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1. 半年前から急におしゃれになった夫に抱いた違和感
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2. 下見から尾行まで。綿密に組まれる調査計画
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3. 調査は証拠を撮って終わりではない
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4. 浮気相手は妻の友人。妻が受けた二重のショック
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5. 懲らしめるのではなく、やり直すために
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6. 浮気調査で夫婦関係を見直すきっかけに
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1. 半年前から急におしゃれになった夫に抱いた違和感
――探偵事務所にはどのような調査依頼がくるのでしょうか。具体的な事例を教えてください。
実際にあった事例ですと、40代の女性から「夫の行動が怪しいので、相談がしたい」とご連絡がありました。結婚10年ほどで、夫は一般的な会社員です。直接お会いして、まずはお話を聞かせていただきました。
依頼者によると、半年前から夫の様子が変わり、それまでは依頼者が選んだ洋服や下着を身につけていたのに、急におしゃれに気を遣い、自分で服を買うようになったそうです。さらに残業や休日出勤も増え、「浮気をしているかも?」という不安が少しずつ増えているようでした。
――突然おしゃれになったなど、浮気をしている人ならではの行動パターンがあるのでしょうか。
残業や休日出勤が増えた、おしゃれに気を遣うようになったというのは、よくある行動パターンです。私たち探偵は何千という調査をしてきているので、浮気をしている人がしがちな行動をいくつか把握しています。
しかし、行動パターンに当てはまっているからといって、必ずしも浮気をしているとは限りません。偶然、おしゃれな同僚と同じ部署になって影響を受けただけという可能性もありますよね。状況をお聞きしながら、いくつもの怪しい点を組み合わせていくことで、事実を明らかにしていきます。
今回も依頼者とお話しし状況を整理していくなかで、夫が浮気をしている可能性は限りなく高いという結論になりました。
2. 下見から尾行まで。綿密に組まれる調査計画
――その後、どうされたのでしょうか。
浮気をしている可能性が高いからといって、すぐに浮気調査を勧めるわけではありません。まずは依頼者のお話を伺い、「事実をはっきりさせたいのか」「状況を整理して、もう少し様子を見たいのか」など、今後の対応を一緒に考えます。
今回の依頼者は夫のことをとても愛していて、「もし浮気をしているなら、その女性との関係をすぐにでも終わらせたい」という強い気持ちをお持ちでした。そこで、まずは事実を知るために夫の行動調査を行うことになりました。
お話の内容や状況を踏まえ、2回の調査で事実関係を把握できるだろうと判断し、調査を開始しました。
――調査はどのように進んだのでしょうか。
初回の調査は、夫が「残業で遅くなる」と言った日に実施しました。事前に、依頼者から夫の顔写真や勤務先などの情報をいただき、会社周辺を下見します。出入り口や死角となる場所を確認し、調査員の人数や配置場所を決定しました。
今回は大規模な体制は不要と判断し、スーツ姿の調査員を男女4〜5名配置しました。万一タクシーなどで移動しても追跡できるよう、車両での尾行体制も整えて調査に臨みました。
――万全の体制ですね。
当日、「残業」と言っていた夫は定時に会社を出て、とある商業施設のカフェで女性と待ち合わせをしていました。その後はレストランへ移動し、楽しそうに食事。会話の内容や仕草から親しい関係がうかがえ、食事代も夫が自然に払い、長年付き合っている恋人同士のようでした。
食事後は女性が慣れた手つきで夫と腕を組み、そのまま迷うことなく徒歩でラブホテルへ入っていったのですが、警戒するそぶりが全くなく驚きました。
3. 調査は証拠を撮って終わりではない
――ホテルに入ったあとも調査は続くのですか?
はい、2人がホテルを出るところまで写真に収めます。2人の関係性をさらに知るために、男女の調査員がカップルを装ってホテルに入り、フロントでのやり取りを確認することもあるのです。「この前はあの部屋だったよね?」といった会話から、関係性を読み取ることもできますよね。
今回のケースでは、夫と女性は楽しそうに部屋を選んでおり、親密な関係であることが明らかでした。
――そこまで証拠を撮られたら「気分が悪くなったから休んでいただけ」という言い逃れができないですね。
そうですね。調査終了後は、内容を依頼者に報告します。この日は「夫はこれから自宅に帰りますので、いつもどおり迎えてください」とお伝えしました。動揺したり夫を問い詰めたりしてしまえば、調査ができなくなる可能性があるためです。報告の仕方も依頼者の性格や心理状態に合わせて変えていきます。
2回目の調査は、夫が休日出勤だという日に実施しました。しかし、夫は会社には行かず、百貨店のカフェで前回とは別の女性と待ち合わせをしていました。2人は初対面のようで、手をつなぐこともなく、映画を見た後に解散となりました。これから関係が始まる男女といった印象で、マッチングアプリなどで約束した初めての顔合わせデートという印象でした。
4. 浮気相手は妻の友人。妻が受けた二重のショック
――浮気の証拠がたくさん出てきたわけですね。
そうですね。2回目の調査が終わった後、全ての内容を報告するために打ち合わせを行います。調査内容は、依頼者の精神状態や状況に応じて、2回、3回に分けて少しずつお伝えすることもあります。報告は、証拠写真を見ていただきながら、浮気相手の顔も確認したいかどうかなど、依頼者の希望に合わせて行います。
依頼者は浮気の事実を知って大変動揺されていましたが、浮気相手の写真も見たいとのことでお見せしました。すると、1回目の調査で夫とホテルに入った女性を見て「知っている」とおっしゃったのです。なんと、浮気相手は依頼者の友人で、夫も含めた男女数名でLINEグループを作り、結婚前からみんなで遊ぶ関係だったとのことでした。
夫婦が新居を購入した際には、お祝いとして浮気相手も新居に来ていたようで、依頼者は相当なショックを受けていました。
――それはショックですね……。
これらの証拠をもとに、今後どうしたいかというお話を依頼者としました。私たちが依頼者に無理やり行動を促すことはありません。この証拠をもとにどうするかは、あくまで依頼者が決めることだからです。今回、依頼者は夫に浮気を認めさせ、浮気相手と縁を切ってほしいとのことでした。
浮気を認めさせるためには、言い逃れができない状況を作る必要があります。そのためには、いきなり証拠を突き付けるのではなく、「浮気してるよね?」とまずは冷静に聞きます。すると相手は言い訳をしたり嘘をつきます。ひととおり嘘をつかせた後に、こちらが証拠をもとにそれらの嘘を一つ一つ否定することで、言い逃れができなくなります。このような対応方法を依頼者に伝えました。
5. 懲らしめるのではなく、やり直すために
――すごいテクニックですね。
ただし、今回、依頼者には夫に嘘をつかせすぎないようにアドバイスしました。嘘を重ねすぎると、証拠を提示した際に夫のプライドが傷つき、逆上してしまう可能性があるからです。今回は夫を懲らしめるのが目的ではなく、再び夫婦関係を築くことが目的です。無駄に夫を追い込まないためにも、嘘は1〜2つでとどめて、「私は知ってるよ」と言ってくださいとお伝えしました。
――どうなったのでしょうか......?
実際に依頼者が「浮気をしているでしょう?」と夫に問いかけたところ、夫は「誤解だ」や「証拠を出せ」といった発言をし、依頼者を責めるような態度を取ったそうです。
しかし、「知ってるよ」と不倫相手の名前を出した瞬間、夫の顔が真っ青になり、その場で土下座したようでした。依頼者はその様子を見て、許したとおっしゃっていました。もちろん浮気自体は許せない行為ですが、すぐに謝罪したことで、浮気相手より自分を選んでくれたことがわかり、安心したそうです。
また、2回目に会った女性はマッチングアプリで出会った相手であり、夫が3つのマッチングアプリに登録していたことも判明しました。これらもすべて解約させ、今後マッチングアプリを利用しないことも約束しました。
6. 浮気調査で夫婦関係を見直すきっかけに
――浮気相手の友人とはどうなったのでしょうか。
浮気相手に慰謝料を請求する案もありましたが、取れる慰謝料の金額は多くないということで、謝罪を求めることにしました。浮気相手には直接会って謝罪してもらい、「二度と夫に会わない」という約束をさせ、縁を切りました。浮気相手は泣きながら謝罪をし、昔から夫に憧れていたと言ったそうです。
――無事解決できたのですね。
今回の依頼で、今後の夫婦関係を見直すきっかけになったと依頼者は話していました。もちろん浮気は夫が悪いのですが、依頼者自身も夫婦生活の中で、もう少し夫とコミュニケーションを密に取るべきだったと振り返っていました。過去を見つめ直し、今後の関係を再構築できる見通しが立ったことで、「調査を依頼してよかった」とおっしゃっていました。
意外かと思われるかもしれませんが、浮気調査をされた方のほとんどが夫婦関係の再構築を望まれます。やり直したいという気持ちがあるからこそ、探偵事務所に調査依頼に来られるのです。ですから、探偵の仕事はただ証拠を取るだけではありません。証拠をもとに、依頼者がその後の人生をどう歩むか、ご自身で考え決断するお手伝いをするのが私たちの仕事だと考えています。
さくら幸子探偵事務所
創業38年をむかえ、これまでに約25万件の相談実績を持つ探偵事務所。浮気調査や人探し、企業調査など、さまざまなジャンルの調査を扱う。元警察官をはじめとした経験豊富な調査員と、依頼者一人ひとりに寄り添うカウンセラーの存在も特徴のひとつ。プライバシー保護と法令遵守を最優先に、安全かつ確実な調査を提供している。
(記事は2025年11月1日時点の情報に基づいています)