一宮市で財産分与を弁護士に相談する

離婚を考える際、スムーズに話し合いが進み、夫婦がお互いに納得できる条件で離婚ができれば、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。しかし、相手と話ができない・しづらい場合や財産分与や養育費などの条件面で折り合いがつかない場合には、弁護士を頼ることで法的知識に基づいた交渉を冷静に進めることができます。離婚成立までにかかる時間を短縮できるので、精神的負担の軽減につながりやすくなります。一宮市には、離婚に強い弁護士事務所や離婚の相談ができる法律相談窓口が多数存在します。弁護士事務所は初回無料で相談できるところもあるので、まずは自分に合った相談先を見つけましょう。

一宮市の特徴と離婚の相談ができる弁護士事務所

一宮市は名古屋市の北西部にある市で、2025年1月1日現在の人口は376,861人（男性183,875人・女性192,986人）となっています。名鉄名古屋線が通る名鉄一宮駅とJR東海道本線が通る尾張一宮駅は、並行に位置する市のターミナル的な存在で、岐阜や名古屋へのアクセスが良好なため 、毎日多くの人が出勤や通勤で利用しています。

また、一宮市には長野県から伊勢湾まで流れる木曽川 が通っており、古くから水と緑を活かした毛織物が盛んに行われていました。世界三大毛織物産地としても知られ、今もなお毛織物業を営む歴史的建造物や街並みが残っています。さらに、川沿いには緑豊かな公園やスポーツ広場などもあり、大都市名古屋のベッドタウンとして機能しながらも、伝統や文化、自然が身近に感じられる一宮市は、単身世帯だけでなくシニア層や若いファミリー層にも人気の高い街です。

2025年1月1日現在、一宮市の人口376,861人のうち0～14歳が45,087人、15～64歳が228,111人、65歳以上が103,663人で、高齢化率は27.5％となっています。

離婚を考えている若いファミリー世代の場合、持ち家の住宅ローンを含む財産分与や未成年の子どもの親権、養育費の問題でもめる可能性があります。トラブルが深刻化するようであればまずは弁護士に相談することをおすすめします。一宮市では名鉄・JR一宮駅の周辺に弁護士事務所が集まっており 、離婚の相談に応じている事務所も多数あります。またその交通の利便性から名古屋方面にもアクセスしやすいため、少しエリアを広げて事務所探しをしてみてもよいでしょう。離婚は非常にプライベートな問題であり、自分とフィーリングが合う弁護士を選ぶことが大切です。初回は無料相談に応じている事務所もあるので、比較検討して自分が安心して任せられる事務所を選びましょう。

• 参考：一宮市 一宮市の人口年齢別

一宮市の離婚の弁護士相談窓口

一宮市で弁護士に離婚問題や離婚手続きの相談をしたい場合、弁護士事務所だけでなく、弁護士会の法律相談センターや法テラスを利用して相談することもできます。法テラスの利用には所得による制限などがあるため、利用の際はウェブサイトで詳細を確認しておきましょう。

一宮市の法律相談センター

愛知県弁護士会が運営する法律相談センターでは、弁護士が離婚に関する相談を受け付けています。一宮市には「一宮法律相談センター」があり、離婚問題を含む一般相談は毎週月・木曜日（祝日、年末年始等を除く）の13時30分から16時30分までおこなっています。また、通常の相談日時以外であっても、予約をすれば担当弁護士の事務所で相談が可能です。予約方法などの詳細は愛知県弁護士会のウェブサイトでご確認ください。

• 参考：愛知県弁護士会 地域の法律相談センター

一宮市周辺の法テラス

法テラス（日本司法支援センター）は国によって設立された法的トラブルに悩む人のための総合案内所です。借金などの金銭トラブル、相続・成年後見、労働問題や離婚・DV、賃貸借契約などあらゆる法的な相談に対応し、適切な相談窓口を案内してくれます。また経済的に余裕のない人であれば、法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立て替え制度を利用できる可能性があります。利用には収入等の条件があるので、詳細はウェブサイトでご確認ください。

また法テラスにはサポートダイヤルがあり、オペレーターがお悩みの法的トラブルに対し適切な情報や自治体など公的機関の各種相談窓口を紹介してくれます。利用件数は令和6年3月末の段階で600万件を突破しています。離婚に向けて何をしたらいいのか分からない、という方はまずはオペレーターに相談してみるとよいでしょう。

• 参考：日本司法支援センター法テラス　身近な法的トラブルでお悩みの方

• 参考：日本司法支援センター法テラス「愛知県」

一宮市のひとり親家庭を対象とした相談窓口

一宮市では、母子家庭・父子家庭・寡婦の人を対象として、生活上の問題や就業、福祉資金の貸付に関する相談を受け付けています。面接もしくは電話での相談が可能で、相談時間は平日10時から12時、13時から16時30分です（祝日、12月29日から1月3日を除く）。一宮市のウェブサイトで詳細を確認のうえで利用を検討してみましょう。

• 参考：一宮市 ひとり親家庭相談

一宮市で離婚の手続きを進めるには

離婚手続きを進める際には、まず離婚に関する条件を双方で話し合う必要があります。お互いに合意できたら、離婚条件を記載した「離婚協議書」を作成します。離婚協議書は公証役場で公正証書化しておくと安心です。その後「離婚届」を役所に提出すれば離婚が成立します。もし離婚の話し合いがまとまらず協議離婚が不成立となった場合には、裁判所が関与する離婚調停や離婚裁判での離婚をめざします。

一宮市を管轄する家庭裁判所

家庭裁判所は離婚調停、離婚に関わる審判や裁判に対応しています。一宮市の案件を管轄しているのは名古屋家庭裁判所一宮支部です。「配偶者と離婚の条件が折り合わない」「相手が離婚したがらず話に応じてもらえない」など夫婦間で話し合っても解決が得られない場合には、まずは家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停申立ての窓口は「家裁書記官室」で、申立手数料として収入印紙1,200円と申立書、3カ月以内に発行された夫婦の戸籍謄本（全部事項証明書）などが必要です。詳細についてはウェブサイトで確認してみるとよいでしょう。

• 参考：名古屋家庭裁判所

• 参考：裁判所 離婚調停を申し立てる方へ

一宮市の行政の窓口

市役所では「離婚届」のほか、「離婚の際に称していた氏を称する届」「入籍届」「住民票の世帯分離」などの各種届出や、国民年金や児童手当などの手続きを受け付けています。「離婚届」を提出したことにより派生するさまざま手続きも忘れずにおこないましょう。一宮市内で離婚の届け出を受け付けているのは、市役所の本庁舎・尾西庁舎・木曽川庁舎と市内各地の出張所です。開庁時間は平日8時30分から17時15分までですが、本庁舎・尾西庁舎・木曽川庁舎では夜間・休日窓口にて閉庁時間内の提出を受け付けています。ただし、夜間・休日窓口に提出した離婚届の内容が審査されるのは翌開庁日になる点に注意してくださ い。

• 参考：一宮市

• 参考：一宮市 施設案内 市役所・出張所・公民館

一宮市の公証役場

夫婦間で離婚に関する条件に合意を得たら、離婚協議書を作成します。離婚協議書の内容は公証役場で公正証書にしておくと、後々のトラブルを回避できるため安心です。離婚が成立した後に、パートナーが養育費や財産分与などの支払いを怠った際には、強制的に財産や給料などの差し押さえをできるようになります。

• 参考：名古屋法務局 公証役場一覧

一宮市における配偶者からの暴力全般に関する相談先

「性格の不一致」や「異性関係」とともに離婚原因の上位を占めるのが、配偶者からの暴力（DV）や精神的虐待です。

愛知県には2つの配偶者暴力相談支援センターや関連施設があり、各センターには毎年800件近くの悩みが寄せられています。 一宮市では女性悩みごと相談を行っており、一宮市在住の女性を対象に、家庭内や男女間の問題、夫や恋人からの暴力（DV）に関する相談に応じています。相談は無料で、面接の場合は1回60分、電話の場合は1回20分です。

そのほか、「愛知県女性相談支援センター」では、一宮市を含む一部地域を対象とした尾張駐在室で電話相談を受け付けています。詳しくは一宮市や愛知県のウェブサイトで確認してみてください。

• 参考：一宮市 女性悩みごと相談

一宮市における近年の婚姻・離婚の件数

愛知県衛生年報によると、一宮市の婚姻件数は2018年（平成30年）から2022年度（令和4年）の5年間にかけて1,695組、1,738組、1,477組、1,444組、1,375組と推移しており、また離婚件数は642組、599組、610組、495組、544組と推移しています。特殊離婚率（年間の離婚件数を婚姻件数で割った値）は37.8％、34.4％、41.2％、34.2％、39.5％とおおむね「3組に1組は離婚する」と言われる時代を反映する数値となっており、愛知県の令和4年度の特殊離婚率33.0％（婚姻件数33,434組、離婚件数11,061組）よりも高めになっています。また2020年から2021年にかけて婚姻件数の減少が顕著に見られましたが、これはコロナ禍の影響もあったと考えられます。令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症が「５類感染症」となり人と接触する機会が増えたものの、熟年離婚や若年層の結婚意欲の低下が問題視されており、婚姻件数は緩やかな増加もしくは横ばいとなることが予想されます。

• 参考：愛知県 愛知県衛生年報

※本テキストは2025年2月の情報に基づいています