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1. 不貞行為を立証する証拠になるものとは
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2. 調査会社を効果的に利用するのも手
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最近、妻が帰宅する時間が遅く、家にいるときもスマホを片時も手放さないので、怪しいと思って、妻のスマホをのぞいたところ、男性とのLINEのやり取りや男性と二人で写っている写真を見つけました。これは慰謝料や離婚を請求するための証拠になりますか?(大阪府在住・35歳男性)
LINEや写真の内容によっては、慰謝料や離婚の請求につながる証拠となる可能性があります。
法律上、配偶者が「不貞行為」を行った場合は、不法行為(民法709条)にあたるため、慰謝料を請求することができます。また、民法770条1項1号が定める「配偶者に不貞な行為があったとき」(不貞行為)にも該当するため、離婚請求も可能です。
ここでいう不貞行為とは、配偶者以外の異性と、性行為やこれに準じた性的な接触を行うことを指します。単に異性とデートをしたり、写真を撮ったりLINEをしたりしているということだけでは、不貞行為には該当しません。
しかし、もし妻がLINEのやり取りをしている男性と性行為や性的な接触を行っていた場合には、不貞行為に該当し、離婚請求や慰謝料請求が可能となります。
1. 不貞行為を立証する証拠になるものとは
妻が不貞行為の存在を自ら認めている場合には、あらためて証拠を用意する必要はありません。
一方で、妻が不貞行為を否定している場合には、不貞行為を立証する証拠が必要となります。ただし、性行為そのものを直接立証するのは非常に難しく(たとえば、性行為の最中を撮影した写真や動画などが必要です)、通常は、間接的な証拠から、不貞行為があったと判断されることになります。
不貞行為を推認させる間接的な証拠としては、異性とホテルに出入りする際の写真、異性とのLINEやメールのやり取り、携帯電話や自動車のGPS履歴などがあります。
今回の相談者のケースでも、男性とのLINEの内容によっては、不貞行為の存在を立証する証拠となる可能性があります。たとえば、ホテルでの待ち合わせを約束している、過去の性行為について感想を述べあっている、「愛してる」「好き」などの親密な表現が含まれているといった場合は、不貞行為を推認させる証拠になり得ます。
また、二人で写っている写真についても、撮影場所が相手の自宅やホテルなどの場合には、不貞行為があったと判断する証拠として扱われることがあります。
2. 調査会社を効果的に利用するのも手
一方で、LINEの内容が不貞行為を推認させるものではなかったり、写真の撮影場所がレストランなどのオープンスペースである場合には、不貞行為の存在を立証するため、より強力な証拠が必要となります。
効果的な方法としては、調査会社に妻の素行調査を依頼して、ホテルや相手の自宅に出入りする場面を撮影してもらうことが挙げられます。
調査費用をできるだけ抑えるためには、妻のスケジュールをあらかじめ把握したうえで、相手と面会する可能性が高い日時に絞って、調査を依頼するとよいでしょう。
(記事は2025年7月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)