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価値観の違いで離婚できる? 後悔しないための方法を解説

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配偶者との価値観の違いを理由に、離婚することはできるのでしょうか (c)Getty Images
結婚生活を続けるうちに、夫婦の価値観の違いが浮き彫りになってくることは珍しくありません。価値観の違いが深刻な場合、それを理由に離婚することはできるのでしょうか。また、価値観の違いを理由に離婚しようとするときには、どのような点に注意すべきなのでしょうか。弁護士がわかりやすく解説します。
目 次
  • 1. 離婚に発展しやすい価値観の違いの具体例|金銭面や子育てなど
  • 2. 価値観の違いを理由に離婚はできる?
  • 2-1. 夫婦間で合意すれば離婚できる
  • 2-2. 相手が離婚を拒否する場合は、離婚原因が必要
  • 2-3. 価値観の違いは離婚原因として認められる?
  • 3. 価値観の違いを理由に離婚する人はどれくらいいる?
  • 4. 価値観の違いを理由に離婚する場合の手続きの流れ
  • 5. 価値観の違いによる離婚を検討する際にすべきこと
  • 5-1. 夫婦関係の改善を試みる
  • 5-2. 離婚後の生活をシミュレーションする
  • 5-3. 離婚条件を適切に決める
  • 5-4. 離婚を拒否される場合に備えて、離婚原因の証拠を確保する
  • 5-5. 専門家に相談する
  • 6. 価値観の違いで離婚したい場合に、弁護士へ相談、依頼するメリット
  • 7. 価値観の違いによる離婚に関してよくある質問
  • 8. まとめ 価値観の違いを理由に離婚したい場合は、早い段階から弁護士に相談を
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1. 離婚に発展しやすい価値観の違いの具体例|金銭面や子育てなど

ひと口に夫婦の価値観の違いと言ってもさまざまなものがありますが、離婚問題に発展しやすい価値観の違いとしては、次のようなものが挙げられます。

  • 人生観の違い

  • 家事分担や性別役割への意識の差

  • 子育てや教育方針の違い

  • 金銭感覚の違い

  • 仕事とプライベートのバランスの取り方の違い

  • 衛生観念の違い

  • 宗教上の違い

  • 性的不調和(セックスレスなど)

  • 親族への付き合い方や方法の違い

こうした価値観の違いが一つだけでなく、複数重なることもあり、結婚生活の維持が難しくなります。

2. 価値観の違いを理由に離婚はできる?

価値観の違いを理由に離婚できるのは、どのようなケースなのでしょうか。

2-1. 夫婦間で合意すれば離婚できる

離婚の方法には、主に協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つがあります。

協議離婚と調停離婚は、話し合いのうえ夫婦双方の合意に基づいて離婚するものです。協議離婚は夫婦だけで話し合い、調停離婚は夫婦の間に裁判所が入って話し合うという違いはありますが、いずれも離婚の理由がどのようなものであっても、夫婦で合意できれば離婚することが可能 です。

2-2. 相手が離婚を拒否する場合は、離婚原因が必要

相手が離婚を拒否している場合、離婚の合意ができないため、協議離婚や調停離婚を成立させることはできません。この場合、離婚訴訟を提起して裁判離婚をめざすことになります。ただし、裁判離婚が認められるには、民法の定める離婚原因(法定離婚事由)が必要 となります。

価値観の違いを理由に離婚したい場合、それが民法の定める離婚原因の「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法第770条第1項第5号)に該当するかが問題となります。婚姻を継続し難い重大な事由とは、婚姻関係が破綻し、回復の見込みがない状態のこと を言います。

2-3. 価値観の違いは離婚原因として認められる?

価値観の違いは、原則として「婚姻を継続し難い重大な事由」には該当しない と考えられています。夫婦は個人の結び付きである以上、価値観が完全に一致しないのは当然であり、夫婦には価値観の違いを解消するよう努める義務 があります。したがって、価値観が違うだけでは婚姻を継続し難い重大な事由があるとは認められません。

裁判例でも、性格が対照的な夫婦について、夫婦の不仲の原因は、相手を理解し合う気持ちが不足していたことにあり、今後お互いが努力し合うことで不仲は克服できる として、婚姻を継続し難い重大な事由があるとは認めなかったケースがあります。

ただし、相当期間の別居などほかの事情も含めて、婚姻を継続し難い重大な事由があると認められることがあります

たとえば、同居期間が3年弱であるのに対し、別居期間が5年程度に及び、同居期間中も口論が絶えなかった夫婦の離婚が認められた裁判例があります。このケースで裁判所は、この夫婦の口論の原因は、通常の夫婦であれば歩み寄ったりあきらめたりして婚姻を継続できるようなささいな事柄に過ぎないと述べました。一方で、口論の原因となっている夫婦双方の妥協できない性格が変化する見込みはない として、結論としては婚姻を継続し難い重大な事由があると判断しています。

また、単なる価値観の違いにとどまらず、性交拒否(いわゆるセックスレス)や、宗教上の問題(宗教にのめり込み家事育児を放棄、入信の強要など)、金銭的問題といった具体的な問題に発展している場合にも、婚姻を継続し難い重大な事由が認められるケースがあります

3. 価値観の違いを理由に離婚する人はどれくらいいる?

裁判所が公表している「令和5年 司法統計年報 3家事編」の「第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別 申立人別」を見れば、離婚事案などを家庭裁判所に申し立てた動機がわかります。

この調査によると、「性格が合わない」を動機とする申立ての割合は、男性が約6割(総数1万5192件のうち9103件)、女性が約4割(4万1652件のうち1万5835件) となっています。

なお、このデータには、家庭裁判所での手続きを経ずに協議離婚したケースや、離婚訴訟は含まれていません。

4. 価値観の違いを理由に離婚する場合の手続きの流れ

まずは、裁判所を利用せず、夫婦の話し合いで離婚について合意する協議離婚をめざす のが一般的です。協議によって離婚の合意ができたら、離婚届を市区町村役場に提出することで離婚が成立します。離婚の際に取り決めた離婚条件は、離婚協議書の形で記録しておくことをお勧めします。

協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立て、調停離婚をめざします

申立先となる裁判所は、原則として相手の住所地を管轄する家庭裁判所です。離婚調停では、裁判官1人と調停委員2人で構成される調停委員会が夫婦の間に入り、話し合いを行います。話し合いがまとまり調停が成立すると、離婚成立となります。

原則として、価値観の違いは婚姻を継続し難い重大な事由には該当しませんが、協議離婚や調停離婚は、民法の定める離婚原因が存在しなくても成立させることが可能です。価値観の違いを理由に離婚したい場合は、協議や調停でしっかり話し合い、合意をめざすことが重要です。

調停でも話し合いがまとまらなかった場合、調停は不成立となります。この場合には、離婚訴訟を提起し、裁判離婚を求める ことになります。

離婚訴訟は、原則として夫婦どちらかの住所地を管轄する家庭裁判所に提起します。離婚訴訟では、婚姻を継続し難い重大な事由などの離婚原因を主張、立証し、裁判所に認めてもらう必要があります。価値観の違いを離婚原因として認めてもらうためには、十分な証拠を提出し、婚姻を継続し難い重大な事由にあたることを立証しなければなりません。離婚を認める判決が確定すると、相手が離婚に反対していても離婚が成立します。

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5. 価値観の違いによる離婚を検討する際にすべきこと

価値観の違いによる離婚を検討している場合は、事前に次のような準備が必要です。

  • 夫婦関係の改善を試みる

  • 離婚後の生活をシミュレーションする

  • 離婚条件を適切に決める

  • 離婚を拒否される場合に備えて、離婚原因の証拠を確保する

  • 専門家に相談する

5-1. 夫婦関係の改善を試みる

価値観の違いはあっても、経済的な安定や精神的な支えを失うことを恐れて離婚すべきか迷う人もいるかもしれません。夫婦関係を修復する余地があるのであれば、話し合いにより改善を試みることも一つの選択肢 です。

夫婦で直接話し合うのが難しい場合、家庭裁判所に夫婦関係円満調整調停を申し立てることも 考えられます。夫婦関係円満調整調停では、調停委員が夫婦双方から交互に事情を聞いたうえで、夫婦関係が円満でなくなった原因を探り、夫婦関係を修復するための解決案の提示や助言などが行われます。

5-2. 離婚後の生活をシミュレーションする

離婚する前に、離婚後の生活をシミュレーションしておくことが重要です。配偶者がいなくなった場合の経済的、時間的、精神的な影響を検討し、さまざまな観点から具体的に離婚後の生活を考えておきましょう。

たとえば、離婚によって経済的に困難になることが想定される場合には、あらかじめ公的支援について調べておいたり、親の援助を受けられるかなどを検討 したりする必要があります。

5-3. 離婚条件を適切に決める

話し合いで離婚する際は、離婚条件を取り決める必要があります。

離婚条件には次のようなものがあります。

  • 財産分与

  • 慰謝料

  • 年金分割

  • 子どもの親権

  • 養育費

  • 面会交流

まずは、自分が希望する離婚条件を整理しておきます 。ただし、すべてが自分の希望どおりになるとは限らず、譲歩が必要となる場合もあるため、優先順位も考えておいてください

取り決めた内容は離婚協議書などの書面にまとめておく と、あとあとトラブルになるのを避けることができます。

5-4. 離婚を拒否される場合に備えて、離婚原因の証拠を確保する

配偶者が離婚を拒否し、話し合いがまとまらない場合、最終的には離婚訴訟を提起し、裁判離婚をめざすことになります。

離婚訴訟では、離婚を求める側が離婚原因の存在を立証しなければなりません。したがって、離婚原因を立証するための証拠が必要です。

たとえば、価値観の違いを裏づけるメールやLINEなどメッセージアプリでのやりとり、別居している場合には別居にいたった経緯や別居期間がわかる資料などが証拠となります 。ただし、どのようなものが証拠になるのかは個別のケースに応じて判断する必要があるため、弁護士に相談しサポートを受けることをお勧め します。

なお、離婚訴訟を提起するタイミングで慌てて証拠を集めるのではなく、話し合いの段階から証拠を収集、確保しておくのが理想的 です。時間が経つと証拠を収集するのが難しくなるおそれがあるためです。また、証拠があれば話し合いを有利に進められる可能性もあります。

5-5. 専門家に相談する

自分一人で解決しようとせず、専門家の手を借りることも有益です。

夫婦関係を改善したい、離婚すべきか迷っているといった場合には、夫婦カウンセラーに相談し、第三者からのアドバイスを受けることで、関係性や悩みが改善されるかもしれません。

一方、すでに離婚を決心している場合には、弁護士に相談し、具体的な手続きなどについてアドバイスを求めることで、早期の離婚成立につながる 可能性があります。

6. 価値観の違いで離婚したい場合に、弁護士へ相談、依頼するメリット

価値観の違いは原則として離婚原因とは認められないため、的確な方針をもって臨まなければ手続きが難航するおそれ があります。早い段階から弁護士に相談し依頼することで、スムーズに手続きを進めることができます。

また、価値観の違う相手と直接話し合うのは、精神的に負担になります。弁護士に依頼し、代理人として相手とやりとりしてもらうことで、精神的な負担が軽減されます

離婚訴訟に発展した場合には、離婚原因について法的に主張、立証することが求められます。法律の専門家である弁護士に相談、依頼すれば、専門的な知識に基づいて適切に訴訟手続きを進めることができます

7. 価値観の違いによる離婚に関してよくある質問

Q. 夫と価値観が合わないので離婚したいが、後悔する?
後悔するかどうかは人それぞれです。後悔しないために、話し合いで価値観の違いを解消できないか十分に検討しましょう。 また、離婚してから困難に直面することがないよう、さまざまな観点から離婚後の生活についてシミュレーションしておくことも重要です。
Q. 価値観の違いを理由に離婚する場合、慰謝料は発生する?
離婚慰謝料が認められるのは、配偶者の有責行為によって離婚を余儀なくされ、精神的苦痛を被った場合です。有責行為とは、婚姻関係を破綻させるおそれのある行為で、配偶者に責任があるもののことを言います。 価値観の違いは、配偶者に責任がある行為とは言えないため、慰謝料は発生しません。 ただし、価値観の違いが原因でDV(ドメスティック・バイオレンス、家庭内暴力)が発生している場合などは、DVが配偶者の有責行為と認められ、慰謝料が発生することもあります。

8. まとめ 価値観の違いを理由に離婚したい場合は、早い段階から弁護士に相談を

価値観の違いは、原則として法律上の離婚原因にはあたりません。そのため、価値観の違いにより離婚したい場合は、まずは離婚原因がなくても成立させられる協議離婚や調停離婚をめざすことが重要になります。

協議や調停では離婚の合意が得られず離婚訴訟に発展した場合には、離婚原因があることを適切に主張、立証する必要があるため、弁護士の力を借りることが有効です。

価値観の違いを理由に離婚したい場合、的確な方針をもって手続きに臨めるよう、早い段階から弁護士に相談し、サポートを受けることをお勧めします。

(記事は2025年3月1日時点の情報に基づいています)

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