広島市で離婚手続きを弁護士に相談する

離婚を考える際、スムーズに話し合いが進み、夫婦がお互いに納得できる条件で離婚ができれば、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。しかし、相手と話ができない・しづらい場合や財産分与や養育費などの条件が折り合わない場合は、弁護士を頼ると法的知識に基づいた交渉を冷静に進めることができ、離婚成立までの時間の短縮や、精神的負担の軽減につながりやすくなります。広島市にも離婚に強い弁護士事務所や離婚の相談ができる法律相談窓口が多数存在します。弁護士事務所は初回無料で相談できるところもありますので、まずは自分に合った相談先を見つけましょう。

広島市の特徴と離婚の相談ができる弁護士事務所

広島市は広島県西部にある県庁所在地で、2025年2月末日現在の人口は1,172,055人（男性566,934人・女性605,121人）となっています。中国地方最大の都市として発展してきた広島市には、新幹線やJR山陽本線をはじめとする鉄道路線、広島電鉄、市内バス網が張り巡らされており、広島空港や高速道路ともつながる高い交通利便性を誇ります。

広島駅周辺は再開発等が進み、商業施設やオフィスビル、ホテルなどが集積しており、ビジネスや観光の拠点としてにぎわいを見せています。また、広島市は「平和都市」としての顔も持ち、世界遺産に登録された原爆ドームや、広島平和記念資料館、平和記念公園には国内外から多くの人々が訪れ、平和文化を学ぶ場となっています。一方で、広島市の郊外には自然豊かな山々や瀬戸内海が広がっており、都市と自然のバランスがとれた住みやすい環境が整っています。このように広島市は、多様な機能を兼ね備えた中四国地方を代表する都市として、家族連れを中心に高い人気があります。

令和7年2月末日時点、広島市の人口1,172,055人のうち0～14歳の人口が145,120人、 15～64歳までが715,999人、65歳以上が310,936人で、高齢化率は26.5％となりました。

離婚を考えている若いファミリー世代の場合、持ち家の住宅ローンなどの財産分与や未成年の子どもの親権、養育費の問題でトラブルが起こる可能性があります。トラブルが深刻化するようであればまずは弁護士に相談することをおすすめします。広島市では広島電鉄の家庭裁判所前駅から八丁堀駅にかけて弁護士事務所が集積しています。離婚の相談に応じている事務所もあるでしょう。また交通利便性が高いため、電車を利用して近隣都市の事務所から探してみてもいいでしょう。離婚は非常にプライベートな問題であり、自分とフィーリングがあう弁護士を選ぶことが大切です。初回は無料相談に応じている事務所もありますので、比較検討して自分が安心して任せられる事務所を選びましょう。

• 参考：広島広域都市圏・広島県オープンデータポータルサイト date eye 広島市_地域・年齢別人口

広島市の離婚の弁護士相談窓口

広島市で弁護士に離婚問題や離婚手続きの相談をしたい場合、弁護士事務所だけでなく、弁護士会の法律相談センターや法テラスを利用して相談することもできます。法テラスの利用には所得による制限などがあるため、利用の際はウェブサイトで確認し、事前に問い合わせをしておくといいでしょう。

広島市の法律相談センター

広島弁護士会は県内5カ所に法律相談センターを設置し、離婚など法律が絡む問題の相談に応じています。広島市には「法律相談センターひろしま」があり、毎日10時10分から16時25分まで相談を行っています。相談は原則有料で、電話もしくはWebでの予約が必要です。離婚問題で悩んだら、まずはこうした窓口を利用するのもひとつの方法です。

• 参考：広島弁護士会 法律相談センター

広島市の法テラス

法テラス（日本司法支援センター）は国によって設立された法的トラブルに悩む人のための総合案内所です。借金などの金銭トラブル、相続・成年後見、労働問題や離婚・DV、賃貸借契約などあらゆる法的な相談に対応し、適切な相談窓口を案内してくれます。また経済的に余裕のない方は、法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立て替え制度を利用することができます。利用には収入等の条件がありますので詳細はWEBサイトでご確認ください。

また法テラスにはサポートダイヤルがあり、オペレーターがお悩みの法的トラブルに対し適切な情報や自治体など公的機関の各種相談窓口を紹介してくれます。利用件数は令和6年3月末の段階で600万件を突破しています。離婚に向けて何をしたらいいのか分からない、という方はまずはオペレーターに相談してみるといいでしょう。

• 参考：日本司法支援センター法テラス　身近な法的トラブルでお悩みの方

• 参考：日本司法支援センター法テラス「広島県」

広島市が実施する法律相談窓口

広島市の市民相談センターが実施する「弁護士による法律相談」では離婚などに関する相談を受け付けています。対象者は広島市民のみで、すでに弁護士などに委任済みの場合は利用できません。相談日時は水曜日・金曜日・土曜日の13時から16時までで、1人あたりの相談時間は30分以内です。予約が必要なので、あらかじめ広島市のウェブサイトで詳細を確認してください。

• 参考：広島市 弁護士による法律相談

広島市で離婚の手続きを進めるには

離婚手続きを進める際には、まず離婚に関する条件を双方で話し合う必要があります。お互いに合意できたら「離婚協議書」を作成します。離婚協議書には話し合って決めた内容を記載し、さらに公証役場で公正証書化しておくと安心です。その後「離婚届」を役所に提出すれば離婚が成立します。また離婚の話し合いがまとまらず協議離婚が不成立となった場合には、裁判所が関与する裁判離婚へと進みます。

広島市を管轄する家庭裁判所

家庭裁判所は離婚調停、離婚に関わる審判や裁判に対応しています。広島市には広島家庭裁判所があります。「配偶者と離婚の条件が折り合わない」「相手が離婚したがらず話に応じてもらえない」など夫婦間で話し合っても解決が得られない場合には、まずは家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停申し立ての窓口は「家事訟廷書記官室」で、申立手数料として収入印紙1,200円と申立書、3カ月以内に発行された夫婦の戸籍謄本（全部事項証明書）などが必要です。詳細についてはWEBサイトで確認してみるといいでしょう。

• 参考：広島家庭裁判所

• 参考：裁判所 離婚調停を申し立てる方へ

広島市の行政の窓口

役場では「離婚届」のほか「離婚の際に称していた氏を称する届」「入籍届」「住民票の世帯分離」といった届出や、国民年金や児童手当などの手続きを受け付けています。「離婚届」を提出したことにより派生するさまざま手続きも忘れずにおこないましょう。広島市で離婚届の提出を受け付けているのは、市内の各区役所・出張所です。受付時間は月曜日から金曜日の8時30分から17時15分です。休日・夜間であっても、各区役所の夜間窓口で戸籍の預かり業務を行っています。なお、内容の審査は後日となる点に注意してください。

• 参考：広島市

• 参考：広島市 区役所・出張所などへのアクセスとお問合わせ先

広島市の公証役場

夫婦間で離婚に関する条件に合意を得たら、離婚協議書を作成します。離婚協議書の内容は公証役場で公正証書にしておくと、後々のトラブルを回避できるため安心です。離婚が成立した後に、パートナーが養育費や財産分与などの支払いを怠った際には支払いの強制執行を行使して、財産や給料などの差し押さえをすることができます。

• 参考：広島公証人合同役場

広島市における配偶者からの暴力全般に関する相談先

「性格の不一致」や「異性関係」とともに離婚原因の上位を占めるのが配偶者からの暴力（DV）や精神的虐待です。

広島市には「配偶者暴力相談支援センター」があり、配偶者からの暴力（DV）に悩む人のために、女性相談員による相談を行っています。また、休日には電話によるDV相談も実施しています。配偶者からの暴力は一人で抱え込まず、こうした専門機関への相談を検討しましょう。

• 参考：広島市 配偶者暴力相談支援センター

広島市における近年の婚姻・離婚の件数

厚生労働省の人口動態調査によると、広島市の婚姻件数は2019年（令和元年）～2023年度（令和5年）の5年間にかけて6,236組、5,581組、5,310組、5,202組、5,007組と推移しており、また離婚件数は1,997組、1,894組、1,780組、1,754組、1,850組と推移しています。特殊離婚率（年間の離婚件数を婚姻件数で割った値）は32.0％、33.9％、33.5％、33.7％、36.9％とおおむね「3組に1組は離婚する」と言われる時代を反映する数値となっているものの、広島県の令和5年度の特殊離婚率40.6％（婚姻件数10,083組、離婚件数4,103組）よりは低いです。また2020年に婚姻件数が著しく減少していますが、これはコロナ禍の影響が大きいと考えられます。その後も婚姻件数は減少傾向にあるものの、令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症が「５類感染症」となり人と接触する機会が増えたことから、今後、婚姻件数は増加に転じる可能性があります。

• 参考：厚生労働省 婚姻件数，都道府県（特別区－指定都市再掲）・届出月別

• 参考：厚生労働省 離婚件数，都道府県（特別区－指定都市再掲）・離婚の種類別

※本テキストは2025年5月の情報に基づいています