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1. ライフシミュレーションの作成を
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2. 離婚時にもらえるお金を把握しておく
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夫との生活に限界を感じ、「熟年離婚」を考えています。離婚を切り出すまでに準備しておくことはありますか?(佐賀県在住・65歳女性)
いわゆる「熟年離婚」は、老後の蓄えがないとなかなか踏み切りにくいものです。離婚後も生活できるかどうかを、離婚前にしっかり考えたうえで決断することが重要です。
1. ライフシミュレーションの作成を
離婚後に元々住んでいた自宅から出る場合には、住居の確保が不可欠です。ただし、高齢者で仕事をしていない場合、金銭的な理由や病気・孤独死のリスクから、賃貸住宅に入りにくいという現実があります。賃貸借契約を結ぶ際には連帯保証人が必要ですし、施設への入所には連帯保証人と身元保証人が必要となります。
対策としては、安定した収入を確保しておくこと、賃貸であれば家賃保証会社を利用すること、施設への入所はNPO法人などに身元保証人となってもらう方法があります。公営住宅の利用も検討するとよいでしょう。
こうした住居の問題も含め、収入や離婚によってもらえるお金、住居費、生活費、老人ホームの費用(老健なら月額6~15万円、有料なら月額10~40万円)、衣料費、葬儀の費用なども合わせて、離婚後のライフシミュレーションを作成しておくことをおすすめします。
シミュレーションをしてみると、収入の確保が課題になるケースも多いでしょう。高齢者の就職は容易ではありませんが、探せば高齢者でも働ける仕事はたくさんあります。仕事をすれば資産の減りを減らせますし、預金を増やすことも可能です。全国約300カ所のハローワークでは、高年齢者の再就職を支援する「生涯現役支援窓口」を設けていますので、活用するとよいでしょう。
2. 離婚時にもらえるお金を把握しておく
離婚に伴う財産分与や、不法行為があれば慰謝料の請求も可能です。
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が共同で築いた財産を離婚時に分けることをいいます。財産の名義が夫婦のどちらにあるかにかかわらず、婚姻時から別居時までの期間の財産を分与するのが一般的です。財産分与の割合は、原則として半分ずつです。
専業主婦で自分名義の財産がない場合でも、夫名義の財産形成に貢献したという理由から、夫名義の財産の半分を受け取る権利があります。
令和5年の司法統計によると、婚姻期間20年以上の財産分与は2000万円以下が最多となっています。財産分与の額は婚姻期間や夫婦の資産状況によって異なりますが、熟年離婚ではまとまった金額になるケースも少なくありません。また、相手に不法行為(不貞、暴力など)がある場合は慰謝料の請求も可能で、相場は200~300万円です。ただし、慰謝料を請求するには相手の不法行為を立証するための証拠が必要になるため、早めに弁護士に相談するのがおすすめです。
離婚時にもらえるお金をあらかじめ把握しておくことも重要です。いざ離婚となったとき、慌てて相手名義の財産を把握しようとしても、それが困難な場合もあります。平時から相手名義の財産をしっかりと把握しておきましょう。
熟年離婚は、住居・収入・財産分与など、準備すべきことが多岐にわたります。熟年離婚を切り出す前に、早めに弁護士に相談することをおすすめします。相手名義の財産の把握や証拠収集など、専門家のサポートを受けることで、離婚後の生活をより安心して見通せるようになるでしょう。
(記事は2026年4月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)