会社オーナーの夫が自分の役員報酬額を大幅に引き下げたが、従前の役員報酬額に基づき婚姻費用が認定された事例
養育費
50代
女性
相談の背景
相談の背景
株式会社のオーナーで代表取締役の夫が不倫して別居しました。
会社は上場企業の下請けであり、売上高は10億円、税引後利益は1億円の優良企業でした。
もともと、夫(相手方)は税金の支払いを減らすために、自分の役員報酬を年600万円に抑えて、家族5人(夫婦の他に子ども3人)の生活費は会社の経費で賄っていましたが、不倫して別居したことをきっかけに、、取締役であった妻(依頼者様)を解任し、自分の年収を年1,800万円に引き上げました。
このタイミングで、依頼者様が婚姻費用調停を申し立てたところ、相手方は、再び、自分の役員報酬を年600万円に引き下げました。
相談の結果
得られたメリット
婚姻費用審判の抗告審で、 一審の20万円から54万円に増額
抗告審では、一審の判示内容がオーナー会社の実態といかに乖離しているかについて、決算書の具体的な数値を挙げて論証し、さらに、別居後の相手方の贅沢な暮らしぶりを写真等の証拠で立証しました。その結果、婚姻費用額は月54万円と認定されました。
弁護士の対応
当方は、婚姻費用調停で、「従来、家計は会社の経費で賄っており、クレジットカードの利用履歴などから、年間の生活費は2,300万円以上かかっている。少なくとも、役員報酬引き下げ前の相手方の年収1,800万円に基づき、婚姻費用を算定すべき」と主張し、月57万円の婚姻費用を請求しました。
相手方は、あくまでも、現時点の年収600万円に基づき、婚姻費用は算定されるべきと主張したため、調停から審判に移行しました。
審判(一審)では、相手方による役員報酬の引き下げに関して、「(会社は)従業員数28名、取締役2名、売上8~10億程度、負債の部合計も10億を超える等利害関係者が多数存在し、相手方が役員報酬の額をコントロールできるとは認められないから、相手方が婚姻費用を免れるために不当に収入を下げたとはいえない」とし、婚姻費用額を月20万円と判示しました。
そのため、当方は、これを不服として、即時抗告しました。
※事例の内容はご相談当時の状況や条件等によります。