神戸市で離婚調停を弁護士に相談する

離婚を考える際、スムーズに話し合いが進み、夫婦がお互いに納得できる条件で離婚ができれば、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。しかし、相手と話ができない・しづらい場合や財産分与や養育費などの条件が折り合わない場合は、弁護士を頼ると法的知識に基づいた交渉を冷静に進めることができ、離婚成立までの時間の短縮や、精神的負担の軽減につながりやすくなります。神戸市にも離婚に強い弁護士事務所や離婚の相談ができる法律相談窓口が多数存在します。弁護士事務所は初回無料で相談できるところもありますので、まずは自分に合った相談先を見つけましょう。

神戸市の特徴と離婚の相談ができる弁護士事務所

神戸市は兵庫県の南東部にある県庁所在地で、2024年10月1日現在の人口は1,494,280人（男性706,864人・女性787,416人）です。東西に延びる六甲山系により市域は南北に二分され、南側は大阪湾に面し、北側は帝釈山や丹生山による緩やかな丘陵が広がっています。大阪湾沿いには 神戸随一の繁華街として知られる三宮を中心に商店街やホテル、高層ビルが立ち並ぶ市街地が形成されており、昼夜を問わず人が集まります。また、神戸市は阪神工業地帯に属する工業エリアでもあり、1868年の神戸港の開港以来、造船や鉄鋼、機械などの製造・貿易が盛んに行われています。

一方、市の北部は山々がそびえる自然豊かなエリアで、登山や温泉を目的に訪れる人も多いです。また、広大な緑を活かした農業が盛んで、米やイチゴ、生花などが多く採れます。このように、神戸市は日本を代表する観光都市・経済都市でありながら、水や緑がバランスよく共存しており、ファミリー層からシニア層まで幅広い世代に人気の都市です。

令和6年10月1日現在、神戸市では神戸市の人口1,494,280人のうち0～19歳の人口が233,450人、 20～64歳までが825,466人と65歳以上の人口435,364人を大きく上回る結果となりました。高齢化率は29.1％で全国平均の29％とほぼ同じ数値です。

離婚を考えている若いファミリー世代の場合、持ち家の住宅ローンなどの財産分与や未成年の子どもの親権、養育費の問題でトラブルがおきる可能性があります。トラブルが深刻化するようであればまずは弁護士に相談することをおすすめします。神戸市はJR三ノ宮駅やJR神戸駅の周辺に弁護士事務所が集まっており、離婚の相談に応じている事務所も多数あります。またその交通の利便性から、近隣都市にもアクセスしやすいため、少しエリアを広げて事務所探しをしてみてもいいでしょう。離婚は非常にプライベートな問題であり、自分とフィーリングがあう弁護士を選ぶことが大切です。初回は無料相談に応じている事務所もありますので、比較検討して自分が安心して任せられる事務所を選びましょう。

• 参考：神戸市 住民基本台帳に基づく人口(町丁目別・年齢別)

神戸市の離婚の弁護士相談窓口

神戸市で弁護士に離婚問題や離婚手続きの相談をしたい場合、弁護士事務所だけでなく、弁護士会の法律相談センターや法テラスを利用して相談することもできます。法テラスの利用には所得による制限などがあるため、利用の際はウェブサイトで確認し、事前に問い合わせをしておくといいでしょう。

神戸市の法律相談センター

兵庫県弁護士会は県内各地に相談所を設け、離婚に関する法律相談を有料で受け付けています。神戸市には中央区に「神戸相談所」があり、平日10時～12時と13時～16時まで受付しています。相談は予約制で、電話もしくはインターネットでの予約が可能です。夫婦間でトラブルがおこると離婚成立まで時間がかかる可能性があるため、早い段階でこうした窓口を利用するのもひとつの方法です。

• 参考：兵庫県弁護士会 法律相談センター

神戸市の法テラス

法テラス（日本司法支援センター）は国によって設立された法的トラブルに悩む人のための総合案内所です。借金などの金銭トラブル、相続・成年後見、労働問題や離婚・DV、賃貸借契約などあらゆる法的な相談に対応し、適切な相談窓口を案内してくれます。また経済的に余裕のない方は、法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立て替え制度を利用することができます。利用には収入等の条件がありますので詳細はWEBサイトでご確認ください。

また法テラスにはサポートダイヤルがあり、オペレーターがお悩みの法的トラブルに対し適切な情報や自治体など公的機関の各種相談窓口を紹介してくれます。利用件数は令和6年3月末の段階で600万件を突破しています。離婚に向けて何をしたらいいのか分からない、という方はまずはオペレーターに相談してみるといいでしょう。

• 参考：日本司法支援センター法テラス　身近な法的トラブルでお悩みの方

• 参考：日本司法支援センター法テラス「兵庫県」

神戸市のひとり親家庭を対象とした相談窓口

「神戸市ひとり親家庭支援センター 」では、離婚や親権、養育費、慰謝料、面会交流など、離婚前後の問題について、女性弁護士による無料法律相談を行っています。相談時間は1人30分で、面談・電話・オンラインでの相談が可能です。相談日時は第3月曜日10時～13時、第2・4火曜日17時30分～20時30分、第1・3金曜日13時～16時です。相談を希望する場合は、電話もしくは神戸ひとり親家庭支援センターのウェブサイトから予約してください。

• 参考：神戸市ひとり親家庭支援センター 法律相談

神戸市で離婚の手続きを進めるには

離婚手続きを進める際には、まず離婚に関する条件を双方で話し合う必要があります。お互いに合意できたら「離婚協議書」を作成します。離婚協議書には話し合って決めた内容を記載し、さらに公証役場で公正証書化しておくと安心です。その後「離婚届」を役所に提出すれば離婚が成立します。また離婚の話し合いがまとまらず協議離婚が不成立となった場合には、裁判所が関与する裁判離婚へと進みます。

神戸市を管轄する家庭裁判所

家庭裁判所は離婚調停、離婚に関わる審判や裁判に対応しています。神戸市には神戸家庭裁判所があります。「配偶者と離婚の条件が折り合わない」「相手が離婚したがらず話に応じてもらえない」など夫婦間で話し合っても解決が得られない場合には、まずは家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停申し立ての窓口は「家事事件受付係 」で、申立手数料として収入印紙1,200円と申立書、3カ月以内に発行された夫婦の戸籍謄本（全部事項証明書）などが必要です。詳細についてはWEBサイトで確認してみるといいでしょう。

• 参考：神戸家庭裁判所

• 参考：裁判所 離婚調停を申し立てる方へ

神戸市の行政の窓口

市役所では「離婚届」のほか「離婚の際に称していた氏を称する届」「入籍届」「住民票の世帯分離」といった届出や、国民年金や児童手当などの手続きを受け付けています。「離婚届」を提出したことにより派生するさまざま手続きも忘れずにおこないましょう。神戸市で離婚届の取得・提出ができる窓口は、市内の各区役所と北須磨支所、玉津支所です。受付時間は原則として平日8時45分～17時15分ですが、これ以外の時間でも区役所の夜間休日受付で提出を受け付けているため、仕事や育児で忙しい方でも届け出がしやすいです。なお、神戸市役所では離婚届の受付をしていません。

• 参考：神戸市

• 参考：神戸市 区役所など所在地一覧

神戸市の公証役場

夫婦間で離婚に関する条件に合意を得たら、離婚協議書を作成します。離婚協議書の内容は公証役場で公正証書にしておくと、後々のトラブルを回避できるため安心です。離婚が成立した後に、パートナーが養育費や財産分与などの支払いを怠った際には支払いの強制執行を行使して、財産や給料などの差し押さえをすることができます。

• 参考：神戸公証センター

神戸市における配偶者からの暴力全般に関する相談先

「性格の不一致」や「異性関係」とともに離婚原因の上位を占めるのが配偶者からの暴力（DV）や精神的虐待です。

神戸市配偶者暴力相談支援センター（女性のためのDV相談室）では、配偶者からのDVに関する総合的な相談を受け付けています。男女問わず相談可能な窓口で、受付時間は9時～17時です。また、兵庫県女性家庭センター（悩みのほっとライン）でも電話相談を受け付けているほか、市内の各区役所と北須磨支所の保健福祉課ではDVからの一時保護や福祉施策の相談を行っています。詳細は神戸市のウェブサイトからご確認ください。

• 参考：神戸市 DV相談窓口のご案内

神戸市における近年の婚姻・離婚の件数

厚生労働省の人口動態調査によると、神戸市の婚姻件数は2018年（平成30年）～2022年度（令和4年）の5年間にかけて7,145組、7,239組、6,251組、6,077組、6,028組と推移しており、また離婚件数は2,598組、2,610組、2,407組、2,342組、2,255組と推移しています。特殊離婚率（年間の離婚件数を婚姻件数で割った値）は36.3％、36.0％、38.5％、38.5％、37.4％と「3組に1組は離婚する」と言われる時代のさらに上をいく数値となっており、兵庫県の令和4年度の特殊離婚率37.9％（婚姻件数20,844組、離婚件数7,902組）とほぼ同じでした。2020年から2021年にかけてはコロナ禍の影響により全国で婚姻件数が大きく減少し、神戸市は特に下がり幅が大きくなっています。令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症が「５類感染症」となり人と接触する機会が増えたことから、婚姻件数は増加に傾くと予想されます。

• 参考：厚生労働省 婚姻件数，都道府県（特別区－指定都市再掲）・届出月別

• 参考：厚生労働省 離婚件数，都道府県（特別区－指定都市再掲）・離婚の種類別

※本テキストは2024年11月の情報に基づいています