江東区で財産分与を弁護士に相談する

スムーズに話し合いが進み、夫婦がお互いに納得できる条件で離婚ができれば、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。しかし、相手と話がしづらい場合や財産分与や養育費などの条件面で折り合いがつかない場合には、弁護士を頼ると法的知識に基づいた交渉を冷静に進めることができます。離婚成立までの時間を短縮できるので、精神的負担を大きく軽減できるでしょう。江東区には、離婚に強い弁護士事務所や離婚の相談ができる法律相談窓口が多数存在します。弁護士事務所は初回無料で相談できるところもあるので、まずは自分に合った相談先を見つけましょう。

東京都江東区の特徴と離婚の相談ができる弁護士事務所

東京都江東区は東京都区部の東部にある特別区で、2024年12月1日現在の人口は541,968人（男性265,797人・女性276,171人）です。大きく3つのエリアに分けられ、富岡八幡宮や深川不動堂がある深川エリアと亀戸天神社や砂町商店街がある城東エリアは、江戸時代の伝統や文化が息づく下町情緒あふれる街並みが特徴です。一方、東京湾に面する臨海部エリアには高層ビル群や芸術・文化施設、公園などがつくられ、未来的な雰囲気が漂っています。

臨海部エリアには国内最大の国際展示場である「東京ビッグサイト」 があり、コミックマーケットや企業説明会などさまざまなイベントが開催されています。また、お台場にある「日本科学未来館」は宇宙や地球環境などに関する多彩な展示で最先端技術を学ぶことができ 、中高生の授業や修学旅行の一環としても利用されています。さらに、東京都の新しい台所として建設された「豊洲市場」には、国内外問わず多くの観光客が訪れています。このように、江東区は文化や教育、観光において都内で主要な役割を担う一方、区内には「シンボルプロムナード公園」や「猿江恩賜公園」など大きな公園もあり、水や緑が近い都会として家族連れにも人気の高い都市です。

2024年12月1日現在、江東区では人口541,968人のうち0～14歳の人口が64,743人、15～64歳までが364,601人と、65歳以上の人口112,624人を大きく上回っています。高齢化率は20.7％と、全国平均の29％よりも低い数値となっているのが特徴です。

離婚を考えている若いファミリー世代の場合、持ち家の住宅ローンを含む財産分与や未成年の子どもの親権、養育費の問題でもめる可能性があります。トラブルが深刻化するようであれば、まずは弁護士に相談することをおすすめします。江東区では区内全域に弁護士事務所が点在しており、離婚の相談に応じている事務所も多数あります。日常的に車や電車を利用している人は、少しエリアを広げて近隣地域でも事務所探しをしてみてもいいでしょう。離婚は非常にプライベートな問題であり、自分とフィーリングが合う弁護士を選ぶことが大切です。初回は無料相談に応じている事務所もあるので、比較検討して自分が安心して任せられる事務所を選びましょう。

• 参考：江東区 年齢・男女別人口（毎月1日現在）

東京都江東区の離婚の弁護士相談窓口

江東区で弁護士に離婚問題や離婚手続きの相談をしたい場合、弁護士事務所だけでなく、弁護士会の法律相談センターや法テラスを利用して相談することもできます。法テラスの利用には所得による制限などがあるため、利用の際はウェブサイトで確認しておくとよいでしょう。

東京都江東区周辺の法律相談センター

東京都の3つの弁護士会（東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会）が運営する「法律相談センター」では、離婚に関する相談を有料で受け付けています。江東区周辺には千代田区の「霞が関法律相談センター」と墨田区の「錦糸町法律相談センター」があります。離婚に関する相談日時は月曜日から金曜日（祝祭日を除く）の10時から12時と13時から16時、これに加えて錦糸町法律相談センターでは水・木曜日の17時から20時も相談に応じています。離婚に悩んだら、まずはこうした窓口を利用してみるのも一つの方法です。

• 参考：弁護士会の法律相談センター

東京都江東区周辺の法テラス

法テラス（日本司法支援センター）は、国によって設立された法的トラブルに悩む人のための総合案内所です。借金などの金銭トラブル、相続・成年後見、労働問題や離婚・DV、賃貸借契約などあらゆる法的な相談に対応し、適切な相談窓口を案内してくれます。経済的に余裕のない人は、無料法律相談や弁護士費用の立て替え制度を利用することができます。利用には収入等の条件があるので、詳細はウェブサイトで確認しておきましょう。

また法テラスにはサポートダイヤルがあり、オペレーターがお悩みの法的トラブルに対し、適切な情報や自治体など公的機関の各種相談窓口を紹介してくれます。利用件数は令和6年3月末の段階で600万件を突破しています。離婚に向けて何をしたらいいのか分からない、という方はまずはオペレーターに相談してみるとよいでしょう。

• 参考：日本司法支援センター法テラス　身近な法的トラブルでお悩みの方

• 参考：日本司法支援センター法テラス「東京都」

東京都江東区のひとり親家庭を対象とした相談窓口

江東区では、ひとり親家庭の経済的な問題、住まい、こどもの就学問題など、さまざまな相談に母子・父子自立支援員が応じる「母子・父子相談」を行っています。相談日時は年末年始・祝日を除く月曜日～金曜日の8時30分から17時（12時から13時は受付のみ）で、面談または電話による相談が可能です。江東区のウェブサイトで詳細を確認のうえ、利用を検討してみてください。

• 参考：江東区 母子・父子相談

東京都江東区で離婚の手続きを進めるには

離婚手続きを進める場合、まずは離婚に関する条件を双方で話し合う必要があります。財産分与や養育費などの条件面でお互いに納得できたら、合意内容を記載した「離婚協議書」を作成します。離婚協議書には話し合って決めた内容を記載しますが、できれば公証役場で公正証書化しておくとよいでしょう。その後「離婚届」を役所に提出すれば離婚が成立します。もし離婚の話し合いがまとまらず協議離婚が不成立となった場合には、裁判所が関与する離婚調停や離婚裁判での離婚をめざすことになります。

東京都江東区を管轄する家庭裁判所

家庭裁判所は離婚調停、離婚に関わる審判や裁判に対応しています。江東区の案件を管轄しているのは千代田区にある東京家庭裁判所です。「配偶者と離婚の条件が折り合わない」「相手が離婚したがらず話に応じてもらえない」など夫婦間で話し合っても解決が得られない場合には、まずは家庭裁判所への調停申立てを検討することになります。調停申し立ての窓口は「家事訟廷事件係」で、申立手数料として収入印紙1,200円と申立書、3カ月以内に発行された夫婦の戸籍謄本（全部事項証明書）などが必要です。詳細については裁判所のウェブサイトで確認しておきましょう。

• 参考：東京家庭裁判所

• 参考：裁判所 離婚調停を申し立てる方へ

東京都江東区の行政の窓口

区役所では、「離婚届」のほか「離婚の際に称していた氏を称する届」「入籍届」「住民票の世帯分離」などの各種届出や、国民年金や児童手当などの手続きを受け付けています。「離婚届」を提出したことにより派生するさまざま手続きも忘れずに行いましょう。江東区で離婚の届出を受け付けているのは、江東区役所戸籍係と豊洲特別出張所戸籍係です。受付時間は平日8時30分から17時までですが、水曜日には19時まで延長しているほか、原則第2日曜日にも9時から16時まで窓口を開設しています。また、これらの時間外でも江東区役所1階の宿直室で夜間・休日の受付もしているため、仕事や育児で忙しい方でも届け出がしやすくなっています。詳細は江東区のウェブサイトでご確認ください 。

• 参考：江東区

• 参考：江東区 豊洲特別出張所

東京都江東区周辺の公証役場

夫婦間で離婚に関する条件に合意できたら、合意内容を記載した離婚協議書を作成します。離婚協議書の内容は公証役場で公正証書にしておくと、後々のトラブルを回避できるため安心です。離婚が成立した後に、パートナーが養育費や財産分与などの支払いを怠った際には、強制的に財産や給料などを差し押さえることができます。

• 参考：東京法務局 公証役場一覧

東京都江東区における配偶者からの暴力全般に関する相談先

「性格の不一致」や「異性関係」とともに、離婚原因の上位を占めるのが配偶者からの暴力（DV）や精神的虐待です。

東京都には20カ所以上の配偶者暴力相談支援センターや関連施設があり、各センターには毎年1,000件以上の悩みが寄せられています。江東区では配偶者からのDVについて悩む女性を対象とした「女性のなやみとDV相談」や「女性相談」、DV被害に悩む男性からの相談に電話で応じる「男性DV電話相談」を設けています。それぞれ相談日時が異なるほか、予約が必要な窓口もあるため、詳細は江東区のウェブサイトでご確認ください。

• 参考：江東区 女性のなやみとDV相談

• 参考：江東区 男性DV電話相談

• 参考：江東区 女性相談

東京都江東区における近年の婚姻・離婚の件数

東京都保健医療局の調査によると、江東区の婚姻件数は2018年（平成30年）から2022年度（令和4年）の5年間にかけて3,129組、3,227組、2,890組、2,657組、3,048組と推移しています。また、離婚件数は914組、915組、822組、791組、742組と推移しています。特殊離婚率（年間の離婚件数を婚姻件数で割った値）は29.2％、28.3％、28.4％、29.7％、24.3％となっており、「3組に1組は離婚する」と言われる時代のなかではやや低い値で推移していることがわかります。ただし、この数字は東京都の令和4年度の特殊離婚率25.6％（婚姻件数75,179組、離婚件数19,255組）とほぼ同じ数値となっています。2020年、2021年と婚姻件数の減少が顕著に見られましたが、これはコロナ禍の影響もあったと考えられます。コロナ禍が落ち着いてきた2022年には江東区の婚姻件数が一気に増加しており、令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症が「５類感染症」となったことで、今後さらに増加する可能性があります。

• 参考：東京都保健医療局 人口動態統計 年次推移（区市町村別）『婚姻・離婚件数（平成14年～令和5年）』

• 参考：令和4年 東京都人口動態統計年報（確定数）のあらまし p.5

※本テキストは2024年12月の情報に基づいています