養育費の金額や支払い方法について話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所に「調停」や「審判」を申し立てる必要があります。このような場面でも、弁護士に依頼すれば、提出書類の作成や、調停当日の同席、調停委員に対する主張の代弁などをしてもらえます。
法的な視点から的確な対応をしてもらえることで、不安なく調停に臨むことができるでしょう。
1-4. 養育費以外の対応も依頼できる
養育費を請求する場面では、離婚の話し合い全体の中で他にも重要なポイントが含まれていることが少なくありません。
たとえば、財産分与や面会交流、親権など、見落としがちな条件についても、弁護士に相談することで適切に対応できます。養育費だけでなく、離婚問題全般をトータルでサポートしてもらえるのは、弁護士に依頼する大きなメリットのひとつです。
1-5. 相手の住所や勤務先がわからなくても回収できる可能性がある
相手の住所や勤務先が分からず養育費を請求できないと悩んでいる場合でも、弁護士に依頼することで情報の取得や回収の可能性が広がります。たとえば、「弁護士会照会制度」を利用すれば、弁護士が弁護士会を通じて企業や機関に情報照会を行うことが可能です。
また、「財産開示請求制度」を利用すれば、一度強制執行に失敗した場合でも、裁判所を通じて相手の財産状況を明らかにする手続きが取れます。これにより、相手の資産状況を把握し、養育費の回収につなげられる可能性があります。
2. 養育費について弁護士に相談すべきタイミングは?
養育費について弁護士に相談すべきタイミングは、主に5つあります。
【離婚をしたいとき】
養育費は、合意して初めて支払いの義務が発生します。請求しないまま離婚してしまうと、もらえない期間が生じてしまう可能性があります。適切な金額での取り決めや、公正証書の作成を行うためにも、離婚前に弁護士へ相談することが大切です。
【養育費の未払いが発生したとき】
すでに養育費の取り決めがあるにもかかわらず、相手が支払わない場合は、弁護士に相談すれば法的手続きを取ることができます。たとえば、相手の給与や預貯金を差し押さえることで、未払い分を強制的に回収できる可能性があります。
【もらう側:養育費を増額したいとき】
子どもの進学や病気、監護親の体調不良による収入の減少などの場合、養育費の増額が認められるケースがあります。弁護士に相談すれば、増額が可能かどうかの判断を受けられるだけでなく、相手との交渉や調停・審判の申立てなどもサポートしてもらえます。
【払う側:養育費を減額したいとき】
収入の減少や、子どもと再婚相手との養子縁組など、状況の変化によっては養育費の減額が認められることもあります。弁護士に相談することで、減額できる可能性があるかを判断してもらえるほか、必要に応じて相手との交渉や裁判所での手続きを任せることができます。
【養育費についてトラブルになったとき】
上記に当てはまらない養育費のトラブルも多くあります。とにかく困ったら、一度弁護士に相談してみてください。経験豊富な弁護士であれば、トラブルに応じた解決策のアドバイスが期待できます。
3. 養育費を弁護士に依頼した場合の費用相場
養育費の請求や回収を弁護士に依頼する場合、一般的に以下の4つの費用がかかります。ただし、具体的な金額や料金体系は事務所によって異なるため、依頼前に必ず確認しましょう。
【相談料】
正式に依頼する前の相談段階でかかる費用です。最近では、初回相談を無料としている弁護士事務所も増えています。
【着手金】
契約時に支払う費用で、案件に着手する際に必要となります。
【報酬金】
事件が解決したときに支払う費用で、多くの場合、得られた経済的利益に対する割合で決められます。
【日当・実費】
弁護士の出張費、交通費、裁判所への申立費用、郵便代などの実費が別途必要になることがあります。
3-1. 養育費の交渉を依頼する場合
養育費のみを弁護士に依頼する場合の着手金は、見込み額(2〜7年分)に対して5~8%、または固定額で20万円から30万円程度としているケースが多いです。報酬金は、実際に認められた養育費(2〜7年分)に対して10~16%とするのが一般的です。
なお、離婚全体の交渉の中で養育費も請求する場合は、上記とは異なる料金体系になることがあります。
3-2. 養育費の調停を依頼する場合
家庭裁判所で調停を行う場合の費用は、基本的には交渉を依頼する場合と同程度です。ただし、交渉で依頼した案件が調停に移行した場合には、追加の着手金として交渉時の着手金の半額程度を設定している事務所もあります。
3-3. 未払いの養育費を回収する場合
未払いとなっている養育費を回収する際の着手金は、請求額に対して2.5~8%程度が一般的です。報酬金は、回収できた金額に対して5~16%程度となるケースが多く見られます。
また、最近では完全成功報酬制を取り入れている弁護士もおり、回収額から報酬を差し引く形式を採用する事務所もあります。
4. 養育費について相談・依頼できる弁護士の探し方
4-1. 検索エンジンを活用する
Googleなどの検索エンジンで「弁護士 (地域名) 養育費 相談」などと検索すると、近隣の弁護士事務所が表示されます。検索結果が多い場合は、「初回相談無料」「女性弁護士」などの希望条件を追加して絞り込みましょう。最近では、ChatGPTなどのAIを活用して、近くで評判の良い事務所を探す人もいます。
4-2. 離婚のポータルサイトで弁護士を探す
離婚問題に対応できる弁護士の情報を集めたポータルサイトを活用するのも便利です。相談内容や地域名のほか、「初回相談無料・最寄り駅・営業時間」などで条件を絞り込めるため、効率的に探せます。
また、当サイト「離婚のカタチ」でも弁護士を検索できます。

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4-3. 各弁護士会の法律相談センターを活用する
各地の弁護士会では、誰に相談すればよいか分からない方向けに「法律相談センター」を設置しています。弁護士会館のほか、駅近のビルなどアクセスしやすい場所に相談窓口を設けていることもあります。
「(地域名) 弁護士会 法律相談センター」と検索すれば見つかります。一般的には30分5000円前後の有料相談ですが、弁護士会が運営しているため安心感があります。ただし、担当弁護士は当番制で割り当てられるため、養育費問題に詳しいとは限りません。
4-4. 法テラスを利用する
法テラス(日本司法支援センター)は、法務省の所管のもと設立された公的機関で、経済的に弁護士への依頼が難しい人を支援しています。収入や資産が一定基準以下であれば、同じ問題について3回まで無料相談が可能です。また、正式に依頼する際も、法テラスが費用を立て替え、後日無利息で分割返済することができます。
利用するには、①法テラスに直接申し込むか、②対応可能な弁護士に相談するかたちになります。②の場合、相談したい弁護士が法テラスに登録していれば利用できます。
相談時間は原則30分で、弁護士は当番制のため、養育費に詳しいとは限らない点に留意しましょう。
4-5. 市区町村の法律相談を活用する
市区町村などでも、定期的に無料の法律相談を実施しています。役所など身近な場所で相談できるため安心感がありますが、月に1回程度の開催や平日昼間のみの実施が多く、相談時間も20~30分程度です。
本格的な相談には向いていませんが、簡単な質問をしたい人には向いています。
5. 養育費で依頼する弁護士を選ぶコツ
5-1. 養育費の問題を扱った経験が豊富
弁護士が取り扱う分野は幅広く、刑事事件から企業法務、個人のトラブルまで様々です。そのため、養育費をほとんど扱ったことのない弁護士もいます。養育費の相談をする場合は、離婚や養育費の分野に精通した弁護士を選ぶことが大切です。
実績は事前に確認しにくいこともありますが、インターネットで事務所の情報を調べたり、実際に相談を受けてみて、質問に対してわかりやすく的確に答えてくれたりするかを見極めましょう。
5-2. コミュニケーションがとりやすく相談しやすい
どんなに素晴らしい知識と経験がある弁護士でも、あなたの希望を伝えられないのでは意味がありません。あなたが抱えている問題を解決するために弁護士に依頼するのですから、話しやすい弁護士、頼りになる弁護士かどうかを、実際に相談して判断しましょう。
5-3. 対応やレスポンスが早い
養育費は日々の生活に影響を与えるため、素早く対応してくれる弁護士に依頼したいものです。とはいえ、弁護士は1人で何十件も担当しているのが普通なので、今すぐ対応しろと言われても難しいのが現実です。
相談時に、手続きにかかる期間についてのおおよその目安を聞いて、納得できる弁護士に依頼しましょう。
5-4. 弁護士費用が明確でわかりやすい
弁護士費用は「得られた経済的利益の○%」といった形式が多く、内容がわかりにくいこともあります。中には、裁判所への出廷で日当がかかったり、手続きの回数によって追加費用が発生したりする事務所もあります。
よく理解せずに契約すると、回収した養育費の大半が費用で消えてしまうおそれもあるため、契約前に費用体系を丁寧に説明してくれる弁護士を選ぶと安心です。
5-5. 複数の弁護士に相談して信頼できる弁護士を選ぶ
インターネットの情報だけで弁護士を選ぶのは難しく、実際に会ってみないと相性もわかりません。
評判が良くても相性が合うとは限らないため、可能であれば複数人に相談し比較するのが安心です。
そのうえで、対応が丁寧で話しやすく、納得のいくアドバイスをしてくれる弁護士を選ぶことが大切です。

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6. 養育費を弁護士に相談する際のポイント
養育費は、基本的に両親の収入をもとに算出されます。そのため、相談時には、自分の年収がわかる資料(源泉徴収票・課税証明書・確定申告書など)を用意しておきましょう。相手の年収がわかる資料があれば、それも持参してください。用意できない場合は、おおよその金額や職業、生活ぶりから推定できる情報でも構いません。
また、私立学校の学費や障害に伴う支出など、特別な費用がかかる場合は、それに応じた養育費の請求も可能です。気になる支出があれば、その資料も一緒に持って相談しましょう。
離婚もあわせて相談する場合は、経緯を時系列でまとめ、証拠となる資料があれば持参します。聞き漏らしを防ぐため、質問事項を事前にメモし、相談中にメモが取れるよう筆記用具も準備しておくと安心です。

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7. 2026年5月までに導入|共同親権制度や法定養育費制度、先取特権が養育費に関する弁護士への相談内容に与える影響は?
これらの制度はまだ施行前ですが、養育費の相談に一定の影響があると見込まれます。共同親権制度により、非監護親も子育てへの責任が強まり、養育費の支払いが円滑になると期待されています。
法定養育費制度では、合意前の養育費も請求可能になります。ただし、支給額は比較的低くなる見通しのため、離婚時にしっかりと合意しておく重要性は変わりません。
先取特権が認められると、他の債権者より優先して養育費を回収でき、債務名義がなくても強制執行が可能になります。ただし、実際に利用できる場面はあまり多くないかもしれません。
8. 養育費について弁護士への相談を検討してる人からのよくある質問
弁護士費用は原則として依頼者が支払います。交渉や請求では、依頼時に着手金、合意成立時に報酬金がかかるのが一般的です。未払いの回収では、近年は「完全成功報酬制」を取り入れ、回収額から報酬を差し引く弁護士も増えています。
弁護士への依頼は必須ではありませんが、相手と合意が難しい場合は、弁護士に相談することでスムーズに話を進めやすくなります。
適切な金額の提示や強制力のある書類の作成も可能です。
相手の戸籍の附票や住民票の調査で住所を特定できる可能性があります。どうしても不明な場合でも、公示送達という制度を利用して請求できます。勤務先は弁護士会照会や財産開示手続きで調べ、強制執行につなげられる場合もあります。
法テラスを利用すれば、収入などの条件を満たすことで、無料相談や弁護士費用の立替制度が利用可能です。立替分は毎月少額ずつ無利息で返済できます。また、未払い養育費の回収では、成功報酬のみで対応する弁護士もいます。
単なる「払いたくない」では認められませんが、収入の減少や再婚、扶養家族の増加など合理的な事情がある場合は、養育費の減額や免除が認められることもあります。こうしたケースでは、弁護士に相談する価値があります。
9. まとめ 養育費は実績のある弁護士の力を借りよう
養育費に関するトラブルには、支払いの拒否や未払い、金額の不一致などがあります。こうした問題は、弁護士に依頼すれば、適正額の算出や強制執行の手続きも可能です。経験豊富で養育費問題に強い弁護士を選ぶことで、早期解決につながります。
費用面が不安な場合は法テラスの利用も検討しましょう。弁護士費用の無料相談や、費用の立て替えなどを受けることができます。
(記事は2025年7月1日時点の情報に基づいています)